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意識がゆっくりと戻っていく。だが、その感覚はどこか湿っていて、冷たい。
エリスは、うっすらと開けた瞳で自分の手を見る。いや、手ではない――カエルの前脚だった。
「……また、カエル……」
小さな体にため息をつくような気持ちで辺りを見渡す。そして、思わずその瞳が見開かれる。
目の前には――人間の姿に戻されたナギがいた。
白と黒のボーダー柄の囚人服に身を包み、無機質な壁の前に立たされている。
「ナギ……!」
パシャリ、パシャリ――
シャッター音が響く。撮影していたのは、他でもないメイカだった。冷たく無機質な表情で、ナギのマグショットを淡々と撮り続ける。
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そして――
「さあ、始めましょうか」
メイカが指を弾くと、紫色に輝く魔法のリングがナギの首・両手首・足首に次々と装着される。
次の瞬間、リングからドロリとした黒い液体が流れ出し、ナギの身体を覆っていく。
「やだ……! やめてっ……!」
しかし叫びも虚しく、艶のあるラバースーツが形成されていき、右胸には魔法陣とQRコードが刻まれた。
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「ふふ……あなたも“向こう側”へようこそ」
リングから放たれる紫の閃光。ナギの体が一気に縮み、小さなカエルの姿に変わっていく。
「ゲコゲコ……!?」
黄色がかったカエルの肌に、短いボブヘア。
顔の特徴と髪型を残したまま、ナギは完全に魔法カエルとなった。
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メイカがバブルを発生させ、その中にナギを閉じ込める。
すでに捕らえられていたエリスと並び、二匹のカエルとなった魔法少女が泡の中で揺れていた。
「フフフ……ついに捕まえたわね、魔法少女たち」
メイカの口元に、ほくそ笑むような満足の笑みが浮かぶ。
「今回のリングは特別製よ。私の魔力が続く限り、あなたたちは永遠にカエルのまま――」
そう言うと、メイカは部屋の奥を指差す。
「とくに、あなたのリングは特別仕様なのよ、星宮エリス。力の源は――あれ!」
エリスが目を凝らすと、そこには、祭壇に飾られたラグビーボールほどの大きさの紫色の結晶があった。
それが、あの「土の結晶」――大魔王から授かったという恐ろしい魔力の源だった。
メイカは勝ち誇ったように言う。
「この結晶からエナジーを吸い出して、私はさらに強くなるの。あなたたちの力も利用させてもらうわ」
くるりと踵を返し、メイカは去っていった。
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静まり返った部屋。
土の結晶を挟んで二匹のカエルは、バブル越しにお互いを見つめ合う。
「ゲロゲロ……(どうしよう……)」
「ゲコゲコ……(このままじゃ……)」
絶望が二人の瞳ににじむ。
(……エリス! 聞こえる?)
その時、エリスの頭の中に声が響いた。本物のエリスの声だ。
「残念だけど……今のあなたじゃ、私の力は引き出せない。結界が強すぎるわ」
悔しそうな口調。それでもすぐに、静かな提案が返ってくる。
「でも、クロベエとの通信なら――なんとか、できるかもしれない」
(……お願い。クロベエたちに伝えて)
そして――
エリスの小さな身体に、微かな光が灯る。
◇ ◇ ◇
その頃――
クロベエとウインズは、ユキの元に現れていた。
「あなたたち……誰?」
クロベエは答えようとしたが、その赤い瞳が光り出し、空間に映像が投影される。
そこに映ったのは、バブルに包まれた二匹のカエル、そして紫色に光る「土の結晶」。
「……エリスちゃん……ナギちゃん……!」
静かに、でも確かに、ユキの心が揺れた。
そして、目に宿るのは、決意の炎だった。
「私が……助ける。あの二人を……!」
まっすぐクロベエを見据え、ユキは尋ねた。
「私も、魔法少女になれるの?」
クロベエは微笑んで頷く。
「ああ、君にはその資格がある。ただし――君だけのマスコットが必要だ」
「モチーフは……カッパがいい」
その答えに、クロベエは再び光の粒となり、ユキの胸元へと吸い込まれていく。
眩い光とともに――
現れたのは、小さな緑色の河童のマスコット。
「君の相棒、ナヴィールだ」
そう告げられ、ユキは大きく息を吸う。
「変身……! スターライト・インプリズム――!」
青の光に包まれ、氷のように美しく、知性を感じさせる姿へと変身していく。
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「揺るがぬ知性、透きとおる意志――スターライト・シーファ!」
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その声が、夜の静寂に響き渡った――。
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