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イケメン狼獣人がぽっちゃり少年を娶るはなし。【51-1】
今日は、久しぶりに、リジットさんと2人でお風呂に入る。
たったそれだけのことなのに、…俺の心臓は、緊張と期待で、爆ぜそうに脈打っていた。
「どうした?」
浴室までの廊下を、手を繋いで歩きながら。リジットさんが、俺の顔を覗き込むように見つめて、優しく微笑む。その顔に、頬が熱くなるのを感じながら、慌てて首を横に振った。
「な、なんでもないよ!」
頬の肉が震えるほど、大きく首を振る俺に。彼が、優しく眼を細めたまま、俺の頭を撫ぜてくれた。どうやら、俺が緊張していることに、彼は気づいているみたいだ。俺が、…なんで…緊張してるのかにも。
リジットさんと出逢ってから、今までずっと。俺は、いつもリジットさんと一緒にいさせてもらって、彼とひと時も離れずに、ずっとくっつかせてもらってるけど。リジットさんと一緒にお風呂に入ったことは、…実は数えるほどしか、ない。
と言うか、そもそも獣人は、あんまりお風呂に入る習慣がないんだそうだ。それこそ、お風呂に入るのは換毛期の間くらいで、その期間も頻度は週か二週に一度ほど。通常は濡らしたタオルで身体を拭いたりするだけで充分だし、なんなら濡れタオルなんてものがなくても、獣毛を梳かすだけで大丈夫なんだって。それだけでも、綺麗な毛並みは保てるし、匂いとかも全然しないそうで。そういうところも、軍人として獣人が重宝される理由の一つなんだって。リジットさんのお話を聞いていると、やっぱり軍人は、野営や遠征も多くて、お風呂に入れない時も多いみたいだから。
だから、リジットさんも、そんなに頻繁にはお風呂には入らない。お仕事で帰りが遅いことも多いし、家の中で水に濡れる、っていうことがあんまり好きじゃないんだそうだ。特に夜だと太陽の光もなくて、濡れてしまった獣毛が直ぐには乾かないのが苦手なんだって。水に濡れること自体には抵抗はないみたいで、海や湖みたいな自然のものは好きなんだけどなあ。でもその分、お湯で濡らしたタオルで身体を隅まで拭いたりするのは好きだし、俺も彼のブラッシングは毎日やらせてもらってる。だからだろうか、お風呂に入らなくても、彼の毛並みはいつもふかふかでつやつやで、日向みたいないい匂いがして、すごくあったかくて触り心地がいい。
でも、俺と婚姻する前に、俺の家に泊まりに来てくれた時は、お風呂に入ってたよね、って。彼と婚姻してからそれを聞いたときに、不思議に思ってそう問いかけた俺に。リジットさんが、少しだけ決まりの悪そうな顔で、教えてくれた。『あの時は、…お前の為に少し頑張っていたからな』、って。
それを聞いて、思わず彼にぎゅう、と抱き着いてしまったのも、いい思い出だ。いつだって格好良くて凛々しくて、俺にとっては世界一素敵で大好きな旦那さまが、…俺の為に、密かに頑張ってくれていたなんて!
そのあとで。彼にぎゅうぎゅうと抱き着いたまま、『お風呂の習慣がないなら、そう言ってくれたらよかったのに』、って言った俺に。
『お前の前では、格好をつけていたいんだ』
そう、抱き着く俺の頭を撫ぜながら。優しく眼を細めて言ってくれたリジットさんは、心臓が蕩けるくらいに格好良くて。今でも、思い出すたびに、顔が緩んで、心臓が高鳴って仕方がない。ああ、本当に俺の旦那様は、世界一格好良いんだから!
今も、その時のことを思い出して。思わず口元がにやけてしまって、…それを彼に見られる前に、慌てて手で覆う。そのまま、ちらりと彼を見遣れば、…優しく笑って俺を見つめているリジットさんと目が合って。見られてた!って恥ずかしくなるのと同時に、…その優しい笑顔に、ますます心が蕩けてしまう。手で覆う口が、さっきよりもさらに緩んだのが自分で分かって、更に強く口を押えた。そんな俺に、リジットさんがますますその笑顔を深くするから、…俺のこころは蕩けっぱなしで、緩む顔が元に戻ってくれない。…ああ、きっと今は俺は、手で隠せてない頬も耳も、リジットさんに分かるくらいに赤いだろう。
そのまま、たどり着いた浴室に。手を繋いだまま、ドアを開けて、足を踏み入れる。ふわり、とお湯のいい匂いが鼻先を掠めて、仄かにあたたかい空気が俺たちを包んだ。
このお屋敷のお風呂は、広くて立派な浴室だ。大人が3人一緒に入っても、まだ余裕があるくらいに大きな浴槽に、同じく大人が幾人も並んで着替えられるほどの、広いスペース。そこには、出た時に身体を拭くタオルや着る服を置いておく棚に、脱いだ服を入れて置く脱衣籠は勿論、お湯が足りなくなったときの為の追加のお湯入れや、貴族のお屋敷でも珍しいような、動物をかたどった陶器の置物まで置いてある。
このお屋敷自体が、歴代の近衛兵長のためのお屋敷で。持ち主が変わるとともに、その時の近衛兵長の好みも大きく反映されてきたそうだ。だから、いつかの近衛兵長は、きっと大きなお風呂に浸かってゆっくりするのが好きだったんだろう。
それでも、今、この立派な浴室を使うのは、俺とリジットさんだけで。リジットさんも換毛期くらいにしか使わないから、実質この浴槽は、俺専用となっている。…こんなに立派な浴室を、俺だけで使わせてもらうなんていいのかなあ、って、少し後ろめたく思うんだけど。婚姻当初に、メイドさんにそう言ったら、『このお屋敷には、使用人用のお風呂があるから大丈夫なんですよ』、って言われてしまった。なんでも、元々この浴室を使っていたのは、代々お屋敷の当主になる近衛兵長とそのご家族だけだったみたいで、使用人用のお風呂はまた別にあるんだって。
勿論リジットさんはそんなことを気にするようなひとじゃないし。俺と婚姻する前から、リジットさんも、このお屋敷で働いてくれているみんなに、『自分はそんなに浴室を使わないから、この浴室を使えばいい』、って言ってたんだけど。その時も、みんなにすごい勢いで辞退されたんだって。だから、今でもこの浴室は、リジットさんと俺…というか、寧ろほとんど俺が、使わせてもらってる。
そんな、実質俺専用の、…いつもは俺一人しかない浴室。その浴室に、…今日は、リジットさんと俺の、2人きりだ。そう思うと、何故だか心臓が爆ぜそうなほどにどきどきと高鳴る。ひんやりとしたタイルの感触すら、今は心地好く感じるほど、身体が熱かった。
ちらり、と、白い磁器の浴槽を、横目で見遣る。いつもよりも多めに張られているお湯が、温かそうな湯気を立てて揺蕩っているのが目に入った。多めに、と言っても、浴槽に半分と少し程度だろうか。この国では、お風呂はお湯は少なめで、最初に温まってから浴槽の中で身体を洗って、最後にお湯入れのお湯で泡を流す。そのあとでお湯は全部捨てて、また入る人が改めてお湯を張る。だから、いつもなら俺一人だから。張ってあるお湯は、浴槽に半分よりも少ない。
そんな、いつもよりも多いお湯の量すら、…これは2人分なんだと。…今日は、俺と彼が一緒に入るんだということを、如実に知らせてきているようで。ただでさえ痛いくらいに高鳴っている心臓が、ますますその鼓動を速める。
脱衣籠の前に、2人で並びながら。リジットさんが躊躇いもなく服に手を掛ける。俺も、それに倣って服に手を掛けて、シャツのボタンに指を伸ばした。そのまま、いつも通りに服を脱ぐ…つもりが、俺の指は、まるで悴んだようにうまく動いてくれなくて。ボタン一つを外すことすら、手間取ってしまう。
もたもたと、ボタンと格闘する俺の隣では、リジットさんがもう上半身を脱ぎ終わっていた。見るだけでもふかふかで、艶やかな黒色の獣毛と。その下に薄っすらと見える、しなやかに筋肉のついた身体に、思わず見惚れてしまってから、慌てて自分の服へと目を戻す。…まだお湯に触ってすらいないのに、まるで茹ったように顔が、熱い。
リジットさんと一緒にお風呂に入ることは、これが初めてじゃない。そりゃ回数はその片手にも余る程度だけど、…それでも婚姻してから、一緒に入ったことは確かにあるのに。…そのたびに、俺は何故だか、こうなってしまう。緊張して、心臓が痛いくらいに跳ねて、服も満足脱げないくらいに。自分でも、彼との初めての夜を思い出すくらいに、…顔が熱くなって、どきどきする。
彼の前で、自分で裸になるからだろうか。だから、こんなに、緊張するのかな?…それよりも、恥ずかしいことだってリジットさんの前でしてるのに?ただの裸よりも、はしたない姿を彼に、それこそ毎晩見せてるのに?自分で俺の奥の奥まで、彼の前で開いて見せることよりも、…お風呂に入る為に裸になるほうが、俺は恥ずかしいんだろうか?そんなことを、自問自答しながらも、…やっぱり、俺の指は一つ目のボタンすら、なかなか外し終わらない。
「…まだ脱がないのか?」
不意に。耳元で、低い声が囁くように、俺の耳に吹き込まれて。文字通り、飛び上がって驚いた。大声を上げなかったことを自分で褒めたいくらいだけど、どちらかというと声すら出ないくらいに驚いた、というほうが正しい。
「あっ、う、うん…!ごめんね、先に入ってて」
言いながら、あわあわと、あたたかそうな湯気のたつ浴槽へと、促すように目線を移した。さっきと同じように、あたたかそうな湯気を立てるお湯が、微かに波打つのが見て取れた。あのお湯が冷めないうちに、リジットさんに先に入ってもらっていよう。…先に入ってもらっても、俺が服を脱ぐ様は彼に丸見えなんだけど。それでも、ここで俺が脱ぎ終わるのを待ってもらってたら、リジットさんが冷えてしまう。そんなことを想いながら、お湯から彼へと、目線を戻す。そんな俺に、リジットさんが俺を見つめて。
…彼の指が、俺へと伸びた。そのまま、ボタンを外す手を取られて。代わりに彼の指が、簡単に一つ目のボタンを外す。俺があれだけもたついていたシャツのボタン。
「あ、じ、自分で脱げるよ!?」
「その手つきでは、折角の湯が冷めてしまうだろう?俺が脱がせてやろう」
愉しそうな声で、そう言いながら。リジットさんが、俺の目を覗き込むように見遣って、眼を細めた。その眼は、いつものように、優しく俺を見つめてくれていたけれど。そのなかに、…声と同じに愉しそうな色と。隠しきれない獣欲が、色濃く浮かんでいるのを見つけてしまって。それを目にしただけで、俺の身体は燃えるように熱くなってしまった。シャツの下で、乳首がきゅう、と硬く痼るのが自分で分かって、俺の頬がさらに熱を持つ。
彼の指で、俺の服が脱がされていく。…慣れた手つきで俺のシャツのボタンを外す指を、俺はもう数えきれないほどに見つめてきて。そのたびに、俺は彼に裸を見せる、堪らない恥ずかしさと。…それと同じくらいに、心が蕩けるような嬉しさと。それから、この後に起こるだろうことへの期待に胸を高鳴らしながら、彼に身体を任せてきた。
今も。俺の胸は、恥ずかしさと、嬉しさと、期待と、…それから、まるで初めての時のような緊張で、どくどくと震えている。最後までボタンを外されたシャツがはだけられて、そのまま脱がされた。露わにされた厚い胸脂肪が、たぷん、と重そうな音を立てて揺れる。ロバストが離乳食も食べるようになってから、吸われる頻度の少なくなった母乳がたっぷりと詰まってる所為か、ここ最近俺の胸は、また少し大きくなったみたいで。今まで以上に厚く、重くなって、たぷんたぷんと揺れる胸脂肪の上では、やっぱり吸われる頻度の少なくなった乳首が、…彼にいっぱい吸ってもらえることを期待してるように、はしたなく勃起して震えていた。まだ何もされてないのに、恥ずかしいくらいに真っ赤に充血して、ぷっくりと大きく膨れている、俺の乳首。そこに、彼の強い視線を感じて、…それだけで、俺の乳首からは、せがむように母乳が垂れた。ふわりと甘い匂いが辺りを掠めて、自然と胸を突き出すように背を反らしてしまう。俺の後ろの孔も、じゅくりと疼いて、とろりとした腸液を入り口ににじませた。
そんな俺を、眼を細めて見つめながら。それでもリジットさんは、俺の胸に触れてくれることなく、俺の下肢へと手を伸ばす。柔らかな素材のトラウザーを、その下の下着ごと掴んで、ずるり、と下がった。リジットさんの指が、俺の下肢も裸にしていく。少し冷たい、でもお風呂の湯気で温められた空気が俺のお尻やおちんちんを撫ぜて、その感触に背が震えた。
丁寧に、俺の足から下着もトラウザーも抜き取ってくれてから。リジットさんが、俺を見つめて、その口角を上げる。俺の大好きな、捕食者の笑みだ、って頭の片隅でうっとりと想った。まるで、俺が獲物になってしまったみたいに、彼に全てを捧げたくて、貪られたくて堪らなくなる、彼の薄くて格好良い笑顔。今も、その笑みを見ただけで、…俺の乳首はまた一つ、固く痼って、溢れるように母乳を噴いた。お尻の孔からも、とろとろと腸液が滲んで、俺のお尻のあわいをしっとりと濡らす。
「あ、り、リジットさん…」
目の前すら滲んだ気がして、震える声で彼の名前を呼んだ。そんな俺の頬に、彼の指が伸びて、…撫ぜるように、優しく沈む。そのままざらり、と、硬くて荒い肉球で頬をなぞられて、俺の口から熱い息が漏れた。
「俺の前で服を脱ぐのが、まだ恥ずかしいのか?…お前は、本当に堪らなく可愛いな」
低い声が、囁くように甘く、俺の耳に吹き込まれる。それだけで、こころまでぐずぐずに蕩けていく俺の身体を、リジットさんの腕が、抱っこするように抱えてくれた。既に鋭敏になっている膚を、リジットさんのふかふかの獣毛が柔らかく擽っていく。その感触にすら、もう耐えきれなくて。彼の首の後ろに、俺の腕を回しながら、…もっと強い刺激を求めて、自分から彼に身体を擦り付けてしまう。
そんな俺に、リジットさんが小さく、低く笑った。焦らすように、そのざらりと硬い肉球で背をなぞられて。彼にしがみつくように、その獣毛に顔を埋めながら、ぶるりと身体を震わせる。俺を抱えたまま、リジットさんが歩き出したのが振動で分かって。
これから、…あの浴槽で、起こるだろう俺たちの秘め事。それに、息も覚束ないくらいに、心臓を跳ねさせながら。彼の腕の中で、そのしなやかに逞しい身体にしがみついて、爆ぜそうな期待に身を震わせた
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