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イケメン狼獣人がぽっちゃり少年を娶るはなし。【33-初夜編3】

  リジットさんに、…俺の身体を慣らしてもらうようになってから、半年ほどが過ぎた。

  おちんちんを弄られなくても、お尻だけで射精できるようになるまでは、早かったのだけれど。…射精しないイき方、リジットさんの言う『雌の絶頂』は、俺はまだ迎えられていない。

  お尻を弄られると、おなかのなかがじんじんと甘く疼いて熱くなって、腸内が捻じれるように畝って、お尻がきゅんきゅんと切なくなる。これが『きもちいい』んだって、今の俺はちゃんと理解してるけれど。…どれだけ気持ち好くなっても、気持ち好いからこそ、俺は直ぐ射精してしまう。

  特に、お尻の浅いところにある、こりこりと痼っている場所を弄られると。そこを彼の指で撫ぜられて、優しく転がされるように押し込まれるだけで、息が止まってしまうくらいに気持ち好い。そのままぎゅうって強く押されると、腰が浮いてしまって、俺のおちんちんが一気に硬くなって、それだけでイってしまう。

  こんなに気持ち好かったら、射精しなくてもイける気がするんだけど。…堪え性のない俺のおちんちんは、お尻が気持ち好くなると、すぐに硬くなって射精してしまう。

  リジットさんは、こんなに俺のことを気持ち好くして、俺の身体を慣らしてくれてるのに。彼の望むイき方も出来ないなんて、…と、俺は自分のだらしない身体が悔しくて、情けなくて、最近はちょっとだけ涙腺が緩い。

  一層のこと、おちんちんを根元から縛って射精できないようにしちゃえばいいんじゃないか、って。そう思って、リジットさんに相談してみたこともあるんだけど。それは、あっさりと却下された。

  『お前につらい思いや苦しい思いはさせたくない、と言っただろう?そんなことをしなくても、ゆっくり覚えていけばいい。俺は、お前が俺の手で気持ち好くなって、愛らしく達する姿が見たいのだからな』

  そう言って、優しく抱き締められて、…こころが蕩けてしまったのも記憶に新しい。

  だから、せめて、と。リジットさんに逢えない日も、自分で慣らそうとも思ったのだけれど。…彼の指じゃないと、俺の身体は自分の指ですら、受け付けもしなかった。一生懸命指を濡らして、自分でお尻の孔に這わせるのに。彼の指だと、嬉しそうにほころんで、悦んで吸い付くように彼の指を受け入れる、俺のお尻は。…俺の指だと、いくら開こうとしても、お尻の孔は固く閉じたままだった。指で突いてもじぃんと疼くだけで、指をこじ入れる隙間も作ろうとしない。無理やり挿れようとしたけど、痛いだけで、爪の先すら挿入らなかった。それでも無理にねじ込もうとして、爪でお尻の孔を少し傷つけてしまったらしい。…次にリジットさんに逢った時に、それに気づかれてしまって。彼にそれを指摘されて、何をしたのかを彼に自分で話すことになってしまって。…少なくとも、彼のお嫁さんになるまでは、決して自分でそこを弄らないことを、固く約束させられた。

  でも、…俺は早く、彼の望む雌の絶頂を迎えたい。おちんちんで射精してイくんじゃなくて、…射精しなくても、女の子みたいに絶頂できるようになりたい。

  彼に、そういうイき方があることを教わってから、ずっと。…この半年、ずっと、そう思って、願っているのに。俺は、どうしてもお尻だけでイくよりも早く、おちんちんから精液を噴きだしてしまって。そんな自分を恥じながらも、…早く、お尻だけでイきたくて、焦っていた。

  ****************************

  その日も、リジットさんが俺のうちに泊まっていってくれる日だった。

  もう、彼専用になったといってもいい、うちで一番上質なゲストルームで。俺だけ裸になりながら、彼の手で、身体を慣らしてもらう。…そう言えば、リジットさんが裸になるところって、俺は一度も見たことない。いつも、俺だけが裸になって、彼の手で気持ち好くしてもらって、…射精してしまう。

  いつか、…俺が彼のお嫁さんになれる日には。リジットさんの裸も、俺が見ることが出来るのかな?そんなことを思って、心臓を高鳴らせてしまいながら、俺の身体に這わされる彼の手に身を委ねた。

  俺のお尻の孔は、リジットさんの指なら2本は挿入るまでに、拡がっていた。ゆっくりと、彼の指のざらりと硬い肉球で、優しく撫ぜられるだけで、俺のお尻は直ぐに気持ち好くなって、柔らかく入り口がほころんで開く。おなかのなかからも、腸液がとろりと零れて、彼の指を軽く濡らした。くちゅくちゅと濡れた音が微かに響いて、恥ずかしくなる。…でも、その濡れた音聴くたびに、俺の心臓は大きく弾んだ。

  「あ…っ、リジットさん…」

  にゅぷにゅぷと音を立てて、まずは1本、彼の指が俺のなかに挿入ってくる。リジットさんは、決して乱暴に、俺のなかを動かさない。彼の指の獣毛が、俺の腸液で濡れそぼって、腸壁を毛羽立たせながら擦って動くのが分かるくらい、ゆっくりと俺のなかを進んでは、ぞりぞりと抜けていく。

  …指を、奥まで動かされて。そこを彼の指先で優しく削ぎ擦られるのが気持ち好いって。そう想うようになったのは、最近のことだ。奥まで、ゆっくりと指で突きあげられるたびに、背中がぞくぞくして、腰が反るように大きく浮いてしまう。悦ぶように腸壁が大きく畝って、彼の指に吸い付いて締め付けるのが、自分で分かった。今までは、俺のお尻のなかの、硬い痼りをころころを転がされるのが一番気持ち好かったけど、…今は、彼の指で、直腸の奥を優しく擦られるのが、一番気持ち好い。

  もっと大きいのが欲しい、って、俺のおなかが訴えてくるようだ。もっとおっきくて、もっと太くて、もっと硬いもの。…無意識に、彼の下腹部を、目で追ってしまう。ほとんど裸の俺と違って、今日も、いつもきっちりと服を纏った彼の下半身。だから、俺はリジットさんの、…その、おちんちんを見たことがない。当然だ、俺は彼の裸すら見たことがないんだもの。…それでも、俺のおちんちんと同じ場所が、トラウザー越しにもわかるくらいに大きく盛り上がってるのが分かって。まるで、それを欲しがるみたいに、俺の腸壁が彼の指をぎゅうっと強く食い締めた。…まだ、彼の望む絶頂を迎えることも出来てないのに。きっと、それを迎えられないと、…彼は。婚姻した後でも、俺を。本当の意味で、…彼のお嫁さんには、俺の雌には、してくれないだろうに。

  

  そう思うと、気ばかりが焦る。早く、お尻だけでイけるようになりたい。射精のない絶頂を迎えたい。…彼の、お嫁さんになりたい。

  俺のなかで、彼の指が緩く曲がって、そのまま肉球で優しく擦られる。指が曲がった分、俺のなかは柔らかく拡がって、彼の指の動きに合わせて悦ぶように畝った。俺のおちんちんも、当たり前のように大きく膨らんで、硬くなっていた。…もうイきそうになってしまって、必死で我慢する。

  俺の奥を拡げながら、優しく擦ってくれる彼の指のおかげで、今日も俺のなかは十分に解れたようだった。今、俺のなかに挿入っているのは、彼の右手の中指だけれども。にゅぷり、と音を立てて、人差し指も、俺のなかに潜り込んでくる。彼の、獣毛に包まれてしっかりとした逞しい指が2本も挿入されると、俺のおなかは少しだけ苦しくなる。それでも、リジットさんが俺のお尻をいつも丁寧に解し溶かしてくれるから、俺は痛いとも、圧迫感でつらいとも感じたことはない。今も、彼の指の体積分拡がった俺のお尻の孔から腸壁の奥まで、あっという間に彼の指の太さに馴染んで柔らかく蕩けた。

  そのまま、彼の長い中指が優しく直腸の奥を擦って、人差し指がゆっくり曲がって俺のお尻を更に拡げながら、お尻の浅いところにある痼りを転がすように撫ぜる。…それだけで、ぎりぎりのところを我慢していた俺のおちんちんは、呆気なく射精して達してしまった。

  「あ~~~っ!だめ、だめぇっとまってぇ…っ」

  背中からつま先まで、小さく縮こまるように丸まりながら、噴き出てくる自分の精液に止まるよう懇願する。勿論、俺の意思で射精が止まってくれるわけもなく。びゅくびゅくと白濁を噴きだすおちんちんが気持ち好すぎて、腰が勝手に跳ねた。

  リジットさんは、俺がお尻だけで射精してイってるときには、お尻を弄るのを止めてくれる。けれど、それが物足りないとでもいうように、俺の腸壁が彼の指を食い締めては、ねだるようにきゅんきゅんと捻じれて畝った。…それがおちんちんにも伝わるようで、気持ち好くて噴き出る精液が止まってくれない。

  「やだぁっ、しゃせいだめなのっ、とまってよぉ…」

  自分の身体なのに、全然思い通りになってくれないことが情けなくて、涙ぐみながらぐすぐすと洟を啜った。丸まっている足も、縮こまりながらも勝手に大きく開いていってしまって、…まるで誘っているみたいで、恥ずかしくて堪らない。

  リジットさんは俺の為にお尻の指を止めてくれてるのに、動かして欲しいとばかりにぐしゅぐしゅと腸液を零して畝ってる腸壁も。すっかり『きもちいい』ことに慣れて、おちんちんなんかひとつも弄られなくても、リジットさんにお尻や乳首を弄られるだけで簡単に射精してしまう、俺の身体も。…そのくせ、彼が望むことなんて、一つも出来ない俺自身が、…恥ずかしくて、情けなくて堪らない。

  こんなに情けなくなってるのに、やっぱり俺の射精は止まらなくて。最後の一滴まで出し終えてから、耐えきれなくて顔を覆った。それでも、絶頂の余韻に震える身体は、俺のなかに挿入っている彼の指を無意識に締め付けてしまって。…それだけで、また、じんわりと気持ち好くなってしまう。そんな自分に、一層目が潤んだ。

  そんな俺に。ざらりと硬くて、けれど優しい感触が、ゆっくりと頬を撫ぜた。それが彼の指だなんて、考えなくても分かる。だって、…出逢ってから今まで、リジットさんは。俺が落ち込んでたり泣いてたりする時、いつもそうやって、優しく俺の頬を撫ぜてくれるから。

  「どうした?何かつらかったか?」

  指と同じくらいに優しい声が上から降ってきて、…その声だけで、俺はまた、腸壁をきゅんと震えさせてしまう。そうすると、俺のお尻がはしたなく咥えこんでいる彼の指を、その獣毛の下の節々まで鮮明に感じてしまって、…また、堪らなく恥ずかしくなった。

  

  「ううん、…ただ、俺、またお尻でイけなくって、射精しちゃって…」

  ごしごしと目をこすりながら、覆っていた腕を外す。多分、俺の目も、その周りも真っ赤になっているだろう。そんな俺の顔を、少しだけ痛ましそうに、それでも優しく眼を細めたまま、リジットさんがそうっと撫ぜてくれる。まるで宝物でも扱うみたいに、丁寧で優しい手つき。そんな彼の手で、目の周りや頬を撫ぜてもらうと、自分への情けなさや悔しさも、段々と薄れていくようだった。

  「焦ることはない。これから俺たちは夫婦になるんだ、そうしたら今のように日を置くことなく、ずっと一緒に居られるだろう?段々と覚えていけばいい。…俺が、お前の身体に、無理のない様に教え込んでやるからな」

  笑いを含んだ声で、耳元に囁かれて。それをうっとりと聞きながら、俺の顔も思わずほころぶ。…けれど、胸のなかに閊えているような思いは、消えてはくれなくて。

  「…でも、だって、その…射精しないでイけるようにならないと、リジットさん、…お、俺のこと、その…ち、ちゃんと『お嫁さん』にしてくれないでしょ?」

  …ずっと、胸に燻っていた思いが、口から零れ落ちる。『お嫁さん』。直接的な言葉を言うのが恥ずかしくて、伏せるような言い方になってしまったけれど、その意味をちゃんと彼は分かってくれたようだった。俺の言葉に、リジットさんが驚いたように眼を見張って。俺に覆いかぶさるように、顔が近づく。その拍子にだろうか、にゅぷん、と彼の指が2本とも俺のお尻から抜かれて、その感触に密かに腰が震えてしまった。

  「何を言っている?俺は、婚姻したその日にお前を俺の妻にすると、お前の奥深くにまで俺を突き入れて、お前の全てを俺のものにすると、…そう決めているぞ?」

  見開かれたように大きくなる、綺麗な琥珀色の四白眼。そのなかに俺が映っているのが分かるくらいに、真っ直ぐにリジットさんが、俺を見つめる。…その眼と言葉に、俺の方が驚いた。

  

  「えっ!?そ、そうなの!?」

  思わず声を上げてしまいながら、彼が言ってくれた言葉を反芻する。…遅ればせながら、その意味をちゃんとと咀嚼して、顔が爆ぜるように熱くなった。婚姻の日に、リジットさんは俺を『お嫁さん』にしてくれるって。俺の全部を、彼のものにしてくれるって。そう決めてるって、…言ってくれた。何度も噛み締めるように、胸のなかでその言葉を繰り返す。心臓がどきどきと高鳴って、そこから身体中がぽわぽわとあたたかくなった。

  そんな俺に、彼が笑う。また、優しい手つきで、俺の頬をゆっくりと撫ぜてから、その手が俺の身体を包んだ。ぎゅう、と抱き締められて、…あたたかい幸福に、息が一瞬詰まる。

  「当たり前だろう。…正直、今この瞬間も、お前を俺のものしたくて仕方がないんだ。婚姻した後まで我慢なんて、俺が出来んさ」

  笑いを含ませながらも、…その声色は真剣だった。彼の言葉が本気だって分かって、更に身体が熱くなる。おずおずと、彼の背に俺も、少しだけ腕を回して、その服の裾を掴んだ。

  「そ、そんな…そしたら、その、我慢なんてしないで、その」

  もじもじと声に出した言葉は、最後まで言えないで口の中に消える。それでも、俺が何を言いたいのか、リジットさんは分かってくれたらしい。俺の頭を撫ぜながら、覗き込むように彼が、俺を目を見つめた。

  「駄目だ。これは俺のけじめだからな。まだ幼いお前に、無理はさせられない。…本来なら、お前が成人するまでは婚姻も待つべきところを、俺がそれまで待てずに娶るのだから。せめて、そのくらいは待たないと罰が当たる」

  真摯な眼差しで、そんな風に言われて、…最後のところで思わず笑ってしまった。罰なんて、そんな、誰が当てるっていうんだろう。…俺が、俺も早くリジットさんのものにして欲しいって願ってるのに?この国じゃ、娶る側さえ成人していたら、娶られる側の年齢なんて、誰も気にしないのに。

  それでも、…それだけ、俺のことを真剣に考えてくれてるんだって言うのが、彼の表情からも言葉からも、痛いくらいに伝わってきて。俺は、それだけで、泣きたいくらいの幸せを実感しながら、…彼の胸に、そうっと顔を寄せた。俺のものか、彼のものか分からない心臓の鼓動が、とくん、とくんと身体に響いて心地好い。

  「じゃあ、…俺がお尻だけでイけなくても、俺のこと『お嫁さん』にしてくれる?」

  彼の答えてくれる言葉なんて、もう分かってた。それでも、確かめるように口に出す俺に、リジットさんが耳元で柔らかく笑う。優しく頭を撫ぜられた後で、ゆっくりと、顔を上に向かされた。リジットさんの眼の中に、また俺が映っている。それが分かるくらいに、近い距離。

  彼が、優しく眼を細めながら、ゆっくりと口を開く。

  「勿論だ。お前こそ、婚姻したら一晩も離してやらんからな。…今から、俺に愛される覚悟をしておけよ?」

  最後は、笑いを含みながら。…それでも、やっぱりそれが本気だってわかるような声色で。俺にそう囁きながら、彼の顔が、俺にゆっくりと近づく。

  俺は、その言葉をうっとりと聞きながら。頷く代わりに、重ねた彼の口から挿入ってくる彼の舌に。…ぎこちないながらも、自分から舌を絡めて、目を閉じた。

  そのまま、また、彼の手が、俺の身体をゆっくりと滑る。たぷんと厚い胸脂肪の上で、大きく膨らんでぷくりと硬くなっている乳首を、その指が軽く摘んだ。それだけで、キスをしたまま身を捩らせてしまう俺を、揶揄うように彼の指がまた、滑る。自分の精液が散ってたままの、ぷにぷにと肉のついたおなかも、交わしているキスでまた緩く勃ちあがろうとしているおちんちんも、彼の指がなぞるように這っていく。…それが擽ったくて、でも気持ち好くて、塞がれている口から、鼻にかかったような高い声が細く漏れる。

  俺の身体を溶かすように、彼の指が、俺の身体中を撫ぜてくれて。…最後にたどり着いたのは、俺の肉付きのよすぎるお尻だった。

  そこを割り開かれて。さっきまで彼の指で蕩かされていた俺のお尻の孔は、それだけで、また彼を求めるように、淡くほどけた。

  そんなお尻の孔を、リジットさんの指が、緩く撫ぜて。…それから、またリジットさんの指が、俺のなかに挿入ってくる。…もう、俺の気は焦らなかった。リジットさんのざらりと硬い肉球が、俺の腸壁をぞりぞりと削げ擦って、腸液で濡れた獣毛が、襞の隙間までこしょこしょと擽る。その感触を、全身で堪能した。おちんちんが硬くなっても、イっちゃ駄目なんて浮かばない。無意識に、太腿の裏を掴んで、持ち上げるように指を沈めた。

  「り、…りじっとさん、きもちいっ、ですっ♡」

  気持ち好すぎて、語尾が上がってしまう。根元まで穿たれた指が、直腸の先を優しく擦る。ざらざらと硬い肉球の表皮が、柔らかい腸壁を傷つけないように、けれど撫ぜ摩って。その動きに、俺の腸壁は悦ぶように、きゅんきゅんと彼の指を締め付けては、大きく畝った。目の前が、ちかちかと点滅している気がする。それくらい、彼の指が気持ち好い。

  その指が、ずるりと滑って。俺のお尻のなかの痼りを、圧し潰すように転がした。…一気に、腰が大きく跳ねる。目の前の点滅が、一層強くなった。

  「ふえっ!?え、な、なにこれ…っ!?」

  腰のばたつきが治まらなくて、自分で焦る。そこを、彼のざらりと硬い肉球で撫ぜられるだけで、腰が更に浮いてしまう。軽くその痼りを押し込まれるように潰されるだけで、一瞬息が止まってしまう。こりこりとそこを転がされると、彼の指を食いちぎるような勢いで、腸壁が締まった。溢れるように、腸壁が指の隙間から零れ落ちて、シーツを濡らす。

  ここを転がされるのなんて、初めてじゃない。寧ろ、お尻を弄られるようになってから、もう半年以上はこの痼りも撫ぜられたり圧し潰されたりしている。今日だって、ここを優しく撫ぜられては、こりこりと転がされた。でも、…その感覚と、似ているようで、全然違う。いつものように、優しくその痼っているところを撫ぜられて、ゆっくりと圧し潰されているだけなのに、…そこから感じる気持ち好さは、今までの比じゃなかった。一番大好きな、直腸の奥を弄られてるわけでもないのに、きもちいい。…きもちいいのが苦しいくらいに、きもちいい。

  俺の知ってる『きもちいい』を、遙かに越していた。こんなきもちいいのは、俺は知らない。ころころと、俺の膚の下で痼りが転がる。…無意識に、歯を食いしばっていた。その隙間から唾液が零れて、頬を伝う。息すら上手にできなくなって、でも食いしばるのも止められなくて、息が苦しい。

  彼の指は、全然激しくなんてない。いつも通りに、優しく俺の腸壁を撫ぜて、ゆっくりと動いてくれている。…それなのに、俺の反応だけがおかしかった。こり、と、彼の指で痼りが転がされる感触が、全身に響いて奥まで揺らした。

  腰が浮きっぱなしで、全然降りてくれない。そのくせ、なにかを欲しがるみたいに大きく揺れては、ぶるりと震えた。そのたびに腸壁が彼の指を食い締めて、ぷしゃりと音まで立てながら腸液が溢れるように零れる。…もう、俺の下のシーツはびしょびしょだ。

  こりこりと、優しく痼りを撫ぜられるだけで、身体が飛びそうになる。本当に浮いてるみたいに力が入らなくて、でも、全身がぎゅうって縮こまって、痙攣するみたいに全身が震えた。全身が、なにかに持っていかれそうで、しがみつきたくて堪らない。

  「やだぁっ!とぶ、とんじゃう…こわい、こわいよう…っ!」

  自分を支えるように、抱える太腿の裏に力を込めた。掴むように、指を厚い腿肉に深く沈める。目の奥がちかちかして、瞑ってるのか開いてるのか分からない。そのくらい、目の前が眩しい。頬が濡れてるのを感じて、それで自分が泣いてるのが分かった。

  …そんな俺の頬を、彼の左手が拭ってくれる。丁寧に親指で、両の目元を拭ってから、涙の痕ごと、頬肉をべろりと舐められた。…眩い視界のなかに、彼の姿を探して、顔を振った。そんな俺の頭を、また彼が撫ぜてくれる。ここにいる、とでも言いたげに撫ぜてくれる、彼の大きな手のひら。…それだけで、泣きたいくらいに安心してしまって。また、頬を熱い涙が伝った。

  「怖いなら、俺にしがみつくといい。…安心しろ、お前が飛ばないように、俺が抱き留めていよう」

  優しい声でそう言われて。漸く、視界が戻った目の中に、彼の顔が映る。滲んでぼやける視界のなかで、綺麗な琥珀色の四白眼が、俺を安心させるように細められた。

  震える手を、なんとか太腿から外して、…彼の背に、恐る恐る回す。今までは、その背に腕を回しても、服の裾しか掴めなかったけれど。…今は、くちゅりとお尻のなかの指を動かされて、思わず力いっぱいしがみついてしまう。

  「あっ、ご、ごめんなひゃい…っ」

  勢いよく抱き着いてしまったのが恥ずかしくて、よく回らなくなってきた口で慌てて謝った。けれど、俺の身体は今もふわふわと浮いているようで、こりこりとした痼りを撫ぜられると、そのままお尻の孔がきつく締まって、身体ごと意識が飛びそうになる。それが怖くて、彼にしがみつく腕から、力が抜けない。

  そんな俺に、また、彼の優しく笑う声が、耳元で響いて。

  「何を謝る?もっと強くしがみついていいぞ、その方が俺も嬉しい」

  そう言って、リジットさんも片腕で、俺を強く抱き締めてくれる。さっきの言葉通りに、俺を繋ぎとめてくれるように強い力。…その力に、また、俺は安心しきってしまって。縋りつくようにしがみつきながら、俺のなかで動く彼の指に、身を任せる。

  こりこりと、彼の指が俺の痼った場所を、優しく撫ぜ転がす感触が、おなかに響いて堪らない。浮き上がったまま下ろせない腰が、勝手に動いてはその指をきつく締め付けた。目を瞑っても、真っ白いひかりが目の奥で眩しい。

  一際強く、ころころとした痼りを、奥に入れ込むように圧し潰された。目の前が真っ白に染まって、目が眩む。圧し潰された痼りが彼の指の下で転がる感触が、手に取るように鮮明だった。そこから痺れるみたいな感覚が全身に広がって、食いしばりすぎてる歯が、少し痛い。…決壊するように、ぷしゃぁっ勢いよく、腸液が奥から漏れだす。勝手に爪先が、何かを掴めるくらいにきつく丸まった。

  

  「イく…っ!りじっ、と、ひゃ…っ、おれイ、き、ま…すぅ…っ」

  絞り出すような自分の声が、遠くに聞こえた。腸壁が暴れるように畝って、腰が高く浮いてしまう。なにかが込み上げてくるようで、歯を強く食いしばった。お尻のなかがぎゅうってきつく、強く締まって、彼の指が腸壁に埋まる。そのくらい、強く彼の指を食い締めてしまった。足がばたばたと勝手に動いて、全身がびくんびくんって大きく震える。おちんちんから精液が噴き出る代わりに、俺のお尻からは、お漏らしみたいにあったかい腸液が後から後から溢れだして、俺の肉厚の尻朶までびしょびしょに濡らした。…射精して達する絶頂とは、明らかに違う。もっと深くて、強くて、…幸せが身体中に満ちてるみたいな、そんな絶頂。

  

  「…あー…、は、っあぁ…あ―――…っ」

  イきながらも、俺は全身で息を吐いて、脱力する。もう、指先にすら力が入らなくて、かろうじて彼のシャツに指を引っ掛けて、彼の背からずり落ちそうな腕を支える。未だに足の先が丸まりながら、びくびくと痙攣するように震えていた。頭のなかが薄い桃色で、思考が覚束ない。

  そんな俺の頬を、リジットさんが撫ぜてくれる。焦点も合わせられないくらいに、絶頂の余韻でぼんやりとしている俺の視界に、優しく眼を細めて笑うリジットさんの顔が映った。俺の大好きな、彼の笑顔。その笑顔に、俺も未だにふわふわとあたたかい幸せに浸りながら、ふにゃりと笑う。彼の笑顔が、一層深くなった。

  「分かったか?今の絶頂が、雌の絶頂だ。ほら、お前の陰茎から射精した様子が無いだろう?」

  優しい声色で囁きながら、彼が、俺のおちんちんを緩く弾いた。…確かに、俺のおちんちんからは、精液が滴る様子がない。いつもなら、射精した後は、精液を噴き出した名残で汚れているのに。

  「ほ、ほんとう?おれ、ちゃんとおしりでイけた?」

  甘い幸福感に満ちたまま、回らない口で、それでもそう問いかける。あれが、本当に雌の絶頂なんだろうか?確かに、射精してイく絶頂とは違ったけど。射精してイくよりも、遙かに深くて、強くて、激しくて、…その気持ち好さが、怖いくらいだったけれど。

  「ああ。俺の指で、とても愛らしく達していたぞ。お前のなかも一際きつく締まって、…堪らなかった」

  そんな俺に、リジットさんが笑いながら、そう答えてくれる。頭を優しく撫ぜながら言われた言葉は、…その語尾が、蕩けるほどに甘かった。反射のように、俺の心臓も、彼の言葉に甘く高鳴る。

  「早く、…お前のなかに、指ではなく、俺のものを挿れたい。お前を、身も心も、その全てを俺のものにしたい」

  そのまま、リジットさんが強い力で俺を抱きしめてくれる。いつもよりも低くて、熱っぽい彼の声。それだけで、…さっき、雌の絶頂を迎えたばかりの俺のお尻は、本当に彼の雌にして欲しいと願うようにぐるぐると音を立てて畝る。

  

  …俺だって、リジットさんさえそう想ってくれてるのなら、今すぐにでもそうして欲しい。婚姻の日を待つまでもなく、彼のお嫁さんにして欲しい。俺を、…リジットさんの雌にして欲しい。俺の全部なんて、とっくの昔に。…きっと、初めて逢ったあの日、俺が彼に恋に落ちたあの瞬間から、…身もこころも彼のものなんだから。

  でも、婚姻の日まで待つのがけじめ、ってリジットさんが話してくれたから、…俺も、今はその言葉を飲み込んだ。その代わりに、漸く力の入るようになった指で、…ぎゅう、って彼に強く、抱き着く。飛びそうなのが怖いとか、そういうのじゃなくて。今度は、俺の、意思で。

  確かめるようにその背をなぞると、服の上からでも分かる、ふかふかと心地の良い獣毛の感触と。しっかりした骨格と、それを包むしなやかな筋肉の弾力が、指に伝わる。…自分から、彼に抱き着いているんだと実感して、心臓がどきどきと高鳴った。ちょっとだけ照れるのと、でもすごく嬉しいのとで、顔が熱い。

  「俺も、…早く、リジットさんのお嫁さんにして欲しいです…婚姻する日が、待ち遠しいです」

  早く、婚姻の日にならないかな。彼の胸のなかで、笑いながらそう続けると。リジットさんも、その綺麗な琥珀色の眼を優しく細めた、俺の大好きな顔で笑ってくれて。そのまま、その眼と同じくらいに、優しいキスを、俺にくれた。

  それから。俺が雌の絶頂の感覚を忘れないように、リジットさんが何度も、何度も俺を、イかせてくれて。あの痼りのところだけじゃなく、俺の一番大好きな直腸の奥を擦られるだけでも、射精のない絶頂を迎えられるくらいに、俺の身体に雌の絶頂を覚えさせてくれて。

  婚姻の日が近づく頃には、俺は、射精してイくよりも、射精のない絶頂を迎えることの方が当たり前になるほどに。彼の望む雌の絶頂で、達せるようになっていた。

  

  婚姻の儀の為の、綺麗な衣装も。用意される美味しいご飯も、俺たちの為にたくさんの方が、お祝いしてくださることも。すごく嬉しくて、楽しみで、とても幸せなことだったけど。

  …俺には、身もこころも彼のお嫁さんにしてもらえることが、最高に嬉しくて、幸せで。その日が待ち遠しくて、仕方なかった。

  婚姻の儀は。…俺が、彼のお嫁さんにしてもらえるその日は。もう、片手で数えられるほどに、近づいていた。

  

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