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ナギの家のリビングで、クロベエは水槽の中の月島ミカを見つめながら、静かに語り始めた。
「君たちが知るメイカの能力は、今、ミカの中に封じられている。
彼女が本来持っている魔法少女としての力も、大魔王の呪いによって抑えられている状態だ」
俺とナギ、ユキは、驚きながらもクロベエの言葉に耳を傾けた。
「呪いを解くには、魔法少女協会のマスターの力が必要になる。
そこに行けるのは、魔法少女とそのマスコットだけだ」
クロベエはそう言うと、赤い瞳を強く光らせた。
するとリビングの空間に、漆黒の渦がゆっくりと現れ、次第に巨大な扉の形を成していく。
それは、異空間へと続く──魔法少女協会への扉だった。
俺とナギ、ユキは、カエルになったミカとともにその扉をくぐった。
目の前に広がったのは、荘厳な雰囲気の漂う大理石の広間だった。
──魔法少女協会。
そこは、世界中の魔法少女たちの力の源が集まる、神秘と静寂に包まれた場所。
巨大な扉が静かに開かれる。
エリス、ナギ、ユキの三人と、それぞれのマスコットたちが、厳かな空間へと足を踏み入れる。
エリスの腕の中には、小さな水色のカエル──顔は人間のまま、長いピンクの髪を持つそのカエルは、魔法の水色のリングと黒光りするスーツに包まれていた。
暴れないよう、首・手首・足首には淡く輝く拘束リング。
その姿はかすかに震えていた。
広間の中心、円形の大理石の祭壇の奥に、ローブをまとった女性が立っていた。
──魔法少女協会のマスター。
「ようこそ、スターライトの娘たち。……そして、試される者よ」
その声に反応するかのように、祭壇が光を帯びる。
ミカの体から水色の魔力の粒子が浮かび上がり、やがて紫のコアが姿を現す。
「始めましょう。封じられた意思と、元の心を切り離すのです」
マスターが右手を掲げると、空間がきらめく。
エリスがそっとミカを祭壇の上に置くと、リングがひときわ強く輝き──
次の瞬間、強い光とともに、2つの姿が現れた。
ひとつは、制服姿の月島ミカ。
カエルではなく、以前のままの人間の姿に戻っている。
もうひとつは──黒く光るエナメルドレスに身を包み、角と紫の尾を持つ存在。
土の四天王、メイカだった。
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「ふふ……ようやく息ができたわ」
メイカはゆっくりと立ち上がり、周囲を見渡す。
「私が光堕ちした?……違うわ。ただ、役割が変わっただけよ」
その言葉に、ミカは目を見開く。
隣には立ち尽くしていた、かつての影のような存在──自分自身。
「あなたは……私の……?」
「そう。私の中の“力”の象徴。
だけど、私が壊れたからこそ、あなたは生まれたのよ」
ミカは立ちすくむ。
だがすぐに、エリスとナギが一歩前へ出る。
「ミカ。君がどんな過去を背負っていても、私たちはもう、仲間だよ」
「だから、一緒に前に進もう」
ミカはうつむきながらも、ぎゅっと拳を握る。
「……私は、誰かを傷つけるためじゃなく、守るためにこの力を使いたい。
たとえこの中に“メイカ”がいても」
マスターが頷くと、花のような光が舞い上がる。
その中央に、小さな妖精のようなマスコットが現れた。
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「あなたの名は──スターライト・モラード」
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妖精が告げた瞬間、ミカの制服がまばゆい光に包まれ、
新たな魔法少女へと変身を遂げる。
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──スターライト・モラード、誕生。
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そして、メイカは静かに──だが確かな意思を宿した瞳で、モラードを見つめる。
「面白いわ。ならば証明してみなさい。あなたがその名前にふさわしいかどうか──」
マスターが腕を掲げる。
周囲の空間が暗転し、ふたりを囲むように光の円陣が浮かび上がる。
「これより、月島ミカとメイカの──対話試練を開始する」
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ふたりの少女──かつてひとつだった存在が、今、向き合う。
(つづく)
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