ケモノ同人即売会の某所でおもらししちゃうネコショタくんの話
これはもふケットに密かに来ていたネコショタくんのおもらし話。
もふケに限らず大多数の趣味人が集まる一大イベントというのは、トイレが不足することも多々あり、中にはこっそりオムツを履いてくるものも少ないくらいである。
人間に変化した彼は、ケモノ、獣人中心の薄い本はもちろん、もしかしたら自分のように人間に擬態して生存している同類に出会えたら…との希望的観測で、ここ、ERC、江戸流通センター、もふケットの主催地に来ていた。
サークルチェック表も万全、水、食料も完備、人間社会でこつこつ働いて捻出した金貨もたくさん。
準備は万端だった。一つ欠けていることがあるとすれば、ネコショタくんはERCに徒歩で来ており、人間の姿で使うトイレがERCの中とモノレール駅のなかの二つにしかないことだった。
そしてまた不運なことがあるとすれば、世はコロナの真っ只中。
ABC、3つのブロックに分かれており、ネコショタくんはBであった。先にAが引率され、ERCに入っていく。実はこのとき、引率されていないBブロックでもERCの中のトイレを使う権利ぐらいは有しているのだが、ネコショタくんは使えないと勘違いしているのだ。
一斉入場の場合もトイレの順番待ちは長いが、待っていれば回ってくるという確かな希望があるのでまだましである。そのためか、引率されるまでの待ち時間に少し尿意がたまってきて、ネコショタくんの脳内には尿意がなだれ込んできて、プチパニックである。
交番のひとに勇気を出して聞いてみたが、
「あ、あの…ERCの中以外で一番近いトイレは…」
「いや~、近くにあるトイレはERCの中だけですね」
う、噓でしょ…
ネコショタくんの脳内で、自分が人間の姿でおもらしをしてしまう様子が、まざまざと浮かぶ。
いろいろ考えたのちに、ネコショタくんはよく通話をケモショタ仲間に通話をした。たまたまメッセージが送られてきたので、心細さについ通話ボタンを押したのだ。
それもあるし、だれかと話しながら歩いていれば自然なことのように思えるので、その調子でトイレを探そうと思ったからである。そうして、ネコショタくんは安易にトイレ探しの旅に出かけた。
「それでトイレが見つからなくて、もれそうなんだ…?」
「そうなんだよ~今のところ、ぐーぐぐるまっぷに乗ってるオーソンがいけるかな~と思ってあるいてるんだけど」
「そうなんだ~」
「最悪なのはオーソンが実際は建物内にあるパターンでさ…」
最悪なパターンを引いた。オーソンはERCの中のものだった。
「ええ…最悪」
ERC周辺4分の1、駐車場南ゲート入口付近。
既に尿道の根本に尿がみちみちと溜まっている感触がしている。
「や、やば…入れなかった…」
「かわいそう」
だが、ここで無人島の砂浜のように助けを待つわけにもいかなかった。ネコショタくんは尿を撒き散らす所を探して歩き続けた。
「ERC一帯って一般人が入れるところなさそう」
「やば」
「いやほんとやばいって~もふケットでおもらし退場なんてやだよ~」
「おもらし羞恥プレイ楽しんでる?」
「人間の世界じゃ、羞恥プレイじゃすまないんだよぉ…」
ERC周辺半分、大通り片側二車線の大通り。
だいぶ我慢しづらくなってきて、ちんちんが痛くなってしょぼしょぼしてくる。
「ほんとうにトイレないのおかしいって~」
「かわいそう」
「どこにでも車と通行人がいるから植え込みにしたりするのもできないよ~」
「かわいそう…もう漏らしちゃえば?」
「やだよ~」
「いまここ、サウンドノベルの分岐点だよ。漏らすか漏らさないかのどっちか。」
「も、漏らさないよ~!漏らす選択したら、永久ロストじゃん!」
ERC周辺4分の3、交番付近まで戻ってきた。
下腹部に膨らみを感じ、尿意どころか、軽い腹痛のなりかけのような違和感がネコショタくんの股間を襲っていた。
「トイレ我慢して一周しちゃった…」
「やばすぎ笑。モノレール駅にトイレないか聞いてみたら?あるかもよ。」
「あっ……そっか~!入場料払わなきゃいけないかもだけど、もういいや~はらうはらう!」
「駅員さんに選択肢提示しちゃいなよ。今ここで漏らすか僕に無料でトイレを貸すかってさ…」
「し、しないよ~!」
ついにモノレール駅まで来た。ちょうど人はまばらであった。
「ああっああ、ああのっ!この駅の中にトイレはありませんか…!」
「…トイレならあるにはありますが、一応入場料160円いただきますがよろし…」
「は!はらいます!」
ネコショタくんは手提げバックの中の財布を震えた手つきで取り出し、中の小銭を取り出そうとするも、
やっと我慢から解放される…そう思って気が緩んだ時だった。
ちゃりんちゃりんと十円玉と百円玉、五十円玉が駅のタイルに飛び散り、引率待ちのケモナー達の目を引く。
それと同時のことであった。
残酷なことに下腹部が膨れる感触を患うほどすぐ漏らすところまできていた限界寸前のネコショタくんの膀胱はここにきて緊張の緩和、一筋の光を見出だすことによって皮肉にも緩んでしまった。
本当に漏れるときというのは、我慢していてもそのまま隙間あれば流れる流水のごとくちょろちょろと
重力にまかせて下へ降りていくもので、
じょろじょろと蛇口から水が漏れるように、ネコショタくんのちんちんが収まっていたブリーフの中に尿がジワッ…と出てきた瞬間、ネコショタくんの放尿センサーはトイレの前ではなくモノレール駅窓口前になってしまい、ネコショタくんが声を出す暇もなく、じょろろろろ…とブリーフから染みだしたおしっこが膝までの半ズボンのチャック部分をぐっしょりと濡らし、そのまま下の方へいくつもの細い濡れ線をつくり、しとしとぽたぽたとネコショタくんの履いたサンダルの上やむき出しな肌色の足の甲、
サンダルの周りのクリーム色のタイルの上にこぼれていく。
「あ…ああ…ああっ…あ…そんなあぁ…」
そして、彼が漏らした黄色く生温い液体はもちろん、彼の人間に擬態した足を上から下まで滴っていく。人間に擬態しているとはいえ、液体が空気の流れにさらされ肌が冷えて、ぐっしょり濡れる感触、何より人前で衆目を集めながら服や地面をぐっしょりと濡らすほどの失禁をしてしまったことにより、
ネコショタくんの人間の変化はとけてしまう。
ざわわと草むらが震えるように赤砂色の体毛が全身に生え、爪が少し伸びて尖り、生命線など分かれていた手のひらからは肉が盛り上がり肉球と体毛に別れ、指は短くなる。お尻からも半ズボンと背中の隙間からワラビのようににょっきんにょっきんと赤砂色の丸尻尾が飛び出す。直立していた人間の足は骨格が猫足のように少し変わる。
ざわ…ざわ…
と辺りが騒がしくなる。
すっかり変化が溶けて二足歩行のアカトラ猫の姿になってしまったのを自分の手を見て悟った。
そして、自分の正体を探るように見られているんだろうなという半ば自意識過剰な恐怖で開きにくそうな目を薄目にこじあけながら、おそるおそる、ちらっ、ちらっ、と辺りを見渡した。
事実その通りで、このけもケットの待ち時間の折に集まっているのは機会さえあれば獣人の姿やその体毛一本一本の先まで観察して自らの雑欲を満たしたい者ばかりであったので、目の前でリュックサックと半ズボン半袖Tシャツに身を包んだ高校1年生くらいの人間の男の子が、失禁したついでその狼狽のあまりアカトラの猫そのままの姿を顕してしまうところを見逃すものは少なかった。
「ひっ…ひいっ!見ないでくださいぃ…っ!」
そう言いながら我に返ったネコショタくんは残りの尿と着替えをトイレの中で済ませようと、駅員さんに「すいません!あとでふきますから!」と、160円を急いで取り出して改札を通り消えてゆく。
その後、ネコショタくんが無事けもケットで本を入手できたのか、よき同胞に出会えたのか、それとも優しい猫好きな人々に優しく保護されたのかどうかは不明である。