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夜の街角、星宮エリスは親友のユキを家まで送り届けた後、桜井ナギとともに話し合うため、ナギの家に行くことにした。
その様子を、物陰からじっと見つめる長いピンク色の髪を揺らすひとりの少女がいた。
ナギの家に着いたエリスは、思わず声を漏らす。
「ナギの家って、こんなに広かったんだ……。ソコイチであれだけトッピングできるわけだ」
リビングには高級感ある家具が並び、広々とした空間に圧倒される。
ナギは少し照れくさそうに笑いながら、お茶を差し出した。
ソファに腰かけ、エリスはふと聞いた。
「そういえば、Youcubeでくんだもんの動画って見れるの?」
「うん、あるよ! これソコイチが値上げしすぎて客離れしたっていうくんだもん動画なのだ!」
妙にうまいナギの“くんだもん語尾”に、エリスは思わず吹き出す。
この世界でも、元の世界と似た風刺文化があることに少し安心したような気がした。
くんだもん動画は、可愛らしい妖精キャラが表向きは真面目に解説しているものの、実際は社会の矛盾や失敗談を風刺的に扱う内容が多い。
それだけに、ネタにされるのは相当ヤバイ状況、という意味だ。
さて、エリス、ナギ、そしてクロベエとウインズの4人(?)は、改めてこれまでの出来事を振り返り、今後の作戦を練り始める。
もちろん、エリスが「元は男子大学生だった」という事実は伏せられたまま。
魔法少女になって以降の記憶をもとに、敵についての情報を整理することにした。
話題は、あのフードの青年――セレスの発言「マオちゃん」へと移る。
あれが敵の首魁である可能性が高く、彼らの組織の目的は依然として謎に包まれていた。
また、ユキにはまだ魔法少女のことは伏せておくという方針でも一致した。
危険な目に遭わせたくないという、共通の思いがあったからだ。
さらに、ウインズは普段はただのぬいぐるみとしてナギの部屋にいて、必要なときだけ本来の姿になるという確認もとれた。
やがて夜も更け、エリスは帰路につく。
ナギの家からの帰り道、彼女はふと立ち止まり、夜空を見上げた。
(ユキに……本当のこと、話したほうがいいのかな……)
秘密を抱える苦しさと、危険から守りたい気持ちの間で、心が揺れる。
穏やかで優しいユキの笑顔が浮かび、エリスの表情に迷いが滲んだ。
(でも、巻き込むわけにはいかない……。今は、まだ――)
エリスはそっと目を伏せ、自分に言い聞かせるように歩き出した。
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一方その頃、どこか異世界の暗い玉座の間では――
フード姿のセレスが、大魔王のもとに再び姿を現していた。
「マオちゃん、新しい魔法少女が出てきたネ」
大魔王の姿は相変わらず、霧のようなシルエットに包まれていた。
しかし、その声には重みと威厳があった。
「セレス。よくぞ報告した。メイカを呼べ」
やがて、傷を負った姿のメイカが姿を現す。膝をつき、苦しそうな息を吐く。
「大魔王様……ご命令を……」
「これを使うがいい」
大魔王は手のひらをかざし、宙に浮かぶ小さな台座を出現させた。
その上には、ラグビーボールほどの大きさを持つ、紫色の不気味な結晶が輝いている。
「“土の結晶”だ。この力を用い、魔法少女たちを倒すのだ――失敗は許されん。
そして、この結晶を使い、貴様の傷も癒すとよい」
「……はっ!」
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メイカは結晶を手にし、フラつきながらも治療室へと移動していく。
治療室には、縦型の透明なカプセルが用意されていた。
配下の者たちがメイカに呼吸器を装着し、治療水を満たしていく。
胸元には“土の結晶”がそっとセットされ、淡く光り始める。
目を閉じ、静かに横たわるメイカ。
その表情は静かで穏やかでありながら、胸の奥では燃えるような決意があった。
(スターライト・パステル……)
かすかに唇が動く。
(必ず――あなたを倒す)
カプセルの外では、沈黙のまま、冷たい光が治療室を包んでいた。
――次回へ続く。
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