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イケメン狼獣人が、ぽっちゃり少年を娶るはなし。【2】

  彼の為にとつくった鹿肉の赤ワイン煮込みは、我ながら良く出来たけれど。

  彼との、この後の時間の方が気になって待ち遠しくて、味も良く分からなかった。

  蝋燭を灯しただけの、薄暗い寝室。

  裸で寝転がりながら。期待に爆ぜそうな心臓を胸に、俺に覆いかぶさるような体勢の、彼を見上げる。薄暗闇に溶け込むような、綺麗な漆黒の毛並みの狼獣人。…こんな格好良い獣人が、俺の旦那さまだとは。幾度となく実感した自分の幸運と幸福を、こころのなかで今も噛み締める俺に。暗闇に光る彼の琥珀色の四白眼が、優し気にその眼を細めて、小さく笑った。

  そのまま、リジットさんの顔が近づいてきて、唇が重なる。彼の指や掌の肉球ごと、彼の手が俺の身体を撫ぜるように滑って、俺の尻朶へとたどり着く。どこもかしこも肉付きのいい、…要はデブの俺の身体は、特に胸とお腹とお尻に肉がある。いや、太腿にも二の腕もそうなんだけどさ。

  そんな、厚くて柔らかい尻朶に、彼の指が沈んで。それから、其処を割るように潜った彼の指先の、少し硬くてあたたかい肉球が、隠れていた俺のお尻の孔をなぞった。ざらざらと荒い感触がくすぐったくて、それだけで俺の、顔も孔も緩んでしまう。少しほころんだそこを、見逃さないかのように、今度は鈍く伸びた彼の爪が食い込むように潜り込んだ。

  「ひんっ♡」

  鼻から抜けるような声が勝手に上がって、自然に腰が畝る。彼との行為に慣れ切っている俺の孔は、彼の爪を拒絶したりなんかしない。それどころか、先を促すように、腸の奥まで蠢いて震える。

  それが、爪先だけでも分かったように。リジットさんがひとつ笑うと、勢いよく、指をなかまで進めてくれる。じゅぶっ、て濡れた音がして、彼の指が、俺の奥まで挿入ってきた。ざらざらした肉球と、毛羽立つ獣毛が、腸壁を刮ぐように擦れていく。それだけで、堪らなくて腰が動いた。

  「んっ、くすぐ、ったっ♡」

  それでも物足りなくて、強請るように身動ぎする。もっとたくさん擦ってほしい。指先に力を入れて擦ってもらうの、大好きなんだ。硬い肉球で、柔らかいだろう腸壁をごりごりしてもらうと、それだけでイってしまう。

  その刺激を想像するだけで蕩けてしまって、腸壁がきゅうきゅうと彼の指を締め付けた。とろとろと腸液が俺のなかから溢れてきて、彼の綺麗な漆黒の毛並みを濡らしていく。

  俺の腸内は、最早排泄孔よりも、多分女の子の性器に近くなってしまっている。滴るくらいに溢れる腸液も、なかを弄られて蕩けてしまう肉も、リジットさんとの行為のなかで変わってきたものだ。なにより俺が、彼に抱かれることに、なによりの幸せを感じてるから。俺の身体も、それに合わせて、彼に気持ちよくなってもらえるように変わっていってるんだろう。

  まだ、なかに指を挿れられただけなのに、俺の顔は大分だらしなくなっている。そんな俺を、琥珀色の四白眼が、上から映して。それから、少し目を細めた。その眼は、限りなく優しいのに。何故だか、俺は捕食される獲物になったような気持になって、背が震えてしまう。勿論、その震えは恐怖なんかじゃなくて、…悦楽だ。

  いつも以上に優しくて、愛惜しげで、…それでいて、なにか違う色が見える、リジットさんの眼。彼にこの眼で見下ろされると、全身がぞくぞくして、身体が疼いて、堪らなくなる。

  さっきしてほしいと思ってたことすら、頭から飛んだ。もう、慣らすなんてしなくていいから、このまま彼の陰茎を挿れて欲しい。

  「リジット、さっ、も、挿れてっ!おちんち、ん、挿れてくらさっ」

  彼の指を咥え込んだだけの状態で、それでも俺は身体を揺らして強請る。もう、なかはとろとろだ。きっと、今挿入られたって、俺のなかは悦んで彼を呑み込むだろう。

  そんな俺の訴えに、けれど彼は眼を細めたままで首を横に振る。なんで、って反射で更に訴えようとした俺の口は、少し指を動かされただけできゅんきゅんと蠢く下の口によって止まってしまう。

  「まだ、お前を心から悦ばせるには足りないからな」

  少し硬質の、涼やかに低い声。その声で、俺に顔を寄せて。

  「こうされるのが、お前は好きだろう?」

  そう続けながら、ぐしょぐしょになった腸内に、肉球が押し当てられた。そのまま、ざらざらの表面で粘膜を削げ取るように、勢いよく指が動く。指を挿れられたとき、俺がしてほしいって思ったこと。それを一気に思い出して、腰が跳ねた。

  「ひゃぁあんっ!すきれす、っ、これすきっ!」

  頭のなかまで一気に蕩けて、堪らず叫ぶ。指先の肉球を押し当てられて、ぞりぞりと擦られながら。濡れて毛羽立った獣毛に擽られて、時折鈍く伸びた爪に引っ掻かれる、俺の腸壁。じゅぶじゅぶと音がするたびに、尻朶にまで腸液が飛び散る。腸壁が蠢きっぱなしで、彼の指を締め付けるのがやめられない。

  無意識に、自分で乳首を摘まんでしまう。元々は普通だったけど、リジットさんに弄ってもらうようになって、倍以上に大きくなってしまった俺の乳首。最初は弄られてもくすぐったくて恥ずかしい、くらいだったのに。弄られるうちに感度も上がっていったのか、今ではもう、明確に気持ちいい性感帯の一つだ。

  俺のなかを削げ擦る、速い指の律動に合わせて。くりくりと、俺も乳首を弄る指を動かす。乳首を摘まむと、なかが更にきゅんと締まるのが自分で分かる。片方だけだった手が、気付けば両手で両の乳首を弄っていた。目を閉じて、大きく足を広げて、指に合わせて腰も動かす。指先から根元まで、じゅぶんと一気に挿れられながら大きく腰を揺らして、乳首を捻る。そうするたびに、頭が蕩けるくらいに気持ち好い。

  これだけ気持ち好くなってるのに、俺自身は勃ってもいない。射精しないイき方をリジットさんに教え込まれて、それがもう癖になった。射精したのなんて、前に何回あっただろう?今じゃもう、腸内を弄られて、おちんちんを挿れてもらって、それでイくのが当たり前になった。

  「ん、イく、イくぅっ」

  目を閉じたまま、うわ言のように口から漏らす。きゅ、と爪先が丸まって、内ももが震える。イく、ってもう一度漏らしたとき、…唐突に指が抜かれた。

  「ふぇ、っ?」

  いきなり無くなってしまった刺激に、間抜けな声が漏れる。彼の指の太さで、ぽかりと開いたままの孔が寂しそうに蠢く。それを感じながらのろのろと目を開けるのと同時に、両手をぎゅ、と掴まれる。

  「何をしている?」

  何をもなにも。…さっきまで、俺がずっと自分で乳首弄ってるの見てただろうに。イきそうになるところでやめさせるとか、ずるい。ほとんど半泣きになりながら、上正面から俺を見ているリジットさんを見上げた。琥珀色の四白眼が細められて、口角が上がる。その隙間から犬歯が覗いて、背筋がぞくりと粟だった。

  「したいのなら、俺がしてやろう。お前が自分ですることはない」

  掴まれたままだった俺の手に、彼の口が触れる。短い獣毛と、鋭い歯牙が指に当たって、心臓が早鐘を打つ。指を抜かれたままぽかりと開いたままだった俺の孔が、何かを期待するみたいに、ぎゅっと窄まってはくぱりと拡がる。

  「お前はなにをしてほしい?」

  さっきは出来ただろう?ほら、言ってみろ。そう続けられて、溶けた頭で思い出す。さっき。おちんちん挿れて、って言ったときだ。さっきは言っても聞いてくれなかったくせに、今度は言えとか!ほんとにずるい!

  それでも、そう言われるのが気持ちいいんだ。彼の、細められた四白眼に見詰められるのも。まるで獲物になったような気持ちになるのも。身体のなかからぐずぐずに蕩けるみたいに、気持ちいい。

  彼の手が、俺の腕から離れた。それを合図のように、…俺の手が、のろのろと、でも意思を以って動く。開いた足の後ろをくぐって、腸液で濡れた厚い尻朶に、指を沈めた。そのまま、自分で一番奥の孔を拡げた。くぱぁ、と粘着質の音が聴こえた気がした。

  リジットさんの視線を、孔の奥にまで感じて、悦楽に歯の根が合わない。期待しすぎてきゅうきゅうと蠢く内壁も、早鐘の心臓もそのままで、一生懸命息を吸った。

  「お、俺のここに、っ、リジットさんのおちんちん、こんどこそ挿れてっ!ち、ちくびもいっぱいいじってくらさいっ!それでっ、俺のこといっぱいイかせてほしいれすっ!」

  叫ぶように、一気に声を張り上げた。言い終わると同時に、拡げた孔の奥から腸液が零れる。脂肪で膨らむ俺の胸で、乳首が真っ赤に勃ちあがって震えていた。

  

  そんな俺を、眼を細めてリジットさんが見詰める。笑うように少し開いた口元から、赤い舌が見えた。…捕食者の笑みだと、なんとなく実感した。そうされたい、と想う自分がいるのも。

  「お前は、本当にいい子だな」

  綺麗な漆黒の獣毛に包まれた手が、俺の頭を撫ぜる。そのまま、ゆるゆると俺の頬から首筋へと指が滑って、乳首を摘まんだ。

  「ひゃうっ♡」

  ぎゅっ、と摘ままれて捻られて、声が上がる。片方だけだった手が両手に増えて、脂肪でたぷんと揺れる胸に沈む。びん、と勃ちあがった乳首に掌の肉球が擦れて、目の前が白くなる。

  「お前の願いは、全部俺が叶えてやる」

  硬くて低い、それでいて優しくて甘い声。その言葉は、…なんとなく、俺がさっき言ったことへの答えじゃなくて。もっと、違う、別の言葉のような気がした。けど。

  俺が、その言葉の意味を捉えるよりも早く。リジットさんのおちんちんが、俺の拡げ切った孔に当てられて、俺の思考は霧散した。

  

  ずぷ、と、濡れた音を立てて、先端が俺の孔へと潜り込む。それだけで、俺の腸壁は、悦んで奥まで蠢いた。蕩け切って、期待に満ちた顔で、上正面のリジットさんを見つめる。緩んだ口元に、胸から離れた彼の指が触れた。

  

  「―だから、俺から離れてくれるな」

  今までとは違う風に、細められた琥珀色の四白眼。まるで切なそうに、俺を見て、彼が囁く。…俺から離れるなんて、そんなこと、何が起こったってあるわけないのに。

  けれど、そう告げる前に。一気に彼のものが、俺のなかへと打ち込まれて、俺の言葉は嬌声へと変わってしまう。

  「あーっ!っく、いく、いくうぅっ!」

  

  とろとろに蕩けきってたなかに、漸く挿れてもらえた、彼の陰茎。みっちりと隙間なく埋め込まれたそれに、俺の腸壁は大喜びで絡みついてしゃぶりつく。ただでさえずっとイきそうだった俺の身体は、彼に挿入られただけでイってしまっていた。

  ぎゅう、っと身体中が縮こまるように丸まって、びくんびくんと足が勝手に跳ねては動く。ずっと尻朶を拡げていた指が、厚い脂肪を掴むように食い込んで硬直してしまう。頭のなかは真っ白で、ただ多幸感だけが身体中に満ちていた。

  ぐずぐずに蕩けながら。幸せだ、ってこころから想って、思考が沈む。けれど。

  腰が掴まれて、リジットさんのものが直腸の奥まで突き込まれる。それに沈みかけてた思考が一気に覚めて、身体がまた燃え上がった。

  「ま、まって、まって、俺、まだ―っぅうんっ♡」

  さっき、射精のない絶頂に達した身体は、簡単にまた絶頂まで打ち上がる。俺は男だけど、こういうイき方をすると、連続でイけるらしい。きゅんきゅんと彼のものを締め付けながら、俺はあっけなく二度目の絶頂を迎えた。

  俺の腸内は、もう完全に彼の陰茎を覚え込んで、その形に拡がっている。彼が挿入ってくるだけで気持ち好くなってしまうのだから、こんな風に突かれたら堪らない。

  それでもなんとか、自分のお尻から指を離して、震える指で彼の肩に手を掛ける。…じゅぷ、っと勢いよくまた穿たれて、息が止まった。

  「やらっ、まって、まってよぉっ♡」

  ごりごりと、硬い彼の陰茎が、俺の腸壁を縦横無尽に抉っていく。言葉とは裏腹に、俺の手は彼の背を抱き締めて、足は彼の腰にしがみつくように回っていた。

  彼の顔が俺に近づいて、そのままキスをされる。開いた口に彼の舌が入って、長い舌が俺のそれに巻き付いて吸われた。俺のぷにぷにと厚い胸やお腹を、彼の触りのいい獣毛が擽る。充血して勃ち上がった乳首にも獣毛が擦れて、腸壁が更に悦んで蠢く。

  もう、頭のなかはイくことでいっぱいだ。イく、と思うたびに達してる気さえする。身体が跳ねて、彼にしがみつくことでそれを抑える。

  「リジットひゃんっ♡すき、好きれすっ、―ィくぅっ!」

  もう、頭のなかまでとろとろに蕩けてしまって、言ってることはただの本能だ。気持ち好いとかイくとか、彼のことが好きだとか。そんなことしか言えなくなった俺に、それでも彼が嬉しそうに笑って。

  

  「俺もだ。お前を愛している、フラフィー」

  そう。甘い声で囁かれるのと同時に、びゅるり、と熱い奔流が、身体の奥に勢いよく注がれる。

  それを感じながら、俺も、今日一番の深い絶頂に達して。彼の身体に全身でしがみつきながら、今度こそ、意識を沈めた。

  薄れる意識の向こうで、彼の手が。俺を撫ぜて、抱きしめてくれるのが分かって。

  全身に満ちる多幸感に身を委ねながら。

  幸せだ、って、また、想った。

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