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目を覚ますと、俺は冷たい床の上に横たわっていた。
体は元のエリスの姿に戻っている。だが、両手には金属の手錠がはめられ、身動きが取れなかった。
首・手首・足首には、淡く輝く紫色のテープ――「魔法の拘束テープ」が巻かれている。
着ているのは、白黒の縞模様の服。まるで囚人のような格好だった。
「目が覚めたようね、魔法少女」
冷たい声に顔を向けると、ザ・ケロとメイカが並んで立っていた。
「さあ、連れて行くケロ」
ザ・ケロが私の腕を掴み、無理やり立たせる。
連れていかれたのは、無機質な壁とカメラが設置された部屋。
足元には目盛り、目の前にはレンズ。まるで監視と記録のための場所のようだった。
「はい、こっちを向いて。笑って、なんて言わないけど」
メイカは無感情な口調で指示する。
俺は言われるがままに立たされ、黒いボードを手渡された。
そこには自然と名前が浮かび上がる――《星宮エリス》。
(まるで……囚人の記録撮影みたい……)
[uploadedimage:21501363]
撮影が終わると、次は透明な壁で囲まれた、実験室のような部屋へ移された。
紫のテープが淡く光を放つと、黒く艶のあるボディスーツのようなもの――「魔法刻印スーツ」が、身体に自動で装着されていく。
左胸には魔法陣を模した紋章と、謎のQRコードが浮かんでいた。
[uploadedimage:21501620]
「なっ……これは……!?」
ザ・ケロが説明を始める。
「これは“魔法少女拘束スーツ”ケロ。魔力が一定まで溜まると、オレンジ色に輝き、君のエナジーを吸収するケロ。
吸収されたエナジーは遠隔装置で送信されて、君は――カエルになるケロ」
彼の言葉が終わると同時に、スーツが淡くオレンジ色に発光し始めた。
全身から力が吸い取られていく――!
「やめてっ……!」
そう叫んだ瞬間、私の体は光に包まれ、急激に縮んでいった。
次の瞬間、俺は再びカエルの姿にされていた。
顔と髪型はそのまま。でも肌は鮮やかな緑色に変わり、手足も吸盤のような形に。
ラバー製のスーツには、しっかりと紋章とQRコードが刻まれている。
首・手首・足首の五箇所には、紫の拘束テープがそのまま残っていた。
[uploadedimage:21501587]
そのまま、俺は人が入れるほどの大きな水槽の中へ。
メイカが外から覗き込み、にやりと笑う。
「ふふ……カエルになっても“星宮エリス”ってわかる顔。完璧なサンプルね」
メイカの瞳に、哀れみも迷いもなかった。
「君のような魔法少女は珍しいケロ。普通は三日間カエルのままだけど、君は三十分で人型に戻る。
そして一時間後には、また吸収が始まる……。効率のいいサイクルケロ」
ザ・ケロの口ぶりは、まるで冷酷な研究員のようだった。
「この部屋には“次元バリア”が張ってある。逃げようとしても、無駄よ」
メイカの言葉を最後に、二人はその場を去った。
部屋には静けさだけが残る。俺は水槽の底で、ひとり目を閉じた。
(でも……三十分で戻れて、一時間後にまた変えられる……。その間の“二十九分間”だけは、自由ってことよね)
希望とは言えない。けれど、確かに存在する“隙間”。
私は小さな胸を震わせながら、かすかに息を吐いた。
(……このチャンス、絶対に逃さない)
──つづく。
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