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アンドロイド拾いました。

  アンドロイド。

  それはヒトの生活を豊かにする、究極の万能支援型ロボットの事。

  彼らはヒトに仕え、ヒトと同様の姿をし、ヒトを極限までサポートする。

  人々の生活を楽にするようなものから、人類の手に負えない危険な作業まで。

  与えられた仕事に疑問を持つことも無く、ただ純粋に、人々の役に立ちたいと働く彼等は、今や世界にとって必要不可欠な存在であり。

  けれど勿論、彼等を構成する部品は、全て高額なものばかりだ。

  そうなってくると、やはり最新鋭技術の塊であるアンドロイドは、庶民の手が出せるような値段ではなく、主に富裕層や企業の雑用係として扱われており。

  とどのつまり言いたいことは、アンドロイドは沢山いるけど、その1つだって庶民には全く関係のない存在って事。

  相変わらず庶民は庶民であくせく働かないといけないし、アンドロイドもアンドロイドで、そのパーツが高額すぎ&希少鉱石等もふんだんに使われている為、大量生産は実質不可能だと言われている。

  例えば奇跡が連続のように起こったりなんかして、不可能と言われたワープ技術を開発し、ヒトが宇宙を制覇出来るようになったら、まぁまぁまぁ、希少資源が増えてそんな事も、もしかしたら可能かもしれないが。

  今のところそんなのは100%無理。不可能。机上の空論。………技術が進歩しても、それに見合うコストを消費すれば、結局ヒトが労働という地獄から解放される事は無いと言うわけで。

  今日も今日とて俺は残業する。

  しょぼしょぼする目を目薬で誤魔化し、眠気を真っ黒なコーヒーのカフェインで無理やり押さえつけながら。

  はぁ……俺の人生って…一体。

  ーーアンドロイド、拾いました。ーー

  夜の11時を過ぎたあたりでやっと帰路につき、疲れ果てた足をズリズリと引きずりながら人気のない道を歩く。

  目の下には濃い隈が出来て、顔の色は土気色。

  分かってる。ゾンビ見たいって言うんだろ?

  ははは。ウケる。……だったらお前を食い殺してやろうか。まざーふぁっかー。

  来る日も来る日も残業残業。

  金は貰えても、それを使う時間が無いなら、結局俺って何の為に働いているんだ??

  休日は結局、平日の無理が祟って丸一日眠り続けるのがオチだし、買い物だって、日用雑貨を買うくらいしかない。

  通販で趣味用のアイテムを買ったところで使う暇もないし、気分転換に旅行なんて言うのも夢のまた夢。

  自己犠牲の精神が買われてか、役職ばかりは偉くなっていくものの、結局それって仕事が増えてるし、つーか別に自己犠牲じゃなくほぼ強制の仕事ばっかだし。

  疲れた。人生に彩りがない。

  毎日同じ弁当に箸を通し、風呂も入らずぐったりと眠りにつく。

  有給?何それ美味しいの?そんなもん使ったら全員が冷たい目で見てくる職場だぞ。

  他人の視線なんか気にせず生きていけば良いとヒトは言うが、それが出来たら苦労しないんだよな。

  もう俺はこういう性格であって、それは一生変わらないんじゃ無かろうか。

  兎にも角にも、もうそろそろ生きるのにも限界が近付いてきて、そろそろ首吊って死にそう。そんな事を思いながら歩いていた時。

  「………え?」

  家の近所のゴミ捨て場に、堂々と“それ”はあった。

  最初は見間違いかと思ったが、間違いなくそれは打ち捨てられたヒトそのもの。

  いや…生きているのか?死体遺棄?

  いやいやいや、そんな筈ないだろう。流石にそれはないないない。だってこんな、あからさまにそんな……。

  全裸の狼獣人が、ゴミ捨て場にぐったりと座り込んでいた。項垂れて、動く気配は全くない。

  俺は幻覚でも見ているのだろうか?これって何か?一般人にドッキリ仕掛けて反応見てる悪趣味な番組の企画?

  とにかく色々な思考が頭を過ぎるが、どうにも放って置く訳にはいかず、俺は恐る恐る、震える手で狼の肩へと腕を伸ばし。

  「あ…の……大丈…ひっ!?!?」

  手を触れた瞬間、ガクリと狼の重い身体が更に項垂れた。

  思わず驚いて手を離す。どうやら働き過ぎて見ている幻覚の類いでは無い。だとしたらやっぱりどっきり!?それとも死体遺棄か!?

  けれど、よくよく見てみれば、その様子は、そのどれとも違っていて。

  「……アンド…ロイド…?」

  それは紛れもなく、アンドロイドだと思った。

  今のところ確証は無い。とはいえ、否定できる要素もない。

  アンドロイドと言えば、最大級の娯楽用品…一般人では手が出せない代物。最先端技術。

  俺は実の所、アンドロイドという存在に憧れがあって。

  元々恋愛に奥手で人見知りする自分だ。他人の思考を気にするばかりに同棲なんか考える事も出来ず、迷惑を掛けるくらいなら、全部自分一人でやったほうがマシだと、結局未だに恋人すら作らず独りでいるのだけれど。

  アンドロイドなら、何にも気負わずに自分の世話をしてもらえると思って、憧れていた事がある。

  金が溜まる一方の今でも、流石に手が出せるような値段ではなくて、全く持って諦めていた存在だけど。

  確か、アンドロイドはアンドロイドだと判断出来るように、首の辺りに製造番号が刻まれている筈で……。

  「NO.511239……や、やっぱり…」

  間違いない。彼はアンドロイドだ。

  どうしてこんな事になっているのか分からないけど、紛れもなく彼は打ち捨てられたアンドロイドで。

  燃えるゴミの日にアンドロイドを出したのか????

  というか、確かにここら辺は地味に高級住宅街の一角ではあるけれど、まさかアンドロイドを持っている人が居るなんて考えてもなかった。

  壊れて棄てたのか、それとも単に用済みになって棄てたのか……。

  そのアンドロイドは、筋骨隆々な男らしい体格をした、大柄な狼獣人型のモデルだった。

  俺と並んで立ったら、多分頭二つ分くらい身長差があるのでは無いだろうか。

  俺は元々背が少しだけ平均より小さいくらいだから、そのせいもあるかもしれないが。

  というか、いくらアンドロイドだからといって、こうもマジマジと全裸を見せつけられると…っ

  「うわ…ほ、本物みたいだ…だ、弾力がちゃんとある」

  豊満な筋肉で突き出した胸を、恐る恐る押してみると、ちゃんと弾力があって触り心地も悪くない。

  チラリ…と少し薄目で下半身を見てみれば、萎えているというのにこちらの腕程もあろうかというようなペニスが見えて、思わず口元を押さえた。

  アンドロイドなのに、生殖器って必要なんだろうか?そんな疑問が浮かぶけれど、とにかく、俺は何故かそのアンドロイドに惹かれていて。

  傍に、ゴミを運ぶようの台車があったので、何とか重たい彼をそれに乗せて運んだ。

  運ぶ途中誰かに見られやしないかとハラハラしたが、エレベーターを使ってマンションの自分の部屋の前まで行く頃には、そんなことも無くホッとする。

  玄関に彼を寝かし付け、台車を急いでゴミ捨て場に戻し。

  帰ってきた所で、玄関の扉を閉めた瞬間、はぁぁぁぁ…と大きく息を吐きながら、ズルズルとその場にうずくまってしまった。

  緊張した…っ。緊張した…っ。緊張した…っ。

  こんなに緊張したのはいつぶりだろうか。膝に埋めた顔を上げて前を向けば、そこには狼が死んだように寝そべっていて。

  中々ショッキングな状況だ。まるで殺人を隠蔽する犯罪者みたいな。そんな気分に陥る。

  ズルズルと彼を懸命に引きづって、居間まで運んだ。

  ネットで早速、彼の製造番号を探してみれば、答えは直ぐに見つかってくれる。

  「……セクサロイド…モデル511239。大神狼夜…。」

  如何わしい広告や写真のようなものが添付されたページには、彼のアンドロイドとしての用途が記されていた。

  「せせせ…セックス用…あ、あ、アンドロイド…っ!?」

  つまりは、そういう事である。

  普通は必要ない生殖器も、まるでモデルのように鍛え上げられた体格も。

  そのハリウッドスターのように精巧に造られた顔だって、全てはセックス用に造られたからであって、普通のアンドロイドとは、何もかも違う。

  ガタンと思わず椅子から滑り落ちて、あわあわと歯を震わせた。

  まさか、そんなアンドロイドがゴミ捨て場に棄てられて居るだなんて思いもよらなかったので仕方ないだろう。

  アンドロイドはほぼ全てが一点物で、同じ物は二つと無い。

  別にそこには複雑な理由なんか無くて、大量生産出来ないが為に、質に拘った結果、一つ一つが丁寧に造られるようになった。それだけである。

  流石にネットの情報だけでは、購入者を突き止めるような事は出来ないけれど。

  ここまで持ってきておいて今更だが……。

  (ど、どうしよう…これ…)

  俺はそんな風に、結局途方に暮れてしまったのだった。

  例のアンドロイドを拾ってから、四日が経った。

  何となく一日目は放置して、二日目も、ちょっと勇気が出ず、遠目から眺めるだけ。

  三日目になって、漸くこのアンドロイドが壊れているのか、それとも電力不足で止まっているのか不思議に思い、四日目の今日、やっとこさ重い腰を上げて調べて見たら、アンドロイドは基本的にAIナノマシンによる自動修理機能がある為、動かなくなる要因としては、電力不足…あるいは、部品が完全に喪失している等の欠陥以外無いとして確認する事が出来た。

  つまりは、電力不足の可能性が高い。

  とはいえ、そうなってくると問題になるのが、彼等の充電を行える充電機械の入手方法であり。

  アンドロイドは高額な商品なので、もちろん彼等に関する物品は、普通民間人向けの通販サイトなどでは扱っていない。

  扱っているのは唯一、アンドロイドを製造、販売しているアノミネイト社という企業のみ。

  つまりは、購入する為には、彼等のサポートセンターに連絡をとって、対応してもらわなければならないのだけど。

  「……アンドロイドの非正規所持って…は、犯罪じゃないよな?」

  懸念はそれである。

  アンドロイドは特殊な物品だ。主に企業や富裕層の雑用として扱われているが、高額だし、大量生産出来ない以上、ある程度管理され、それなりにデリケートな扱いを受けている。

  民間人には馴染みがないが、だからこそ、廃棄されたアンドロイドを拾ってはいけないとか、見つけたら企業に報告しないといけないとか、そんな法律があるんじゃないかと思って恐ろしい。

  「で、でも…それならちゃんと説明して、回収してもらえば済むわけだし…」

  スマホを握りしめながら、震える手で何度も番号を押そうとして躊躇う。

  深呼吸して、ゆっくりと番号を入力すれば、ぷるるるる…という呼出音がなり始めて、ドキンドキンと俺の心臓は跳ね上がり。

  《お電話ありがとうございます。アノミネイト社、アンドロイドサポートセンター。担当の宇佐美です。》

  「あっ!?あ、あの!?その!?」

  《はい?》

  「あ、あの!?あ、アンドロイドをひろ…拾ったんです…けど…」

  《かしこまりました。では、お客様の情報を確認する為、お名前とお電話番号をお聞かせ願いますか?》

  「は、はい!えと…夜空昴…電話番号は〜〜〜ーーーです。」

  《確認致しました。……大変申し訳ありませんが、お客様の情報は登録が無いようですね。》

  「あ、は、はい!その、アンドロイドは買った事が無くて…ご、ゴミ捨て場に棄てられていた所を拾いまして…」

  俺は係のヒトに、これまでの経緯と、アンドロイドの状況を話した。

  女性と思われる窓口のヒトは、こちらの話を黙って聞くと、なるほど…と小さく呟いて、明るい声で話し始める。

  《お客様、大変ラッキーでございますね。》

  「…え?」

  《本来アンドロイドは、廃棄する際に、我々アノミネイト社が回収作業を行っている物ではあるのですが………。》

  富裕層の中には、新しいアンドロイドを購入すると、そうした使用上の対処方法を怠り、適当にアンドロイドを遺棄してしまう者も居る。

  企業は大抵業務提携等もあるし、管理している者の責任になるのでそういった事は起こらないらしいが、やはり個人でアンドロイドを購入した者の中には、そうした取り扱い説明に目を通さずにいる者も少なくなく、たまに問い合わせがくる内容なんだという。

  《廃棄されたアンドロイドを拾った方は、元の所有者から権利を譲渡された扱いになります。ですから、既にそのアンドロイドの権利はお客様にあり、それをどうしようと、お客様の自由になります。》

  「…そ、それは」

  何だか、悲しい話だなと、少しだけ思った。

  ロボット相手に何を思っているのかと思われるかもしれないが、彼等はヒトに奉仕して、ヒトの為に生きている。

  それなのに、まるでそれを軽々しく扱う様子が、俺にはなんだか歪に思えて。

  《必要無いのでしたら我々が回収班を送り、そのアンドロイドは引き取らせて頂きます。……そのアンドロイドの所有者になりたいと言うのであれば、当たり前ですが譲渡に際して改めてこちらから金銭の要求はございません。ただ、お客様の情報の登録などしておいた方が、後々サポートを受ける際には便利になります。》

  「………ち、ちなみに…」

  《はい?》

  「回収されたアンドロイドは……どうなるんでしょうか?」

  《そうですね。それに関しては企業秘密となってしまうので詳しくお教えする事は出来ないのですが。……基本的中古の品を改めて販売する事は出来ませんので、それなりの対応をされるとだけ。》

  「…なるほど」

  多分、パーツ毎に分解されて、新しいアンドロイドの部品となり再利用されるか、溶かされたりして一度また何も無い状態に戻されるんだろうなと、色々察した。

  俺はチラリと、未だソファーに背を預け、項垂れる狼の姿を見て、少し悲しげに視線を下げる。

  ここで会ったのも、何かの運命のような気がして。

  だからもう、俺も迷いは捨てる事にした。今前に踏み出さなくては、これからずっと、もう俺は変われないだろうから。

  「引き取ります。何をすれば良いですか?」

  《かしこまりました。でしたらこちらで〜〜〜》

  何だか途方もなく突拍子もない事だけど、俺はあの日、1つの命を拾ったんじゃないかなって、そう思った。

  そんな大層な事じゃない。ただのアンドロイドだ。ヒトとは違う。

  そう誰にともなく言われているような気がしたけれど、俺はそれでも、彼がただのロボットだとは、何故か到底思えなくて。

  [newpage]

  「これを…ここに…」

  送られてきた充電装置を部屋に設置する。

  装置は意外と小さくて、コンセントに刺す小型の箱型装置だった。電波で電力を送信するので、家の中ならどこに居ても活動停止になるような事はない。

  設置したら、あとは本体とペアリングするだけで、電力が溜まり次第再起動するとの事だが。

  項垂れる狼の耳の後ろにある小さな穴に、充電装置に付属していた金属の針を刺して、中のボタンをカチリと押す。

  これでペアリングが完了した筈なので、あとは待つだけだ。

  「…………」

  俺は少しの間、なんとなく項垂れる狼の前で正座してしまった。

  そんなすぐに再起動する訳がないのに、ハッとして、他にも送られてきた物品を確認する作業に慌てて戻った。

  送られてきたのは、スペアの腕?と、それから謎のスプレー缶のような物が複数。ローション?その他諸々。まだ全て開封出来てはいない。

  元の用途が用途なだけに、送られてきた物もアダルトグッズのように思える。世の中には奇特な人も居るもんなんだなと、俺はそれらの物品を見て若干引き気味だった。

  《…電力充電5%………再起動を始めます。》

  「ひえっ!?」

  そんな事をしているうちに、後ろから聞きなれない低い男性の声が聞こえて、思わず手に持っていた物を落としながら恐る恐る振り向いた。

  見れば、項垂れている狼の瞳が何度か動作確認するようにパチパチと左右交互に動き始め、腕や尻尾、足なども同様に機械的な動きで反応を始めていた。

  まさかもう動くのか!?と思いつつ、その様子を伺っていれば、全ての確認が済んだのか、一旦全ての部位の動きが止まり。

  「………つ」

  ゆっくりと眠たげに目を開けた狼が、気だるげに頭を上げて辺りを見回し始めた。大きくマズルを開けて欠伸をしながら、うーんと腕を天井に伸ばし、パチパチと瞬きをする。

  「……ここ…どこだ?」

  そう呟いた狼が、俺を確認して。

  「あんた…誰だ?」

  ぶっきらぼうにそう言った。

  俺は暫く、緊張で言葉を出すことが出来ずにいて。

  「おーい?聞いてんのか?」

  そう聞かれて、ハッとした。

  ここはご主人様として、しっかり威厳を示さねばならない部分だ。

  俺は小さく咳払いをして、震える声で狼に現状の説明をする。

  「お、俺は夜空昴…。き、君の新しいご主人様だ。棄てられた君を保護して新しい主になった。い、以後よろしく。」

  「…………」

  狼は、太い眉を不機嫌そうに中央へと寄せながら、ムスッと唇を突き出して、半目でこちらを見た。

  棄てられた?…と呟いている所を見ると、自分が前の主人に棄てられた事を受け入れられていないのか。

  と、思ったが、どうやら機嫌が悪いように見えたのは、ただの勘違いで、ただ訝しげに物思いにふけていただけのようだ。

  少しの沈黙のあと、徐々に事態を察したのか、目を見開いていった狼は、ぷはぁっと上機嫌な笑顔を見せると、立ち上がり、突然こちらへと歩いてきて、俺を抱き締めた。

  「そうかそうか!!アンタが新しいご主人様か!!」

  「ぎへっ!?」

  「良かった良かった!あのクソ野郎とはおさらば出来たんだな!!いやぁ!マジで最高な気分だぜ!!」

  狼はそう言いながら、そのふとましく鍛え上げられた男らしい腕で俺を力強く抱き締め、笑った。

  ロボットとは言え、本物と違いの分からないほど精巧に造られた存在に、いきなり全裸状態で抱き着かれるとは思っても居らず、俺は目を白黒させて驚いた。

  ぶにっ…と柔らかい感触が、抱き着かれて折りたたまれた腕の先端にくっつく感触がする。間違いなくそれは男のアレで…。

  「う、嬉しいのは分かったから!は、離れて離れて!」

  「おう?悪ぃな。ガッハッハッ!あんまり嬉しかったもんでよ!!」

  心臓に悪い。

  なぜなら見た目は本当に、ハリウッドで活躍していそうなイケメン…というよりハンサムで、骨格がしっかりしており、黙っていればキリッとした見た目の男らしい容姿なのだ。

  そんなのが抱きついて来たら、たとえロボットだと分かっていても冷静に対応するのはかなり難しいだろう。

  離れた狼二、俺はホッとして、バクバクと鳴る心臓を抑えながら荒く息を吐いたのだった。

  俺達は、互いの経緯も含めて、その後簡単に話し合う事になった。

  「俺ァよぉ!そもそもタチ前提で造られたアンドロイドだっつぅのに、買ったやつがそこんとこ勘違いしてやがってなぁ!」

  大神狼夜は、基本的に女性やネコ体質の男性を対象にしたセックス用アンドロイドであって、本来はタチであり、ネコをする為の機能は殆ど組み込まれていないという仕様だった。

  しかし、狼夜を買った猪のおっさんは、所謂タチを犯すのが好きなタチ…という趣向であったようで。

  「もう最悪だったぜ。無理だっつってんのに無茶な行為ばっか要求してきやがってよ!アンドロイドならご主人様の命令を聞けだのなんだのって…。そもそもタチを犯すのが好きだってんなら、俺様をネコにしちまうくらいの調教してみろってんだよ!なぁ??」

  「は、はぁ……?」

  狼夜は勿論、アンドロイドなのでそれなりの命令には対応出来るし、猪がやろうと思えばネコに変更する事も可能だ。だが猪は自分で労力を掛けて調教するという事はせずに、ただ命令だけで思い通りにしようとした。それでは結局、タチ用に調整された狼夜には通用しなかったようだ。

  アンドロイドとはいえ、精巧に造られた感情のような物を持ち合わせている狼夜はそれを拒否するような行動を取る。どんなに命令してもそれはプログラム上変えられない。

  猪が取るべき行動は、そんな風に拒否する狼夜に、直接命令するのではなく、身体へと徐々に快楽を教え込むような調教をする事だった。そうすれば狼夜のAIは趣向に染まっていき、猪の思い通りの存在にもなれただろう。

  だが……。

  「ただ無理やり犯してきやがったりしてよ。腕捥いだり、足取ったり、ただ馬鹿みてぇに腰振りやがって。童貞丸出し、未経験も良いとこだぜ。全くよぉ。」

  「………」

  俺は狼夜の言葉を聞いて、思ったよりもハードな世界に絶句した。想像していた以上に酷い有様だったらしい。

  狼夜をあんな風に棄てたのは、自分の命令にそぐわなかったという当てつけもあったのだろう。充電出来なくして、徐々に意識を失っていく狼夜を見て、楽しんでいたのだろうか。

  「というわけで!アンタに引き取られて良かったぜ!……あー…ちなみにアンタ、あの猪みてぇな趣向じゃねぇよな?」

  「それは…ち、違うけど。」

  「そーかそーか!ガッハッハッ!ならもう問題ねぇな!たっぷり気持ちよくしてやるから楽しみにしてな!にひひひひ」

  「あ、いやいや!あの、俺は、そういうの求めてなくて!」

  「あん??」

  俺の肩を掴んで引き寄せる狼に、俺は慌てた様子で返す。

  俺は男好きではない。毎晩疲れていて行為をするような気にもならないのに、男となんて尚更、真っ平御免と言いたいところである。

  俺が狼夜に期待していたのは、日常の家事や洗濯などの雑用であって。

  「はぁぁ???なぁーに言ってんだアンタはよぉ!」

  「……い、いや、そんなの君の役割じゃないことは重々承知なんだけどね…?」

  狼夜は俺の言葉を聞くと、あからさまに落胆したように肩を落とした。

  どいつもこいつも俺をなんだと思ってやがるんだ!とプンプン怒るが、それもまぁ仕方の無い事だと思う。

  「俺はもう、毎日毎日残業で、家の事をする余裕もないんだよ……。部屋は荒れ放題だし、服はもうずっと洗濯も出来てないし…。ご飯もカップラーメンばっかりで、こんなんじゃ、性処理なんてとてもじゃないけど…。」

  「………なるほどな」

  狼が辺りを見て呟いた。

  物は少ないのに荒れている部屋だ。

  弁当の残り屑、カップラーメンのゴミに、レジ袋。靴下やパンツ、脱いだズボンやシャツは放ったらかしで、虫が居ても気にやしない。

  こんな状態なのに、性処理なんてしてる暇が無いのはお察しの通りである。

  「なら、環境を改善したらアンタも俺を使う気になるって事か?」

  「…え?…いや…そ、それは…」

  どちらにせよ、俺は男好きではないので、そんな事をするつもりは無いのだが。

  けれど、そう言ってしまったら、狼夜は傍からやる気など無いまま、現状は放置されてしまう気がして。

  終わったあと、何とか寝たいとか、疲れてるとか言って誤魔化せばいけるだろうか?

  この様子を見れば、環境を改善出来ないわけではなさそうというのは分かるし。

  「ま、まぁ…なるかもね…。多分。」

  「よし!」

  曖昧に返事を返したけれど、狼夜はまるで決定事項みたいに大きく頷いた。

  今日は休日だけど、既に狼夜の起動準備や話をするだけで倒れてしまいそうな程に眠い。

  「じゃ、じゃあ…頼めるかな…。俺は…もう限界で。」

  「任せときな。あ、ネットは繋がってるよな?…それと、金は使わせて貰うぞ?」

  「…つ、繋がってるけど…。お金はあんまり使われると困るって言うか…」

  「常識の範囲内でしか使わねぇよ!それが確認できりゃいいや!寝たいならさっさと寝ちまいな!あとは俺がやっとくからよ!!」

  狼夜がそう言って、俺の肩を叩きながらニッと牙を見せて笑った。

  全裸だし、下でブラブラと立派な物が揺れているのは気にしないようにしながら、俺は感動で目を潤ませ。

  「じゃ、じゃあ…お休み。あとは頼んだよ?」

  「任せとけって!」

  ベッドに腰を下ろしながら、狼夜にそう言って横になった。

  これで生活がいくらかマシになったら嬉しい。

  やっと人並みの生活が送れると思うと、俺は部屋に鳴り響く掃除の音など気にした様子もなく、いつの間にか熟睡してしまって。

  [newpage]

  目を覚ますと、部屋は暗く、辺りは何も見えない状態だった。

  トイレに行こうと思って立ち上がり、光が漏れる引き戸へと何とかヨレヨレと歩いて、そこを開ければ。

  ガラガラと、扉の音と共に光が溢れた瞬間、俺は目の前の光景に思わず固まってしまい。

  「イグッ!♥♥♥イグイグイグイグッ♥♥♥イッグゥ♥♥♥♥」

  プシャー!と勢いよく、何かの汁が俺の顔面にぶちまけられて、俺はうわ!と目を擦り、手に付いた水を払いながら何とか前を見た。

  薄らと目を開けてみれば、そこには俺の靴下を口に噛み締め、マズルにはヨレヨレの未洗濯パンツを被り、バキバキに勃起したちんぽを握り締め、その奥にある何らかの穴に指をツッコみながら、おそらくオナニーしている狼夜が居て。

  「あ?」

  「…へ?」

  ドロリとゼリー状の人工精液が床に垂れて、吹き出した潮がフローリングを汚していた。

  俺は唖然として、濡れたシャツもパンツも気にしないまま、目の前で行われていた淫行に驚いてしまい。

  狼夜も目を見開いてこちらを見ていた。数秒、二人の間には沈黙が流れて。

  「俺の…パンツ…」

  狼夜が頭に被ったパンツしか、視界に入らなかった。

  いや、入っているけど、訳が分からなすぎて、そんな言葉しか出なかった。

  狼夜は、スッ…と真顔になると、頭からパンツを外し、口から靴下を取ってテーブルへと投げて。

  「言われた通りの事はしたんだ。文句を言われる筋合いはねぇ!」

  「………」

  確かに、部屋はとても綺麗になっていた。

  作られたご飯のいい匂いもするし、見違えるような様子になった。

  まぁ、目の前が精子と潮に汚れて、いい匂いが臭くなってしまったとしても、結果的には仕事をしたと言えるだろう。

  狼夜がスポンと当たり前のようにペニスを自らの股座から抜いて、テーブルにドン!と強く置いた。まるでディルドがテーブルから生えてるみたいな、そんな様子になる。

  狼夜の股間には何も無くなって、俺はもう脳の処理が追い付かずに、視界がぐるぐるし始めた。

  狼夜は、そんな股間を手で触れながら言い訳を捲し立てる。

  「1つ言わせてもらうけどな。アレだぞ。俺はオナニーするつもりでこんな事してたわけじゃねぇんだ。」

  どの口が言うのだろう。それが本気なら、今の行為は一体なんだったのか。

  「こりゃあな。ちんぽのメンテナンスをしてただけだ。久しぶりに使うからな。どんな感じか確かめねぇとダメだろ?…アンタの靴下とパンツを被ってたのは確かに、勃起させる為の興奮剤だったのは認めるが、俺がイッちまったのは、ここにあるボタンが原因であってだな。」

  そう言って、狼夜が少し腰を突き出すようにしながら、ちんぽの無くなった部位を見せてきた。思わずそこに視線を向ければ、見えないけど、奥に何かスイッチのようなものがあるのかもしれないとも思う。

  「お゛っ!?♥まだイグッ!♥」

  プシュッ…とテーブルに突き立てられたペニスから、また一瞬だけ潮が吹き出した。

  狼夜は腰を突き出しガクガクと震えながらくちびるを突き出している。

  俺はもう本当に、今ここにある全ての光景が刺激的過ぎて、目眩すら感じる程で。

  「はぁ…くそ…またミスって触っちまった。……まぁ、つまりそういう事だ。…飯食うか?」

  「………まずは…お風呂に…」

  俺はまるでブリキの人形みたいな、ぎこちない様子でそう返す事しか出来なかった。

  身体中がよく分からない無臭の液体に濡れているのだ。とにかく今はお風呂で身体を洗い流したい。そう考えるのが当たり前だろう。

  「風呂か!よし!いくぞ!」

  いやいや。君も一緒に来るの??

  そんな疑問は打ち砕かれ、狼夜は爽やかな笑みを浮かべて当たり前のように風呂へと着いてくるつもりのようだ。

  まぁ、もうこの際細かい事は良いだろう。

  狼夜はテーブルに置いたちんぽを掴んで、それを自らの股の間に手早く取り付けると、何事も無かったかのように風呂場へと歩き出した。

  まず、この場所を掃除してほしいのだけど。

  そう思っていたら、狼夜は何を言わずともタオルを持ってきて床を拭き始めた。

  「先に入っててくれよ!」と言う彼の言葉に甘えて風呂場へと向かう。むしろ、狼夜が入ってくる前にさっさと入ってさっさと上がる計画だ。

  床は結構ぶちまけられていたので、ささっと身体を洗ってささっと出れば間に合うはず。

  「おっし!背中流してやるよマスター!」

  まぁ、そんなのは無理だったんですけどね。

  普通にシャワーで身体を流してる内に入ってこられてしまった。まだボディーソープさえ付けていない。とりあえず掛け湯してたくらいの序盤も序盤で来た。全然間に合うはずもなかった。

  「ゲヘヘ…遠慮することはねぇぜマスター。この追加した腕を交えて四本の手を使って全身くまなく痴か……マッサージしてやるからよ!」

  不安しか無い。

  というか、腕が本当に4本に増えているし、あの送られてきた奴ってスペアか何かじゃなかったのだろうか。

  狼夜が四本の腕でポージングを取ると、流石の俺も引いた。もう動きが全て卑猥の極みなのだ。はっきりいって身体を触ってもらいたくは無いが、狼夜は俺の後ろに陣取ると、そっと俺を抱き寄せて、俺の頭のてっぺんに顎を乗せながら、にひひと牙を見せて笑っていた。

  「あ、あの…お、俺はいいから!」

  「なぁに言ってやがんだ。遠慮すんなよ。つーかしてんじゃねぇよ。今日一日俺ぁアンタの言う事を聞いてやったんだぜ?約束通り身体を俺の自由にさせてもらわねぇと。」

  まるで突然現れた悪質な借金取りみたいな感じでそう言われ、俺は詰んだなと思った。

  たしかに今日一日、俺は彼の本来の仕事以外の事を強要したわけであって、それが文句無しに達成されたのだから、約束通り俺は彼の行為を甘んじて受ける他ない。

  もうはっきり言ってどうにでもなれって感じだ。

  風呂に乱入された時点で羞恥心は吹き飛んでしまったし、とはいえ、俺が興奮できなくてもそれはもう勘弁してほしい。

  何せ俺は至ってノーマルだし、日々の疲れで性欲なんてこれっぽっちも湧かないんだから。

  例え誰かに触られたとしても、正直今の状態じゃあ興奮なんて夢のまた夢。目の前に巨乳の美女がやって来て顔面にパフパフしたって俺は勃起できないだろう。

  だから、多分ここまで期待してくれている狼夜には悲しい思いをさせるかもしれないが。

  しかし、それもまた俺にはどうしようも出来ない事実。

  「俺…疲れてて不感症気味だと思うけど…もし勃たなくても…その…」

  「あん?そうかそうか。分かった。まぁ、いいからとりあえず俺に身体任せとけよ。ククク…」

  まぁ、残念だが狼夜には早々に諦めてもらう方向でいってもらおう。流石の彼も、俺が全然気持ちよくなさそうにしていたら察して手を止めてくれる筈。

  働かせ損で申し訳ないけど、許して貰う他ない。許せ狼夜…

  「あ゛〜〜〜っ♥♥あ゛っあ゛っあ゛っ♥♥ぞれっ♥ぞれやばいっ♥♥らめぇぇぇ♥♥♥」

  そう思っていた時期もありました。

  「どうだマスター?気持ちいいだろ?俺様を舐めるんじゃねぇよ。俺ァ人体ってもんを知り尽くしてんだ。身体中にはアンタの身体を開発する為のありとあらゆる機能が備わってるんだぜ?不感症?笑わせんじゃねぇよ。おら!」

  「ひぃぃぃ♥♥♥乳首変になりゅぅうううう♥♥♥ちんちんも一緒に弄っちゃらめぇぇぇ!!♥♥♥」

  俺はそう叫びながら、チンポから何度目かの精子を吐き出し、狼夜の手にそれをぶちまけた。狼夜はそれを口に含んで、美味そうに啜る。彼の食事、つまりエネルギー源はマスターの精子になるらしい。俺は開始早々金玉に、狼夜の指先から飛び出た注射針で何かの薬を挿入されてしまったようで、精子が急速に作られている状況になっていた。

  しかも、全身狼夜の掌から分泌された、媚薬入りローションでヌルヌルのテカテカにされており、常に発情状態。

  狼夜はそんな俺を後ろから抱き締め、片手で目隠し、両手で俺の陥没乳首をもてあそび、更に空いた手でチンポを弄る。まさに四本の腕を最大限活用して俺を責め立てていた。

  俺は足を開くように、狼夜の足に膝を引っ掛けて、腕は乳首を弄くり回す狼夜の手を掴むけれど、そんなの全く意味が無い。

  不感症とか、何も感じない筈とか、俺はなんて馬鹿な事を言っていたんだと今頃になってようやく理解した。

  こんな快楽与えられたら脳みそが溶けてしまう。けれど、狼夜の責めはまだまだ始まったばかりであって。

  「へへへ…エロい身体じゃねぇかマスター。陥没乳首に皮かむりの包茎ちんぽ。俺の指先には極細のブラシが搭載されててな。……この意味、分かるか??」

  「はひっ♥ひっ♥…も、やめへ…♥」

  「マスターの陥没乳首、ブラシでほじってやるって言ってんだよ。ちんぽも同じだおら!極細ブラシで皮の中クチュクチュ掻き回してやるからな!三点同時攻めで……イケ!!!」

  「ひぎぃぃぃぃ♥♥あ゛っ♥あ゛っ♥あ゛っ♥それだめぇぇぇ♥♥イグイグイッぢゃう!!♥♥ほおおおおおおお♥♥♥♥」

  ブブブブブ……と細かい振動音がして、狼夜の爪の先から出た極細の小さなブラシが、俺の陥没乳首とちんぽの皮の中へと入ってきて、裏筋を細かく擦り立てた。

  ローションのせいで、クチュグチュクチュ…という淫猥な音が乳首とちんぽから漏れだして、俺は背を仰け反らせながら、ビクンッ!ビクビクビク…と不規則な動きで痙攣しながら絶頂へと達した。

  大きく開いた口からは唾液が漏れて、唾が飛ぶ。身体がどんなに動いても、狼夜がしっかり押さえつけているから、俺はただ叫ぶことでしか快楽を逃がす方法を取れなくて。

  「おーら、皮ん中ぐるぐるっと…ゆぅ〜っくり雁首ほじってやるからなぁ?」

  「いやっ♥いやっ♥あ゛ぁ゛ア゛あ゛ァ゛♥♥♥」

  ドプリと精子がまた吹き出して、狼夜がその精子を掌で受け止める。

  「もっと出んだろ?薬の効果で射精した瞬間即また作られっからな。それとも何か?乳首もっとクチュんねぇとダメかおら。」

  「ぃ゛い゛イ゛ぃ゛っ♥♥ぢぐびら゛め゛ぇぇぇ♥♥♥ジンジンずる゛っ♥ちんちん先っぽジンジンずる♥♥♥」

  乳首は弄られると、何故かちんぽの先っぽが擽られるような快楽があって、俺は狼夜の腕を縋り付くように掴んで、泣きじゃくりながらもうやめてと懇願した。

  「そうさなぁ。あと3回くらいザーメン出したら解放してやるよ。飯もあるのにここで疲れちまったらしょうがねぇからな。」

  「ひぃぃ♥♥」

  「舌出せよマスター。ほら、チューしてやっから。」

  「んうぅぅ♥♥ちゅ…む…ふぅ…ん…♥♥」

  結局、狼夜は言った通り、その後俺が三回出すまで解放してくれることは無く。

  風呂場で仰向けになり、ガクガク震える俺を、狼夜は笑いながら一瞥して、そこから出ていった。

  俺は暫く、膨大な快楽を受け入れられない脳の処理の為、小刻みに震えながら風呂場で過ごして。

  結局狼夜が迎えに来て、俺を抱き上げ運ぶまで動けなかった。

  薬の効果でタンパク質を大量に消費するため、タンパク質重視の濃厚な飯をこれでもかと食わされたあと、やっと就寝につく。

  狼夜は当たり前のように、俺の隣に眠って、俺を抱き締めながら過ごし。

  [newpage]

  「あ゛…う…っ♥出るっ♥出ちゃうから…っ♥♥」

  「じゅるるるる…じゅぞっ…ん…もっと出せよ。おら、前立腺も一緒に弄ってやっから。」

  「ひぃぃぃ♥♥♥」

  朝、朝食を取るテーブルの下で、大きな水音が響き渡る。

  俺は下半身に陣取る狼夜に、口で搾精されながら、箸もろくに持てず快楽を享受するしかなかった。

  コリコリと、ケツ穴に挿入された2本のふとましい指が、俺の前立腺を押し潰しながら、機械仕掛けのバキュームフェラで、俺は作った傍から精子を吐き出し、狼夜の朝食を提供していた。

  結局その日も遅刻ギリギリで出社する羽目になり。

  「えー!夜空さん立派なお弁当あるっすね!?何なんですかそれ!?ひょっとして…彼女ですか?」

  「え?や、ち、違うよ。これはその…」

  「手作り!?…やべー!まじ尊敬するっす!毎日あんな残業して、そんな手作り弁当作るとか。……あれ?でも今まではコンビニ弁当か外食だったっすよね?ん〜?」

  「さ、最近料理にハマってて!!それだけだから!!!」

  「…なるほど…そっすか。あ!だったら俺にも一口下さいっす!」

  「う、うん…どうぞ。」

  昼には、後輩のハイエナ獣人(斑犬くん)にそんなツッコミをされてヒヤヒヤした。

  とりあえず自分で作ったという事で誤魔化したけれど、結構勘の鋭い子だから、いつどうやってバレるか恐ろしくなる。

  「た、ただいま…」

  「おう。おかえり。飯食うか?」

  「はい…」

  そしていつも通り残業して帰ると、エプロン姿の狼夜が出迎えてくれる。

  ご飯を食べた後は、狼夜の夕食を、俺が出す羽目になって。

  「また出るぅぅぅ…♥♥もうイッ…イッでるがら…♥ずわないでっ♥吸゛わないでっ♥」

  「ん〜…ぢゅるるるる…ふ…こんなもんか。」

  その後は気絶したように眠るようになった。狼夜がベットに運んでくれて、ぐったりとする俺を介抱してくれる。

  「ぐへへ…」

  そんな何かを企んでそうな笑い声は聞かない振りをしておこう…と、そんな事を考えながら。

  そんな毎日が続いていくと、疲れてしょうがないかと思ったが、実の所そうでもなかった。

  狼夜はどうやらマッサージ能力もあるようで、四本の腕で蕩けるようなマッサージを全身に施され、それによって身体のコリが全て解消。

  相変わらずタンパク質が多いが、それでも栄養バランスが取れた食事も取らされ、意外と生活はかなり楽になっていた。

  一つ問題があるとすれば、オイルマッサージによって全身ローション塗れにされ、ついでに身体の色々な部位にスケベな事をされることだろうか。

  マッサージで惚けて力が抜けた所で、狼夜の魔の手が伸びてくる。

  乳首は勿論、ペニスにアナルまで。

  洗浄機能までついてるらしく、いつでもどこでも弄くり回せるように、俺の尻の中は常に綺麗にされ、便秘のような心配も無くなった。

  流石に尻の貞操だけでも守らなくてはならないと、常日頃から気を付けていた筈の俺だったが、全身マッサージで思考と表情をドロドロに惚けさせられた後に手を出されてしまえば、抵抗なんて出来るはずもなく。

  「あ゛ぁ゛ア゛あ゛ぁ゛っっっ〜〜〜〜♥♥ぞれ゛だめぇぇぇ♥♥♥♥」

  ゴチュゴチュゴチュゴチュと、激しいポンプの音のようなものが部屋に響き渡る。

  四本の腕の内、2本で尻を高く上げられたまましっかりと固定され、1本がちんぽ、1本がケツ穴へと伸ばされて、俺は今枕に顔を埋めながら、絶頂に尻をブルブルと震わせ叫んでいた。

  「よーしよし、このまましっかりメスイキ覚えちまおうな〜。昴。」

  「ぎぁぁあああっ♥♥♥あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ♥♥まだイ゛ッッッ〜〜〜〜んぅぅっ♥♥」

  呼び方もいつの間にかマスターから、より親しい名前呼びに変わっており、俺と狼夜の関係もかなり変わった事が伺えるだろう。

  彼は2本の指を根元まで挿入し、下向きにがっつりと角度を付けて、汁が吹き出すほど激しい手マンによって俺の前立腺をこれでもかといたぶっていた。

  下からすくい上げるように2本の腕が俺の太ももを持ち上げているので逃げる事も出来ず、出来ることと言えば、ローションでテカった尻肉をぶるんぶるんと震わせて痙攣するだけ。

  しかも、まるで牛の乳搾りのようにちんぽを下向きにクチュクチュと小刻みに亀頭ばかり責められれば、最早射精を抑えられる訳が無いだろう。

  狼夜の足の指先が手のように精密な動きで俺の乳首をカリカリと爪で引っ掻いており、もう訳が分からなくなった俺は、舌を突き出し、軽く目を上向きにして、与えられる快楽に頭が支配されてしまっていた。

  「イグッ!!?!?!?♥♥♥♥」

  どうやら俺が死ぬように眠った後も、睡眠が必要ないアンドロイドの狼夜は、俺の乳首を一晩中弄り回して開発してしまったらしい。

  今では乳首で軽い絶頂を迎えれる程、快楽を享受する身体になっており、どんなに気分じゃなくても、後ろから抱きしめられ、陥没乳首に爪を入れてほじられただけでも、次の瞬間には勃起し、パンツを我慢汁で濡らしてしまう俺がいる。

  そのパンツだって狼夜がいつの間にか買ってきて、俺に履くのを強要したものだった。

  今まで履いたことの無いような派手なパンツや、一転して地味なトランクス、身体が貧相だから似合わないと言いつつも履かされたケツ割れ、趣向を変えようとの事で褌。

  俺の生活は、もはや狼夜によって組み立てられた狼夜の生活と言っても過言ではない有様だった。

  けれど、仕事だけでキャパシティの限界を迎えていた俺は、何の疑問も持たずにそんな狼夜の思惑通り暮らす羽目になっていって。

  狼夜がズポンッと指を引き抜いて、俺は「んほぉ♥」と間抜けな声を出す。アナルと狼夜の指の間には、粘着質な粘液がねっとりと糸を引いており、俺のケツ穴はくぱくぱと、少し赤い腸壁を見せつけながら、まるでイソギンチャクのように何度も収縮を繰り返していた。

  足を固定していた腕も離されて、どさりと力無くベットの上へとうつ伏せに倒れる。

  「う…あ…♥」と白痴になった老人のような掠れた声しか出せない俺は、その後、ギシギシとベットを軋ませ、マットレスを凹ませながら近付いてくる狼夜に気付く事も出来ず。

  いつの間にか、俺の身体は大きな影に隠れてしまっていた。上では、舌舐めずりをしながら、俺のケツの割れ目にその勃起したガチガチの20cm巨根を擦り付けている狼夜がいる。

  もはや挿入される事は分かりきっていた。狼夜ももう挿入を耐えきれない様子で、俺の耳元にマズルを近付けると、吐息を多く含みながら、野獣のように小さく呟く。

  「挿入れるぞ…?」

  「や…や…♥」

  俺はギュッと目を閉じ、涙を流しながら、子供が駄々を捏ねるように緩く頭を横に振った。

  でも今更そんな事を言った所で、狼夜の行為が止まるわけもなし。

  手の甲に、掌を合わせられ、ぐいと頭の上まで上げられる。

  三本目の手が腰を掴み、四本目の手が自らの魔羅を掴んで俺のアナルへと狙いを定めると、ゆっくり、ゆっくりと挿入が開始されて。

  「あ゛っ♥あ゛♥あ゛〜〜〜っっっ♥♥♥挿入っでぐるぅぅぅぅ♥♥♥♥」

  「よ〜しよし…いいぞ。俺の巨根をしっかり根元まで……飲み込め!!……くくく、偉いぞ昴。よくやったな?…御褒美に沢山気持ちよくしてやるから、しっかり俺様のちんこの形覚えちまおうな?」

  「あ゛っ♥ぎっ♥あ゛っ♥動いちゃやぁぁぁぁ♥♥♥♥」

  俺はギュッと閉じた瞳から、涙を流しながら絶叫した。

  挿入れられた瞬間、狼夜の雁首が俺の前立腺をゴリゴリと削りとって、それだけで絶頂に達し、ベットに押し付けられたチンポから潮とザーメンを吹き出したと言うのに。

  狼夜は俺の耳に軽く牙を突き立てながら低い声でそう甘やかすように呟くと、ズルズルズルゥ…と一気にケツからペニスを容赦なく抜き取った。

  瞬間、そのペニスに吸い付くよう俺のケツも軽く宙に浮き上がって、ビュルビュルと精子を吹き出しながらまたベッドにポスッと落ちる。

  少し待ったかと思ったら、また突き立てるようにアナルへとペニスが侵入してきて、奥をゴリッと押し潰したかと思えば、一拍置いて引き抜かれる。またケツが浮いて、落ちて、浮いて、落ちて……。その繰り返しに、俺の頭はもうおかしくなっていき。

  「やあ♥っ♥ひん♥んお゛♥イグッ♥あ゛っ♥だめっ♥いあ゛っ♥お゛っ♥イ゛ッ♥グッ♥」

  「ほっ♥ほっ♥ほっ♥ほっ♥そうら、気持ちっ、いいかっ?気持ちっ、いいだろぉ!昴っ、よぉ♥…へへへっ♥俺様もっ、気持ちっ、いいぜ!♥そら!♥乳首もっ♥弄ってやるからな♥」

  ベロリと耳を舐められる…というよりしゃぶられながら、狼夜も小刻みに震えた声でピストンを繰り返す。

  ただ抜き差しするだけの挿入ではない、腰を淫らに動かし、色々角度を付けて、右から、下から、左から、上から、奥に到達すれば、そこをグリグリと押し潰すようにして穿たれた。

  狼夜の尻尾が、はち切れんばかりに左右へと揺れて、少しばかり持ち上げた俺の胸へと、手を伸ばし。

  「ひぃぃぃ♥♥♥乳首ほじらないでぇぇ♥♥」

  チュイイイイイイインという機械音が響き渡り、指先から飛び出た極細ブラシが、俺の陥没乳首の中をほじくり回した。

  俺は目を上向きにし、歯を食いしばりながらその衝撃に耐えようとして、でも、アナルと乳首の同時攻めなんて耐えられるはずも無く、次の瞬間には閉じた口をはしたなく開けて絶叫してしまう。

  ビュルルルル!と勢いよく精子が吹き出して、ベットと俺の腹の間は、もう精子と潮でねっちょねちょになってしまっていた。

  狼夜の指が俺の口に引っ掛けられるよう侵入してきて、舌を指先で摘むから、言葉すらろくに出せなくなり、その代わりのように唾液がダラダラと溢れ出てくる。

  「ふえ…っ♥あ゛っ♥えあ゛っ♥」

  「じゅるるる…♥」

  狼夜がそんな俺の耳に舌を這わせて、タパンタパンと弾むような音を立てながら腰を振り、一突きごとに俺は何らかの汁をちんぽから吐き出して、もはやメスイキが止まらない身体になってしまっていた。

  まるでドロドロに溶け合って融合してしまっているみたいに、俺はもう快楽しか考えられなくなっていって。

  ーーーー

  ーーー

  ーー

  ー

  「も゛うやべ♥も゛うやべで♥っやべでやべっ♥〜〜〜〜っっくぅぅぅ♥♥」

  「ようし、俺様も出すぞ!しっかり受け止め……って、人口精液が切れちまった…」

  ピンと足先を突っ張り、正常位の状態でギュッと全身を固くした俺は、もう何度目か分からない絶頂に達し、言葉もおよそ人間の話すような言葉ではなくなっていた。

  腹は中出しされた狼夜の人口精液で妊婦のように膨れ上がり、突き上げられる度に、ちんぽとケツの間から溢れ出たザーメンがベットを濡らす。

  またしても中出しされる。そう思ったが、狼夜のちんぽはビクビクとしゃくり上げるだけで、中からは何も出る事が無かった。

  「まぁ、こんだけ出せばそれもそうかぁ?」

  「…ひっ…ぁ……♥…お…わる…?♥」

  狼夜がちんぽを抜き取り、俺の膨れた腹を撫でる。

  やっとこの頭がおかしくなるような快楽の宴が終わるのだろうか。

  そう思ったのも束の間。

  「まっ、精液が出ねぇだけで、まだまだ幾らでも遊べるからよ!安心してくれや!」

  「へ…っ♥ちょ…ちょっと…まっ♥んごおおおおおおお♥♥♥」

  そう言って、力を抜いていたアナルに、狼夜が上から伸し掛るようペニスを突き下ろした。

  瞬間、俺はまたしても足をピンと伸ばして、目を上向きにし、舌を突き出しながら絶頂に達する。

  どうやら、あまりにも勢いがありすぎて、S字を伸ばしきってしまったらしい。

  種付けプレスの状態で、いつもより深く入った事に気が付いた狼夜は「おっ?」と声を上げて、ゴリゴリと腰を前後左右に振り回し、その感触を確かめるように奥を押し潰した。

  俺は「ンギィィィ♥♥」と獣の叫びにも似た声を上げて、ビクンビクンと大きく痙攣する。

  ダメだ。これまでの快楽とは比べ物にならないような、そんな禁断の場所に彼は足を踏み入れてしまった。

  俺はシーツを強くギュッと握り締め、しかし絶頂の余韻で動く事も出来ず、上から狼夜がいやらしい笑みを浮かべてこちらを見下ろしてくる事にさえ気が付かない。

  「ガッハッハッ!俄然面白くなってきやがったなぁ!マスター!さぁ、今日はとことんこの“新しい場所”を捏ねくり回して、しっかり気絶するまでイッてもらうから覚悟しろよ!」

  「ひっ♥ひぃぃぃ♥」

  「おらぁ!!!地獄の杭打ちだぁぁ!!」

  そう言って、上から叩き付けるような、もはや暴力にも似た快楽が襲いかかってくる。

  狼夜が腰を振る度に、密着するほど彼の金玉が俺の尻を打って、ねっちょりとした粘液が幾つもの線を引く。

  一突きごとに、全身を雷で打たれたかのような快楽が響いて、俺はまるでカエルの死骸みたいにビクビクと震えてばかりになり。

  何度目かの絶頂の後、意識を失った。

  翌日が休みじゃなかったらどうなっていた事か。

  狼夜は朝まで俺を犯し続けて……。

  目を覚ますと、すっかり周りは片付いてしまっていた。

  あれほど撒き散らした粘液も、身体にこびり付いた汗も、全部全部、まるであれは幻だったんじゃないかってくらい、綺麗に片付いていた。

  隣には、目を閉じる狼夜の姿があって…。

  その目が、ゆっくりと開くと、青い綺麗な瞳で俺を見る。

  「……お?起きたか?昴。」

  「……」

  「ははは、昨日は無茶し過ぎたなぁ。すまねぇすまねぇ。……でも、アンタの身体が気持ちよすぎるのがいけねぇんだぜ?…あと、反応も良すぎてついつい可愛がっちまうんだよ。」

  そう言って狼夜は俺の額にキスをすると、ブンブンと嬉しそうに尻尾を振った。

  やっぱり、幻じゃなかったんだ…と改めて実感する。それは喉の痛みとか、頭の痛みとか…他にも関節の痛みとかもあって、周りは綺麗になってるけど、俺の身体が悲鳴を上げているのが証拠だった。

  「…アンドロイドなのに、気持ちいいとかあるの?」

  「当たり前だろ?俺ら普通にヒトと身体の中身変わらねぇんだぜ?殆ど人口臓器で造られてて、節々に機械が埋め込まれてるってだけだ。あ、脳みそも機械だけどな。……だから、身体改造したヒト共と変わんねぇよ。」

  そうだったのか。

  てっきり、身体中機械で出来ていて、この薄皮一枚向けば鉄のパーツが見えると思っていたけれど、実はそうでは無いらしい。

  俺は身体を起こそうとしたけれど、痛過ぎて断念してしまった。すかさず狼夜が俺の身体を支えて、持ち上げてくれる。

  「ははは!今日は俺様がずっとアンタの世話してやるよ!…本当はマッサージすりゃ大分マシになるだろうけど、それだと面白くねぇからな!」

  「ひっ」

  「心配しねぇでも、もう無茶なことはしねぇよ!…………保証できねぇけど」

  「え?なんか言ったよね?今」

  「ん?聞き間違いじゃねえか?飯あーんしてやるし、身体も前みたいに隅々まで洗ってやるし、夜にはベットで極上マッサージしてやるからよ!」

  そう笑った狼夜は、アンドロイドだとは思えないくらい感情豊かで、本物のヒトが目の前に居るみたいで……。

  その身体から伝わる温もりも、ヒトと同じだった。

  なんだかそう考えると、いい歳した成人男性が、こんな風に世話されてるのは複雑な感じというかなんというか。

  でも、結局動けないので、されるがまま、食事をいちいちあーんされて、風呂でもセクハラ含め隅々まで洗われて(二三回イカされた)、夜のマッサージの後は、珍しくただ抱き締められて眠る事になった。

  まぁ、翌日には、またこってり絞られるんですけど…。

  でも、まさか拾ったアンドロイドに、ここまで助けられるなんて思ってなかった。

  最初は自分でもかなり突飛な事をしたなと後悔もしたけれど、それでも結局、狼夜と出会えて、俺は良かったと思っている。

  元が元だから、スケベで、どこか調子の良い性格だけれど、それでも彼のそんな所が好きになって。

  「なぁ昴」

  「ん?」

  「俺の事、捨てねぇでくれよな。」

  「…捨てないよ。」

  「俺、アンタと居られて幸せなんだ。」

  「…そんな……」

  「だから、アンタをもっともっと幸せにできるように、頑張るからよ。」

  「……うん。…ありがとう。」

  狼夜が、俺をベットの上で強く抱きしめながら呟いた。

  俺はその声の心地良さに、目を閉じて。

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