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ノンケ向け乳首開発AVに興奮した親友に乳首開発される話

  「な~…いいだろ~…」

  「うるさい。」

  「イイじゃんかよ~!減るもんじゃねぇし~!」

  「うるさいったら!」

  「な~な~!頼むよぅ!お願いします!この通り!」

  「う~~っ…!」

  ガタン!

  机から参考書が床に落ちた。

  ーーノンケ向け乳首開発AVに興奮した親友に乳首開発される話ーー

  「お前っ!三日前からずぅーっとそんな感じだけどな!乳首なんて自分の弄ればいいだろうが!お前の方が筋肉で胸が出てんだから!」

  「だから言ってんだろ~!そんな事したって興奮しねぇんだよ~。俺が感じたいのは他人のおっぱいを触ってるんだなっ!ていう充実感なわけで」

  「ふざけんな!インターネットでどっかから拾ってきた乳首責めAVなんかにやすやすと影響されやがって!そもそも俺の胸は真っ平らで胸とも呼べねぇよ!

  」

  「そんな事ねぇよ。ちょっとは脂肪あるから肉がつまめるぞ!少なくとも揉めるくらいには柔らかいのがついてる!」

  「っば、馬鹿野郎!」

  現在机から立ち上がり、顔を真っ赤にしながら叫んでる俺事、名前は青海翔。高校1年。ピチピチの男子高校生である。平均的身長、平均的モブ顔、平均的な見た目。全て平均的な、the普通。

  次いで目の前で駄々を捏ねるこの大きな身体の虎獣人は、俺の中学からの友人である、虎尾大我という。

  獣人特有の強靭な身体、見上げる程の体躯。筋肉に覆われた全身。決してイケメンとは言えないが、男にはモテそうな芋臭い顔をした男で、厳つい見た目にそぐわず、おおらかであっけらかんとした、つまりは馬鹿という言葉が真っ先に頭につく、良くも悪くも大人になり切れない哀れな虎獣人だ。

  現状、何がどうなってこんなよく分からない問頭を繰り返しているかと言えば、原因はこのスポーツばかりで頭パッパラパーの虎が、インターネットで見たという乳首責めAVにハマってしまった事が原因だ。

  どうやらそのAVではただ延々と乳首を責め抜き、乳首だけでのオーガズムを最終的に目指すというもので、聞きたくもないのに熱心とビデオ内容をここ数日聞かされまくっている。やれ目隠しして宙に吊るしたままバイブで乳首を責めるだの、後ろから抱き締めてただ延々と乳首を触ってやったりだの、果ては最後に男優の方が女優に乳首責めされただの、要らないことをペラペラペラペラ。

  そこに来てまさかの、「だからお前の胸俺にさわらせてくれよ!」だと?

  いったい何が「だから」なのかも分からないし、何故その結論に至るのかも分からない。

  当然の如く俺はそれを拒否したのだが、しかし珍しく飽きっぽいこの虎がいつにも増して毎日のように胸を触らせろ胸を触らせろと言ってくるものだから、今日なんて夢の中で実際大我に胸を触られてるのを見てしまった。

  流石にこうなっては不味いと思い、飛び起きるとそこには大我の姿。男子校の寮生活で、こいつと同室なのをこれほどまでに後悔した事があっただろうか。うなされていたという大我に、俺はあんな卑猥な夢を見たとも言えず、誤魔化すように机へと向かって勉強でもしようとした所で、またしても大我の胸触らせろ攻撃がやってきたのが事の顛末という訳だ。

  「って、ていうかお前!なんで知ってるんだ!俺の胸の脂肪の量なんて!」

  「え?…」

  「ま、さ、か、お、ま、え……」

  「え~…だってお前がさわらせてくんないからさ~寝てる間にでも触ってみるしかねぇだろ?だからさぁ。」

  「こ、の、やろ~…」

  だから、あんな夢を見たのか!そう納得がいった。あれは夢でなく本当に触られていたのだ!どうりで何だか乳首が先程からヒリヒリすると思っていたが気のせいでは無かったようだ。

  「ふざけんな!この変態!もしそんなに胸触りたいなら、お前の友達の体育会系に頼めばいいだろうが!俺よりよっぽどおっぱいがいっぱいだろうが!!」

  「馬鹿、あんなむさ苦しい奴らの胸なんか触ったって全然楽しくねぇよ!俺はお前の胸が触りたい!」

  「ドヤ顔で言うな!!」

  鼻穴を広げて興奮したように言う大我の頭を、側にあった枕で叩く。ぼふりと柔らかい音が鳴って、それが効いているかと言えば恐らくこいつのすっからかんな頭には振動さえ伝わっていないだろう。

  昔からそうなのだ、こいつは無茶な事を俺に押し付けてくる。

  中学に上がり、同じ教室になった時も、一番最初に俺をこの災難に引き込んだのはやはりこいつで。

  女子がスカートを捲られたと、ただ廊下を歩いていただけの俺の頬に勢いよくビンタをかましてきた。

  俺はあまりの勢いに鼻血を出しながらその場へと尻餅をつき、周りで俺を見ていた奴らがそんな無様な姿を笑っていた。

  その時は勘違いだと説明して丸く収まったものの、次の日も、また次の日も、俺が女子の側にいる時に限り、スカートが勢いよく捲られる。俺は大抵読書をしながら歩いているため、捲られて激昂した女子達に何度突き飛ばされても、ただ困惑ばかりが頭をよぎった。

  これはおかしいとやっと本を読む振りをしながら真犯人を突き止める為に歩いていると、そこでこの事件の主犯が誰だかようやく理解する事となる。

  それはこの大我が、なんと持ち前の運動神経を全力で使い、目にも止まらぬ速さでスカートを捲っては、そのまま遠くに逃げている為、女子達は真っ先に目に入った俺を殴るという寸法だった。

  どうやらそれは確信犯であり、俺が読書に夢中になって歩いている時に狙ってやっていたようだ。俺が指を差してアイツが犯人だと言うと、大我は何一つ悪びれた様子もなく「なんだ、バレちったか〜」と後頭部を掻きながらケラケラと笑った。

  それが俺とコイツとの出会いである。

  大我とは席が近く、その後あっけらかんとしていたが、コイツは俺に謝った。それがきっかけでよく話すようになり、しかしそれが悪夢の始まりだとも分からずに、俺は大我と友人になった。中学に上がって友達が少なかったのもあるかも知れない。大我の無茶苦茶さは小学校の時から有名だったらしく、周りの奴らは俺という犠牲者がまた一人。と思っていたようだ。本当に酷い話である。

  そんなこんなで、夏には体育の授業の女子更衣室前、俺は何も知らずに、大我が忘れ物がある為一緒に取りに来て欲しいと頼まれて付いていき、案の定着替え中だった彼女らに遭遇、大我は逃げさり俺はボコボコにされる。

  はたまた、学校の裏にある使われなくなった体育倉庫前、なんと中ではその時、保険医の教師と体育教師のゴリ松(アダ名、本名市松 ゴリラ獣人)が危険な密会を行っており、何も知らずに入った俺は、二人のあれれな状況に顔を真っ赤にしてあたふたしてる所を、大我は物陰から写真を撮って逃げ、俺が写真を撮ったものだと勘違いした全裸のゴリ松が怒涛の如く押し寄せたのが、今でもトラウマである。

  俺も俺で、お人好しなものだから、大我がそういう時ばかり悪知恵を働かせて、知らなかった、ごめんな。と白々しく謝ると、責めるのも可哀想だと深く追求をしなかったのが痛い。

  その後も色々図ったようなタイミングで同様の事が何度もあり、俺は疑心暗鬼に陥って「お前わざとだろ!」というと、やはりまたそこで大我は「あはは!バレちったか~!面白かったのにな~!」と悪びれもなくそうのたまった。俺はもうコイツを信頼しないようにしようと、自分に言い聞かせるいい教訓になったとも思う。

  ともあれ、しかしバレたらバレたで、そんな事をする事は無くなり、高校に上がる今の今まで、大人しくなったと思っていたのに。

  まさかまたこんな厄介な事になるとは、無警戒が仇となった気がした。

  「ともかく!そんな気持ちの悪い事出来るかよ。お前って奴は本当に……女子が好きなら女子を口説け!」

  「ぐわ〜!ひっでぇ!俺の痛い所を平然と突いてきやがったな!口説いても逃げられるんだよォ!散々見てきた癖にそんなこと言いやがってよ~!ひでぇ~!もう悲しいから俺一生こっから動かねぇからそのつもりで。」

  「あっ!しまった!ふざけんな!どけろ!そこは俺のベットだろ!」

  「おーいおいおい。おーいおいおい。」

  「白々しい泣き真似はやめろ!」

  俺がぶつけた枕を抱きしめ、俺のベットに寝そべりうつ伏せでバタバタと暴れた大我は、ピタリとその場に固まり、そして動かなくなった。ヤバいと思ったのも束の間、既にこちらがどんなに動かそうとしようが、この筋肉巨漢を動かす術はない。懸命に服を引っ張って動かそうとするも、微動だにしないその身体は、まるで溶接された鉄の塊のような気さえする。柔道で鍛えられている固太りの図体は、体幹がしっかりしていて、こうなったらテコでも動かないのが大我という男なのだ。

  「俺のベットで眠るハメになっちまえ。」

  「ふざけんな!お前のベット獣臭い上に毛だらけで最悪なんだよ!!あ!やめろ!臭い嗅ぐな!馬鹿馬鹿馬鹿!」

  大我の背中に馬乗りになって、太い首に手を回し何とか頭だけでもどかそうとするが、それすら出来ない。しかもこちらの羞恥心を煽る為か、スースーと大きな呼吸音をたてて、顔を埋めた俺の枕の臭いを嗅いでいる。獣人の嗅覚は人間の何倍もあるのだ、そんな事されたら気心知れてても恥ずかしいのは当たり前である。

  俺はポコポコと何度も頭を叩いてやったが一向に頭さえ上げない大我に観念してしまい、やむなくここはこいつの言うことに従う事とした。

  「わ、わかった!わかったから!だからやめろ!もうやめろ!」

  「……胸……触らせてくれんのか?」

  「グ……あぁ…わかった。仕方ない。けど、ちょっとだけだぞ!」

  「……毎日触りたい」

  「っ!ふ、ふざけんな!調子に乗りすぎだ!」

  「じゃあどかない」

  「やっ!この卑怯者!デブ!猫すけ!筋肉馬鹿!あ、まって嘘嘘嘘嘘!嘘だから全部!わかったわかった!触らせてやるから!もう好きなだけ触ればいいから!」

  「本当か!?」

  「わぷ!」

  ガバリと起き上がった大我に、背中に乗っていた俺は態勢を崩してベットへと倒れてしまう。

  こちらを覗き込んで目を輝かせる大我を見ると、俺はジト目で仕方なくそれを了承してやる。

  結局コイツに良いように扱われているのが腹立つが、所詮AVで見た知識の延長線、大したことも無いと分かるとスグに飽きて、そのまま無かった事になるだろう。数日は不快な思いに耐えなければいけないが、ちょっとの辛抱だ。

  「俺さ!俺さ!AV見ながらやったりとかさ!してぇんだよな!へへ!AVの真似しながら!」

  「……餓鬼かお前は。」

  「え?なんだって?」

  「あーもう好きにしろよ!ほら!」

  「へへへ…」

  観念したように両手を上げて、身体の中心を大きく広げると、大我は少しだけ照れくさそうに、そして嬉しそうに笑いながら、ゆっくりと俺のシャツを捲り始めた。

  「ほ~…」

  「っ…」

  恥ずかしい。

  撫でられるように大我の肉球が肌を上り、少し気温の低い室内の冷たさに肌が晒されていく。

  手先の少しゴワゴワした毛が腹を撫で、そして胸まで到達するまでに、身体を這う他人の温もりに俺の頬は赤く染まってしまって、顔を隠すように腕で目元を覆った。

  「人間の身体ってほんと何もかも見えてんなぁ。毛が少なくてサラサラしてて、乳首だっていちいち探さなくてもわかるもんな~」

  「変態…」

  「どうだ?なんか感じるか?」

  「…全然わかんないよ。少し擽ったいくらいだ。」

  「まぁ、最初はそんなもんか。」

  人間の身体なんて、おそらく大我にとっては遠目で見ることはあっても触ったことなどない代物なのだろう。物珍しそうに何度も何度も肌をさすり、その延長で乳首へと柔らかく触れていく。

  ただ擽ったいだけで、特に気持ちいいという感情はなく、俺は早速この意味の無い行為に飽き飽きして、大きな溜息を吐いた。

  そんな俺とは裏腹に、大我は初めて触れる人間の身体に興味津々で、目を飛び出さんばかりに見開き、肌に浮き出たアバラを撫でたり、臍に指先を入れてみたり、遠慮の無い男である。

  しまいにはガバリと俺の胸に顔を押し付け始めて、流石にそれは聞いていないと、身を丸めたが、むしろ大我の頭を抱え込む形になり、更に大我の髭が肌を撫でて擽ったさが増した。

  「うひゃ!やめっ!何やってんだお前!」

  「ん~…めっちゃ心地いい…」

  「ふざけんな!離れろ!こんなの聞いてないぞ!」

  「サラサラだなぁ~」

  「ひゃ!ひひあっ!擽ったい!ふはっ!やめろってば!!」

  あまりの擽ったさに生理的な涙を流しながら、大我の頭をぽこぽこと力なく殴る。

  そして、その日はそんな感じで、いつまでも大我のお遊びに付き合う事となった。

  ーーーー

  大我が俺の胸を弄り初めてから、既に1週間が経過していた。

  あれから毎日のように、夜、部屋に戻ると、大我は無遠慮に俺の胸へと手を伸ばしてきて、正直ウザイったらありゃしない。

  俺が勉強する為に机に向かってる時や、本を読んでるその後ろで俺を抱きしめながら、シャツの中には手を入れている。時折悪戯するように強く抓られ、それに激怒したり、と思いきや、触れるか触れないかの微妙なラインで刺激してきたりと、こんな日常うんざりである。

  寝る前になると寝そべった俺に覆い被さるようにして、シャツを捲った大我は、飽きずに乳首を刺激してくる。心なしか最近は、擽ったかった刺激が、ピリピリとしたものになって、少し居心地が悪い。何かに夢中になっている時ならまだしも、こうして胸に集中している時には、ジンジンと乳首から伝わってくる感覚に声を抑えるようになっていた。

  正直三日も経たずに大我は飽きると思っていたので、このような事は想定外である。ともあれ好きに触れと言った手前、それを無かったことにしようものならコイツは何をしでかすか分からないため、言葉が見つからないのも事実だ。

  俺はとにかく唇を噛み締めながら、必死に胸から来るよく分からない感覚を誤魔化そうと深呼吸を続け、今日も今日とて、大我の乳首責めに耐え忍んでいるだけだった。

  「そろそろいいか。」

  「……やっと飽きたか…」

  「何言ってんだよ。違うっての。言っただろ、AVとか見ながらやりたいって、そろそろやろうぜ!それ!」

  「なっ…!…あ~……くそ…確かにそんな事言ってたかな……ほんとにやるのか?」

  「当たり前だろ!俺がいつもみたいに後ろから抱いててやるから、お前はパソコン持ってる係な!」

  「……はぁ。」

  大我は、俺の言葉に鼻息を荒くして、ブンブンと太い尻尾を左右に揺らした。

  呆れて物も言えないが、これもまた自分が招いた言葉のせいであるから仕方が無い。

  俺は大我が日頃から使っているノートパソコンを足の上に置くと、後ろからこちらを抱きかかえる大我の指示に従って、ブックマークから指定のサイトへと飛んでいこうとした。

  ブックマーク欄には、全てアダルトページかと思われる英語のサイトがビッシリと並べ立てられており、正直引くというよりもっと深い幻滅が襲ってくる。後ろの大我はというと、そんな事気にした様子もなく、むしろ男なら当たり前だろ?とでも言うように、いつもの調子で、指定のサイトを指で差しながら指示を出していた。

  「ほれ、イヤホン。便利だろこれ、2つ挿せるコードなんだぜ。これなら二人で聴けるだろ?」

  差し出されたイヤホンは、二股になったコードに挿されており、もう一つの穴にもイヤホンを挿す事で、二人共音を聴けるように配慮したものだった。

  特に嬉しくも無いと渋い顔をしながらも、それを耳に付けて、そうして流れ始めた動画を全画面にし、二人で見れるように角度を調節すると、途端に流れてきたのは、AV女優と男優の出だしのインタビュー。それを適当に飛ばし、早速始まると、俺は何だかこのような性的なものを他人と共有しているという事実に今更緊張し始めて、身体をこわばらせた。

  イヤホンからは、女優の喘ぎ声。後ろには大我の体温。

  身体はコイツの大きく筋肉質な全身に包まれており、太く逞しい腕がシャツを捲り始めると、びくりと少しだけ肩が跳ねてしまった。何だか変な気持ちになってしまう。

  気付かれていないことを祈りつつ、パソコンの画面を見れば、自分と同じような態勢で後ろから抱きしめられ、乳首を弄られる女優の姿。

  その指先と同じような動きをする大我の指に、俺は今までとは違うゾワゾワとした感覚に襲われて、ぎゅっと大我の腕を掴んだ。

  こうしていると、本当に全身を大我に包み込まれているようにも感じる。

  そっと肉球の腹でやわやわと円を描くように乳首の先端を撫でられ、声を抑えた。触れるか触れないかの微妙な力加減は、普段物事を力任せに解決する筋肉バカのコイツからは想像出来ない繊細さで、こんなに器用な奴だったのか?とこういう時ばかり緩やかに動く手付きに悔しくて少しだけ唇を噛んだ。

  と思いきや、人差し指の第二関節部分と、親指の肉球で乳首を挟み込むように抓り上げ、しかし強く痛みを伴うような乱暴な刺激を与えるでもなく、コロコロと優しげにすっかりと硬くなった乳首を捏ねくり回された。

  「んあっ!♥」

  「ん?」

  思わずその快楽に、今まで抑えてきた声が出てしまって、俺は慌てて口を噤んだ。

  後ろでは、俺の様子の変化に気付いたのか、訝しげな声が聞こえたが、ここで平然としていればきっとバレる事は無いだろうと、俺は必死で息を整えようとする。

  ちょっと前まではただ擽ったいだけだったのに、今は何だか身を丸め込みたくなるようなもどかしい快楽が胸からジンジンと響いてきて、こうして集中しようとしても、その快感が思考を邪魔して落ち着けない。

  いや、男が乳首で感じるわけなど無いのだ。だからきっとこれは気のせいで、擽ったさが痛みに腫れてしまった乳首を刺激して、このようなよく分からない感覚に陥っているだけなのだ。だからちゃんと息を整えていれば大丈夫だし、そもそもこんな奴に気持ちよくされてるなんて考えただけで虫唾が走っているのだから一時の気の迷いで間違いない。脳まで筋肉で出来上がった見上げる程でかい文字通り部屋まで男臭い、本当に汗と獣と男臭い!こんな奴に……………でも、傍から見れば、男らしく、頼りがいがあって、馬鹿だが気は利くし、笑顔を振りまくだけでみんな明るくなるし………いやいや!何を考えているんだ俺は!!これも全部この変な空気が考えさせる事だ!!気の迷いだ!AVなんか見ながら乳首弄られてるんだから当たり前におかしくなる。

  「おい!ちゃんと見ろよな~!目ぇ瞑ったら意味ねぇだろうが~!」

  「う……こ、こんなの恥ずかしくて見てられるか!」

  「なんだ~?もしかして翔エロい気分になってんだろ~?まぁ、AV見ながら乳首なんか触られてたらなっちゃうよな…それにこのAV女優とおんなじ事されてるわけだし?俺も実は勃ってきちまった。へへ。わかるか?これ?」

  「っ!馬鹿!んなわけないだろ!ただ恥ずかしいだけだ!お前と一緒にすんなよ!…っ押し付けんな!変態!」

  「だ~ってこんな態勢だと絶対当たっちまうじゃ~ん。俺のデカいんだぜ?」

  「知らん!じゃあ勃たすな!この!」

  「あっ!や、やめろって!そんな尻動かしたら気持ちよくなっちゃうだろぉ~が」

  「ひっ!や、やめろ!」

  「おっ!おふっ…おわっ…!」

  大我の股の間に座り、後ろから抱きしめられ密着しているこの態勢は、考えて見ると大我の股間とも密着している形となっており、当然の如く、大我が勃起すればそれが尾てい骨辺りにゴリゴリと擦りつけられる状態になってしまう。

  今までは特に興奮もするような状況ではなかったし、気付かなかったが、こうしてAVを見ているというシチュエーションに、色情魔の大我が興奮しない訳もなく、深く考えて居なかったのが仇となったわけだ。

  俺が声をあげて動こうとすると、肩に頭を置いてニヤついていた大我が、途端に頬を赤く染めて、マズルの先端を突き出しながら喘ぎ始めた。尻を動かす度に確かな硬いモノが腰と尻の間で擦れており、それと同時に強ばった大我の指先が強く俺の乳首を挟んでびくりと震える。

  そんなこんなで、その日はドタバタしながら、恒例の乳首弄りは終わりを迎えた。

  ーーーー

  二週間後。

  最近では弄られすぎた乳首に少し変な感覚があって昼間からやきもきする事が多くなった。

  部屋に備え付けられた、獣人用にも作られている広い風呂場の鏡で乳首を見ると、少し腫れぼったくなっており、赤く先端が突き出しているように見える。

  ちょっとでも触れると全身に響くような刺激がして、正直弄られて過ぎの為に炎症でも起こしているのではないかと思う程だ。

  この頃になると、AVを見ながらの乳首弄りが基本となっていて、耳から流れてくる卑猥な音声と、胸からくる刺激に、声を抑えるのがやっとだ。たまにそれを出してしまうも、俺がわざと動画の音量をMAXにしている為、イヤホンをしている大我には

  聞こえていない……はず。そう思いたい。

  そのうち慣れると思っていた乳首への刺激だが、日に日に強くなっている気がする。

  今日だってシャツと乳首が擦れただけで声を上げそうになってしまい、周りにバレないように振る舞うのが大変だった。深く考えずに引き受けてしまった大我の要求は終わる事もなく、飽きてすぐに終わると思っていたこの行為も既に二週間。流石に乳首がこんなになっているのだから、もう止めようと大我に言おう。

  そうだ……その方がいい。

  「止めるぅ???お前俺との約束破るのか!?」

  案の定、大我が部屋に戻ってきた瞬間、この話を持ちかけると、帰ってきたのは予想していた通りの言葉だった。

  俺は、白々しい悲壮感たっぷりの顔でこちらの肩をガクガクと揺する筋肉デカ虎に、落ち着け!と声を掛けると、大我はシュンと耳を垂れ下げ、いつも忙しなく動かしている尻尾をブランブランと力無く振り子のように揺らしていた。

  「…そういう訳じゃないけど……最近乳首が腫れぼったくなっててヤバいんだよ。…もしかしたら炎症でも起こしてるのかも知れない。こんなのほっといたらどうなるか分かったもんじゃないだろ?だからせめて治るまでは…」

  「治るまででいいんだな!!」

  「ん……あ、ぁぁ…」

  余計な一言だったかもしれない。こいつの悲しそうな表情に騙されて妥協案を言ってしまったが、言葉を遮ってまで食らいつく勢いで叫んだ大我に、これがまた仇とならない事を祈るばかりである。

  「まぁそれならいいけどよ。…因みにどんな感じか見してみ?最近後ろから弄ってばっかだから見てねぇな、そういや。」

  「……ん」

  「あー…いや…こりゃ確かに…真っ赤に腫れぼったくなっちまってんな~」

  「誰のせいだ誰の!」

  「へへへ…」

  シャツを捲りあげて胸元を見せると、大我は顎に手を当てて、腰を曲げ、なんとか俺の胸元まで視線を揃えると、感慨深そうに乳首を眺めながら呟いた。

  そんな大我にイラついて頭をポカポカと叩いてやると、相変わらずニヘラとした間抜けな笑みを浮かべて、大我は照れたように笑うだけだった。

  「まぁ、そういう事なら俺に案があるぞ?」

  「……どうせ碌でもないことだろ。」

  「信用ねぇなぁ。俺だってちゃんとネットで調べてそういう時の対処法も確認してんだぞ?」

  「1度でも信用出来ることをしてから言えよ……でもとりあえずは聞いておいてやる。」

  「素直じゃねぇ奴。」

  大我の話はこうだった。

  市販でも簡単に手に入る皮膚荒れ用の軟膏が、良く乳首開発の際に用いられており、それを使えばこうした肌荒れも治る可能性があるとの事。

  使用する際には乳首にたっぷりと軟膏を塗りたくり、肩こりの治療に使う、小さな針のついたスポールバンでしっかりと封をして触らないようにする事。

  途中痒くなったりする場合があるが、絶対に乳首には触らず、風呂も頭だけ洗うようにし、身体は布で拭く徹底ぶり……との事だ。

  「本当にそんなんで治るのか?」

  「信用しろって!…あ、因みに、本人に任すと、痒みでスポールバンを剥がしたりして治療が進まないらしいから、全部パートナーに任した方が良いらしいぞ。」

  「…具体的には?」

  「まぁ、お前が寝た後に、俺が毎晩やっといてやるよ。だからお前は胸に絶対触るなよ。んで、その確認もまた俺がやっとくから。お前は前みたいにただ食って寝て勉強でも読書でもしてりゃいい。」

  「……怪しい……けど、病院に乳首がかぶれたって診察しに行くのも恥ずかしいしな…とりあえずやって見るしかないか。」

  ともあれ、問題はやはり乳首を見せて病院で診察される恥ずかしさにある。

  もし出来ることなら避けたいのが素直な気持ちで、これで治るならそれはそれで安いものだ。皮肉だがもうコイツに乳首を弄らせたり見せたりする事に関して嫌悪感というものはとうに無くなってしまったのも事実であるし。これでダメなら今度こそ病院に行けばいい。

  そうして、その日から1週間の乳首責め中止期間が設けられた。それはそれで、今までの乳首責めというよく分からない習慣が無くなっただけでも有難いと思える。

  大我が少しばかり嬉しそうなのは、これが終わった後でも結果的に俺の乳首を弄れる機会を設けられたからだと思う事にしよう。

  これがあんな事になるとは知らずに。

  ーーーー

  三週間後。

  この1週間は、起きると胸に丸いスポールバンが貼られているというよく分からない朝を何度も経験した。

  弄られた形跡はなく、腫れが徐々に引いていくのも目に見えて分かったからどうやら本当の事ではあったようだ。

  ただし日中、授業を受けている時に猛烈な痒みに襲われて、今すぐにでも掻きむしりたいと欲望に駆られた時もあり、それがとてつもなく大変だったのを覚えている。掻けばまたやり直し。それは教室で着替える事のある男子校では致命的な事で、胸にこんなもん貼ってると知られたら虐めに発展しかねない為、最短の1週間で終わらすには、その痒みに耐えなければいけないのが苦痛であった。汗を掻けばそれだけで蒸れて掻きむしりたくなるし、体育の授業は地獄と言っても過言では無かっただろう。

  しかしようやく今日、この地獄から解放される。

  そして、1週間の時間を利用して、この話題を極力避け、あわよくば乳首責めもこのまま終了を狙っている!

  大我の事だから、今日一日、それか明日にでもなれば、すっかりこの事を忘れる可能性は大きい。もし思い出したとしても、そんなこともしてたなぁ。もう忙しいからやめよう。下らないし。とやんわり断ればそれで良し!

  今日こそこの悪習を断ち切るチャンスなのだ!

  部屋に戻ると、既に大我が帰ってきていた。俺は図書委員の仕事でいつもより遅く帰ってきたので、既に大我の柔道部は終わっていたのだろう。

  まぁ、それも関係ない。大我は高いびきを掻いて眠っているようだし、今のうちにサッと風呂に入って胸のこれを取り去り、何事もなく過ごしてしまおう。

  

  AVを見始めた頃から一緒のベットで寝落ちするようになり、何故かすっかりそれが習慣になって、この1週間もまた何をせずとも一緒に眠るというよく分からん事が今日まで続いてしまっていたが、こうなってしまえばそれもまた些細な事。折を見てシーツやら何やらを交換して場所を替えれば済む話である。

  

  とりあえず、大我を起こさないように着替えを持ち出した俺は、部屋に備え付けられたバスルームへと入っていった。

  

  

  脱衣所兼トイレの設置されているそこでさっさと服を脱ぎさり、スライド式の扉を開けて浴室に入る。言った通り獣人用にも作られた大きな風呂は、浴槽とシャワーが別になっており、寮とは思えない豪華さであるが、それもひとえに、この寮が特待生や成績優秀者用に作られたものであるためである。

  俺は成績優秀者。大我は柔道部の特待生。

  部屋数も少ないが、その分一部屋一部屋が、安いマンションの1室くらいには広く取られており、なかなか快適な暮らしができている。

  元々親元を離れて暮らしてみたいと思っていた俺は、実は大我に誘われてこの学校へと一緒に進学した。アイツが一人での生活は辛いとか、友達が居ないと不安だとか、卒業前に散々俺へとアピールしてくるものだから、最初は断っていたものの、押しに負けてそれを了承したのだ。

  親元を離れると言ってもいきなり一人で生活するのは度胸がいる。大我はふざけた奴であるが、悪い男ではないし、せっかくこんな生真面目で融通の効かない俺のような奴と友達になってくれたのだから、少しはそれに報いてやろうかと無駄な気遣いをしたのもある。

  まぁまさか、乳首責めしたいなんて事を言ってくるとは思いもしなかったが……

  「さてと…これを…」

  「ん…おーい、風呂入ってんのか~?」

  「っ!」

  そんなこんなで全裸になり、浴室に入って、胸についたスポールバンを取ろうとした、そんな時だった。

  まるで見計らったように脱衣所の扉が開き、大我の声が聞こえて、俺はハッと息を呑む。

  「は、入ってるから来るな!」

  「なんだやっぱ居たのかよ。俺部活終わりで汗かいたまんま寝ちまってさぁ、ベットベトだから一緒に入っていいか?」

  「ふざけっ!つうかお前そんなんで俺のベットに寝てたのか!!?この馬っ!」

  ガラガラガラ!

  俺の言葉の途中で、無遠慮に開かれた扉。

  既に全裸になり、股間を片手のタオルで隠しながら現れた固太りの筋肉巨漢は、目の前で叫ぶ為に腕を振り上げていた俺をまんま直視し、俺は口を大きく開けたまま絶句に固まって言葉を無くした。

  「あ、そういえば乳首、治ったか?なぁ?」

  しかしそんな事も束の間、俺の胸元に2つ付けられたスポールバンを見て、思い出したかのようにニヘラと笑った大我が、ノシノシと図々しく浴室に入ってきては、ピシャリと扉を閉め切って、俺はとうとう逃げられなくなった。この横にも縦にもデカい筋肉虎は、なんとまぁ浴室の扉からはみ出すほどの肉で、そこに立たれていたらもう振り切ることは不可能である。そして今日で終わる予定だった大我との悪しき習慣も続行の未来が決定してしまい、どうにもこうにも上手くいかないものだと、俺は虎を睨み上げる事しか出来ない。

  「ほら、一緒にシャワー浴びようぜ!んで、お湯張ってさぁ」

  「………」

  何でこんなに楽しそうなのか。

  俺は肩をガクリと落とし、大我に肩を抱かれて浴槽へと向かっていく。

  「それ、俺が外すからまだ手ぇつけんなよ?」

  「なんで…」

  「外したいからだよ!いいから触んなよ?」

  何ともまぁ、よく分からない拘りである。この1週間も甲斐甲斐しくそうやって薬を塗っていたのだろうか、寝ている間にいつの間にか交換が終わっているので、全く知りもしない事だが。

  大我が汗に塗れた身体をシャワーで洗い流している間に、俺は浴槽へと水を溜めていた。久しぶりの風呂である。毎日頭を洗う事は出来ても、身体は布で拭くだけだったから、確かにお湯に入るのはやぶさかではないが、それが大我と一緒だと思うと複雑な気分である。

  並々と注がれていくお湯を見ながら、暫くして全身を洗い終えた大我がシャワーを止める頃には、浴槽にも丁度良いくらいの水が溜まっており、入るには問題がなさそうである。多少少なくても、大我と俺の二人が入れば質量のお陰で良い塩梅だろう。

  大我が先に入って浴槽に背を預けると、パシャパシャ音を立てて自らの太ももを叩く。

  恐らく座れとでも言うのだろう。ジト目で見つめた先には、何ともまぁ太く逞しい垂れ下がったペニス。俺のと比べると二回り以上違う。同じ男としてというのは、コイツが獣人である事と、体格の違いから気にはしないが、筋肉の筋が通った強靭な太ももや、脂肪が付きながらも薄らと割れた腹筋、盛り上がる胸板、子供がぶら下がってるかのような腕。ちょっとジェラシーを感じてしまうのは仕方の無いことである。

  ゆっくりと片足ずつ入り、大我に背を向けながら座ろうとすると、ペロリンと尻が撫でられた。

  突然の事に突拍子もない声を出し後ろを振り向こうとすると、そのまま腰を引かれて勢いよく水柱を立てながら、俺は大我に抱きしめられてしまった。

  「ぶあっ!な、ごほ!何やってんだお前っ!危ないだろ馬鹿!」

  「へへ、久しぶりの風呂は気持ちいいだろ?」

  「……あぁ。って誤魔化すな!」

  「たはは…」

  悔しいが、確かにその通りである。

  しかし、こんな乱暴に引き寄せる奴がいるかと、俺は大我へと振り返ってその顔を睨みつけてやった。

  ふと、誤魔化すように笑った大我の首元に、何やら黒い水中メガネを見つけて眉を訝しげにひそめた。

  「なんでそんなもの付けてるんだ?」と聞けば、大我はそれを掴みながら「あぁ…」と小さく呟く。

  「付けてみりゃわかる。」

  「…なんだよそれ。」

  水中メガネを取り去り、ゴムの長さを調節して(大我の首が俺の頭より太い為、普通に付けるとヨレヨレ)俺に手渡してきた。

  水中メガネなんて、小学生の頃以来である。「先輩がくれたんだよなぁ」と呟く大我を尻目に、それをなんの疑いもなしに掛けると。

  「は?…なんだこれ、なんも見えな…っ」

  「スキありぃ!」

  「なっ!」

  その水中メガネは、何故だか真っ暗で視界を遮り、前が見えない仕様になっていた。

  なんだこれはと唖然としていたのも束の間、大我は俺の手を頭上まで持ち上げると、股間を隠すために持ってきていたタオルで縛り、そして腕の輪の中に自分の頭を潜らせて、首の後ろで壁と挟んで全く手を動かせないようにしてきたのだ。

  いきなりの事に動揺し、「何してるんだ!眼鏡外せ!」と叫ぶと、大我は気の抜けた返事を返して、眼鏡をそっと外してくる。が、相変わらず手は拘束したままで、しかも離す気すら無いようだった。

  「おい!腕も外せ!」

  「まぁまぁ、その前に、ほれ、乳首に付いてるもん、取ってやるからさ。」

  「っ!い、いったい何考えてるんだお前は!」

  俺は腕を上げながら拘束され、足もいつの間にか大我のふとましい太ももに乗られ、開かれるようにして身動きが取れないようにされていた。

  俺が身をよじればよじるほど、胸が突き上げられまるで弄って下さいとでも言うように強調される。

  嫌な予感がして、大我に問いかけてみるも、コイツはいやらしい手付きで腹からアバラ、そして胸へと撫でるように手を動かしてくる。

  「腫れも引いたようだし、また再開って事でいいよな?」

  「くっ!いちいち白々しいぞ!何考えてんだ!」

  「ほれ、剥がすぞ?」

  俺の言葉を聞いてるんだか聞いていないんだか、ゆっくりとスポールバンに指先を近付けた大我は、それをペリペリと焦らす様に剥がしていった。

  「っ!?ーーーーーっ!!?!?!?!?」

  瞬間、襲ってきたのは、これまでに感じた事が無いほどの快感。身体が弓なりにしなる。

  言葉にできない悲鳴。

  混乱、恐怖、そして頭を一瞬にして馬鹿にするほどの脳内麻薬。顔はアッパーを食らったかのように上へとビンと弾かれた。

  つぅ…と粘ついた何かが、スポールバンの中央についた短い針と乳首との間に線を作る。

  何だこれは?!いったい今何が起こったんだ????

  そんな思考が一瞬脳裏に浮かぶが、俺の瞳孔はガクガクと震え、口は空きっぱなしで、ビクンビクンと身体は震えるばかりになりその思考を維持することは出来なかった。

  「おー…すっげぇなぁ。ここまで効くとは思ってなかったぜ。」

  「はひっ♥っな、なんら今のっ…♥なにがっ…?♥」

  「ん~…?どうかしたか?…めっちゃ気持ち良かったろ。1週間我慢したもんな?偉いぞ翔。」

  違う…そういう事じゃない…。

  少し震えるように、恐怖が滲んだ瞳で大我の方を見つめれば、いつものように笑う顔。しかしその表情がこれほどまでに白々しく、それでいて底の見えない何かに見えたのは初めてだった。

  「"腫れ"は引いたんだ。嘘なんか付いてないぜ。俺。」

  「やっ…だ、けど…っ!」

  「まぁ、確かに、あの軟膏とこのスポールバン貼ると、乳首の皮膚が薄くなって敏感になる上に、この針がずっと乳首を刺激して、しかも中にまで軟膏を染み渡らせる効果があるのは説明してなかったかな〜…でも聞かれてねぇし?」

  「お、前…俺の…こと騙して…っ?」

  「はは……バレちったかー。」

  乾いた笑い。貼り付けたような笑顔。これが本当に大我なのだろうか。それでいて、いつものようにあっけらかんと言うその言葉に、俺は心底ゾッとした寒気を覚えた。

  「見ろよ、乳首めっちゃ綺麗なピンク色だぜ?これでモロ感なんだから面白れぇよなぁ〜。」

  「ひっ…ヒュ…」

  「ほら、こっちも剥がすぞ?」

  大我が、もう片方のスポールバンに手を伸ばす。指先で端からゆっくりと捲るようにし、わざと俺に見せつける事で、俺の欲情を煽ってるのだろう。しかし俺は身体を固め、剥がれゆくそれを凝視し、そしてどんどん剥がれていく状況に胸を激しく呼吸で上下させた。

  「そぉーっとそぉーっと……」

  弄ばれるように耳元で大我の声が響く。ドクンドクンと心臓が高鳴り、額にシワを刻んで震えていた。その時だった。

  「なんつって…な♪」

  「っん゛ひゃゥ!!♥♥」

  ビリィ!!

  瞬間、一瞬にして捲り取られたスポールバン。

  俺は顔を殴られたかのように、顎をしゃくり上げて、そして全身を弓なりにしならせながら、今度こそ無様な声を出しながら叫んだ。

  ガクガクガクガクと全身が何度も湯船を上下し、ビシャビシャと派手に水飛沫があがる。同時に、僅かながら乳首の先端から白い粘ついた何かが吹き出し、大我はそれをスっと目を細め面白そうに眺めていた。

  全身を襲うのは断続的な絶頂感。今までに感じた事のない、身体全体を覆うような快楽。

  呼吸すらもままならず、喉からはゴフゴフとポンプが詰まったかのような音が鳴り、そしてようやく、何度か腰を突き上げて緩慢に痙攣を繰り返すと、俺はぐったりと大我の肩に頭を預けて、全身を弛緩させた。

  「すっげぇな。こんなになっちまうんだなぁ。気持ち良かったか?翔。」

  「ひゅ…お…う…♥っ♥」

  大我に頭を撫でられながら、俺は虚ろな表情を晒す。横隔膜が痙攣し、しゃっくりをするように呼吸しながら、俺は返答を返すことが出来ず、そのまま眠るように気絶してしまった。

  ーーーー

  「ーーっあッ!?」

  「よう。目が覚めたな。」

  「はっ…はっ…はっ!っここ」

  「落ち着けよ。な。俺が分かるか?ここはベットの上だよ。大丈夫だから。」

  まるで悪夢を見たあとのように、俺は勢いよく覚醒した。一瞬大量に吸い込んだ空気に噎せて、パニックに陥りながらキョロキョロと視線だけ動かして辺りを見回す。

  唯一の明かりは机の上のスタンドから漏れる光のみ、目の前に現れた大我は、俺の額を優しく撫でながら、ゆっくりと声を掛けてくれる。

  腕は上げられた状態で縄らしきものに固定されており、足は動かせるが、両足を結ぶのはジャラジャラとした鎖だった。

  「なっ…なんだこれっ…!何してるんだ大我!?」

  「あ〜、すげぇだろこれ。通販で買ったんだよ。ほら、AVの通りにやりたいって言ってただろ?だからさ、おんなじ状況。」

  「ふ、ふざけんなよ!も、もう終わりだ!こんなの嫌だ!」

  「おいおい…いまさらそりゃ無いだろ?せっかく乳首ここまで育てたんだし、楽しもうぜ。」

  ニコニコといつものように笑う大我は、いつもの大我のようでいて、全く別人のように見えた。

  俺は恐怖に何度も腕を動かすが、そんな事でこのキツく結ばれた縄が解けるはずも無く、足は一定以上の大きさに広げることも出来ない。

  こわい。

  初めて身を襲う危機感。

  俺はこんな男と今まで一緒にいたんだろうか。

  「た、大我…お、俺達…友達だろ…だ、だからな?こんな事しなくても、いくらだって付き合ってやるから…だから…だからこれ…」

  「……友達…か。」

  ベットへと腰掛けた大我は、俺の言葉にピクリと耳を動かすだけで、視線は合わせてくれなかった。

  コイツの太い尻尾はまるで今の心境だと鞭のようにも見えて、それが持ち上がるだけで俺は身をこわばらせてしまう。

  足の先から太もも、そして腹へと、まるでなぞるように尻尾が肌を撫でて、俺は一向にこちらを向かない大我の言葉を待つことしか出来なかった。

  「……はは!それを言うなら親友、だろ?全く…心配すんなって、何も痛いこととかするわけじゃねぇしさ〜。ちょっとの辛抱ってやつだよ。」

  「や…っ、だったらこれ…っ」

  「だ〜めだって……言ってんだろ?」

  「っ!?」

  こちらを向いた大我は、怖いほどいつもの大我で。

  それが逆に恐ろしかった。太陽のように人を照らす笑顔も、今ではその熱量に命の危機を感じてしまう。

  息がかかるほど近付いた顔。瞳が交わった時、そこに獣を見た。

  有無を言わさぬ強者の瞳、まるで試合に出ている時のように、獲物を逃さず咬み殺す、そんなコイツの本気の瞳。淡い翠の、美しく残酷な眼光。

  一瞬で抵抗する気が削がれ、俺は言葉を飲み込んだ。これ以上手間をかけさせるな、そんな風に言われている気さえする。俺はもう、コイツの巣の中に迷い込んだ小鹿も同然だった。

  「うっ…ぅく…ひっく…」

  「おいおい泣くなよ。だから何もしねぇって。」

  その威圧感に、とうとう俺は堪えきれなくなって、吹きこぼれるように涙を流した。もともと大我のような体育会系は得意としている相手では無い。俺は読書や勉強ばかりしている男だし、コイツのようにエネルギッシュな相手とのやり取りは神経をすり減らして、いつも恐る恐るだ。

  それなのに、こうして縛られている不安。そしていつもとは違う大我の様子。

  みっともないと思いつつも、俺は初めてコイツの前で涙を流してしまった。

  俺の涙を見た大我は、ビクリと肩を震わせて、目を丸くしている。

  まさか泣くとは思っていなかったのだろう。慌てたように俺の両頬をその柔らかい肉球で包むと、指で涙を拭ってくれる。

  流石の大我もこうした展開にはオロオロするばかりだ。

  「ひっく…だって…うぅ…大我っ…いつもの大我じゃ…っ…ない…」

  「うっ…」

  俺が泣いた理由を話せば、大我は少しだけ唇を尖らせて、そしてガバリと身を起こし、後頭部をガリガリと掻きながら苦虫を噛み潰したような表情をした。

  「……あ゛〜……たく……俺だってなぁ、結構色々考えて仕方なく…っくそ……」

  「…っひっく…な、に…?」

  「何でもねぇよ!お前の泣き顔がエロいって話!!」

  「っ!?」

  大我が堪えきれないように言葉を吐いては、そのまま言葉を途中で切って悪態をついた。

  そのあと向こう側を向いてボソボソと呟いた言葉が聞こえずに聞き返したが、ただ顔を真っ赤にした大我が牙をむき出しながら吐き捨てるように呟いて、俺は恥ずかしさに顔を赤くすることしか出来なかった。

  それを境に、大我はベットの下方へと移動すると、俺の足を持ち上げ、股のあいだに身体を入れて、そして俺の腰を持ち上げて視線をこちらに向けてくる。

  何をするつもりなのかと思いきや、その舌が恐る恐る俺の萎えたペニスの先端をペロリと舐め上げて、俺は思わず驚きに声を上げた。

  「ひっ!?た、大我!?な、何やってっ!」

  「黙っとけ!……極楽見せてやるからよ。」

  拗ねた子供のように呟く大我は、どこか焼けクソにも見える。

  震えるマズルを何とか突き出して、大きな舌の腹を俺のペニスに一舐め、そして二舐め。徐々に大胆になっていき、顔を真っ赤に染めて羞恥に耐えながらも、次第にマズルは開ききって、ペニスがその中へと飲み込まれていった。

  「ひゃひっ!?♥あ゛っ!?♥やっ…っ!?何これぇえっ!!?!?♥♥」

  「じゅる…じゅぽ…んぐ…はむ…ん…じゅるる…くちゅ…ん」

  初めてのフェラチオ。ねっとりとした舌がペニス全体をぬるぬると包み込み、未知の快感に勃起を止めることが出来ない。

  熱く、湿っていて、包皮は吸われ撫でられて、亀頭の先端をチロチロと弄ばれる。乳首とはまた違う、オナニーでは感じる事も出来ない心地よい快感に、慣れない身体はすぐさま限界が近付き、そして身体が震えていく。

  「あ゛っ!♥だめだめだめだめっ!♥だめぇ!!大我っ…大我ダメっ!♥いくっ…!い、イ、イっちゃうっぅ!?♥いくっ!いくいくいくっぅぅう!?♥♥」

  「ん…じゅるるる…ん…」

  絶頂がくるというのに、それを言っても口を離そうとしない大我は、そのまま最後までフェラを続け、むしろ激しく責め立てた。

  俺は我慢しようと歯を食いしばったが、それも長くはもたず、大我の肩を土台にして腰を突き出してしまい、腹の奥から絞り出すかのように重々しく絶頂を叫んだ。

  腰が痙攣し、大我の口の中でペニスが震える。ごくごくと喉を鳴らす大我は、俺の精子を目をつぶって眉間にしわを寄せながら飲み込んでいた。

  口からペニスを抜き出し、大我は口を拭ってしかめっ面をした。「うえ…精子ってまっず……喉に絡んできやがる」と、こちらの羞恥心を煽る如く言葉を吐いて、俺はゆっくりとベットに腰を落された。射精の疲労感から、思考は回らずボーッとしてしまう。

  大我は俺の身体を覆うように手を伸ばすと、枕元から風呂場で使ったあの黒い水中メガネを取り出して、そしてそれを俺の顔に付けようとする。

  「やっ…こ、今度はなんだ!…何するんだっ!」

  「SMってやつだよ…!まだまだ飽きるほど楽しませてやるぜ?お前が気絶してる時に精力剤飲ませといたからな。しかも獣人用のめちゃくちゃ強力な奴。」

  その言葉に絶句したのを最後に、俺の視界は暗闇に染まってしまった。

  不敵に微笑んだ大我の顔が目に焼き付き、そればかりが目の前に浮かんで来る。

  視界が閉ざされると、頼りになるのは聴覚くらいしか無い。しかし布の擦れる音や、鎖の軋む音に掻き消されて、俺の五感は頼りを失った。

  「あっ…う…やっ…」

  「やっぱ…すげー肌触りいいよな。人間て。」

  首元にキスを落され、そのまま鎖骨へと下がって行く。チュッチュッというリップ音をわざと出しながら、空いた手は胸を撫で、腹を、そして太腿の内側を擽るように触って、ペニスに触れるか触れないかの焦れったい愛撫をした。

  こちらの足には、大我の太く柔らかい尻尾が巻きついている。

  大我はスンスンと俺の腋の臭いを嗅いで、ペロリと舐め上げて、俺は身体を捻って嫌だ嫌だと泣き言を言うことしか出来ない。

  「あっ…!や、やだ!も、もうそこはっ…!」

  「何言ってんだよ。こいつが本命だろ?」

  「ひぃぃ!?」

  そしてついに、大我が俺の胸にキスを落とした。それが意味する所はつまり、また始まってしまうのだ。乳首への責めが。

  薬品の効果か、俺の乳首はピンク色に染まり、そしてつぷりと立ち上がっていた。薄皮1枚剥けたような、まるで神経そのものを露出させてしまったような、そんな乳首。

  大我はわざとスグに触ることはせず、舌先で乳首の周りをゆっくりと擽るように撫であげて俺を焦らす。

  視界が遮られている今では、大我がいつ乳首へと直接的な刺激をくわえるのか、それを感知する事は不可能であり、それがまた俺の中で燻っている欲情を激しく刺激していた。

  「あ…ぁぁ…」

  視界を遮断され、音と感触、そして大我の匂いが、今の自分の世界の全てだった。

  こんな状況に追い込んでいるのは、他の誰でもない、大我本人だと言うのに、こんな心細い気持ちは初めてで、その元凶たる大我自身に縋り付きたくなる。

  ぴちゃぴちゃという音が、足を拘束する鎖の音に混じって耳を犯した。胸全体を湿った舌先の感触が、まるで文字を描くように動き回って身を捩りたくなる。香ってくるのは、風呂に入ったばかりだと言うのに、既にじっとりと汗ばんだ大我の匂い。男特有のフェロモン。

  そして……

  「っあ゛〜〜っっ!!?!?!♥♥」

  「じゅるっ……くちゅ…ちゅく…ちゅ」

  ビクンと大きく身体がしなった。口を大きくあけて、出てきたのはまるで獣のような叫び声。背中に腕を回され、抱き締められるように引き寄せられて、胸の脂肪ごと、大我のマズルの中に取り込まれ、そしてとうとう乳首の先端をネコ科特有のざらついた舌が舐った。

  もう片方の乳首にも、背中から回り込むように身体を包み込んだ大我の太い手が、肉球の腹でクニュクニュと捏ねくり回す。

  同時にもう一つの空いた手は、俺のそそり立つ小振りなペニスをそのまま包み込んでクチュクチュと激しく嫌らしい音を立てる。性感帯の三点責めに、俺は耐えられる訳もなくそのまま無様に射精した。

  「あ゛っ!?♥いくっ!イクイクイク!?♥い…っくっぅ!?♥♥」

  トプトプと力のない精子が腹に垂れる。大我はその全てを絞り出そうと、俺のペニスを根本から強く先端に向かって擦りあげ、尿道に残った全ての精子がドロドロと糸を作りながら垂れていく。

  「あ゛っ♥ひっ♥ひァっ!ひっ!♥やあ!もっ!やめっ♥」

  「ちゅく…ちゅる…ん…ぢゅるる…くちゅ」

  それでも尚、大我の責めは終わる事がなく、イッたばかりで敏感な全身、その更に敏感な乳首を、嫌らしい音をたてながら吸われ、俺は身悶えしながら泣き言のように叫んだ。

  ビクビクと身体が震え、擽ったくて懸命に身をよじろうとするも、グッと抱きしめられた身体はそれ以上動く事はない。

  ペニスへの責めは終わったが、代わりにその指先はゆっくりと下り、太股を撫で、内側へ、蟻の巣渡りを撫でて、肛門の入口を叩いた。

  「ひゃっ♥な、っんひ…っ♥なにしてぇっ!♥」

  「大丈夫だって、お前が寝てる間にシャワーで綺麗にしといたからよ。」

  そういう事ではないのだ。相変わらず的外れな事を言う大我は、そのまま俺の腹に垂れた精子を掬って肛門に塗りたくると、優しく筋肉を解すように指先で入口を叩いた。

  尻穴を触られるなんて今まで生きて来て初めての経験で、しかも全身が敏感になっているからか、決して不快にも思えないのがゾッとする。

  大我はそれだけ言うとまた乳首へと舌を這わせ始めて、俺はそんな胸の突起の内側からくる、何やらよく分からない感覚に声を抑える事が出来なくて身を捻った。

  乳首から何かが溢れそうなのだ。

  大我に吸われる度に、それは確かに乳首へと昇ってくる。

  「やだっ!♥な、なんか変ら!?♥たいがっ!♥ち、ちくびぃっ!なんかくるっ♥はひっ!うああああ!!♥♥♥」

  ピュッ!

  出た。それは視界が遮られていてもすぐに理解出来た。トロトロと勢いなく、胸の先端から何か液状の物が溢れている。俺はまるで堰き止められたダムが決壊したかのように溢れ出てくるその感覚に身を震わせ、絶叫しながら胸を突き上げた。

  大我はそれを、チュウチュウと吸い、それのせいで勢いよく溢れ出る液体が内側から乳首を刺激して、俺はガクガクと顎を痙攣させる。

  「ん……甘ぇ……へへ…見るか?」

  ひとしきり飲み干された後で、大我が俺の目隠しを外した。俺の瞳は虚ろで、瞼がひくひくと痙攣している。

  頭を持ち上げられて、胸へと視線を伸ばすと、やはり胸の先端から白い何かが溢れている。大我が戯れに胸をきゅっと絞ると、それに釣られて注射器のようにピュッとそれは打ち上がった。

  「ら…らんだこれ…っお、お前なにしてっ…」

  「いや、俺もびっくりしたけどよ。風呂場でもこれ出てたんだぜ?…多分乳か〜?使った薬にゃこんな性能ないし、お前の家系で牛獣人とかいたんじゃねぇの?…儲けもんだな!」

  俗にいう隔世遺伝というものだろうか。俺の家族は現状全て人間であるが、母方や父方の家族では獣人と結婚していたりしても不思議ではない。そうして生まれてきた子供は大抵、獣人なら獣人の親の、人間なら人間の親の特性を引き継ぐので、身体的なハーフというのは基本的に生まれないのだか。

  たまにこうして、世代を超えてその特性が引き継がれるパターンがある。それは人間なのに嗅覚が良かったり、耳がよかったり、獣人なのに人間と変わらない筋肉量だったり、聴覚が人間と同じくらいだったり。勿論その逆も有り得る。強い筋力の獣人同士が何世代も交配したら、他の獣人より力の強い獣人が生まれたり、かと思いきや別にそんな事しなくても何世代か前の力の強い獣人の隔世遺伝で他より力の強く生まれた獣人もいる。大我は後者だ。他の獣人よりも実は筋力的に優れているらしい。祖父が熊獣人らしく、その隔世遺伝だと言われている。

  つまりは、俺の家族の内どこかに、牛獣人の血が混ざっており、それが大我の乳首責めのせいで覚醒して、乳が出るようになった、という事だ。

  「ふ、ふざけるな!こ、こんなの恥ずかしくてぇぇぇ♥♥♥」

  「ん、じゅる…くちゅ…いいじゃねぇか。結構美味いぞこれ?…それに多分吸い出したりしなけりゃ出てこねぇし。」

  俺の言葉をまるで無視して乳首へとむしゃぶりつく大我。まるで子猫がミルクをペロペロと飲み干すように、俺のミルクでザラザラの舌が白くなっている。

  大我の舌はまるで凶器だ。柔らかい舌の突起がぞりぞりと乳首を削いで、身体が震えて言う事を効かなくなってしまう。

  「やっ♥も、無理っ♥ほんろにっ…っんひ♥んんんんんんんんっ!!!」

  全身が震える。胸からミルクを吹き出す勢いに釣られるようにして、身体の奥底から何かが駆け上ってくる。歯を食いしばって耐えようとするが、それはこちらの意志とは関係なく、とうとう破裂するように解放され、言葉に出来ない感覚が身体中を駆け巡っていった。

  「はっ♥ぐっ…かふ…♥」

  「およ?」

  カタカタと僅かに震え、身を反らして固まるこちらを見て、大我は何かに気づいたよう声を出した。

  「もしかして翔イッてんのか?」

  「あ゛っ…♥ひっ…!♥」

  返事はない、どうやら長いオーガズムの最中で、意識がそちらに連れていかれてしまっているようだ。

  ちらりと下半身を見れば、ペニスに触れている訳でもないのに何度もそこはしゃくりあげ、代わりに我慢汁をトロトロと吐き出している。これはまた面白い事になったと、大我は一人口角をニヤリとあげた。

  「へっ、すげーな!お前乳首だけでイッたのかよ。」

  ヘラヘラと笑いながら翔の顔を覗き込んだ大我は、初めてのドライオーガズムに戸惑う様子で放心する相手に満足気だった。

  顎を掴み、視線を合せて、少し涙ぐむ翔を心底可愛らしいと思いながら微笑む。

  もしかしたらチャンスなのではないか?そう僅かに閃いて、大我はゆっくりとマズルを近付けていく。

  どうせここまで来たのだ、後戻りする事も出来ない。どう転んでも翔をここで手に入れるのは変わらないのだから、キスの一つや二つ。

  「んっ…」

  「ふむっ…♥」

  マズルでその唇を覆うようにキスをした。正直に言えば、ここ一番で最も緊張した場面でもあった。こんな風に既に身体をいじくりまわしているにも関わらず、キスをするという行為が、試合で未知の相手と組み合いするよりも緊張した。

  僅かに震えるマズルを動かし、牙で相手を傷付けないよう意識して。

  舌を挿入し、クチュクチュと掻き回す。柔らかい相手の舌を絡みとり、歯茎をなぞって唾液を交換する。

  大我は緊張を誤魔化すように目を瞑り、頬を赤らめながら何とか奉仕しようと懸命に務めた。

  いつも余裕があり、何も考えてない気楽な奴だと揶揄されても、実際には誰よりも緊張し、誰より苦悩し、誰よりも翔を好きだと思っていた。その想いをぶつけるように。

  「んは…」

  「ぷあっ…ふ♥」

  銀色の糸がトロリと二人の口から橋を掛ける。まるで名残惜しむように、それは程なくしてプツリと切れ、同時に二人の熱っぽい視線が暫く交差し続けていた。

  「たい…が……おれ…たち…」

  「も……我慢できねぇ…」

  「…へ…?」

  翔の蒸気した顔を見て、大我はこれでも抑えていた欲望を、これ以上我慢する事が出来ないと服を脱ぎ出した。

  シャツを脱ぎさり、その鍛え上げられた身体を露出させ、相手の足の間に陣取り、ボクサーパンツにも手をかける。

  虚ろだった翔の瞳は、そこから本能的に避けていた大我の下半身を直視し、そこでギョっと目を見開く。

  自らのモノをタコさんウィンナーだとすれば、彼のペニスはペットボトルだ、それほど大きさに差があり、圧巻である。

  確かに何度か目にした事はあっても、勃起したものを直接見たのは初めてだ、布越しに何度か擦りつけられる事もあったが、ここまで大きいとは思っておらず、流石に絶句している。

  いったい何をするつもりなのか、閉じないままの口を懸命に動かして相手を見れば、大我は真剣な表情で、こちらを見つめていた。

  「た、大我っ…お、お前何をっ…!」

  「…俺ぁな…翔…ずっとお前が好きだった!」

  「っへ!!??」

  いきなりの告白に、翔は顔を真っ赤にして、これ以上なくまん丸に目を見開いた。

  大我の両腕に挟まれて、上から覆いかぶさるように手をついて、顔が近く、少しだけ蒸気した大我の顔が良く見える。

  「お、おまおまえおまっ!い、いきなり何をっ!」

  「嘘じゃねぇ…信じらんねぇと思うけど……でも、もうどっちみち耐えらんねぇ」

  「へあっ!?」

  ガバリと起き上がった大我は、俺の腰を持ちあげて、グッと引き寄せる。

  「お前って奴はさ…いつもヘラヘラして他人をおちょくってばっかで、勉強もできねぇ、部活しか取り柄のねぇ、なんも考えてないような俺の…、こんな俺の傍に、ずっといてくれた。」

  「…っ」

  翔の言葉を遮って大我は続けた。

  いつもどこか真剣さの欠ける大我の表情とは違い、そこには一片の冗談も含まれていない、ただ真摯に想いを伝えようとする、そんな表情。

  「大抵の奴は、俺を嫌っちゃいない。けど、好いてもいない。傍にいたら話すし、何かあれば仲間に入れても、本当の友達って言える奴は、ずっと、ずっといなかった。」

  「………」

  思い出せば、まだ大我と友達になるまえ、彼は教室で一人パンを齧りながらボーッとしていた事があった。誘われれば笑顔で返すし、ムードメーカーだから孤立する事は無かったけれど、その時はどこか空虚で、そして達観していて、今思えば、率先して自分から人と関わらないように、わざとああして孤立していたんだと思う。

  ふと、目が合った。俺もその時は、昼休みだって言うのに一人で教室の机に座っていた。

  勉強ばかりしていて、周りと打ち解ける事が出来なくて、どこか彼らを見下していたから、友達を作る事が出来なくて。

  そんな時、自分と同じような奴が視界に入ったんだ。

  何だか似たような空気を纏っていて、自然とそちらを見てしまっていた。

  彼はニヘラと外向きの顔になって、ヒラヒラと俺に手を振った。

  俺はハッとして、すぐに俯き、弁当の残りに箸を付けた。初めて人と目が合ったように思えて、何だかとても恥ずかしくて、その時顔が、凄く熱かったように思う。

  「あの時から俺⋯お前の事ずっと気になってたんだ⋯!」

  「い、意味わかんないよ!!も、やめっンヒィ♥」

  大我が、どこからか取り出したローションを、俺の肛門に塗りたくった。

  更に、それを自らのペニスにも満遍なくまぶしている。

  「そ、それ⋯ど、どうする気⋯っ」

  「寝てる間に、少しは解しといたんだ⋯それにこれ、体格差用ローションだから⋯多分、大丈夫だ!!」

  「な、何が大丈っ⋯ひぃぃ♥︎♥︎」

  大我が鼻息を荒くそう呟いた。

  体格差用ローションとは、人間と獣人の身体差を考慮して作られたものらしく、筋肉弛緩剤などが含まれていて、セックス時の身体の負担を減らすローションだ。

  ピトリと肛門にペニスの先端が付けられた感覚がして、思わず甲高い声を出してしまう。

  「いくぞ⋯ふー⋯いくぞ⋯」

  「い、いくな⋯っやだ!たいが⋯っやめっほんと無理いぃぃぃぃぃぃぃぃ♥︎♥︎♥︎♥︎」

  俺の言葉が終わる前に、メリメリと大我のペニスが侵入してくる感覚がして、俺は思わず声を出しながら顎をしゃくり上げた。

  熱い。まるで熱された鉄の棒が、俺の尻を貫通してくるみたいに、大我のペニスの形が嫌でもわかった。

  「すげ⋯っなんだっ⋯これ⋯あっちぃ⋯っ!」

  「うぁあっあっあっ⋯っ♥︎♥︎♥︎」

  大我が熱に浮かされた顔で、口先を突き出しながら恍惚とした表情をする。

  俺はただ途切れ途切れに息を吐いて、本来排出にしか使われない部位に、ペニスが侵入してくる感覚を味わっていた。

  「おっ⋯すげっ⋯奥まで来た⋯ぞ!っ分かるかこれだ⋯これ!」

  「ひっ♥︎ぎあっ♥︎わ、わかっら♥︎わかっらきゃら♥︎っ動かしゅなぁ♥︎」

  大我のペニスが俺のS字結腸をゴリゴリと小突いた。腹を内側から圧迫される感覚に、俺は目眩がしそうで、グッとベットのシーツを掴む。

  しかしながら、大我はそんな俺を他所に、突き出した腰を左右に艶めかしく動かし、その度に俺は掠れた声を喉から絞り出す。

  肉付きの良い大我の尻に筋肉の脈動がよく分かるえくぼが出来ていた。コイツはどうやら童貞だったようで、それを俺の尻で喪失させた事に満足感でも得ているのか、とても誇らしげに牙を見せてニカリと笑っている。

  こんな所でそんな爽やかな笑顔を見せるな!と怒鳴りたい気分だが、今の俺にはそんな余裕もなく。

  「すげぇ⋯マジで、お前の中めっちゃ絡み付いて来るぞ!」

  「ひっ♥︎ひっ♥︎っんあぁっ♥︎苦し⋯俺⋯」

  「く、苦しいか!ゴメン!」

  「んほおおおおおおっ♥︎♥︎」

  AVで覚えたかのようなコイツらしく馬鹿っぽくて浅ましい言葉なんて気にしてられない。

  苦しくて思わず涙ながらにそう呟くと、どうやら焦った大我は、俺に断りもなく勢いのままペニスを抜き去った。

  瞬間、俺はまるで排泄しているかのような感覚に襲われて、いやそれ以上に、よく分からない感覚に襲われて、思わず酷い声を出してしまう。

  「ど、どうした?ぬ、抜かねぇ方が良かったか!?」

  「んひぃぃーー♥︎♥︎っっっ動かすなぁ♥︎♥︎」

  今度は勢いよく挿入しやがった!

  俺はまたしても下から突き上げられる感覚に顎をしゃくり上げて叫んでしまう。

  大我のペニスが、腸壁全体を擦り立てて、それが何故かたまらなく、変な気持ちにさせるのだ。

  「わ、悪ぃ⋯俺、なんか興奮しちまって⋯」

  「はぁ⋯♥︎はぁ⋯♥︎な、何⋯何してるんだお前⋯」

  「へ?た、ただお前にキスしようと⋯」

  「な、何言ってんだ!♥︎男同士でキスらんて⋯っしらいだろっ♥︎」

  「え、でもSEXしてんだぜ?それにもうさっき1回したしさぁ」

  「だ、だからって!んむぅぅ♥︎♥︎」

  惚けて舌の回らない俺を嘲笑う大我は、全く俺の真剣な主張など聞き入れてくれず、またしても深いディープキスを落としてくる。

  童貞特有の荒々しく、捕食するようなキスに、俺はタジタジになってしまって。

  しかも、それと同時に、また腰を緩く動かされると、頭の中が真っ白になる。

  「んむぅっ♥︎ふん♥︎ふん♥︎ふんんん♥︎んんんんん♥︎っ」

  とにかく必死な俺とは裏腹に、大我は何が面白いのかずっと笑っていて、とても余裕そうだ。

  俺は今にも意識が飛んでしまいそうになるが、その度に強く奥を小突く大我のペニスの振動に邪魔されて、気絶しようにも出来ない。

  「へへへ♪」

  「はっ♥︎やあっ♥︎らめら、~〜っちんこ⋯裏かりゃこしゅれてっ♥︎♥︎」

  「お、ちんぽの裏擦られんのが気持ちいいのか?ほら、じゃあ⋯ここらへんか?どうすればいい?こうやって強く擦るか?それとも優しくこう⋯」

  「ひぎっ♥︎いい"い"っあ"っ♥︎♥︎っんはぁぁっ♥︎ひゃんっ♥︎あ"っ♥︎あっ♥︎あっ♥︎」

  まるで実験でもするように大我は俺の弱い部分を緩急つけて責め立てる。

  どうやってやれば良いかなど伝えられる筈もないだろう。何故ならどちらも同じくらい気持ちよくて、変になってしまいそうだからだ。

  そう、気持ち良い。

  この感覚は紛れもなく快楽で、俺は初めて尻を男に掘られているというのに、既に快楽まで感じてしまっているのだ。

  これがローションの効果なのか、それとも寝ている間に飲まされた精力剤のせいなのか分からないが、俺は気が狂いそうになっていた。

  「おお!なんか硬くなってるぞ!⋯それにちんぽも勃起してるし!すげぇな!お前もう尻で感じてるんじゃねえか!」

  「あ"っ♥︎あ゛っ♥︎あ゛っ♥︎」

  俺は大我の言葉など頭に入らず、快楽に脱力して、彼の腰使いに合わせてガクガクと顔を上下させた。

  熱に浮かされた瞳は虚ろに虚空を眺めており、口からは唾液がダラダラと垂れてしまう。

  「もうこれいらねぇな。」

  大我がやっと俺の拘束を外し、俺を持ち上げて対面座位の態勢にした。

  瞬間、グッと前立腺が押され、俺は弓なりにしなりながら間延びした声を出してしまう。

  「あ゛〜~~っっっ!!♥︎♥︎♥︎」

  「ん?」

  ビクッビクッ!と身体が軽く痙攣した。

  その感覚に、何故か敏感に反応したのは大我の方で

  「お前、もしかして初めてなのに尻でイッたのか??」

  「ひぐっ♥︎⋯あ゛⋯ひあ⋯っ♥︎」

  俺は彼の問いに答えることも出来ず、項垂れながら小刻みに腰を突き出して震えることしか出来ない。

  そのペニスからは確かに白濁がどくどくと漏れていて、明らかに絶頂したことは、大我の目から見ても明白だった。

  「俺達身体の相性いいのかもなぁ♪へへへ♪」

  「うあ⋯っ♥︎⋯ひっ♥︎っあ゛♥︎あん♥︎あ゛っ♥︎あっ♥︎あっ♥︎」

  大我が、俺の力なく垂れ下がった腕を自らの首に掛けて支えると、俺の尻を鷲掴みしながら上下に動かす。

  この対面座位もまた、俺の中の別の位置にゴリゴリと当たってしまって、まるで脳みそが溶けるようだ。

  大我はまたしても俺の唇を覆うようにキスすると、まるで恋人同士がするように優しくSEXする。

  「へへ♪さいっこ♪」

  唾液で濡れた唇を舐めて大我が呟く。

  俺は再度訪れた絶頂にまた間延びした声を出し、身体を痙攣させてギュッと目をつぶりながら顎をしゃくり上げた。

  「ひやぁぁぁ♥︎♥︎♥︎」

  「1回イクともう止まんねぇなぁ。」

  大我がまた俺をベットへと倒して耳元で艶めかしく呟いた。

  正常位は、ちょうどうわ反りの大我のペニスが前立腺をゴリゴリと刺激してたまりなくなる。

  同時に何か思いついたかのように目を見開いた大我が、ニヤリと笑って俺の胸の突起へと指を伸ばした。

  「んひやぁぁぁぁあ♥︎♥︎♥︎」

  「ほーら、せっかく開発した乳首も沢山弄ってやんねぇとな?」

  「あああああああ!!!♥︎♥︎♥︎らめぇぇぇ!!!♥︎♥︎♥︎」

  「あぁ?またイッちまうのか!?ならメスイキしますって言ってみろ!オラ!言え!メスイキって言え!」

  「イグっ!!♥︎イグゥ♥︎♥︎メスイキしましゅぅぅ♥︎」

  これまたAVの台詞だろうか。恥ずかしげもなく、興が乗った大我の言葉に、もはや馬鹿になった俺は従ってしまって、そう叫びながら絶頂した。

  不思議とまるで支配されてるようなこの状況に、俺は無意識のまま興奮しているのか、今までで1番強い絶頂が全身を襲って、足先をピンと伸ばし、ギュッと大我に抱き着いて、そしてそのまま遅れたようにガクガクガクと震えて脱力する。

  「俺もイクぞ!1発で受精しちまぇぇ!!♥︎ぐあぁあ!」

  その腸壁の感覚が、大我を追い詰めたのか、彼もまた軽く震えて。

  痙攣しながら、グッと腰を突き出す。「おっ♥︎おっ♥︎」と尖らせた口から声を出し、何度も何度も震えるように俺の中へと精子を吐き出した。

  尿道を登ってくる、ゼリー状の固形物にも似た精子の感覚がして、そしてそれがじんわりと熱く俺の中を満たしていった。

  大我は深く息を吐きながら、当然のように脱力する俺の口へとまたキスを落とす。

  かと思いきや、まだ全身がイッたばかりで敏感だと言うのに、あろう事か乳首を弄り始めて。

  「んんふんんっっ♥︎♥︎〜~っ♥︎♥︎」

  ビクンッ!!と大きく身体が震えた。

  また乳首だけでドライオーガズムに達したのである。

  連続で訪れる絶頂に思考はボヤけてしまって、瞳孔が僅かに上向きになった。

  乳首は弄れば弄るほど、白いミルクをタラタラと流していて、どうしようもない快感が全身を襲う。

  「やらっ♥︎もっ♥︎無理♥︎乳首やめっ⋯♥︎たいが⋯おねが♥︎ひぃぃん♥︎♥︎」

  「まだまだ楽しむぜ!へへへ♪」

  親指と人差し指の柔らかい肉球で、コリコリと乳首を弄ばれ、俺は思わず身を縮めて甲高い声を出してしまう。

  かと思いきや、人差し指でピンピンと弾かれると、俺はまた歯を食いしばり、足先を伸ばして絶頂に達した。

  「ギィィっ♥︎♥︎」

  「へへ♪分かるか?今日から乳首だけじゃなくって、尻穴でも毎日イカせてやるからな?「イグゥぅぅ♥︎♥︎♥︎」」

  言ってる間にも、俺はまた絶頂に達してしまって、もはや快楽の事以外頭には無い状態だ。

  大我が先程射精したばかりだというのに、未だに硬い剛直を動かし始め。

  こうして俺は、大我の性処理道具として、身体を開発され尽くしていったのだった。

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