今から君の肉をフォークとナイフで食べるニャッキくん

  「御主人~また悪いことしちゃったんだね~

  また食べちゃうね。」

  「ニャッキちゃん、ちゃんと皿の上で切り分けて噛んで食べてね。」

  「わかってるよミケくん。そのために僕がいつもナプキンをしてるんじゃない。」

  「さあさ、ご主人。右足をだしてごらん。

  ご主人の歩くための足を、輪切りにして、まずは丸かじりしてみようか…?」

  あくまでも黒丸な目をそのままで口元をにこりとしながら、大きいお皿を出して、フォークとナイフをちらつかせて。

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  「ぶつ切りにされるのは怖いでしょう?大丈夫、全部夢だから…サクッとまるでトムとジェリーに出てくるステーキみたいに、美味しそうな輪切りのお肉になるだけだよ?大丈夫。切られる痛みはあるかもしれないけどぉ…まあそれでさえ、興奮できるんだよね?食べられたいんでしょ?罪を償うためにさ、僕たちのご飯になってくれるんでしょ?

  えへ、その怖がりも楽しんでるんだよね?

  演技でしょ?さあ…もったいぶらないで、食べやすいサイズに切らせてよ。配膳係は僕だって、ご主人が決めたことなんだからさ。」

  「よしよし、素直な子は好きだよ。わあ、貧相な右足だねえ、じゃあ足首から切り分けていこう。大丈夫だよ、そんな悲しい顔しなくても、全部余すことなく食べられるから大丈夫だよ。ちゃんと美味しく食べてあげるからさ」

  ざっくりと豆腐のように切り分けられていく右足。

  夢で想像の範囲だからか、断面は赤黒いだけだ、円の中心に白い骨が同心円状にみえる。

  「わあ痛そうだねえ、赤い血液がどくどく流れてるよ。君の新鮮な血潮がナイフにべったりついてる。」

  「ふくらはぎや太もものお肉が美味しそうだねえ。それじゃいただくね。お肉は腐りやすいから、お皿がいっぱいになったら空になるまで食べたげる。

  それからまた、ゆっくりと切断してたっぷり盛り付けてさ。

  それじゃ、まず哀れなご主人様の右足のステーキを頂こうね。」

  ニャッキくんのナプキンが肉を噛みきったときの血飛沫で赤く彩られる。

  慣れ親しんだ猫たちに血肉を食いちぎられ食物とされる感覚。

  むしゃむしゃとロースハムでも食べるように、ざくりざくりと歯形をつけられ、徐々に原型をなくしていきながら、輪切りにされた僕の右足は白い骨を残してニャッキくんやミケくんのお腹の中に消えていく。

  切りつけられた自分の右足の幻肢痛に泣きそうになっている自分をよそに、カチャカチャと肉を切るナイフの音とモグモグクチャクチャと肉を咀嚼する音を立て、黙々と食べ進める二匹の猫。

  ナイフとフォークを置く音が響き、血まみれの口をナプキンで吹きながら、ニャッキくんが言った。

  「おいしいな…自分の体を切り刻まれて目の前で食べられちゃう気持ちってどんな気持ちなのかな?

  ねえ、苦しみに喘ぎながら耐えているけど、もう君の右足は戻って来ないんだよね。僕たちのお腹の中で唾液と消化液にまみれて、アミノ酸とかにバラバラに溶かされてさ。栄養になっちゃったね。

  後悔してるの?痛すぎて、泣いちゃったのかな?

  ポロポロと涙を流しながら、大の大人がさ、ぷるぷる震えちゃってさ、情けなくないの?ねえ。

  ふふ…次はどこを食べようか。順番に左足かな?」

  鋭利なナイフの切っ先が震える左足の太ももへと当てられる。

  「それともお腹の中いっぱいの臓物を引きずり出しちゃおっか?」

  ナイフがお腹のおへそあたりに移動する。

  「どうする?ねえどうするの?

  君に選ばせてあげる。左足を輪切りにするか、

  お腹をかっさばくか。」

  「も、もうやめてくれ…」

  「やめないよ?君がお願いしたんだよ?悪いことしたときには、君がどう泣きわめいたって、最後まで余すことなく食べてくれってさ。僕は本気だよ…?」