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翌朝、俺はRAILを開いて、ナギとユキのトークルームを確認した。二人のアイコンはいつも通りで、昨夜の出来事をまるで覚えていない様子だった。
他愛もないメッセージのやり取りが続く画面を見て、安堵すると同時に、ひとりでこの秘密を抱えていくことの重さが心にのしかかる。
テレビをつけると、Youcubeやインステでは今をときめくアイドル・神城ルキアの話題で持ちきりだった。
この世界でも、エンタメ文化はちゃんと健在らしい。
俺はいつも通り、星見学園高等学校へ向かう。通学路でナギとユキに合流し、三人でたわいもない話をしながら教室へ。
ふと、昨日、窓の外をじっと見つめていたピンク髪の少女の姿が今日はなかった。
なぜだか気になってしまう。……彼女は、一体何者なのだろうか?
やがて放課後。ナギとユキと別れ、一人で帰路についていたそのときだった。
突如、空気がざわめき、路地裏に差しかかった瞬間――俺の前に、昨日の女・メイカと、巨大なカエル型の怪人が立ちはだかった。
「昨日はよくもやってくれたわね……。あなたには、別の形で“貢献”してもらうわ。やっておしまい、ザ・ケロ」
「承知だケロ」と、怪人ザ・ケロが唸る。
俺はすぐさま変身を決意した。
「スターライト、インプリズム――!」
光が身体を包み、俺は魔法少女――スターライト・パステルの姿へと変わる。
「ザ・ケロ、あなたなんかに好き勝手させないんだから!」
華麗なステップで間合いを詰め、拳を叩き込む。怪人は怯み、後退した。
だが、油断した次の瞬間だった。
「ケロトランスビーム!」
ザ・ケロの目が光り、緑色の光線が放たれる。
それは俺の胸元に直撃し、全身から力が抜けていった。
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衣装がパチンと音を立てて弾け、俺は制服姿のエリスに戻る。
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だが――光線は止まらなかった。
そのまま照射を受け続けると、俺の体は縮みはじめ……次の瞬間、10センチほどのカエルの姿になってしまったのだ。
髪型と顔の特徴はそのまま。だが肌は鮮やかな緑色へ変わり、手足は短く、吸盤のような指に。
ピョコピョコと跳ねることしかできない。
「ゲロゲロー!(私、カエルになってる!?)」
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口から出たのは、間抜けなカエルの鳴き声。
思考はできるのに、声が言葉にならないというこの絶望感――。
そのとき。メイカが指を鳴らすと、彼女の足元に魔法陣が展開し、ふわりと光を放つ“泡”が生まれた。
「いい気味ね。その姿、なかなか可愛いじゃない」
泡はゆっくりと浮かび上がり、俺の身体を包みこむ。
身動きすら取れないまま、カエルの姿の俺はその中へと閉じ込められた。
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「しばらく、そのまま飾っておくのも悪くないわね。アジトに連れて帰りましょう、ザ・ケロ」
「了解ケロ。飾り方が楽しみケロ~」
「ゲコーッ!(やめてぇぇえ!)」
……もちろん、その声が届くことはなかった。
泡に閉じ込められたまま、俺の意識はゆっくりと沈んでいく。
その様子を、街の電柱の陰からひとつの影がじっと見つめていた。
黒いウサギのぬいぐるみ――クロベエ。
その赤い瞳には、焦りと戸惑いの光が宿っていた。
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