Ad
第10話 新たな魔法少女 スターライト・フラーブス
次の日、学校からの帰宅後、俺はRAILグループでナギと会話していた。
ユキは今日、塾があると言っていたが、いつまで経っても既読にならない。
「ユキ、遅いね……何かあったのかな?」
ナギも心配そうなメッセージを送ってきた。俺は後ほどナギと合流し、ユキを探しに行くことにした。
先に単独でユキの通学路を辿っていると、異様な気配を感じた。
路地裏に差し掛かると、そこにいたのは、フードを被った青年らしき男と、巨大なフクロウ型の怪人だった。怪人はその大きな口で、制服姿のユキを咥えていた。ユキはぐったりと気を失っている。
「ユキ!」
フードの青年が不敵に笑う。
「また現れたネ。魔法少女スターライト・パステル。やっちゃいなさい、ザ・ドーレ!」
俺は迷わず、全身を光で包み、魔法少女スターライト・パステルへと変身した。
「ユキを離せ!」
叫びながら、ザ・ドーレへ飛びかかる。
空中を縦横無尽に飛び回るザ・ドーレは、パステルを圧倒する機動力で翻弄し、風の刃を繰り出してきた。
「くっ……速すぎる!」
苦戦するパステルの元に、ナギが駆けつけた。
空中戦を見上げながら、近くに倒れているユキを見つける。パステルの正体がエリスだとは、ナギはまだ知らない。
「どうすれば……!」
焦るナギの足元に、あの黒いウサギのぬいぐるみ――クロベエが現れた。
「ナギ。お前も魔法少女にならないか?」
クロベエの声が、ナギの頭の中に直接響いた。
ナギは驚いてクロベエを見つめる。
「魔法少女になろうナギ。そうすれば百年でも二百年でも鍛錬し続けられる、強くなれる」
「えっ!? 夜しか活動できないとか、太陽の光を浴びたら死ぬとかないよね!?」
「ないよ」
即座に返すクロベエに、ナギは笑顔で頷いた。
「別に百年、二百年とかいらないから、お願い!」
迷いなく魔法少女になることを決意するナギ。
「その前にキミ専用のマスコットが必要だね。どんなのがいい?」
「インコ!」
目を輝かせるナギの返答に、クロベエは光の粒子となり、ナギの胸元に吸い込まれていく。
やがてその光が収まると、クロベエが再び現れる。そしてナギの隣に可愛らしい鳥の姿をしたマスコットが現れた。
「できたよ。これがキミの相方。名前は?」
「ウインズ!」
満面の笑みで名付けたナギに、クロベエが頷く。
「よし、変身だ」
「変身!」
[uploadedimage:21510754]
ナギの体が黄金の光に包まれる。
[uploadedimage:21510755]
黄色を基調とした躍動感あふれる魔法少女の姿に変わった。
「魔法少女スターライト・フラーブス、いきます!」
[uploadedimage:21510756]
その声が夜空に響く。
2人目の魔法少女――フラーブスの空中機動力は、パステルやザ・ドーレをも上回っていた。
ザ・ドーレの風を操る攻撃を軽やかにかわし、翻弄する。
「な、なんだって!?」
驚愕するセレス。パステルとフラーブスが連携してザ・ドーレを追い詰めていく。
[uploadedimage:21510760]
クロベエとウインズは合体し砲台に変化。パステルとフラーブスが砲台の砲門をザ・ドーレに向ける。
「スターライト・ツインバースト!」
輝く光線がザ・ドーレを直撃。
[uploadedimage:21510794]
弱ったところに、パステルは手に入れた能力を発動し、フクロウの力を吸収するように手をかざす。
ザ・ドーレは苦しみの声を上げ、その体が光の粒子となって消滅していく。
フードの青年「ユー強いネ。ミーも面白かったよ。でもまずはマオちゃんに報告ね」
そう告げると、彼の姿も霧のようにかき消えた。
「ふぅ……なんとか倒せたね」
パステルが息をつくと、クロベエが冷静に言った。
「心配ないよ。この世界で魔法少女に倒された者は、転生するから大丈夫だ」
その言葉に、パステルは少しだけ安堵した。
「エリス!」
フラーブスが呼びかける。パステルは戸惑う。
「え? 私?」
次の瞬間、フラーブスの変身が解け、姿を現したのは――ナギだった。
「ナギ!?」
パステルも思わず変身を解除。
現れたのは、星宮エリス――つまり元の俺。
「エリスちゃん……!」
互いの正体を知った二人は、驚きと安心の混じった表情で見つめ合った。
[uploadedimage:21510777]
その時、気絶していたユキが目を覚ます。
「ん……? 私、どうしてこんなところで……?」
まだ混乱するユキに、ナギが明るく言った。
「ユキ! 大丈夫!? ねぇねぇ、お腹空かない? ソコイチ行こ!」
三人はカレー屋「ソコイチ」へ向かい、エリスとユキは少量を注文。
ナギは大盛りにトッピングを山ほど追加。
「やっぱりカレーはこれくらい食べないとね!」
[uploadedimage:21510768]
エリスが笑えば、ユキもつられて笑う。
三人の笑い声が、店内に心地よく響いていた。
Ad