Episode2 古代崩壊惑星ルイン

  [chapter:燃料の危機]

  宇宙船ラストニャントリア号。

  この宇宙船は遥かな希望の星を目指し、今日も宙の航海を続けている。

  この船に乗っている者は少ないが、かつてこの宇宙の中で最も高度な文明で繁栄した星ニャントリアで総力を以て建造された船。

  星を飛び出してから今日で3年が経った今も支障なく飛び続けている。

  しかし、そんな高度な文明が生み出した宇宙船でもどうにもならない問題があった。

  『む、むむ…………』

  ラストニャントリア号中央制御室。

  モニターに何やら顰めたような面持ちの猫又のような映っている。

  このラストニャントリア号の中枢である独立星間渡航システム『NYADAM』が創り出したアバターであり、仮想人格を複合して併せ持つAIである。

  「マスター?

  ドウシマシタカ?」

  そんなNYADAMを見て声を掛けたのは、ピンクのラインが入った宇宙服を着たような人型の猫。

  彼こそNYADAMが惑星開拓のために創られたアストロキャッツであり、CAT−01という名前を持つ。

  元々はこことは別の世界にいた、どこにでもいるような人間だったがNYADAMによってこの世界に連れてこられ、改造された事によってアストロキャッツに生まれ変わったのだ。

  『おぉ、ちょうどいいニャス。

  CAT−01、もうじきこの宇宙船の燃料は尽きるニャス。

  そこでだ、オマエには先程話した惑星ルインで燃料の確保も頼みたいニャス。

  アストロキャッツの力ならお茶の子さいさいなはずニャス。

  頼むニャスよ。』

  「了解シマシタ、マスター。

  オーダー確認。

  惑星ルインニテ、ラストニャントリア号ノ燃料ノ確保、タスクリスト二追加シマス。」

  『おぉ、頼もしいニャス。

  惑星ルインにはもうすぐ着くはずニャス。

  初ミッション、必ず成功させるニャス!』

  「イエス、マスター。」

  NYADAMが言う通り、目の前にはある星が近づいていた。

  惑星ルイン。

  そこは命ある者が住むには過酷すぎる環境の星。

  ニャントリアの命運を賭けたCAT−01の初めてのミッションが始まろうとしていた………。

  [newpage]

  [chapter:仮想世界]

  唐突だが、まずはこの世界について話をしよう。

  この世界は『ユニバースクラフト』というゲームの世界であり、我々が住む現実世界から見れば仮想世界にあたる。

  しかし、ゲームとして開発された世界とこの異世界は異なる点がある。

  そのゲームを創った者も知らない事がこの世界にあったのだ。

  例えば、先ほどのNYADAMはその代表的なものといえる。

  ゲームとしてのユニバースクラフトはプレイヤーが無人の星を開拓して一大文明を築き、それは最終的に『ニャントリア』という最も栄えた星になってエンディングを迎えるという内容だった。

  それに対し、この世界ではその『ニャントリア』は星の寿命を迎えており、その前に最後の希望として宇宙船ラストニャントリア号とその航行システムの『NYADAM』をこの宇宙に放っていた。

  つまりは時代が異なるのだ。

  どうしてこんな事になっているのか、答えを知る者はいない。

  次に、これまでのおさらいをしよう。

  こことは別の世界の人間、プログラマーの増田佐之助はいつも通り出勤し、ゲームの最終調整を行うところから話が始まる。

  ゲームのデータが入ったフォルダの中に不審なデータを見つけた佐之助はそれを削除しようとすると、パソコンの画面から発される謎の光によってこの世界へ引きずり込まれた。

  目を覚ますとそこは見知らぬ宇宙船の中で、その制御システムのNYADAMによってここに連れてこられた事を知る。

  佐之助の悲劇はそれだけにとどまらず、NYADAMは彼をアストロキャッツと呼ばれる開拓ロボットのような存在に変えてしまった。

  今の佐之助は自分がかつて人間だった事を忘れ、アストロキャッツ「CAT−01」として生きていくことになったのだ。

  良くも悪くも、かつての自分を失ったCAT−01は今の状況を嘆くことはなく当たり前のように受け入れている。

  そして、ニャントリア再興のためその力を惜し気もなく振るうことになる。

  宇宙船ラストニャントリア号はじき新天地に着陸する。

  その先に待つものは希望か、それとも………?

  [newpage]

  [chapter:はじめての開拓]

  惑星ルイン。

  空はいつも暗く、空気は淀み、大地は不毛の荒野と化した暗闇の星。

  ここで開拓の第一歩が始まる。

  ラストニャントリア号は比較的平らな場所に着陸し、CAT−01は周辺の探索を開始する。

  『まずは着陸できたニャス。

  周囲はどうニャス?』

  「………生命反応ハ、アリマセン。

  酸素濃度1%以下………大気中ノ有害物質……60%以上。

  ココハ、開拓二不向キデス。」

  『ううむ…………まずは燃料を補給することを最優先するニャス。』

  「了解シマシタ、マスター。」

  CAT−01は周囲の探索を開始する。

  アストロキャッツには様々な機能がある。

  まずは極限環境に対する高い耐久性だ。

  アストロキャッツのボディはこの惑星ルインの大気に満ちる有害物質から200度の超高温やマイナス250度の超低温の環境にも耐える驚異的な耐久性が備わっている。

  これにより様々な惑星での活動を可能にしている。

  次はヘッドの猫の耳部分についたソナー。

  周囲に生物には感知できない観測波を定期的に発し、地形情報を半径20kmまでの範囲を収集し、スパコンである脳で随時処理し記録していく。

  臀部から伸びる尻尾も別のソナーとなっており、NYADAMのライブラリにある有益資源を検知する役割を持つ。

  とは言え、見渡す限りの荒野が広がる星ではそんな資源があるかも分からない。

  CAT−01の探索は難航した。

  「周囲二反応…………ナシ。

  探索ヲ、続行シマス。」

  探索を開始して数時間。

  CAT−01は休むことなく探索を続ける。

  その時、NYADAMからの通信が入る。

  『CAT−01、体内バッテリーの残量の報告をするニャス。』

  「了解シマシタ。

  バッテリー残量、90%以上デス。」

  『おぉ、流石吾輩のアストロキャッツニャス!

  その調子で頼むニャス。』

  「イエス、マスター。」

  ここでアストロキャッツの体内バッテリーについて話をしよう。

  先に述べたアストロキャッツの機能や後に登場する機能もすべて人間の肉体をまるごと改造したバッテリーを動力源としている。

  肉体はそのようになっているが、人間時からもともとあった運動機能や思考機能等は損なうことなく動力源そのものに変えたのだ。

  そのためアストロキャッツは人間の時のような食事や睡眠を必要とせず、フル稼働で3日くらいは活動可能となっている。

  ただ、バッテリーの残量が10%以下になると自動的にセーフモードに移行し、活動を最小限に抑えるようになる。

  バッテリーは宇宙船に戻れば充電できるが、今は燃料が底を尽きかけているため今はそれも叶わないのだ。

  どちらにしてもこの星で燃料を見つけなければ死活問題なのだ。

  アストロキャッツの未知の探索はまだ続く………。

  [newpage]

  [chapter:掘削と建築]

  しばらく何も無い不毛の大地を歩いていたCAT−01。

  その時、尻尾のソナーがゆらゆら動いた。

  「近クニ資源ノ反応ヲ確認…………。」

  CAT−01は反応があった場所に向かう。

  そこは一見すると何もない。

  しかし、CAT−01の尻尾のソナーはここに目的のものを検知していた。

  CAT−01は背中のバッグからあるものを取り出した。

  それは巨大な掘削ドリルのようなもの。

  明らかにバッグに入らないであろうソレには秘密があった。

  まずは背中のツールバッグ。

  これは内部が4次元空間に繋がっており、ここから個別に開拓や建築に適したツールへアクセスする事で簡単に取り出せる。

  しまう時もバッグに入れるだけ。

  そして、特筆すべきはアストロキャッツが扱うツールだ。

  「[[rb:掘削 > ディギング]]ヲ実行シマス。」

  CAT−01がドリルを地面に軽く突き刺すと、そこには劇的な変化が起きた。

  地面に1メートル四方のブロックで構成されたような穴ができ、下に安全に降りられる簡易的な階段も同時に作られた。

  巻き上げられた砂や土もブロック状に固められ、作業の妨げにならない場所に自動的に積み上げられる。

  数回ドリルで地面を刺すだけでブロックで出来た工事現場のように整う。

  これこそアストロキャッツの能力のひとつ。

  高度な文明の星ニャントリアで培われた技術の結晶であり、再興の希望そのものである。

  数分して、穴から緑の液体に満ちた地底湖が見つかった。

  それこそが宇宙船を動かすための燃料の原油だった。

  「マスター、報告シマス。

  燃料ノ原油ヲ発見シマシタ。」

  『おぉ、でかしたぞCAT−01!

  では早速そっちに宇宙船を移すニャス。

  オマエは精油施設ならびに給油施設を建てておくニャス。』

  「了解シマシタ、マスター。

  [[rb:採掘 > マイニング]]及ビ[[rb:建築 > ビルド]]ヲ実行シマス。」

  CAT−01はNYADAMとの通信を終えると、ドリルをバッグにしまい今度は歯車が多数付いた機械的な意匠のピッケルを取り出す。

  それを振り下ろすと、一瞬で鉱石を掘るための坑道が造られ、地中に埋まっていた金属の鉱石が顔を出した。

  ピッケルを用いて鉱石を叩くと、鉱石は原石になってブロック状に固められ、整頓される。

  充分な量の金属を採掘すると、今度はピッケルをしまいハンマーを取り出す。

  ハンマーも先ほどのピッケルのように複数の歯車が付いた機械的な意匠がされており、ただのハンマーでない事は一目見れば判る。

  そのハンマーで先程採掘した金属の原石を叩くと、それは一瞬であるものに姿を変える。

  それは原油を汲み上げるポンプと精油設備で、さらにハンマーを叩く事で給油施設もあっという間に建った。

  ドリルで積み上がった砂と土を叩く事で掘った穴を一瞬で綺麗に埋め立てられ、宇宙船が着陸できるポートが出来上がった。

  ここまで数分。

  さっきまで何もなかった場所に、立派な給油施設と宇宙船用のポートが造られたのだ。

  そこに宇宙船ラストニャントリア号が着陸した。

  『でかしたニャス!

  これで給油が必要なときにここを拠点にできるニャス。

  ご苦労だったぞCAT−01。

  一旦宇宙船に戻るニャス。』

  「マスターノオ役二立テテ何ヨリデス。

  了解シマシタ、マスター。」

  宇宙船の給油開始を見届けたCAT−01は一度、その中に帰還した。

  [newpage]

  [chapter:戯れ]

  宇宙船ラストニャントリア号の中央制御室。

  そこに戻ったCAT−01は自身の主がいるモニターの前に立っていた。

  アストロキャッツの存在を感知して、モニターに映像が映し出された。

  『初のミッション、大義ニャス。

  ご褒美に吾輩の部屋に招待するニャス。』

  そう言うと、CAT−01の目の前に青く光るサークルが現れる。

  「感謝シマス、マスター。」

  そのサークルはワープポイントとなっているようで、CAT−01がその中に入ると一瞬の閃光を発してその姿が消えた。

  ワープした先は天蓋ベッドがある豪華な部屋。

  ところどころブロックで出来た家具や置物があり、ここにもニャントリア建築の影響が伺えた。

  「よく来た、我がアストロキャッツよ。

  こうして間近で見るのは初めてニャスね。」

  そこに居たのは、モニター越しでよく見たNYADAMそのものだった。

  貴族のような豪奢な衣装を来た黄色い猫又………それが初めて近くで見たNYADAMの佇まい。

  「ニャハハ、これはアバターニャス。

  いつまでもモニター越しはどうかと思ってな。

  これから吾輩のために働いてくれるアストロキャッツのため、こうして実体を得たニャス。」

  NYADAMはCAT−01の近くに寄り、まるでお気に入りのおもちゃを眺めるように、舐め回すように見ていた。

  「マスター?」

  そして、そっと身体を触る。

  アストロキャッツのボディは思いのほか柔らかく、ふにふにして弾力性がある。

  いかなる汚れにも強く、常に滑らかな光沢を放っている。

  「ふぅむ、吾輩ながら中々の出来ニャス。

  今まで話す相手もいなかった故か、吾輩、オマエを手放したくないニャス。」

  「マスター?」

  そんなNYADAMを見たCAT−01は状況が飲み込めないでいた。

  「そぉーれ、ふにふにニャース♡」

  NYADAMはCAT−01をもみもみする。

  「マスター/////クスグッタイデス////」

  「ニャハハ♡

  オマエは吾輩のアストロキャッツニャス〜好きにさせるニャス〜♡」

  CAT−01はそんな困った主のされるがままに身体を好きに弄られる。

  「マスター/////

  ソコハ////アマリ/////」

  「ニャハハ〜♡

  ほーれほれ〜♡」

  NYADAMは完全にドラネコと化していた。

  よほどアストロキャッツの触り心地が気に入ったのだろう。

  「/////////」

  顔のないアストロキャッツでも顔を赤らめたような仕草をとっている。

  それが余計にNYADAMの好奇心に火をつけてしまった。

  「CAT−01。」

  NYADAMは脈絡なくそうアストロキャッツを呼ぶ。

  「マスター?」

  と、振り返ろうとしたその時、CAT−01は天蓋ベッドに押し倒された。

  「!?」

  そこに、NYADAMがむぎゅっと抱きついてきた。

  「ニャハハ〜ひっかかったニャス♡」

  「…………マスター////」

  まるで無邪気な子供が甘えるようにCAT−01に頬ずりする。

  「ん〜この感触、たまらんニャス♡」

  CAT−01もそっと主の頭をなでなでする。

  「うにゃあ♡」

  借りてきた猫のように甘い鳴き声を発するNYADAM。

  

  「マスター………カワイイデス♡」

  攻守は逆転し、今度はCAT−01が主であるNYADAMをよしよしして甘えさせる。

  しかし、それはNYADAMのある計算的な行動だった。

  「…………CAT−01、オマエのストレス値も落ち着いてきてるニャス。」

  子猫の演技を解いたNYADAMは冷静にそうアストロキャッツに告げる。

  「……ストレス値スクリーニング………数値、安定域マデリラックスヲ確認。

  マスター、アリガトウゴザイマス。」

  「ニャハハ、オマエは吾輩の右腕ニャス。

  その分これからしっかり働いてもらうニャス。」

  「了解シマシタ、マスター。」

  「………と、それはそれとして今晩は吾輩と一定に寝るニャス♡

  とは言っても、オマエは眠らないニャスが………。」

  こうして、宇宙船の中で二人きりの一晩を過ごしたのだった。

  [newpage]

  [chapter:新たな指令]

  ここはCAT−01に与えられた部屋。

  部屋と言っても充電ユニット付きの寝台と外が見える窓しかない真っ白な部屋だ。

  CAT−01は次のミッションに向けて充電中だ。

  アストロキャッツは睡眠は必要ないが、充電中は[[rb:休眠状態 > スリープモード]]となり充電が終わるまでじっと動かない。

  それは休息を取らないアストロキャッツにとっての唯一の休息。

  その最中、CAT−01は夢を見ていた。

  普通の家に生まれた赤ん坊。

  それは普通に育ち、少年になった。

  少年は夢の中でCAT−01に背を向けていた。

  CAT−01はその少年に触れようとした………

  あと少し、手が触れる距離で充電完了となり強制的に起動する。

  「……充電完了、シマシタ。

  ………今、ノハ………?」

  見知らぬ人間。

  見知らぬ少年。

  あの人間が誰であるか、CAT−01には知る由はなかった。

  「…………マスターガ呼ンデイマス。

  中央制御室へ………。」

  夢の余韻に浸る暇もなく、ひとつの星の希望を背負ったアストロキャッツは、何の迷いもなく部屋から出た。

  中央制御室。

  そこで、モニター越しにNYADAMが待っていた。

  『よく来たニャス。

  その様子だと、心身ともにバッチリなようニャス。

  CAT−01、オマエに新たな指令を与える。

  ここより東に巨大なシェルターと思われる建造物を確認したニャス。

  今からその建造物の調査に行くニャス。』

  「オーダー確認。

  東ニアル建造物ノ調査。

  了解シマシタ、マスター。」

  こうしてアストロキャッツ、CAT−01は新たなミッションに赴くのであった……。

  ▶▶▶Episode3へ続く

  [newpage]

  [chapter:おまけ(ここまでの設定資料)]

  【登場人物】

  ◆増田佐之助(ますだ さのすけ)/CAT−01

  プログラマーとして働いている35歳の男性。

  ゲーム開発に携わっている。

  ある日、開発中のゲーム「ユニバースクラフト」の開発フォルダの中にあった謎のデータを発見、削除しようとした時に画面から発する謎の光によってユニバースクラフトの世界に飛ばされてしまう。

  そこはSF作品で見るような宇宙船の内部だった。

  そこで『NYADAM』と名乗る謎の存在により猫型の宇宙服の様なスーツを着させられ、アストロキャッツという存在に改造されてしまう。

  アストロキャッツ「CAT−01」となってからは佐之助としての記憶はなく、『NYADAM』の指示のもとアストロキャッツの『マイニング&ビルド』の能力を使い惑星の開拓と文明建築に勤しむ。

  ◆進藤猛(しんどう たけし)

  29歳。

  ゲーム開発に携わっている佐之助の後輩で、将来的に彼の後継と目されている社員。

  ◆増田陽子(ますだ ようこ)

  佐之助の妻。32歳。

  今は専業主婦だが、かつては佐之助以上の凄腕のプログラマーだった。

  ◆『NYADAM』

  ニャダム。

  仮想現実世界「ユニバースクラフト」の世界の宇宙船ラストニャントリア号の独立星間渡航システム。

  かつては『ニャントリア』という高度な技術と文明を誇る星があったが、星の寿命により滅亡してしまった。

  その時に、別の星に希望を繋ぐために創られたのがこの『NYADAM』である。

  NYADAMは宇宙船そのものであり、他の星にニャントリアの文明を構築するための星間渡航システムである。

  高度な演算能力を用いて別の世界の佐之助のパソコンに一方通行の入口を作って彼を取り込み、アストロキャッツに改造して惑星への侵略を開始する。

  ………となんだかヤバそうなシステムに思える。

  人格はあり、一人称は『吾輩』、二人称は『オマエ』、語尾は『〜ニャス』。

  端末として実体のボディを持ち、貴族のような豪奢な衣装を来た黄色い毛色の猫又の姿をしている。

  【用語】

  ◆ユニバースクラフト

  増田佐之助らが開発していた新作ゲーム、およびその世界。

  ゲームとして開発されたユニバースクラフトはブロックで構築された世界を自由に建築、もしくは破壊する自由度の高いものとなっていたが、別世界のユニバースクラフトはそれとは異なるようだ。

  ◆アストロキャッツ

  独立星間渡航システム『NYADAM』が、人間を素体として造り出した惑星開拓システム。

  完全なロボットという訳ではなく、半分生身半分機械のようなハイブリッドとなっている。

  見た目は150cmの身長(耳含む)の宇宙服姿の四頭身の猫の姿をしており、手は指がなく真ん丸で、ヘルメットのような頭には黒いガラス質の窓はあるが顔はない。

  声は機械的で抑揚のないものとなっており、話す言葉もカタカナ表記になる。

  猫の耳部分は大気の振動を聴き取るだけでなく、周囲に定期的に特殊な観測波を発して周囲の状況を知るためのソナーにもなっている。

  臀部の尻尾は鉱石や原油等の資源を感知する機能を持っており、感知して振動し、近づくと振動が強くなる。

  脳は高度演算能力のスパコンに改造されており、NYADAMから受信する指令と周囲の状況から総合的に判断し、合理的な判断のもと行動を決定する。

  生身の肉体だったボディ内部はその頃から残っている運動機能を保ったままあらゆる機能に必要な動力源である生体バッテリーになっており、充電なしでフル稼働の場合は約3日間持続する。

  そのため人間時の食事や睡眠は不要だが、バッテリー残量が10%以下になるとセーフモードに自動的に移行し、あまり活動を行わなくなる。

  陰茎は刺激する事で快感を伴いストレスや老廃物を排泄するが、もうひとつ機能があるという。

  背中に備えたツールバッグは4次元空間で圧縮されており、開拓や建築、掘削のための様々なツールが入っている。

  アストロキャッツの最大の能力である『マイニング&ビルド』を支えているのは数々のツールであり、ツールを物体などに対して使うと1メートル四方のブロック型に変化させ掘削や建築を劇的に高効率化させる。

  ◆ラストニャントリア号

  ニャントリアで築かれたオーバーテクノロジーの結晶にして、最後の希望。

  独立星間渡航システム『NYADAM』を搭載した宇宙船。

  いつか現れるニャントリアの再興の星を目指し、今も果てなき星の海を航海している。

  ニャントリアを脱出してから3年経ち、燃料切れの危機に直面している。

  ◆ニャントリア

  ユニバースクラフト世界の中で最も栄え、最も高度な文明が発達した星。

  ブロックを複雑に積み上げたような建築が特徴で、建築と解体をシンプルに行える優れた建築様式とされた。

  ニャントリアの住人は人型の猫だったという。

  今は星の寿命を迎えたため存在しない。

  ◆ブロック

  ニャントリアの文明の象徴。

  物質を1m四方のキューブ型の物質(ブロック)に変換し、建築や掘削を行うロストテクノロジー。

  その技術はアストロキャッツに受け継がれており、様々なツールを使ったときに必ず物質がブロックになる。