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イケメン狼獣人がぽっちゃり少年を娶るはなし。【80ー⑤ハンデットとシイスの初夜旅行・第五話】

  上半身をベッドに着けて、お尻だけを恥ずかしいくらいに高く掲げた体勢の俺に。ハンデットの指が伸びて、俺のお尻を両手で掴んだ。

  そのまま、ぐ、と俺の尻朶が、彼の指で大きく割り開かれる。お尻の孔が少し引き伸ばされるほどに開かれて、彼の指の太さに開いたままのそこが、更に拡がる。ひくひくと恥ずかしく蠢くお尻の孔は、我ながら物欲しそうだった。…その様を脳裏に思い描いて、燃えるように顔が熱くなる。ハンデットの荒い息が、静かになった部屋に一際大きく響いた。

  そのまま、ひたり、と熱いものがお尻の孔に充てられた。びくっと跳ねてしまう背筋とは裏腹に、お尻の孔は嬉しそうに、その先端に吸いついていく。これがなにかなんて、見なくても分かった。心臓が痛いくらいにどきどきと跳ねて、一瞬上手に呼吸ができない。

  「行くぞ」

  ハンデットの低い声が、耳に届いた。それを俺が咀嚼する前に、…充てられていた彼のおちんちんが、俺のお尻の孔を更に押し拡げながら挿入ってくる。そのまま、ずぶずぶと速い動きで、彼のものが俺の腸壁を拡げながら押し入ってきて、少しだけ喉が仰け反った。これまでに、彼が時間をかけて慣らし、解してくれていた俺のお尻の孔や腸壁は、彼のおちんちんを受け入れるのが初めてとは思えないくらいに柔らかく拡がって、彼のものを受け入れていく。それどころか、あんまりにも嬉しそうに彼の巨きすぎるおちんちんを咥え込んでは飲み込んでいくものだから、…その恥ずかしさに、思わずお尻を振りながら、枕へと顔を埋めた。

  今まで俺のなかを気持ち好くしてくれていた彼の指だって、しっかりとした太さで長くて、逞しかった。でも、その指が三本束ねられたものよりも、もっと太くて硬い、逞しいものが、彼の指でとろとろに解された腸壁を削げ擦って、それだけで頭のなかまでとろとろに蕩けた。ごりごりって、彼のおちんちんに浮かぶ硬い節が、俺の柔らかく解れた腸壁を擦り抉る。その音まで全身に響くようで、大きく掲げたお尻が更に浮き上がりそうになった。…そんな俺の腰を、押さえるようにハンデットの両手が掴む。その強い力は、まるで俺を逃がすまいとでもしてるみたいで。そんなハンデットの捕食者のような欲情に、…ぞくぞく、って背筋が甘く震える。彼の指で、時間をかけて慣らしてもらっていた俺の腸壁は、彼のおちんちんの太さや硬さにも、悦んで吸いついてはきゅう、っと嬉しそうに締め付けていた。その感触だけでも、腰が抜けてしまいそうに気持ちが好い。

  でも、そんな彼のおちんちんが、…途中で止まる。今、彼のものが挿入されているのは、彼が指で丁寧に慣らしてくれていたところだけだと言うことに、そこで気づいた。もしかしたら、彼のおちんちんは俺のなかに半分も挿入ってないかもしれない。

  この先は、彼も、勿論俺だって触ったことのない場所。一度も、解されるどころか誰にも触られたことのないその場所は、きっとまだ硬いに違いない。…それを思うと、俺の腸壁の奥の奥が、きゅう、っと心細げに小さく締まった。

  それでも、此処で終わりなんて言う選択肢は俺にはなかった。だって、ハンデットのおちんちんを全部受け入れたい。根元まで全部俺のなかに挿入して欲しいし、俺の奥の奥まで全部彼のものにして欲しい。そして、…ハンデットにも、そう思っていて欲しい。

  

  どきどきと心臓を高鳴らせながら、枕に顔を埋めたまま、ハンデットがまた動き出してくれるのを待つ。すり、と、ハンデットのおちんちんが、優しく腸壁を擦るように少しだけ前に進んだ。その刺激に、初めて熱を持ったものに触れる腸壁の奥が、怯えるように縮こまる。けれど、そんな怯えるように硬い肉を、宥めるように彼の先端がちゅこちゅこと細かく動いた。それが心地好くて、枕から自然と顔が上がった。そのまま、枕に顎を乗せるような体勢で、宙に浮くお尻を突き出してしまう。

  「うぅん…っ♡は、ハンデット…もっと奥ぅ…」

  怯える俺の奥の肉を隠すように、言葉で彼を促す。だって、…俺が少しでも不安に思ってるって彼に分かったら、きっとハンデットはここで止めちゃう。無理すんなって、優しく頭を撫ぜてくる彼の姿が容易に浮かんで、頭のなかの光景の彼に、思わず首をぶんぶんと振った。やだよ、ここで止めないで。俺、全然怖くないから。ずっと気持ち好いから。

  そんな俺の想いに同調するように、俺の腸壁も彼を離すまいと、吸いついたままきゅうきゅうと締め付けている。ふ、と小さく息を吐く音が上から聴こえて、…更に強く、腰を掴まれた。

  「止めねえぞ」

  小さいけど、地を這うように低くて、まるで噛みつくみたいに荒い声だった。…彼の口から、俺が危惧していた言葉とはまるで反対の言葉が出てきたことに、こころからほっとして。それから、…彼の欲情を隠さない声に、すごく嬉しくなる。ハンデットは、こういう、…えっちなことをするときも、今までなら俺を怖がらせないように、って気を付けてたの、知ってるから。俺が、どんなハンデットだって大好きだし、ひとつも怖くなんてない、って。それを彼だって分かってるはずなのにね。

  だから、こんな風に、低くて乱暴な声も、俺には凄く嬉しかった。もっと、ハンデットのことが知りたい。俺に隠してるようなところも。見せて欲しい。だって俺、ハンデットのお嫁さんになるんだから!

  そんなことを想いながら、今度は嬉しさで彼のものをきゅんきゅんを締め付けてしまう俺に。彼の手が、俺の腰をゆっくりと引いた。それと一緒に、彼の腰も、前へと突き出されたみたいで、…彼のおちんちんが、またひとつ、俺の奥へと挿入ってきた。

  にゅぷ、ぬぶ、と、濡れた音を立てながら、ゆっくりとハンデットのおちんちんが俺の奥を越えていく。ぴったりと閉じている奥の腸壁を、その先端で優しく慣らしながらも、圧倒的な質量の逞しい肉で押し広げていく。その、もどかしくて少しだけ苦しい気持ち好さに、腰が揺れた。おなかの苦しさに釣られるように、呼吸が荒くなる。枕を抱えるように抱き締めながら、彼に掴まれている腰を大きく揺らした。抱き締めた枕で、真っ赤に勃ち上がって膨れたままの乳首が擦れて、その刺激につま先が丸まる。おなかに感じる、じんわり重くてと鈍い気持ち好さのなかで、乳首の鋭い悦楽は今の俺には強すぎた。

  「ふあぁんっ♡」

  思わず甲高い嬌声を上げてしまいながら、それでも枕から胸を離すことができずに、更に枕で乳首を擦ってしまう。きゅうぅ、って俺の奥が締まった後で、ふわりって力が抜けた。…それに気づいたようにハンデットが、腰を掴んでいた手を片方、俺の胸へと伸ばす。きゅ、っと真っ赤に痼り勃った乳首を圧し潰されて、目の前が点滅した。

  「ふあっ♡あっ、あーっ!ハンデット、ハンデットぉ…っ」

  ゆっくりと、でもさっきよりも速い速度でハンデットが俺の奥の奥まで挿入って来る。ごりごりと、彼の指の届かない、まだ解されていない肉の奥まで彼のもので突き上げられて、腸壁が押し割られていく感触が堪らない。真っ赤に充血した乳首を彼の肉球で擦り潰されるたびに、俺の全身が甘く痺れて、身体からふわりと力が抜ける。そこを見計らったみたいに、彼のおちんちんが更に奥まで挿入ってきて、重くて深い快感が、おなかの奥に溜まっていく。

  

  もう、俺のおなかは奥まで彼のものでみっちりと満たされて、言葉通りにおなかいっぱいだ。お尻の孔も腸壁も、これ以上無理ってくらいに拡がっている気がして、自然と呼吸が早くなる。それでいて、…俺のおなかの奥の肉は、彼のものに吸いつくように締め付けていた。きゅん、と軽く締め付けるだけで、彼のおちんちんの形が、そこに浮く硬い筋まで鮮明に分かる。おなかがいっぱいすぎて、圧迫感で苦しいくらいなのに、…それがおなかが蕩けるくらいに気持ち好くって、俺の腸壁がきゅうきゅうと彼のものに吸いつくのを止められない。

  

  そんな俺の甘く震える腰を、ハンデットがまた両手で掴んだ。そのまま、…俺の上半身が、宙に浮く。何が起こってるのか分からなくて、腕から枕が落ちるのをただ、見つめた。自分の上半身が、座る体勢に起こされていくのを感じる。その、瞬間。

  

  ずんっ!って、おなかの奥に走った衝撃に、思わず目を見開いた。俺のお尻の下に、彼のふわふわの獣毛を感じて、そこにお尻が沈んでいく。腰を掴んでいる手は後ろからで、…彼の荒くて強い呼吸が、上から降ってくるのを感じた。眼を見開いてるはずなのに、目の前がちかちかと真っ白く点滅していて、何が映っているのか自分でも分からなない。ただ、…今まで以上に俺の奥深くまで、ハンデットのおちんちんをはっきりと感じる。彼の先端に、俺の一番奥のなにかがくりくりと捏ね回されて、…気持ち好いのが爆発した。

  「~~~~っ!♡♡♡」

  もう、嬌声すら上げられなかった。ハンデットの、巨きくて逞しいものが、俺の奥の奥まで貫いて、一番奥に届いている。そこを先端で捏ね回されると、信じられないくらいに腰が跳ねた。気持ちが好くて、気持ち好すぎて、それが苦しい。あんまりに大きな気持ち好さから、思わず逃げそうになってしまう腰を、…ハンデットの両手が掴んで、押し下げた。ずん、ってまた軽い衝撃が腰に走って、苦しいくらいに気持ち好いところに彼の硬い先端がぐりぐりと当たる。そのまま、穿るように捏ね回されて、背筋も足も、小さく丸まる。

  「はんで、っはんでっとそこやだ、だめ…っ♡そこ、しょこ…っ!」

  ずん、ずん、と強く腰を打ち付けられる、その衝撃が堪らない。ほとんど律動がないのに、下から強く腰を打ち付けられると、俺の一番奥が、彼の先端で圧し潰されるくらいに突き上げられる。それが苦しいくらいに気持ちが好くて、俺の腰は逃げたいように前後に動いた。そうすると、自分でも一番奥を捏ね回してしまって、更に気持ち好いのがおなかに溜まっていく。

  さっきと同じに、深くて、大きいものがおなかから全身に込み上がってくる。まだ大きくならない俺のおちんちんが、少しだけ緩く立ち上がって、透明な何かを噴いた。でも射精じゃない。先走りでもない。なんだか分からないないけど、ぷしゃっ、と透明でさらさらしたものが、俺の鈴口から噴射される。

  「はんでっと、っ、くるぅっ♡またぉっきいのきちゃう…っ!」

  ぶるぶると全身を震わせながら、おなかの奥から込み上げてくるそれを堪えた。上下も分からなくなるような浮遊感と、何処までも落ちていくような落下感。ぎゅう、と縮こまる全身を、…ハンデットが包むように抱き締めてくれる。それが嬉しくて、ふわふわの獣毛とあったかいぬくもりが心地好くて、俺の腸壁が奥から浅いところまで、きゅうっ、と彼のおちんちんを甘く、けれど強く締め付けた。柔らかな腸壁に食い込むように、硬いおちんちんの感触に、締め付けた俺のほうが堪らなく気持ち好くなってしまう。

  あ、くる、くる。真っ白に蕩けた頭の中で、それだけを繰り返して。…襲ってきた、大きくて深いそれを、歯を食いしばりながら迎えた。ぎゅうぅ、って、俺の腸壁が彼のものをきつく締め付けながら、蠕動する。これだけ気持ち好くても、未だに空っぽの俺のおちんちんは柔らかくて、けれどその先端からまた、透明な何かがぷしゃあっと噴き出た。

  彼の腕の中で、がくがくと震えながら気持ち好すぎる大きな何かを受け止めきる。縮こまっていた身体が脱力して、くにゃりと体勢が崩れた。そんな俺を、ハンデットがまた、強く抱きしめてくれて。その心地よさに、うっとりと目を閉じる。

  「…シイス」

  耳元で、彼の声が俺を呼んだ。低く掠れて、切羽詰まったようなその声に、心臓が甘く疼く。閉じかけた目を開けて、首だけで彼を振り返った。どうしたの?と、舌足らずになりそうな口で問いかける前に。

  「…すまん、もう止まれん」

  え。と思うよりも早く、俺の腰を、ハンデットがまた、強く掴む。そのまま、…俺の腰が、彼のおちんちんを引き抜く勢いで、上へと持ち上げられた。ずるずるっと勢いよく彼の巨きなものを引き抜かれて、その硬さで擦られる腸壁に頭が蕩けた。先端ぎりぎりまであっという間に引き抜かれた彼のものを、お尻の孔できゅっと締め付けてしまう俺に、…今度は彼の手で、その腰を勢いよく下ろされた。腸壁の襞々を逆立てるような勢いで、彼のおちんちんが俺の超劇を削げ擦りながら奥まで貫く。ずん、という衝撃と一緒に、彼の腰も俺の中を突き上げた。彼の先端が俺の一番奥にキスして捏ね上げる。次の瞬間には、また彼の手が俺の腰を上へと引き抜く。…止まらないその動きに、また、視界が真っ白に染まってちかちかした。さっき込み上げてきたばかりの大きくて深いのが、また俺のおなかに込み上げる。

  いつのまにか、俺の身体はまた、ベッドへとうつ伏せに押し倒されていた。ぢゅこぢゅこといやらしい音を立てながら、俺の腸壁を彼のおちんちんが擦り抉っては一番奥を突き上げる。まるで逃がさない、とでも言うように、俺の身体は彼の身体で閉じ込めるように抱き込まれていた。さっきみたいに、俺の一番奥の、苦しいくらいに気持ち好いところをその硬い先端で抉るように捏ねられて、息ができないくらいに気持ち好い。彼に抱き込まれたまま、がくがくと甘く震えっぱなしの身体は、ずっと深くて大きなものがきたままで、落ちてくみたいな浮遊感から降りられない。彼のものにしゃぶりつくように絡みつく腸壁は蠕動しっぱなしで、ぎゅうん、と畝っては何かを搾り取るように、彼のものを上下に蠢きながら締め付けていた。

  「あ~~っ!♡ひゃ、ひゃんでっ、ひゃんでっとぉ…っ♡あっ♡」

  「シイス…っく、シイス、俺のだ…!俺の、っ」

  彼の名前を呼ぶことしかできない俺に、…ハンデットも、叫ぶように俺の名を呼んでくれた。そのあとに続けられたことばが耳を打って…俺の目に、気持ち好さとは違う涙が浮かんだ。『俺の』、って。ハンデット、俺のだって。余裕のない声が、何度も、何度も俺のだって言ってくれる。それは、…ハンデットの本心を告げているようで、くしゃりと悦びに視界が霞む。心臓が甘く蕩けて、更に俺のおなかの奥が、きゅうぅん、と甘く彼のものを締め付けた。そうだよ、俺はハンデットのだよ!今までも、これからもずっと、ずっと俺はハンデットのだよ!そう口に出したいけど、俺の口からはもう、言葉にならない嬌声しか出てこなくて。その代わりに、きゅうきゅうと、甘く、強く、彼のものを腸壁全部で締め付けた。俺の全部で彼が大好きっていうのが伝わるように。

  それが、少しでも彼に伝わったのか。俺のなかで、彼のものが更に大きく膨らむのが、食い込む腸壁で分かる。ハンデットが、耳元で、長くて低い息を吐いた。彼のおちんちんが、俺のなかで震えている。

  「シイス…っ!」

  叫ぶみたいに、低くて甘い、彼の声。それが耳に溶けるのと一緒に、…俺のなかに、熱くて、半固形みたいに濃いものが、びゅる、って勢いよく迸った。俺の一番奥を捏ね回すように突き入れられていた彼の鈴口から、俺のなかに注ぎ込まれるみたいにその熱くて濃いものが、びゅるびゅると俺のなかに満ちていく。…これがなにか、なんて、考えなくても分かった。だって俺は、何度もこれを膚で感じたことがある。これは、…彼の精液だ。

  それを想うと、俺のおなかが、更にきゅんきゅんと嬉しそうに彼のおちんちんを食い締めた。もっと欲しいと言うみたいに、俺の腸壁が彼のものに吸いついては上下に蠕動する。それに応えてくれるみたいに、彼の射精も止まらなかった。

  初めて、俺のなかに注ぎ込まれる彼の精液は、膚で感じるときよりももっと熱くて、濃くて、俺のおなかをいっぱいに満たしていく。その巨きさに比例するみたいに長い射精は、今までよりも更にに長い気がした。それが気持ち好くて、目の前がちかちかして、だらしない笑顔が顔中に浮かぶ。気持ち好くて、気持ち好すぎて、…何よりも幸せだった。俺の身体の隅々まで、彼でいっぱいに満たされていく。

  「~~~~っ♡っく、イくぅ…っ♡」

  搾り出すような声が、食いしばってる自分の口から漏れてるのが遠くで聴こえた。あ、今、俺イってるのか。自分が口にしたことで、それに気づく。この大きくて深いなにかは、やっぱりイってるのか。射精もしてないけど、おちんちんからは透明な何かしか出てないけど。でも、これはやっぱり。

  「ひゃんでっと…っぉれ、イってるよぅ…っ♡」

  今の俺は射精してないから、きっとハンデットも今、イってるかどうか分からない。だから、俺が今、凄く気持ちが好くってイっちゃってることを伝えたくて、幼い子どもよりも回らない口で、滴るように口にした。そんなおれに、ハンデットがまたひとつ、飲み込むように息を、吐いて。一拍置いて、彼の手がまた、俺の腰を強く掴んだ。あ、と思う間もなく、ずん、って彼の腰が、強く俺のお尻に打ち付けられる。それと一緒に、彼のおちんちんもまた、俺の一番奥を突き上げて来て、…あっという間に、俺の頭も身体も気持ち好さで、とろとろに蕩けた。

  そのあとは、あんまりよく覚えてない。体勢がいっぱい変わって、ハンデットの膝の上に抱っこされて思い切り抱き着いたり。仰向けで強く抱き込まながら、一番奥を捏ね回されたり。横向きでさっきまでとは違う、でも深いところをぐりぐりされたり。そういうことが全部気持ちが好くって、たくさん声を上げながら、ハンデットの名前を呼んだ。もう何回、あの大きくて深いのが来たのかも分からないくらいで、…でも。ハンデットが、ずっと俺を抱き締めながら、あの低くて甘くて、少し掠れた余裕のない声で、俺を呼んでくれていたから。それが嬉しくて、彼の精液が俺のなかを迸る感触が幸せで。

  …このままずっと、ハンデットとひとつになれてたらいいのに、なんて。身体中を、蕩けるような甘い多幸感で満たされながら、…そんなことを想ったことだけは、憶えてる。

  *****

  どれだけ時間が経ったのか。ぼんやりと目を開けて、それで自分が、それまで眠っていたことに気づいた。カーテンを引いてない部屋には、橙の混ざったような日のひかりが差し込んでいて、もうすぐ夕暮れになることを知らせていた。俺の身体はふわふわの彼の獣毛で包まれていて、それが心地好くって俺の瞼は、また閉じかける。

  「…シイス?」

  そんな俺に、ハンデットの声が掛かって。閉じかけた目を慌てて開けた。あ、ハンデット起きてる。じゃあ、俺も起きよう。そんなことを思いながら、うん、と彼の呼びかけに応えようとして。…一瞬、声が出ないことに気づいた。あれ、と、喉をさすって喉奥を鳴らす。そんな些細な動作すら、身体がどこか重くて、ゆっくりと緩慢になった。身体の中でも、特に腰が、溶けたみたいに重い。…これは、やっぱりさっきまでの、彼との行為の影響だろうか。そう思うと、顔に一気に熱が上がって。…でも、この身体の重さすら、愛おしく感じた。だってこれは、俺のなかが、彼が俺をいっぱい愛してくれて、俺のなかが彼でいっぱいになった証拠なんだから!そんなことを想いながら、蕩けたように顔を緩ませてしまう俺に。

  「その、…悪い。ほんとごめん。声、枯れただろ。身体は痛くないか?…本当に悪い、その、…怖かっただろ。俺」

  俺を抱きしめたまま、俺の首筋に顔を埋めて。…ハンデットが心底申し訳なさそうな、困ったような声で、そんなことを俺に、告げた。その言葉に、目を丸くする。ごめんってなに!?怖かったってなに!?俺は、ハンデットがあんなに俺に興奮してくれて、俺のなかをハンデットでいっぱいにしてくれて、凄く嬉しくって幸せだったのに!身体が重いのだって、…ハンデットがいっぱい、おれを愛してくれた証拠だから!だから、俺にはすっごく嬉しいのに!反射的に、そう言おうと口が動いたけど、…俺の口からは、掠れた息しか出てこない。ああもう、こんなときに!

  思い切り膨れながら、べしべしと彼の背中を叩く。そういうとこ!ほんと、そういうとこだよハンデットは!内心で怒鳴るように叫びながら、頬袋をいっぱいにしたリスのように頬を膨らませて、更にハンデットの背を叩いた。ハンデットは、ぶっきらぼうだったり素っ気ない態度だったりすることもあるけど。本当は誰よりも優しくて、俺のことも凄く大事に想ってくれてるの、俺が一番よく知ってるよ。そんなハンデットのことを、俺が怖いなんて思う訳ないじゃん!もう!ばか!

  背を叩く衝撃にか、ハンデットが俺の首筋から顔を、上げる。そんな彼に、俺から、勢いよくキスをした。まだ腰は重くて、身体もよく動かなかったけど。それでも、ちゃんと彼の口にキスができた。…そんな俺を、驚いたように眼を丸くして、ハンデットが見遣ってくる。大きく息を吸って、少しでも声が出るように、と殊更大きく喉を開けた。

  「悪いなんてことも、怖いなんてこともあるわけないじゃん!ハンデットは俺の、その、…だ、旦那さまになるんだから!俺に遠慮とかしなくていいんだよ!したいこと、俺と一緒にいっぱいしようよ!」

  大分掠れて、すかすかの声だったけど。おまけに旦那さま、のところだけ、照れてしまって少し噛んじゃったけど。それでも、俺の口からは無事に声が出てくる。俺が伝えたいことも全部口から出て来て、ちゃんと彼に伝えられた。そのことに内心で安堵しながら、そのまま、眼を丸くしているハンデットを、これでもかと見つめる俺に。…ハンデットが、大きく相好を崩して、笑った。俺の身体に回ったハンデットの腕に、優しく、強く、力が籠る。

  「…前から思ってたけどよ、お前、たまに俺より男前だよな」

  「えっ、なにそれ?もしかして褒めてくれてる?ていうより、ハンデットのほうが世界一格好良いじゃん!」

  笑いながら、そんなことを言って彼が俺の額に顔を寄せた。額にあたる、彼の獣毛が擽ったくて、思わず目を細めながら。きょとんと、と彼を見上げてしまう俺に、ハンデットが益々笑う。

  「褒めてるよ。すげえ褒めてる。…俺も、頑張らねえとな」

  最後のほうは、まるで独り言のように、小さな声だった。それでも、その声は相変わらず優しくて、…何処か明るかったから。そんなハンデットに俺も安心して、甘えるように、彼の額に俺の顔を擦り寄せた。俺を抱きしめるハンデットの腕に、小さく力が籠る。

  「…なあ、お前がそう言ってくれるから、俺も言うけどさ」

  「えっ、うん!何でも言って!」

  そのまま、少しだけ躊躇うように、ハンデットが俺に囁く。その言葉に、俺の身体が元気だったら跳ね起きてるような勢いで、ハンデットを見上げる。少しだけ照れたように、視線を一瞬逸らした彼が、…意を決したように、俺を見つめた。

  「その、…まだけ、結婚する前だけどさ。先に、その…俺たちの家を借りねえか」

  まだ一緒に住むのは先になるだろうけどさ。休みの日とか、そこで過ごしてもいいんじゃねえかな、って。ああ、勿論おじさんやおばさんには絶対に逢いに行くぞ!?そのあとに、その、…俺たちの家で過ごしてもいいんじゃねえかってさ!ハンデットの慌てたような、焦ったような声が、耳に流れる。でも、俺の耳は、そこをほとんど聞き流してしまっていた。だって。だって!

  「っ借りる!借りる、俺たちの家!借りよう!?」

  勢い込んで、ハンデットの言葉に大きく、何度も頷いた。腰や身体がこんなに重くなかったら、きっと思い切り、ハンデットに抱き着いてる。その代わりに、身体の中では比較的自由に動く腕で、ハンデットの背を緩く抱きしめた。嬉しい!嬉しい!だって『俺たちの家』だよ!?俺たち二人の、俺たちが伴侶として、家族として暮らすための家!それを、…ハンデットが欲しいって言ってくれてるんだもの!

  動けなくても、俺の様子で俺が凄く、すっごく喜んでるってことは無事に伝わったんだろう。ハンデットがほっとしたように息を吐いて、俺の額にキスをした。…擽ったくて、少しだけ照れるような、でも幸せな気持ちで目が細まる。

  

  「じゃあ、どんな家が好いかも話し合わないとな」

  「うん!でも俺、ハンデットと一緒なら、どんな家でもきっと嬉しいよ」

  そんな言葉を交わしながら、ベッドの中で抱き合って笑いあう。俺のなかで、この夏の一番の楽しみは、この旅行だったけど。…旅行が終わっても、また次に、凄く楽しみなことが出来た。それがとても嬉しくて、浮き上がるみたいにこころが弾んで。

  ハンデットと一緒なら、こんな風に、これからもたくさん楽しみなことが増えていくんだろうな、って。そんなことを想って、笑ったままで彼の獣毛に顔を埋めた。

  

  「ねえハンデット、これからも、ずっと一緒に幸せになろうね!」

  「…おう、任せとけ」

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