「マリン105室で会おうね。」
前日のLINEと部屋番号を見合わせて、開いたドアの先には、大柄でスリムな白黒模様のハチワレ猫お兄さんがいた。
「やぁ。こんにちは。君は…ねこずきさんであってる?」
「はっはい!そうです!食べられたくて、来ました…」
「よろしくね~念のために聞くけどスマートフォンとか預からせてもらうね?…あとで君の身内に特定されて僕のお腹がかっ捌かれないようにしないといけないからね。君も消化中に助け出されるなんてごめんだろうからさ。」その旨は事前に聞かされていた。
獣人と人間の差別が殆ど無くなった現代とはいえ今でも、どちらかがどちらかを食い殺す事件に世間は敏感なので、人間の僕が猫お兄さんに食い殺されたいなら痕跡はできるだけ残しておきたい。とはいえ、スマートフォンをこの場で破壊することだけで安心なのかは分からない。
「じゃあ、早速服を脱ごうか。埃を払って君自身の体を見せてくれ。」
ジャケット、セーター、マフラー、ヒートテック、靴下、靴、着るもの全てを脱いで渡した。
「わぁ、まだ若くて瑞々しくて腹持ちもよさそうだねぇ…おっといけない。ミトハラになっちゃうね。」
草食獣人や人間が肉食獣人から食肉のような扱いを受けることを最近ではミートハラスメントというらしい。
「いえ…嬉しいです。比月さんにそう思って貰えるなら、僕も安心して身を差し出せますから…」
「そうかいそうかい…それにしてもやっぱりこの部分も美味しそうだ。勃起してるのは性癖かな?」
食べられたくてうずうずしている僕の大事な部分を八割れ猫の比月さんが温かい肉球で撫でてくる。
「お、お恥ずかしながら…比月さんにこれから自分のことを食してもらうと思うと…」
「いいじゃないか…そそるよ。色々とね。それにちょっと趣旨が違うかもしれないけど…」
比月さんはそう言いかけて膝を赤紫色の絨毯に下ろし、僕の皮を肉球で挟んで丁寧にむくと、先の赤い部分をれろんと舐めた。
思わず声がでてしまう。比月さんはそれでも舐めるのを止めず、咥え込んできた。口端を釣り上げたまま、僕のことを上目遣いに眺めて、僕の食べられる恐怖心がクセになって固くなってしまったそれを口の中で唾液まみれにして舐め回してきた。
ごくりと比月さんの生唾を飲む音がしたときに、僕はざらついた猫の舌で敏感な亀頭を唾液で無理やり滑りを良くして激しく責められて思いっきり射精してしまった。
かなりの残尿感が残るほど通常の小便並みにかなり出てしまった精液を比月さんの舌が受け止め、ごっくんと飲みこむ音が聞こえた。あれは僕が飲み込まれる音なんだ。そう思うと、またちんちんが比月さんの口の中でかたくなってしまう。
ちゅぱっちゅぱっじゅるるっと丁寧に僕のはしたない陰茎を名残惜しそうにお掃除フェラると、比月さんは口を放して、「ごめんね…ねこずき君のかわいいちんちんずっと舐めてみたいと思ってたんだよ。ちょっと口をゆすいでくるね。」
戻ってきてから、僕は比月さんに「すごく気持ち良かったです…比月さんの嚥下音が聞けてすごくぞくぞくしました…ちんちん食い千切られちゃうかもってどきどきしちゃいましたけど…」と返した。
「僕も一瞬そうしたくなったけどさ、多分激痛で失神しそうになって舌を喉に詰まらせてしんじゃうんじゃないかと思ったんだ。そんな死にかた、嫌だろうなと思って。」
僕は一瞬食い千切られたくなったと言われてびくっと肉棒をはねさせてしまった。それを見て、唾液まみれの僕のちんちんを比月さんがまた撫でてきた。
「されたかったんだね…」
その言葉でたらーっと我慢汁が垂れた。
「今回はブルーシートと麻酔とタオルの用意がないからしないけどさ。ごめんね。また先にする?」
「い、いいえ!胃壁にちんちん擦り付けるのもおつですし…」
「きみ、かなりど変態なんだねえ…僕も勃起してきちゃった。じゃ、シャワーする前に説明するね。」
比月さんはイタミナクナールとチイサクナールいうラベルの貼られた茶色のビンを二つ渡してきた。
「中の胃酸で体が溶けると激痛で苦しむと思うから、この飲み薬をやっておくね。強制的に痛みを伝達する物質を快感を感じるように作り変える薬だよ。もう一つはこれまたメルヘンだけど、君の体を赤ちゃんサイズにまで縮小化させる効果がある。そのままだとお互いに窒息しやすいからね。飲むと腹を下しやすくなるから、直腸洗浄してから君をいただくような流れになる。」
比月さんはそれとこれ、と言ってジェル状の小さい10円ガム並みに小さいものを渡してきた。
「超小型icレコーダーでさ、僕のPCで今日1日分設定しておいたから。君と一緒に呑むから。壊れにくいし、排泄するまでに壊れない優れものでね。要は君の悲鳴や溶かされる音を僕が個人的におかずとして持っておくんだ。録音は言ってなかったけど、いいかな?」
「比月さんもかなり…人のこと言えないくらいど変態じゃないですか…。でも、僕の悲鳴や喘ぎで比月さんがちんちんしごいて気持ちよくなってくれるなら…大丈夫です!」
「分かってくれてありがとうねぇ、じゃあお風呂入ろっか。人生最後のお風呂、優しく洗ってあげるよ。」
シャワー、直腸洗浄後。
比月さんは手慣れているのか、洗われているだけで体から汚れがすっぱり落ちて天にものぼる心地だった。
「綺麗になったねえ。じゃあスパイシーな香り付けをするね。一応人間の肌ざわりは塩味がついてるけど微々たるものだし、どうせならおいしくしなきゃね。あっ準備運動もしておいてね。」
「意外と準備がいるんですね」
「二回目になるんだけど人生最後の体のメンテナンスもとい調理みたいなものだから、丁寧にやらないとね。その方が気持ちいいだろうし。」
「ははぁ…」
「じゃあ、いざ実食といこうか。例の薬を飲んどいてね。足から呑まれるのと頭から呑まれるのどっちがいいかな?」
頭からの方が、戻れなくなるスリルをより味わえそうだと思ったので、
「頭からお願いします。」と答えた。
食用油と塩コショウのふりかけられた僕はダブルベッドの上に敷かれた防水マットの上に寝かせられる。
「本当に、心の準備はいいね?もう、君は外の空気を吸えなくなるんだ。」
ゲームのターニングポイントでの確認画面のようなことを比月さんが僕の足元でにこやかに微笑みながら言う。
「はい…お願いします。」
比月さんに抱き抱えられ、折り畳んだ膝が冷や汗でぐっしょりと濡れる。
赤ちゃんサイズになった僕は比月さんに抱きかかえられ、本当に子供のようで可愛いねえと言いながら、僕の頭を優しく温かい肉球で撫でてくれた。僕の上半身、へその穴まで一呑みにされそうなくらい体格差がある。
比月さんのにこやかな口端が開き赤黒い猫の口が開く。比月さんの牙のまとう唾液で皮膚がひっかかることなく、つるつると奥に体が入っていく。
どう?実際に食べられる気分は?とか、比月さんがテレパシー能力でも持っていたなら、そういう風な聞き方で口内の雰囲気や唾液の甘酸っぱい匂いについての感想を聞かれたかもしれない。すごく温かくて生臭い。直に舌や口内から伝わる比月さんの体温で外にはみでた足先が涼しくなるくらいだ。
ねばつく大量の唾液が体にまとわりつきまた僕は勃ってしまっていた。
ごくっ
喉奥が開き、僕の体や舌をつたっていた唾液がなだれ込み飲み込まれていく。凄まじい嚥下音。もうすぐにでもあそこに頭からつっこんで、くわえ込まれたら、もう戻れずにあとは食道を通って、胃袋に落ちるだけ。そう思うと僕は反射的に背にしていた比月さんの分厚い舌に固くなっていた自分の一物をうつぶせにひっくり返って押し付けた。そして、足が口内に収まるように、膝をさらに折り畳んでは足指をざらついた乳頭に固定しながら、猫のよくするごめん寝のような体勢になった。それを察したのか、比月さんも口を閉めた。真っ暗闇の閉じられた世界が広がった。暗くて、ねっとりと暖かい心地の良い牢獄の入り口が目と鼻の先にあるのだ。
僕はみずから、喉奥に舌の上を這いずりながら進んだ。「ああんッ」白々しくも不可抗力で押し付けられている自分の一物が熱くてねとねとした比月さんの舌で擦られ舐められたと思うと、気持ちよくてちょっとだけ出してしまった。食べられて興奮するなんていやらしい子だなんて、思われていると思うとすごく気持ちよくなって這いずりが止まってしまう。それでも比月さんが首を上に向けてくれたおかげか、そのままのどちんこに激突する勢いでばくっと上半身が飲み込まれた。
そのままゆっくりとへそ、股関節、膝、足指の先までがみっちりと筋肉の詰められた食道に取り込まれていく。
やがてぼとりと柔らかくも硬くもない、かすかに身動きが取れるくらいの暖かい空間に落ち着いた。
たった数十分のことだったが、最上級の愛情表現ともいえるような体内でのちからづよい抱擁にすっかり虜にされた僕は薬の効果か熱くてとろけそうで気持ちのいい感覚に耐えながら、力なき利き手を決して広いとは言えない真っ暗な胃袋の中を手さぐりに持ち上げた。何にも当たらないという位置はなくほぼぬるぬるの熱くて気持ちのいい胃壁を伝うように震える指先で上を探った。ぎゅうっと引き絞られたような袋の口を内側から触っているような、そんなところがあった。
「噴門だあ…」とはっきり言えたかどうかもわからないくらい呂律が回らない。もうもどれない。そとにはもどれない。戻る必要なんてないんだよ。君はここで死んでいいんだよ。と、ひづきさんがそういっているきがする。「ひづきさん…」めいかくな”し”をひづきさんがあたえてくれている。ぎゅうぎゅうとあったかくてやわらかいいへきにだきしめられながら、あしもおなかもうでもあたまもぐにゃぐにゃにとけてまざっていきそうだ。「きもちいい…」
とけるのがはやくて、すこしせつないけど、くすりがきいてるうちに、おちてしまいたかった。
いへきにぬちょぬちょあたってこすれているちんちんからだらだらともれているのがきもちよくて、ひづきさんのなまえをよぶのがやめられない。
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一方的にねこずきくんの呻く声や比月さんを呼ぶ声をPCからの猫用イヤホンで流し聴きしながら、左手でお腹を撫でつつ、右手で自分のねこちんをとげでケガしないよう注意深くしごきあげながら、人食い猫お兄さん比月はひと時の至福を味わっていた。違法ではあるが、互いに合意しているのだから後腐れもないのだ。なお、飲み込んだ後にねこずきくんの音声が一方通行になることは知らせていない。
以前にも、吞み込んだ後にやっぱり出してくださいと助けを乞うパターンもあったが、比月さんも万能ではなかった。吐き出すのにはかなりの危険性を伴うし、何より自分のことを他の被食癖のあるものに話されたらたまったものではないのだから。そして、なによりそのような人間の命の灯が消えるまでの声が徐々に消えていき、消化音だけ響くという生のデータが比月にとっての何より大切なものであった。
「ねこずきくん…君の体はすごく美味しかったよ…うっ!」
ねこずきくんの折り畳んだ衣類が比月の白濁でぐっしょりと濡れる。
スマートフォンは壊したが、衣類の一部は燃やさずに持っていた。比月自身が使うからである。
「それじゃあ帰ろうね、ねこずきくん。君がくれた命で二週間くらいは性欲と食欲が持ちそうだ。」
そう言いながら、比月は腹の中に抱えたねこずきくんをわが子のように撫でて、一物の疼きを感じながら丁寧に後片付けを終え、一番安全な自分の隠れ家へと足早にラブホを去った。