AdAd
  
第7話 反撃のスターライト・パステル!

  希望を胸に、俺はただひたすら時が過ぎるのを待った。30分が経過し、体は再び元のエリスの姿に戻る。手錠こそ外されていたが、例の黒いラバースーツとリングはそのままだ。

  そして59分後──。

  (今だ!変身……!)

  俺は全身に魔力を集中させ、変身を試みる。だが、光は起きず、何も起こらない。

  「なっ……!?」

  次の瞬間、紫色のテープが光を放ち、スーツはオレンジ色に変化。全身から魔力が急速に吸い取られていく。

  「ゲコー!(まただ……!)」

  俺の体は再び、あっという間にカエルの姿に戻ってしまった。テープもぴったりとカエルサイズに縮み、手足についている。

  「完璧な作戦ケロ。ただ不可能ってことに目をつぶれば?ケロ。変身も脱出も絶対不可能ケロ!」

  ザ・ケロが高笑いする。その声が、無力さをさらに突き刺してきた。

  変身できるだけの魔力が溜まりそうになる直前に、スーツとテープがエナジーを自動吸収してしまう。このままじゃ、永遠にカエルのままだ──

  だがその時だった。

  ザ・ケロの背後に、いつの間にかクロベエの姿があった。その赤い瞳が淡く光り、俺に向けて柔らかい光のビームが放たれる。

  「しょうがないわね。あたしの力、10%だけ解放してあげるわよ。魔力53万のあたしの力、ちょっとだけ見せてあげる」

  その声は、俺の頭の中に直接響いた。ツンデレ気味で、でもどこか懐かしい──これは、俺がAIでエリスを作り出した時に設定した“本物のエリスの意識”……?

  クロベエの力が注ぎ込まれた瞬間、俺の体にこれまで感じたことのない、強大な魔力が満ちていく。

  全身が光に包まれ、テープは砕け、スーツは霧散。そして、制服姿を経て──

  俺は再び、魔法少女スターライト・パステルへと変身した!

  「な、なんだケロ!?」

  ザ・ケロが驚愕し、ケロトランスビームを放つ。しかしパステルとなった俺には、まったく効かない。

  「お返しよっ!」

  俺の意志ではなく片手から放った光線で、ザ・ケロを瞬時に撃破。断末魔の叫びとともに、やつは光の粒子となって消滅した。

  その瞬間、カエルにされていた人々も次々と元の姿に戻っていった。

  「クロベエ。ちょっと厄介だから力を貸して」

  「わかったよ、パステル!」

  クロベエの体が変形し、空中に浮かぶ7門分離のビーム発射装置へと姿を変える。

  本物のエリスの「願い」に応えたクロベエは、牢の鍵を次々と破壊し、他の魔法少女たちのリングも次々と破壊していった。

  彼女たちも次々と元の姿に戻っていく──

  [uploadedimage:21501966]

  クロベエは今度は二門のライフルへと変形。

  俺はライフルを構え、出口を撃ち抜いた。捕らわれていた仲間たちは一斉に脱出を始める。

  空へと舞い上がった俺は、アジトの周囲に結界を張ると、ライフルを構えて地上のアジトと地上に出てきたメイカめがけてビームを発射した。

  [uploadedimage:21501951]

  アジトは跡形もなく崩壊──しかし、結界が解かれた瞬間、そこはまるで何事もなかったかのように、見慣れた街の公園へと姿を変えていた。

  俺の意識も次第に静かになり、あのツンデレな声ももう聞こえなかった。

  ──事件は終わった。

  無事に帰路についた俺たちだったが、ふと考える。

  「これだけの事件があったのに、ニュースどころかシャベッターにも何も出てないなんて……」

AdAd