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イケメン狼獣人がぽっちゃり少年を娶るはなし。【5】
俺のなかに。消せない過去の、消えない傷が、存在している。
「あーっ!りじ、っとひゃんのおちんちんっ、はいってきてぅっ♡」
俺の下で。蕩けた顔を見せる俺の妻に、薄く笑う。
指先で唇をなぞってから、そのまま赤く尖った乳首を捏ねた。硬く痼る乳首を指の肉球でざらざらと擦ってやるだけで、まだ幼い身体がびくびくと震える。俺の陰茎を受け入れている、その柔らかく解けた腸壁も。俺の指の動きに合わせて、きゅうきゅうと健気に締め付けてくる。
「あっ♡りじっとひゃんっ、ちくびっ、ちくびもきもちい、れすっ」
舌足らずの口調で、懸命に悦楽を伝えてくる愛らしい姿に、知らず背が震えた。たぷん、と緩く揺れる胸脂肪を両手に包んで、揉み込むように指を動かす。堪らないと言うように、フラフィーがそのふっくらとした身を捩った。
「んんっ、もっとぉ♡もっと、じゅぷじゅぷしてくらさいっ♡」
ねだるように腰を揺らす、その様に口角が上がる。大きく開いたその足の、肉付きの良い内腿が眼に眩しい。その腿に指を沈めて、激しく腰を打ち付けた。熱く絡みつく内壁が、俺に射精を促してくる。高い声を上げて、フラフィーの顔が一際蕩けた。
これだけ蕩けた顔をして、全身を悦楽に震わせていても、フラフィーは勃起をしない。俺が、そう仕込んだからだ。
腸内で俺を受け入れて、それで女性のような絶頂に達するように。内壁に俺の精液を注がれて、それに悦楽を感じるように。腸壁の襞までひとつ残らず、俺の陰茎を刻み込んで、その形状を覚え込ませて。…間違っても、他の誰かに好意など抱かないように。俺以外の誰かに、目もくれさせないように。
…俺だけのもので。俺だけの『雌』で在てくれるように。
この子が俺を裏切ることなど、あるわけがない。そんなこと、骨の髄まで分かっている。…でも。
俺の過去が、じくじくと疼いた。未だに塞がることのない記憶が、膿むように熱を持つ。もう、十何年と昔のことなのに、鮮明に覚えてしまっている傷のようなそれ。
…裏切られて、親を喪って。国を追われて、逃げ延びた過去。
この子を得て、振り切ることができたと思っていたのに。…フラフィーを愛惜しく想えば想う程、この子が俺を好きだと笑ってくれるたびに。限りない幸福を感じるその裏で、昏い不安が、俺を苛む。
…この子を喪ったら、俺はどうするのだろう。どう、なるのだろう?この子が俺を見限って、誰かの元に行ってしまったら。…違う誰かを愛して、その者に抱かれることを望んだら。
俺の妻に限ってあるわけない、と。この子だけは俺を裏切らない、と。そう知っている、信じ切っている俺の裏で。…絶対など在るわけがない、と、過去から進めずに絶望したままの幼い俺がいる。他人を信じられず、誰かが踏み込むことを拒絶する、過去の俺。ほんの数年前、この子に出逢うまでの、俺の姿。
誰が裏切ろうと。誰が俺の前から去ろうと。…フラフィーだけは、俺の傍に居てくれると、そう知っているのに。
幸福すぎる刻に、時折浮かぶ黒い不安。それを感じるたびに、俺は、彼の幼い身体を執拗に貪ってしまう。俺の手で蕩けた顔が見たい。枯れるまで俺を呼ぶ甘い声を聴きたい、抱き締め返してくれる腕が、俺に絡みつく足が、俺を離すまいと締め付けてくる内壁が。その柔らかな全部が欲しくて、彼が気絶するまでその身体を離せなくなる。これは、多分獣欲と呼ばれるものだろう。俺のなかの獣の欲情。食らい尽くしたくて仕方がない。この子が俺を好きだと笑ってくれているうちに、その全てを食らってしまいたい。…決して離れないように、ひとつに。
「そこっ♡りじ、っとひゃん、そこっ、そこらめれすっ!ぐりぐりしちゃやぁっ♡」
腸壁の途中、まだ浅いところを、陰茎の先端で強く抉る。同時にフラフィーの身体が大きく跳ねて、逃げるように身を捩った。けれどその顔はとろりと蕩けて、足は俺の腰に絡みつく。気持ち好いのも、それが強すぎて逃げたいのも、どちらも本当なんだろう。素直で愛らしいその反応に満足して、更に少し痼ったその場所を、捏ねるように押し潰す。一際、フラフィーの腸壁が俺を締め付けて、俺の腰に回った足が、痙攣するように弾んだ。
「あーっ♡らめっ、イく、イっ、ちゃ、…っ♡」
とろとろに蕩けた顔で、俺の妻がきつく目を瞑る。足も腰も跳ねさせながら、長い絶頂を味わっているようだった。うねるように俺にしゃぶりつく柔らかい腸壁が、精液を求めるように俺を扱く。
婚姻を結んだ半年前に、迎えた初夜。それよりも以前から、フラフィーの身体は俺が時間をかけて慣らし開発してきた。どこを触られるのが好きで、どこを擦られるのが弱く、どうされればその身体を蕩けさせるのかなんて、全部知り尽くしている。当然だ、全て俺が探り当て、性感として育んできたのだから。
…不幸中の幸い、とでも言おうか。フラフィーは、あの侯爵殿に何もされてはいなかった。肩を抱かれたり頬に触れられたり、そういったスキンシップは受けていたようだが、性的な接触はなかったらしい。本当に、あの男は自分の性癖の範囲に入らないと食指が動かないのだと、それを聞いたときに心から安堵した。
だから、…俺が見つけたのだ。あの男が先に目をつけて、けれど見つけることのなかったもの。他の誰にも、見つけられなかったあの子の全て。
あの幸福そうに笑う笑顔も、快楽に弱い素直な身体も、こんな俺を受け入れてくれる優しいこころも、数々の性感帯も、なにもかも。その全てを、俺が。
俺が、見つけたのだ。
「り、りじっとひゃんっ、はげし、…っおくっがんがんしにゃいでっ、ぃやぁっ♡」
気付けば、押さえつけるように、彼の両の二の腕に指を沈めていた。身動きも取れないように、力を込めて、柔い肉を組み敷く。胸に渦巻くのは、支配欲だろうか。不安だろうか。それに突き動かされるように、自分勝手に抽挿を続けた。気遣いも何もあったものじゃない、只管フラフィーの柔らかく蕩けた肉を、思う様自分の陰茎で潰し抉るように貫く行為。
「らめ、―っひゃう、やさしくしてっ…おねがっ」
ふっくらと優しい線を描く頬が、上気して震えていた。俺を下から見上げるその円い目に、涙が浮かんでいるのが見て取れて、…その表情すら、俺の獣欲を刺激する。
懇願のような嬌声に声を返さず、直腸の奥まで乱暴に突き上げる。蕩けているはずの肉が、それでも怯えたように収縮する。陰茎のなかでも硬い部分を押し付けて、蹂躙するように突き動かせば、涙を散らしながらフラフィーが顔を振った。
「やあぁっ、こわれる、こわれひゃうよう…っ」
蕩けた声に、啜り泣きが混ざる。こんな行為でも絶頂を迎えているのだろうか、組み敷く身体が痙攣するようにびくびくと震えている。きゅんきゅんと、彼の内壁が、許しを請うように俺のものに絡みついては締め付ける。
溶けるように赤い目が、縋るように俺を見上げる。そのまま、あぁ、と声を上げてはきつく目を瞑った。大粒の涙がふっくらとした頬を滑って、堪らなくなり舌を伸ばした。
柔らかく熱い頬を、舌で味わう。組み敷く腕を片方あけて、そのまま肉付きの良い胸を揉み潰した。俺の掌の肉球で、痼り勃った乳首が根元から曲がる。愛らしい口から一際高い嬌声が上がって、なかの肉が、強く、俺を締め付ける。
喉奥で唸ってから。種付けをするように、彼のなかへ、俺の精液を注ぎ込んだ。同時に達したのだろうか、抑え込んだその身体も、大きく跳ねてはびくびくと震える。
一滴も漏らさぬように、射精したままぐいぐいと陰茎をなかへと押し込んだ。柔らかい肉が、きゅうきゅうと収縮するのを感じながら、息を吐く。その身体を、鈍くも長い爪が食い込むほどに、きつく抱きしめる。
俺が見つけた、誰よりも、何よりも愛惜しい、最愛の俺の妻。
だから、この子は俺のものだ。俺だけのものだ。誰にも渡さない。俺から奪うなら、取り上げようとするなら、その時は、――
「…リジットさん?」
不意に。蕩けた余韻を残しながらも優しい声が、耳に響く。荒い息を吐きながら、俺が組み敷いているその子を見遣る。泣きはらしたように真っ赤な目が、それでも、…声と同じに優しい色で、俺を見上げていた。
柔らかい膚に、くっきりと、俺の指痕が残った二の腕。その腕をゆっくりと上げて、フラフィーのふくりとしてあたたかい指先が、俺に触れた。
そのままその手が優しく、俺を撫ぜる。心配するように、宥めるように、…慈しむように。指先から、俺への愛情が伝わるような、細やかな手つきで。
彼の身体を掻き抱いていた指を解いて。…その手を、のろのろと緩く、掴む。胸に渦巻いていた獣欲も、征服欲に満ちた黒い感情も、…消え去ることのない記憶の不安すら。その指先で拭われるようだった。泣き出したくなるような想いが、胸に拡がる。
「…すまない。酷いことをしたな」
つらかっただろう、と、絞り出した声は、掠れていた。こんなにこの子を喪いたくないのに、俺は何をしているのか。激情の醒めた頭には、後悔しか浮かばない。
そんな俺に、…フラフィーが笑って首を、振った。いつもの幸福の詰まったような顔で、おかしそうに。目元まで真っ赤に染まった目を、惜しげもなく細めて。…こんな、俺に。
「謝ることなんてないのにー。全然つらくないし、その…すごい気持ち好かったよ」
今度は照れたようにはにかみながら、そんなことを口にする、俺の愛妻。俺に掴まれたままの手で、俺の頬を、獣毛ごと幾度も撫ぜて。それから。
「それに、リジットさんは、俺に何してもいいんだよ。リジットさんになら、俺、何されても嬉しいし、気持ち好いんだ」
俺、リジットさんのこと大好きだから、と。幸せそうに笑ったままで、そう、優しい声が、俺に告げる。…鼻の奥が、つんと痛んだ。彼の手を掴む自分の指先が、細かく震える。俺の方が、10も年上だと言うのに。俺が、この子を護るのだと、そう誓っているのに。
…まるで、俺の方が、護られているようだ。こんな俺を、何処までも優しく包んでくれる、この子のこころに。
「だから、リジットさんがしたいことして?好きなこと、俺にいっぱいしてね」
にこにこと、屈託のない笑顔で笑って続ける。まるで、俺の心を知っているかのように。先程までの、醜い獣欲に塗れて願った、俺の。
「…俺が、お前を食らいたいと、そう言ってもか?」
息を吐いて。懺悔のように口にする。獣人だと言っても、所詮は俺が狼だと、…食らう本能を持っているのだと。そう、自白する行為。
怯えた顔を、されることを覚悟した。このあたたかい手が離れてしまうことも。それでも、…それが怖くて、掴んだ手を、強く握ってしまう。
…そんな、俺の前で。きょとん、と目を円くした俺の、妻、が。ふふ、とおかしそうに息を漏らした。
思っても見ない反応に、今度は俺の方が眼を見開いてしまう。そのまま、円くした目が、ぎゅう、と細められた。花が咲くように笑う、俺の焦がれてやまない、あの笑顔。
「リジットさんに食べられるなら、俺、本望だなあ」
…その言葉に。視界が滲んだ気が、した。それを隠すように、目の前の、柔らかい身体を抱き締める。
狼の本能ごと、許された気がした。俺の醜い獣欲も、支配欲も、独占欲も。そう言ったものを、全て。誰よりも愛惜しくて、誰よりも優しい、…俺の、妻に。
「…冗談だ。そんなことしないさ、絶対。…絶対、」
震えそうになる声を、叱咤して、そう紡ぐ。俺の背に、あの子のあたたかい手が回って、…また、優しく俺の背を撫ぜる。撫ぜてくれる。
その指を、全身で享受しながら、眼を閉じる。目頭から漏れた水滴が、獣毛に沈む。
「絶対、お前を離さない。…何があっても」
そう。祈るように、言葉を続ければ。抱き締めた腕のなか、幼い身体が笑うように震えて。
「俺も、絶対離れないからね!ずっと、一緒に居ようね!」
耳に響いて、溶ける声。明るい声色の優しい言葉に、身体から力が抜けた。
俺の過去が。俺から消えることは、ないのかもしれない。傷のように膿んで疼くことも、誰も信じられない幼い俺が、どこかに存在していることも。
けれど、…きっと。この子がいれば、乗り越えられる。きっと、この子なら、幼い俺も笑って包み込んでくれるだろう。今、俺にそうしてくれたように。いつも、そうしてくれているように。
そうだな、と。彼の言葉に頷いたとき。
眼の奥の、過去に遺されたままの小さな俺が。あの頃から止まった絶望しの顔を、それでも少し、…笑ませるのが見えた、気がした。
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