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第12話 蘇る影

  長らく入院していた生徒が、学園に戻ってきた。

  ピンク色のロングヘアをなびかせ、どこか儚げな笑みを浮かべながら、静かに教室に入ってくるその姿に、周囲の生徒たちがざわつく。

  「おはようございます、先生。少しぶり、ですね」

  「月島……ミカ、さん? ああ……君、戻ってこれたのか」

  教師も戸惑いながら答えた。

  昼休み、エリスとナギが廊下を歩いていると、ミカが一人で歩いているのが見えた。

  「ミカさん……だったよね?」

  ナギが声をかける。

  「……星宮さん、桜井さん」

  ミカはゆっくりと振り返る。そして、おもむろにスマホの画面をこちらに向けた。

  [uploadedimage:21512967]

  そこには、変身を解除された状態で、さらにカエルにされたエリスの姿――スターライト・パステルとスターライト・フラーブスが変身してザ・ドーレと戦っていた時の画像が、はっきりと映っていた。

  「……!」

  「な、なんでそれ……!」

  エリスの顔から一気に血の気が引く。

  「今日の放課後、校舎裏に来てくれないかしら。あなたたち二人だけで」

  その言葉を残し、ミカは何も言わず立ち去っていった。

  放課後、エリスとナギは校舎裏へと向かった。

  ミカが静かに待っていた。制服姿のまま、微笑を浮かべている。

  「来てくれて嬉しいわ。……久しぶりね、スターライト・パステル。それに、フラーブス」

  その声が、明確にエリスたちを名指ししていた。

  「まさか……ミカさんが……」

  その瞬間、ミカの姿が変化する。

  [uploadedimage:21512958]

  制服が黒く染まり、光沢のあるエナメル質のスーツへと変わり、身体を包んでいく。表情も冷たく、戦士としての気配を纏っていた。

  「ふふ……本当の名前は、土の四天王 メイカよ」

  [uploadedimage:21512962]

  「変身……!スターライト、インプリズム――!」

  エリスの体が光に包まれ、スターライト・パステルが姿を現す。

  「変身……!スターライト、インプリズム――!」

  ナギも黄金色の光に包まれ、スターライト・フラーブスとなる。

  「駆け抜ける風に、きらめく稲妻!スターライト・フラーブス!」

  「輝く想いは、闇を裂く光!スターライト・パステル!」

  だが、メイカは動じなかった。

  「土の結晶の力……見せてあげるわ」

  その言葉と同時に、パステルが瞬時に光の矢を放つ。

  「光閃――プリズムレイ!」

  しかし――

  「無駄よ」

  土の壁が音もなく盛り上がり、パステルの光をすべて吸収するように受け止めた。

  ――通じない。

  「なんなのこの防御力……!」

  フラーブスが飛翔しようとした瞬間、地面からツタが伸び、彼女の足を絡めとった。

  「きゃあっ!」

  「フラーブス!?」

  パステル「ならば、クロベエ・ウインズ」

  クロベエ・ウインズ「うん」

  「スターライト・ツインバースト!」

  パステルとフラーブスの合体攻撃。しかし、それすらも土の壁で防がれてしまう。

  「うそ……通じない……!」

  「なんなのこの防御力……!」

  歯を食いしばるパステルの隙を突いて、メイカが再びツタを地面から生やし、二人を縛り上げようとする。

  「エネルギーが違いすぎる……!」

  フラーブスが叫ぶも、その足元からは硬質な土が隆起し、地面と一体化するように体を縛っていく。

  「フラーブス! ……クロベエ、ウインズを連れて逃げて!」

  パステルの叫びに、クロベエとウインズはその目を見開いた。

  「なにを言って――」

  「いいから! 今だけは、お願い!」

  ツタが両手を縛り上げる寸前、パステルの叫び声が夜の空に響いた。

  「これは……!」

  二人はツタで十字に磔のようにされ、力を奪われていく。

  「……ご苦労さま」

  メイカは静かに、紫色に光るリングを指先から生み出す。それは首、両手、両足に次々と装着されていく。それが終わるとツタは去っていった。

  [uploadedimage:21512947]

  そう言ってメイカが手をかざすと、リングが光り、変身が解除される。

  「これで終わりよ。スターライトたち――カエルになっちゃえ」

  そして二人の体が縮まってカエルに変化していく。

  「ゲコッ(カエルに……にされた……!?)」

  黒髪のショートツインテールと、黄色のショートボブを残しながら、エリスとナギはそれぞれカエルの姿に変えられてしまった。

  すかさずメイカは前回と同じく、2匹のカエルを魔法のバブルで包み、それを手のひらに浮かべる。足元に現れた階段を使い、アジトへと戻っていく。

  [uploadedimage:21512944]

  階段はしばらくすると、闇に溶けるように消えた。

  残されたのは2人の、その場に立ち尽くすユキだけだった。

  「あの2人が……カエルに……?」

  驚愕と恐怖、そして怒りが胸を締めつける。

  (私は、何かできないの?)

  ユキは震える手で自分の胸に手を当てた。そこに、かすかに感じる鼓動。

  (私だって……守りたい。エリスも、ナギも……)

  その時、風が吹いた。

  ユキの髪が揺れる。

  どこからか、小さな声が響いた気がした。

  「……君も……なるかい?」

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