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イケメン狼獣人がぽっちゃり少年を娶るはなし。【48】
俺のなかの。長い、永い悪夢から、苦しみから、…孤独から。俺を、救ってくれるのは。…いつだって、お前なんだ。
眼の奥が明るくなった気がして、重い瞼を薄っすらと目を開ける。カーテンから漏れる日差しが、部屋を仄かに照らしているのが見えた。…ああ、もう朝か。
ここ最近、一気に冬から春へと季節が動いたように、暖かい。日の出も早まったようで、同じ時間でも冬とは太陽の位置がまるで違うほどに、外から差し込む日差しも明るかった。
しかし、この明るさだと、普段の起床時間はもう過ぎているな。そんなことを思いつつも俺の身体が動かないのは、今日が俺の休みの日だからだ。いつも、俺よりも少しでも早く起きようと頑張ってくれている、俺の誰よりも愛しい妻も。未だにこうやって俺の腕のなかで愛らしく寝息を立てているのも、勿論それを知っているからだろう。
昔は、『起きるのがつらい』と零している連中に対して、何故そう思うのかと不思議だったのだが。…なるほど、これは起きられないな。半ば微睡んだまま、無意識に腕のなかのぬくもりに指を這わせる。柔く優しい感触に、口から息が漏れた。俺の背に、緩く回されている手が、いとけない手つきで俺の寝間着を握るのが分かって、…それだけで、口の端がにやけるように崩れる。…どうやら、理性が睡魔に負けているらしい。こんな格好悪い顔を、この子に見せなくてよかった。そんなことを、頭の片隅で思いながらも、…俺の思考は、また深く沈んでいこうとしていた。
このままだと、また眠ってしまうだろう。休日とはいえ、生活のリズムを崩すのはよくない。起きなければ。そう、俺の理性が囁くというのに、…やはり俺の身体はひとつも動かない。こんなことは、…これまでなかったことだ。少なくとも、俺の誕生日だった『あの日』から、…この子に出逢うまでは。俺にとって、夜は『あの日』が襲ってくる、辛く怖いもので。眠ることは、…あの日を何度も繰り返し体感する、反復行為でしかなかった。夜が来るのが恐ろしかった。眠ることは、…もっと恐ろしかった。粉々に砕かれ、思い出すのも朧となってしまった俺の過去のなかで、…唯一鮮明な、あの日だけが。俺を責めるように、苛むように、俺の夢となって現れるから。
それが、…この子に出逢って、変わっていったんだ。この子を腕に抱いて眠るだけで、もうあの夢は俺の前に現れなくなった。俺は、もう…あの夢を恐れなくていいんだ。そう思うと、眠ることはもう恐ろしくなかった。
もう起きなくては、という思いが、まだ起きなくてもいいだろう、という思考に段々とすり替わっていく。
まるで、眠ることを楽しんでいるかのような自分に、ほんの少し可笑しくなりながら。…俺は、再びの眠りへと落ちていった。
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足元に広がる、泥濘むような生ぬるい感触に。…夢だと分かりながらも、全身の獣毛が怖気だった。
例え眼を開けなくても分かる。もう幾度となく見た、夢だ。これまで、…あの子に逢うまで、毎晩と見ていただろう悪夢。…何もかもを喪った、俺の誕生日の光景。
何故、と口に出したくても、声にはならない。…それも、知っていた。けれど、心の中で何故、と叫ぶように繰り返す。何故、何故だ!何故また、俺はこの夢を見ている?あの子に出逢ってから、あの子を腕に抱いて眠るようになってからは、…終ぞ見ることのなくなった夢だというのに!あの子が在てくれるのならば、俺はもう、…この夢を恐れなくてもいいのだと、そう思っていたのに!
本当は、頭を抱えてそう叫びたかった。けれど、…今の「俺」には、それは出来ない。ここは、この夢は、…幼い『俺』のものだから。
足元の泥濘が、「俺」の意識を怯えさせた。そうだ、いつだってこの夢は『ここ』から始まる。俺が、…両親を殺された『俺』が、怒りと絶望に任せて、その相手の獣人たちを殺めた直後。眼を閉じていてすら、足元の泥濘が、…俺の殺した獣人たちの血溜まりだということも。右手に握った血塗れの包丁の重さすら、鮮明に思い出せる。
あの子に、俺のこの過去を打ち明けることができた時。…俺は、赦されたのだと勝手に思っていた。あの子が、俺を恐れることも、怯えることもなく、受け入れてくれた時から、…俺は、もう、過去に、『あの日』に怯えなくてもいいのだと、勝手に信じていた。けれど、…それは違ったのだろうか?まだ俺は、…この日から抜け出せていないのだろうか。
俺の、意思とは無関係に。開けたくもない眼が、勝手に開いた。血塗れの両手。夢のなかの幼い『俺』が、…吼えるように叫ぶ、声。喉が潰れるほどに絶叫するそれは、…慟哭と言っていいものだった。それを聞きながら、…「俺」は、心の奥で、必死に耳を塞ぐ。塞ごうとする。けれど、それは決して叶わない。「俺」の意識は、幼い『俺』のなかに在るから。あの日の光景を、ただ見るだけの存在として。…あの日の絶望を、『俺』とともに感じる者として。
その証拠に、俺の身体は指先の一つも「俺」の意思では動かせなかった。夢のなかでは、この身体は「俺」のものではないのだから。
口からは、胸も潰れそうな声で叫びながら。…それでも、眼からは一粒の涙も流れない。両親が、…あいつらに、両親を惨殺されたあの瞬間から、心の何処かが凍り付いたままで。そのまま、俺の足が勝手に走り出す。あの日を忠実に再現するように、…村の中心へと。足を止めたくても、「俺」には何一つ動かせない。lこの先に待つものを知っていながら、…俺には、どうすることもできない。荒い息を吐く音が、身体の内側から俺にまで響いた。
遠目に、人影が見えた。その影に向かって、…『俺』が血塗れの手を伸ばす。咄嗟に、眼も耳も塞ぎたくなった。もう誰かも思い出せないあの人が、…『俺』を見て叫ぶのは分かっていた。顔の造形なんてまるで覚えていない中で、たったひとつ覚えている、…まるで化け物を見るような、その目と眼差し。その人がその目で、…怯えと嫌悪と軽蔑が入り混じったその目で、俺を見て。…俺から離れるように、後退ることも。その叫び声に、幾人もの村人がここに集まってきて、…俺に怒号を浴びせることも。その何もかを、…これから起きる全てを、「俺」は分かっていた。当然だ、これは俺に、現実に起こったことで。俺は、もう何度もこの日を、…何もかもを喪ったこの日を、夢で繰り返しているのだから。それは、もう数えきれないほどに、何度も。
何を怒鳴られているのかも分からない、…多分罵声だったのだろう、大声の中。ただひとつはっきりと聞こえた、『だから獣人なんて嫌だったのに!』という甲高い叫び声。俺の、俺たちの存在を、真っ向から否定するような声が、脳裏で響いて。…割れるように、頭が痛い。本当は、…俺たちは、この村に。人間たちに受け入れられていなかったという、事実。
あの子に、この過去を話すことが出来て。…あの子が、こんな俺から去っていかずに、なにもかもを受け入れてくれて。だから、俺はこの過去を乗り越えられたと思っていたのに。もう、…この夢は見ないだろうと思っていたのに。
駄目だったのだろうか。俺が、…この過去を乗り越えることは、…あの子のように受け入れることは、出来ないのだろうか。俺にとってこの出来事は、…両親の思い出すら、赤い血で塗りつぶされたままなのだろうか。
昏い絶望が、俺の中に黒く渦巻く。正しく影のように黒い人影が、こちらを見た。そして。
『だいじょうぶ?』
…その口から。これまで、この夢で聞いたことのない言葉が、俺へと向けられた。もう数えきれないほどに幾度となく見てきた中で、…初めて。その声に、『俺』のなかで「俺」は、思わず眼を見張った。
辺りに、俺の耳にあたたかく響く、柔らかで、優しい声。…誰の声かなど、姿が見えなくても分かった。その声の持ち主が、本来ならここにいるはずがない、ということも。
これが、夢だと知っていた。けれど夢ですら、現実のように鮮明で。無慈悲で。…俺に、救いが差し伸べられたことなど、一度としてなかった。まるで、俺をこの日へと閉じ込めるように、…俺を苛むだけのように、あの日を、ただ何度も、何度も繰り返すだけで。…それが。それが?
戸惑う俺へと。黒かった影が、一歩、踏み出す。そこから、黒かった影が明るく色づいていくのを、…幼い『俺』も、眼を見張って見つめる。…いや、違う。
いつの間にか。…「俺」は、『俺』と同化していた。こんなことも、初めてだった。この夢では、「俺」はただの傍観者だったというのに。あの日に起こった惨劇を、それが『俺』を打ちのめし、絶望へと叩きつけられていく様を、ただ、…繰り返すように見つめることしかできなかったというのに。
呆然と。『俺』と一体化した「俺」の、目の前で。円い目が、ぎゅう、と細められて、俺を映す。ふっくらと、見るからに柔らかそうなラインを描く頬が、ふんわりと笑んで。ふくふくとした愛らしい指が、躊躇いもなく俺に伸ばされた。こんな、全身血塗れの俺に。
こんな俺に触れたら、その愛らしい指が、…汚れてしまうと。思わず身を捩り掛ける俺に、…けれど、その手は矢張り、何も躊躇わなかった。俺へと伸ばされた手は、…そのまま、柔くあたたかいぬくもりで、俺を包む。俺の顔が、更に柔ふんわりとらかな弾力に埋められて。花のような、ミルクのような、甘く優しい匂いが鼻先を掠めた。そのぬくもりに、甘い匂いに…視界が滲む。俺を取り巻く世界が、赤黒いものから、…優しいひかりへと変わっていく。
『だいじょうぶだよ。…俺は、ずっとそばにいるよ』
優しい声が、…幼い俺を慈しむようにそう、繰り返す。ふっくらと柔らかな指は、その指が血で汚れるだろうことも厭わずに、俺の後頭部をゆっくりと撫ぜてくれていた。押し殺していた声が、唸るように漏れていく。…あの時、罵声を浴びながらも、…一語も上げられなかった声。
…喉奥から、心の奥底までを塞いでいた、閊えていた、溶けない氷のようなものが。…この優しい声に、指に合わせて、ゆっくりと溶け出していくのが分かる。固く、冷たく、…ずっと俺のこころを押し潰しながら凍えさせていたもの。それが。
その柔い身体に、ゆっくりと腕を回して。…服の上から、膚にまで貫通するほど、その身体を力強く掴んだ。指先から伝わる、ふくよかであたたかな感触に、…俺の視界がぐしゃりと歪んだ。唸るような声が、…嗚咽となって、辺りに響くのが遠く、聴こえる。
「…ぅ、あああぁああ…!ああ、あぁ…とうさん…!かあさん!」
あたたかで、ふんわりと柔らかな感触に、押し付けるように顔をうずめながら。上げた声は、…幼い俺のようにも、今の俺の声にも聴こえた。あの時に、呼ぶことのできなかった両親の名。流すことのできなかった涙。
…しがみつくように抱き締めている身体は、こんな俺を、それでも決して離そうとはしなかった。ただ、俺を優しく抱き締めて、その頭を撫ぜていてくれていた。全てを受け入れて、受け止めてくれるかのように。
まるで赤子のように泣きながら。…ずっと欲しかったものが、やっと手に入ったことを理解した。
そうだ。…そうだ、俺は。俺は、あの時の、あの瞬間に。ずっと、そう言って欲しかった。抱き締めて欲しかった。…こうやって、一緒にいて欲しかったんだ。
もう離したくない。その一心で、ふんわりと柔らかな身体をきつく、きつく抱き締める。
そのまま散々泣いて。泣きつかれて、…霞む意識の中で。あの子が、優しく俺を呼ぶ声が、かすかに。けれど確かに、聴こえた。
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…明るい光が、眼の奥に満ちて。どこか腫れぼったく重い瞼を、ゆっくりと開けた。俺の後頭部を、撫ぜるように滑っていく感触が心地よい。花のような、ミルクのような甘い匂いが鼻腔に広がって、思わず開けた眼を細める。
開いているというのに俺の視界は、どこかぼやけていてはっきりとしない。けれど俺の顔は、…ふんわりと、ふくよかに柔らかなものに包まれていた。そこに顔を押し付けるように埋めていることに、覚めてきた思考でようやく気付く。…その周辺が、俺の顔ごと濡れていることにも。
まるで、夢の続きのように。あたたかで柔らかな俺の妻の胸に顔を埋めながら、先ほどまでの夢のことをぼんやりと思い返す。夢。…そうだ、夢だ。俺が、何度も繰り返し見てきた『あの日』の悪夢。
けれど、…その終わりは、今までとは違うものだった。あの優しい声は、俺を抱き締めてくれるあたたたかな腕は、俺が顔を埋めたふくよかな胸は、確かに。
「…リジットさん?起きた?」
俺の上から、降ってくるように優しい声が、耳に届いて。巡らせていた思考を霧散させながら、慌てて顔を上げた。誰よりも愛しい俺の妻が、…俺の目の前で、その愛らしい顔をにっこりとほころばせる。円い目をぎゅう、と細めて笑う、幸福の詰まったようなその笑顔。
そんな、フラフィーに。ああ、と頷きかけて、…声が掠れたように出ないことに気づいた。まるで、…まるで、長いこと大声を上げていたように。
一瞬で、眠気など吹き飛んで。咄嗟に、自分の顔に指を伸ばした。ざらりと乾いた自分の肉球を、…獣毛に沈み切らない水滴が濡らしていく。何度顔を擦り拭っても、拭いきれないほどに重く沈んだ水滴。汗や唾液などではない、…明らかに俺の、眼から流れた形跡のある、大量の水滴。眼が腫れぼったく感じるのは、これが原因か、と、呆然とした頭の片隅で納得した。
あれは、…夢だと思っていた。いや、確かに夢だった。けれど、まさか現実にも泣いていたとは!呆然としたまま、思わず目の前の、愛しいこの子の顔を見つめる。
俺が何も言わなくても。…フラフィーは、優しく笑って、俺を見つめてくれていた。きっと、…俺が夢を見ていた時から、俺はこの子に抱き着いて、泣いていたのだろう。けれど俺を見て笑うその顔には、…泣いた俺に呆れる表情も、嘲う面持ちも、当たり前だが微塵もなく。ただ、俺を慈しんで、心配して、…愛してくれる、この子の溢れるほどの想いだけがあった。
そんな、俺の最愛の妻に。…不覚にも、また微かに、けれど確かに視界が滲んで。そんな、まるで幼子に戻ったかのような俺を、…この子が柔らかなその身体で、また、優しく包んでくれる。ふんわりと柔らかな身体と、花ともミルクともつかない、甘く優しい匂い。…それは、俺の記憶の母とは異なるものだったけれど。何故だか、母親を連想させた。それは、この子がロバストの母親だからだろうか。それとも、…俺に、こんな俺に、限りないほどの愛情を注いでくれる、ただ一人の存在だからだろうか。
頭の隅で、そんなことをぼんやりと考えながら。…この子の柔い身体に、俺も、腕を回して抱き締める。俺の腕のなかに収まるこの子は、俺よりも小さく、幼いのに。…何故、こんなにも俺を、包み込んでくれるのだろう。俺がこの腕に抱きこんでいるはずなのに、…この子に抱き締められていると、そう感じるのだろう。
「あのね、どんな夢だったのかは分からないけど、…でもね、もう大丈夫だよ!リジットさんには、俺がいるからね!」
俺の腕のなかで。そう言って、花のほころぶように笑ったフラフィーが、俺に回した腕にぎゅう、と力を込めた。そのまま、優しく、強い力で、包むように抱き締められる。その感触は、優しい声は、…夢の中で俺に向けられたものと、寸分違わぬもので。気づけば、…ああ、と息とも声ともつかぬ音が、自然と口から零れ出ていた。
ああ、そうか。…そうか。あの声は、あのあたたかなぬくもりは。矢張り、この子のものだったのか。…この子が、俺を抱き締めて、大丈夫だと言ってくれていたのか。俺の欲しかったものを、願っていたものを、…俺に、与えてくれていたのか。
この子は、俺の夢のなかにまで。…俺を、救いに来てくれたのか。
それに気づくと。…俺の眼から、滲んだ涙がまたも伝った。まるで、…今まで泣けなかった、泣くことのできなかった分までが溢れるかのように。
もう既に濡れそぼる顔の獣毛には、新しい水滴が沈む余地もなく。ただ頬を濡らしては落ちていくそれを、…フラフィーが、優しい手で、そうっと拭う。それから。
「だいじょうぶだよ、リジットさん。ずっと、俺がいるから。…もう、ひとりになんてさせないからね」
ふんわりと、額を寄せて。夢の中と同じように、慈しむように優しい声が、俺に、そう囁いた。そのまま、首の後ろに回っていた腕が、俺の背へと回って。俺の身体が、この子の身体に、更に柔らかく沈んでいく。俺よりも10も年下の、幼く愛らしい俺の妻が。…今は、まるで俺を護るように、包んでくれていた。いや、違う。…俺は、今までもこうやって、この子に護られてきたんだ。独りで、孤独で、…どうしようもなく寂しかった俺を。この子は、ずっとこうやって、…俺を独りにしないように、護ってくれていたんだ。
ずっと。…俺のほうが、この子を護るのだと、そう思っていた。この子を護っていると、そう自負もしていた。けれど、…きっと違うのだな。俺が、この子を護るのだと誓っていた、それと同じように。きっと、この子も、…俺を護ろうと思ってくれていた。
俺の眼からは、相変わらずとめどなく涙が溢れて。…けれど、もうそれを止めようとは思わなかった。きっと、これは、…幼い頃の、あの日の俺が流したかった涙だろう。あの日から、ひとつも泣けなかった俺が、…本当は流したかった涙なのだろう。
腕の中の、やわらかな身体を、きつく、きつく抱き締める。痕が残るほどに抱き締めて、…それでも、俺のこの子は、それを厭わない。腕の中で、嬉しそうに笑って、…俺を、抱き返してくれる。その笑顔が、身体が言っていた。『決して、独りにしない』、と。
そんな、誰よりも優しく、愛おしい俺の、…俺だけの妻を、腕に掻き抱きながら。
長かった、――本当に永かった俺の『あの日』が。あの時から、ずっと俺を凍り付かせていたあの日が。
俺の中で、漸く終わったことを。…漸く、あの日から俺が抜け出せたことを、噛み締めるように思って、悟った。
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