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イケメン狼獣人がぽっちゃり少年を娶るはなし。【33-初夜編4・後編】

  

  ずっと待ち望んでいた瞬間が、目の前に見えて。きつく目を瞑って、口元で手を握った。

  ベッドの上で。目を瞑りながら、彼を待つ。…心臓が、痛いくらいに跳ね上がっていた。どくん、どくんって重く脈打つ心臓で、息も苦しい。

  衣擦れの音が聴こえて、思わず大きく息を飲んだ。俺はもう裸だから、…この衣擦れの音は、彼しかいない。思わず耳を澄ませて彼の立てる音を追った。ボタンを外す音すら聴こえるようで、心臓が破裂するくらいに大きく跳ねた。そうなってしまうと、俺の心臓の音が大きすぎて、俺の耳に聞こえるのは、自分の心音だけになってしまう。大きく高鳴るその音が、全身に響いて煩いくらいだ。

  彼が、この部屋で、俺のすぐ近くで、…服を脱いでいる。たったそれだけなのに。今夜のことを考えたら、当然のことなのに。今までで一番、…今夜の、これからのことを強く意識した。

  彼の姿を見たいけれど、瞑った目が開いてくれない。ベッドが軋んで、俺の顔の横で大きく沈んだ。俺の胸やおなかを、ふわふわと心地好い獣毛が擽る。ずっと大きく勃ち上がりっぱなしの乳首に獣毛が擦れて、お尻がきゅん、ときつく締まった。

  

  未だ、彼の下で目も開けられない俺の。その髪を、彼の手が優しく滑っていく。その感触に、身体が解けて。…知らないうちに随分と緊張していたことを、そこで知った。思わずふう、と息を吐きだす俺の頬に、彼の指が触れて。そのまま、慈しむ手つきでその指が、俺の頬をなぞるように撫ぜる。ただそれだけで、泣きたいほどに安心した。きつく瞑っていた目を薄っすらと開けると、目の前で、俺の彼が優しく笑っていた。琥珀色の眼を優しく細めて、俺に笑ってくれる、俺の大好きな笑顔。…その彼の顔を目に映しただけで、俺の目がじん、と熱くなった。

  「あまり緊張するな。辛かったり痛かったりしたら、遠慮なく言うんだぞ?…怖いのなら、無理をしなくてもいいんだ。俺は、お前に無理強いなどしたくない。身体も心も、お前の準備が出来るまで、俺はいつまでも待とう」

  顔と同じに優しい声が、俺に言い聞かるように言う。…けれど、その言葉に、思わず目を見開いて、彼を見詰めた。考えるよりも先に、口が開く。

  「そ、そんなこと言わないもん!怖くなんてないし、無理もしてないよ!リジットさんだって、今日、…何があっても俺をお嫁さんにしてくれるって言ってくれたじゃないかっ、…俺は、俺だって今日、リジットさんのお嫁さんに、なりたいよ…!」

  口から飛び出た声が、思ったよりも大きくなって。自分で驚きながらも、言葉を続ける。…彼が、俺を案じてくれてるのは、彼の言葉からも優しい眼からも、痛いくらいに分かる。でも。…俺が今欲しいのは、そうじゃないんだ。俺のことなんて、…そんなに考えてくれなくていい。リジットさんの、好きにしてくれていい。リジットさんになら、俺、…どんな風にされたって、きっと、嬉しいのに。嬉しくって、気持ち好くて、…すごく、幸せなのに。

  …前に、リジットさんは、婚姻の日に、俺を『お嫁さん』にしてくれる、って、言ってくれた。俺が、彼の望む雌の絶頂を迎えられなくても、俺を…彼のものしてくれる、って。覚悟しておけ、とも言ってくれてたのに。だから、俺は、もうこころの準備も、覚悟だって、とっくにしてるし。…今日が待ち遠しくて待ち遠しくて、堪らなかったのに。

  俺だけが、リジットさんと…こう、したいんじゃないよね?リジットさんも、俺を、…俺と、こういうことを、したいって。…そう、想ってくれてるんだよね?

  さっきとは違う熱さが、目の奥を覆う。じわり、と目を滲ませた俺に、…リジットさんが、また、俺に優しく笑いながら、俺の頭を撫ぜてくれた。

  「そうだな、…そうだな、済まない。俺だけが、お前を娶りたかったのではなく、…お前も、俺の妻になりたいと、そう想ってくれているのだものな」

  優しい声が、俺の上で、低く囁きながら降ってくる。…俺の上で、リジットさんの体勢が少し変わった。覆い被さるような体勢から、…俺に圧し掛かるように、体重がかかる。さっきよりも、身体同士が密着して、彼の体温を身近に感じた。…あったかい。ふかふかとした獣毛に、文字通りに俺の身体が包まれる。

  …熱いものを。足の間に感じて、びくりと一瞬、身が竦む。掠めるように触れるだけの、けれどそれだけでも灼けるように熱いと感じるもの。大きすぎる質量だってことが、その熱気だけで分かるくらいの。これがなんだろう、って思う前に、…彼の顔が、俺へと寄せられた。いつもは、さっきまでも、俺を見つめて優しく細めてくれる彼の眼が。…今は、細められることなく、射るような鋭さで俺を見詰めた。吸い込まれそうなくらいに綺麗な、琥珀色の四白眼。そのなかで、黒色の瞳孔が、大きく開いて俺を映す。…食べられそうだ、って一瞬思って。そうされたい、って想う自分に気づく。勿論、彼はそんなことしない。でも、…俺は、彼に貪られたかった。俺の身体を、全部、彼に捧げたかった。

  

  まるで、俺が…彼の獲物になってしまったような感覚。心臓がどくん、どくんって煩くて、自分の息遣いが体内に響く。身体が熱くて、でも顔が一番熱くて、目元が潤んだ。心臓が甘く疼いて、それ以上にお尻の孔が、その奥が、切ないくらいに疼いている。くちゅくちゅと、お尻の孔が濡れながら開閉を繰り返して、とろりと腸液を密かに零した。

  俺を、瞬きもせずに見詰めたまま。その口角だけが、笑うように上がった。薄く開いた口の隙間から、赤く濡れて長い舌と、鈍く尖った犬歯が覗く。…それだけで、俺の意識は飛びそうになっていた。さっきまで、彼に可愛がられて、とろとろに解してもらった腸壁が、おなかのなかで暴れるように畝っている。

  「…ならば、もう遠慮はしないぞ。お前を、…今日こそ俺のものにさせてもらう」

  囁かれる低い声に、身体が甘く震えた。浅い呼吸を繰り返しながら、こくこくと何度も頷く。もう、熱に浮かされたみたいに、顔が熱くて、頭が溶けていた。…そんな俺に、リジットさんが。俺を見据えるように見詰めたまま、薄く眼を細めて。

  …ひたり、と。俺のお尻の孔に、熱いものが宛がわれる。さっきまで、足の間に感じていた、熱気を纏って灼けるような、重い質量。その感触に、…息を飲んだ。熱い。ほんの少しでも、触れてるところが灼けてしまうくらいに、熱くて、硬い。さっき、足の間で感じていたよりも、更に熱くて、どっしりと重い。

  リジットさんのおちんちんが、俺のお尻の孔に触れてるんだと、一拍置いて理解した。…途端に、顔が爆ぜるように熱くなる。息もできないほどに、煩いくらいに心臓が身体中に鳴り響いて、呼吸するのすら苦しかった。

  初めてお尻に触れる感触に、お尻の孔が、勝手にきゅっと締まる。そのくせ腸壁は、…期待するように大きく畝って、暴れていた。もうすぐ、…もうすぐ、彼のおちんちんが俺のなかに挿入ってくる。そう思うだけで、期待と興奮と、…どうしようもない幸福で、身体中が震えた。

  「あ、り…リジットさん…」

  無意識に、彼へ向かって手を伸ばした。その手を、優しく繋いでから、俺の身体を引くように、その手を、彼の背中に回してくれる。俺の身体にも、彼の腕が回って、…さっきよりも更に密着しながら、彼の身体に包まれた。ふかふかで、あったかくて、…何よりも安心する、彼の獣毛と体温。それが嬉しくて、俺も、しがみつくように、彼の背に回された腕に、力をこめる。隙間もないくらいに密着した裸の胸で、すっかり獣毛に埋もれた乳首が、乳輪ごと、きゅぅんと嬉しそうに膨れ上がる。…もう限界まで勃ち上がったと思ってたのに。彼の獣毛に擽られた俺の乳首は、さっきよりもまた一回り、膨らんだようだった。

  しがみついた拍子に、お尻に宛がわれてる彼のおちんちんがくしゅくしゅと擦れて。締まっていたお尻の孔も、擽ったそうにくちゅりとほころぶ。少しだけ開いたその隙間に、少しだけ潜り込んだ彼のものに。ちゅ、と音を立てて、キスするように俺のお尻の孔が吸い付いていく。…その感触だけで、腰が知らずと揺れてしまった。彼にたくさん慣らされて、いっぱい可愛がってもらった俺のお尻は、…初めて触れる彼のおちんちんにも、直ぐに馴染んだみたいだった。それが、俺のこころも身体も、その全部が彼を大好きな証のような気がして、…恥ずかしいのに、嬉しくなる。

  額がつくほどに、彼の顔が、俺へと寄せられる。俺を見て、細められたその眼は…けれど笑ってなかった。痛いくらいの強さで、俺を真っ直ぐに見つめてくるその眼差しに、俺のこころがとろとろに蕩けた。彼に、…俺の全部を捧げたい。その気持ちが更に強くなる。

  「今日からお前は、俺の妻だ。何があろうとも決して離さない。お前だけに、俺は永遠を誓おう。…愛している、フラフィー」

  低くて、甘くて、…優しい声と。俺を捕らえて離さないような、強くて鋭い眼。俺に宣誓してくれるかのような彼の言葉が、耳に溶けて、全身を満たした。ただでさえ滲んでいた視界が、ますます潤む。

  『俺も』、って、囁き返した言葉は、掠れすぎて息だけになった。それでも、…分かってくれたみたいに。リジットさんが、俺を見詰める眼を更に細める。…たべられたい、って。また、体内が訴えるように熱く震えた。

  

  宛がわれていたおちんちんに、力が入って。ほころぶお尻の孔を拡げながら、ゆっくりと、彼のおちんちんが俺のなかに割り入って来る。…一瞬、息が詰まるようにとまって。彼にしがみつく腕に、力を込めた。足先まで縋るように、彼の身体を挟むように回った。

  指とは、比べ物にならないくらいの巨きな体積。でも、…全然、痛くない。少しだけ、おなかを圧迫されるように苦しくなったけれど。それでも、荒く呼吸を繰り返しながら、彼のおちんちんに身を任せると、それも直ぐに気にならなくなった。

  にゅぷり、と濡れた音を立てながら。彼のおちんちんが、俺のなかを大きく拡げて押し挿入ってくる。けど、…襲ってくるのは、やっぱり痛みでも圧迫感でもなくて。…『きもちいい』ってあの感覚だった。彼が少しずつ、俺のなかを擦りながら進んでいくたびに。…そこから、痺れるような甘い疼きが、俺のお尻に広がっていく。

  俺のなかを拡げるように、丁寧に、丁寧に彼のおちんちんが俺のなかを押し進んだ。彼が時間をかけて慣らしてくれた俺の腸壁は、彼のおちんちんも、彼の指以上に柔らかく飲み込んで、受け入れていく。…腸壁が、奥まで喜悦に畝ってるのを感じて、密かに赤くなった。…自分の身体が恥ずかしい。でも、それ以上に、…きもちいい。

  初めて、俺のなかで感じる彼のおちんちんは、…想像以上に巨きかった。俺のなかに、彼のものが全部挿入るのかな、って…一瞬心配になってしまうくらいに。

  それでも優しく丁寧に、彼のものを俺のなかに挿入されて。…その腸壁を、彼の大きくて硬いおちんちんで、くしゅくしゅと優しく擦られて、きゅぅんと腸壁を締め付けてしまってるうちに、…その心配も、霧散した。代わりに、お尻が疼くような、痺れるような、…甘くて切ない気持ち好さが、お尻から広がっていく。おなかにずぅんって響くような、重くて深い、甘い悦楽。

  

  ゆっくりと押し進められるたびに、俺の直腸が、彼のかたちに拡げられていくのが分かって。それを感じるだけで、蕩けるような幸福が、身体中に満ちていった。俺の身体が、彼のものへと変えられていってる。彼のものに、…彼の雌へと、変わっていってる。それが、酷く嬉しくて。それを感じるたびに、彼に拡げられている腸壁が、嬉しそうにきゅんきゅんと跳ねた。

  「あ…んん…」

  おなかが熱くて、きゅぅんと腸壁がむずがるように捻じれた。大きく拡がってるところが終わると、彼のおちんちんが少しくびれる。そこに吸い付くように、彼のおちんちんに絡む俺の直腸を。すごく太くて硬い、どっしりとしたところが、また俺のなかを拡げていく。その光景が、頭に広がるくらいに鮮明に分かる。きゅうきゅうと、たくさん彼にほぐしてもらって柔らかく蕩けている俺の肉が、嬉しそうに彼に絡んで締め付けた。そうすると、彼のおちんちんを、そのかたちや凹凸まではっきりと感じて、おなかのなかが煮えるように熱くなった。きゅん、腸壁が勝手に締まって、そこから痺れるような甘さがお尻に弾けた。…きもちいい。思い浮かぶ言葉に、脳すら蕩けるようだった。

  …俺、きもちよくなってる。初めてなのに。俺が、彼のおちんちんを受け入れるのは、紛れもなく初めてなのに。俺の身体は、彼のおちんちんを、大喜びで受け入れている。痛いのもつらいのも何も感じないくらいに、きもちよくなってる。

  それが、リジットさんが時間をかけて、たくさん慣らしてくれたからだ、って。それを思って、気持ち好くなりながら、すごく嬉しくなった。…初めてなのに、きもちよくなってるこの恥ずかしい身体すら、誇らしく思えるほどに。

  「りじっとさん…きもちい、です…♡」

  彼の身体に、更に抱き着きながら。素直に、きもちよくなってるこの身体のことを伝える。それを裏付けるように、彼を受け入れている俺の初肉も、きゅぅんと畝りながら柔らかく締め付けた。…そうすると、腸壁から甘い疼きが広がって、更に気持ち好い。

  彼の手が、俺の頭を優しく撫ぜてくれる。そのままキスをされて、うっとりと身を委ねた。おちんちんまで気持ち好くなって、硬くなってるのが分かる。でもそれ以上に、彼に穿たれてるお尻が気持ち好い。

  指よりも、更に奥まで彼のものが押し挿入っていって。そのまま、一番奥をずん、と突かれた。そこまで来ると、指で解されたことがないから、圧迫感でどうしてもおなかが苦しい。けれど、最早それすら気にも留めないくらいに、…俺の腸壁は、身体は、彼のおちんちんにすっかりと馴染んでいた。今まで、何にも触れられたことのない、俺の腸壁の奥ですら。…彼のおちんちんにこしゅこしゅと擦られると、安心したように柔らかく解ける。

  「りじっとさん、すき…だいすき…♡」

  それでも、…おなかに強い力は入れられなくて。口から出る声は囁くように小さくなった。彼のおちんちんが巨きすぎて、俺の腸壁は、彼のかたちに拡がりきってる。そこに、自分で力を入れるのは、…少しだけ、怖かった。きゅん、と嬉しそうに彼を締め付けてしまう腸壁の反応だけでも、彼のものがどんなに巨きいか、そのかたちから凹凸すら、如実に感じてしまうというのに。・・そして、彼のおちんちんのかたちや体積を、その腸壁で感じるたびに。…俺のお尻はとろとろに蕩けて、もうイってしまいそうなほどに、きもちよくなってしまっているのに。

  

  「ああ、俺もだ…愛してる…」

  リジットさんの声が、少しだけ低く掠れて、俺に囁く。…その声が、初めて聞くように、その…官能的で。俺は、大きく跳ねた心臓を隠すように、更に彼の背に腕を回す。その声だけで、ただでさえ蕩けたこころも頭も、またひとつとろりと溶けた。

  俺の奥を、丁寧に優しく突いてから。またゆっくりと、リジットさんが動き出す。ぞりぞりと、俺の腸壁を削ぐように擦っては、一番奥をずん、と重く突かれる。俺の腸壁を毛羽立たせるように、彼のおちんちんがゆっくりと抜かれて、また勢いよく、けれど丁寧に、俺のなかを彼のものが擦って奥まで突かれる。

  そのたびに、俺の腸壁は、彼を締め付けて、悦ぶように熱く畝った。きゅぅん、とおなかが疼いて、ゆっくりとおなかに力が入れられるようになる。きゅ、っとおなかに力を入れると、更に強く、腸壁が彼のものを締め付けて、…それが、頭が溶けるほどに気持ち好かった。

  段々と、彼の律動も早くなっていく。ゆっくりで丁寧だったその動きが、段々と荒くなっていく。…それが、彼の興奮を表しているようで、心臓が甘く高鳴った。彼も、俺に興奮してくれているのだと。この行為に夢中になってくれているのだと、…そう、実感できるようで。

  ゆさゆさと揺さぶられるたびに、俺の一番奥に、彼のおちんちんの先端が強く当たって抉られる。そのたびに、俺の足先がぴん、と伸びきってはぎゅうっと丸まる。おなかが熱くて、腸壁が蕩けたようにとろとろだった。

  びくん、びくんと身体が大きく震える。お尻から、気持ち好いのが溢れてきて、大きく仰け反りながら更にお尻をぎゅうっと締めた。イく、とこころのなかで声が零れた。それがきっかけのように、大きく口が開く。

  「あ~~~~~っ♡りじ、りじっとひゃん…っイく…おれ、イきっ…イき、ますぅ…っ!」

  射精のない絶頂が、俺を襲った。もう感じ慣れたこの絶頂は、それでも、頭が蕩けるくらいに気持ち好い。ぎゅう、っと彼のおちんちんを、俺の腸壁が全力で食い締めた。歓喜する直腸が大きく畝って、ぎゅぅんと捻じれて彼のおちんちんに絡みつく。ぷしゃあ、とみっちり埋まったその隙間から、零れるように腸壁があとからあとから垂れて、シーツを濡らした。

  雌の絶頂は、深くて長い。ずっとイってるのが治まらないように、俺の腸壁は彼のものをきゅんきゅんと締め付けていた。そうすることでまた気持ち好くなってしまって、ますますイくのが治まらない。彼にしがみついたまま、ぶるぶると全身を震わせる俺の。…その身体を、リジットさんも、つよく、きつく抱き締めてくれる。痛いくらいの力。…耳元で、彼が低く唸るのが聴こえた。

  彼の名前を呼びたいけど、未だ絶頂を迎えたままの俺の口は、うまく開いてすらくれない。そんな俺のなかで、…リジットさんのおちんちんが、更に強く、一番奥を抉った。

  「ひうぅっ♡」

  

  その刺激で、更にイくのが深くなる。雌の絶頂から降りられない俺を、固定するように、…彼のおちんちんが、奥を抉るように擦ったまま、止まった。こしゅこしゅと擦られる奥の肉が、キスするみたいに彼の先端に吸い付くのが分かる。

  「…フラフィー、これでお前は、俺のものだ…!もう遅いぞ、お前が何と言おうと、俺は、お前を離さない…っ」

  唸るような低い声が、俺の耳へと這って届く。今まで聞いたことのないような低い声に、身体が甘く震えた。きゅう、っと締まる腸壁の、その奥で、彼のおちんちんが、一層大きくなって一瞬、震えた。

  …一拍置いて、びゅるり、と、俺のなかに熱いものが音を立てて迸る。熱くて、熱くて、なかが灼けてしまうと錯覚してしまうほどに熱い奔流。半固体じゃないかと思うくらいに濃く粘ついたものが、俺のおなかに流れ込んで、いっぱいにしていった。

  「…っああぁぁあっ♡♡」

  これがなにか、を理解するよりも早く。俺の身体の方が反応して、大喜びで腸壁を畝らせる。その奔流で、幸福も全身に満ちていくようだ。圧倒的な多幸感が全身を包んで、ただでさえ治まっていなかった雌の絶頂が、ぶり返すように俺を高く打ち上げた。

  「あーっ♡りじっとひゃんっ、イくぅ!イく、イく、おれイってまひゅぅ…っ!」

  呂律の回らない口で嬌声を上げながら、ただ彼にしがみついて、全身を震わせた。とろとろに蕩けた頭で、びゅるびゅると俺に注がれるその濃くて熱いものがなにか、漸く思い当たる。

  

  …これは、彼の精液だ。

  そう自覚すると、全身が爆ぜるように熱くなる。頭のなかで多幸感が弾けて、身体の隅まで一気に溢れた。びゅくびゅくと、濃い半固体の精液が、俺のおなかをいっぱいに満たしていく。…その熱さが、幸せと直結していた。きゅうぅっと、俺の腸壁がリジットさんのおちんちんを食い締めて、決して離すまいとでも言うようにきつく締め付ける。そうすると、彼のおちんちんが熱く脈打っている様すら、腸壁で感じて、…ただでさえとろとろに蕩け切っているおなかのなかが、更に蕩けた。

  まるで、彼のおちんちんを搾り取るように、俺の腸壁が蠕動している。ぎゅんぎゅんと大きく畝っている腸壁に、彼の精液が更に注ぎ込まれた。その感触に、もう、頭のなかはとろとろに溶けて、彼がだいすきだって言うことと、きもちいいってことしか思い浮かばない。

  「りじっとひゃん…りじっとひゃん、すき…すきぃ…♡」

  まるで子どもよりも幼くなってしまったような頭で、それだけを繰り返しながら、彼に思う様抱き着いた。足まできつく彼に巻き付けて、ぎゅう、と強くしがみついてしまう、俺に。…リジットさんも、同じくらいに強く、俺を抱きしめて、包んでくれる。荒い息が、俺の首筋に当たるのが、擽ったくてあったかい。彼の長い舌が、掠めるように俺の膚を舐めた。

  彼の全部が、俺の頭も身体も、甘く、優しく蕩かしていく。俺を満たす多幸感が止まらなくて、尚もきゅんきゅんと彼を締め付けてしまう。ぐしゅぐしゅと蠕動する腸壁から、とろとろの腸液がこぽりと溢れた。みっちりと、俺のなかを埋め尽くしている彼のおちんちんの隙間を縫って、俺のなかから溢れてしまった彼の精液も、とろりと一筋、零れてくる。

  「あ、やだぁ…♡でちゃだめ…っ」

  もったいない、って。溶けた頭で反射で思って。零れてしまう精液を止めるように、きゅうっとお尻の孔をきつく締めた。…そこで気づく。こんなにたくさん、俺のなかに出してくれたのに。…リジットさんのおちんちんは、一つも変わらず、熱くて、硬くて、巨きいままだ。

  「んん、りじっとひゃん…っ♡」

  …それが嬉しくて。彼の名前を呼ぶ声は、蕩けるように語尾が上がった。彼をきゅんきゅんと締め付ける俺に、分かってくれたのか。俺を抱きしめながら、荒く息を吐いていたリジットさんが、俺を覗き込んで薄く笑う。

  「…こんなにいじらしく、俺を締め付けていいのか?お前に、そんなに愛らしいことをされると、…俺は、ここで終われんぞ?」

  いつもよりも、幾分も低い声で、甘く囁かれて。…俺の顔は、だらしなく緩んでしまった。力の入らない顔で、ふにゃりと笑いながら。甘えるように彼の身体へと、更に身体を摺り寄せる。ふかふかとあったかい獣毛に、俺の身体が更に沈むのが堪らなく心地好かった。

  「して…もっと、してくらひゃい…っ♡おれのこと、もっとりじっとひゃんのおよめさんにして…っ」

  そのまま、呂律の回らない口で、蕩けるようにそう声にした。感覚だけで口にした言葉に、けれどリジットさんは俺の言いたかったことを分かってくれて。低く、愉しそうに笑う声が、俺の耳を擽った。

  「それなら、…俺が、もうお前なしでは生きていけないように。お前も、俺なしでは生きていけぬよう、お前の全てに、俺を刻み込もう。お前が、二度と俺から離れられないほどに、お前に、俺を覚えさせよう」

  囁く言葉が、俺の胸を蕩かしていく。とろとろに溶けた頭で、何度も、何度も頷いた。…俺だって、もう、リジットさんがいなかったら生きていけない。それを、彼に伝えたくて。

  

  俺を抱きしめたまま、彼が、ゆっくりと動き出した。ずりりと、硬さを保ったままの彼のものが、蕩けっぱなしの腸壁を擦り上げる。…それに、早くも頭が桃色に霞がかる俺に、リジットさんの顔が寄せられた。

  

  「俺の妻は、一生涯、…未来永劫もお前ひとりだ」

  

  どうか、覚えていておいてくれ。そう、囁いた彼の声は、とても甘くて。…どこか、希うようで。俺は、その言葉にも、深く、強く頷きながら。

  「お、おれのだんなひゃまもぉっ、絶対、ずっとりじっとひゃんひとりだけだよ…っ!」

  蕩ける頭と回らない口で、それで懸命に、そう彼に伝える。俺を見つめる彼の眼が、嬉しそうに。…何処か、少しだけ泣きそうに、くしゃりと歪んで細められた。綺麗な琥珀色の眼が、うっすらと薄く、滲む。

  そんなリジットさんの顔に、腕を伸ばした。他よりも柔らかい頬の獣毛に、撫ぜるように指を沈ませる。リジットさんの眼が、更に細められた。…俺の手に、彼の指が重ねられて、強く掴む。

  

  「だから、ずっといっしょにいてね」

  強く希いながら、彼に囁いた言葉は。最後まで言う前に、彼の口のなかに吸い込まれた。きつく抱き締められて、身体中に、また幸福が満ちた。

  

  そのまま。俺のなかで、優しく、けれど激しく動き出す彼に、身を委ねながら。

  …俺は、きっと。何年経っても、どれだけ時が過ぎようとも。今日のことは、決して忘れないだろうと、強く、想った。

  

  (今日のことを、思い出すそのときには。隣に、優しく笑う彼がいてくれることも。…祈るように、強く願った)

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