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イケメン狼獣人がぽっちゃり少年を娶るはなし。【64-4】
この国の王が、軍の慰安の為に開催されたと言うこのパーティーも、中盤に差し掛かった。
辺りには、すっかり出来上がった奴らや、上官たちと政治的な話をしてる真面目な奴らもいる。そういや、少し前に玻璃を見かけたが、すげえ勢いで出入口へと向かって行っちまって、話しかける隙もなかった。多分、あれはもう帰ったな。あいつとは精鋭師団で一緒だが、喋ったことは数えるほどしかない。他の奴みたいに俺が怖い、とかじゃなくて、そもそも他人に興味がないんだろう。俺以外の奴とも、親しく話をしてるところなんて、俺以上に見たことがないしな。
そんなことを取り留めもなく考えながら、円卓のテーブルにあるグラスを適当に手に取った。どれも、中身は酒だ。この国の成人は二十歳だと言うが、貴族と軍人に関しては基本、成人に満たなくても酒を飲んでもいいらしい。多分、こういうパーティーに出ることが多いからだろう。貴族となれば、軍人よりも尚更。
因みに貴族は幾つから飲酒が許されているのかは知らねえが、軍人は訓練兵を終えた時点で、未成年でも許されている。まあ、特例であんまりにも若く入団したとかの場合は、別らしいが。でもまあ大体が、訓練兵を終える頃には大抵二十を超えるか、少なくとも十七、八にはなってるからな。
とは言っても、俺たちのような各軍人寮に住んでるような奴は、普段は酒は飲まない。と言うか、飲めない。外出許可は休日だけだし、寮での飯で酒なんて出るわけもない。休日に酒場へ行くにしても軍服だからそんなに羽目は外せねえし、休日と言えど寮の部屋への酒類の持ち込みも禁止だ。
だから、こんな風に酒を好きなだけ飲める機会って言うのは、寮に住んでる奴らにはこんな時くらいしかない。こういったパーティーを心待ちにしてるような奴は、大体が酒好きな奴だ。今、ここで一際楽しそうに酒を酌み交わしながら騒いでる奴も、この心待ちにしてた酒好きの奴らだろう。
かく言う俺も、酒は特に嫌いでもねえ。飲む機会がないから飲まないだけで、飲めばいける口だと言うのは分かっていた。飲めば酔いはするが、そこまで酔うこともほとんどねえし。酒の味なんてもんも分からねえから、好みもない。寧ろ、…こういう場所では、一人浮いている自分を隠す為に、積極的に口に運んでいた。どこか冷めた頭で飲んでいたから、そこまで酔わなかったんだろうか。そんなことを思い返しながら、手に持った名前も知らない酒を、口に運ぶ。
意外に強い酒だったのか、頭の隅が少しだけいい気分だ。思考力は落ちてる気がするが、その分、感情が高揚するような。意味もなく楽しくて、浮かれるような。酒に酔う奴がいつも楽しそうなのは、こんな気分だったからなのか。なんとなく納得して、更にグラスを呷った。…思えば、酒を飲んでこんないい気分になるのは、初めてかもしれない。こういう場で飲む酒は、パーティーでさえ一人でいる俺、って言う現実から逃避するためだったが。今日は。今は。
柄にもなく、浮かれたように感情が高揚してるのを感じながら。隣にいる、俺よりも小さな、丸い姿に眼をやった。その手に持ってるグラスは、多分オレンジジュースか何かだ。コイツはまだ未成年だし、貴族でも軍人でもねえから、こういう場でも飲酒は禁止だ。と言うか、例え飲める年齢でも、俺が絶対飲ませねえけど。こんな他の奴が大勢いる場で、飲ませられるか。コイツは絶対、酒に弱い。それでなくても絶対酒が顔に出るタイプだろう。酔っていつも以上に楽しそうに笑って、愛嬌を振りまくに違いない。ふざけんな、絶対んなことさせるか、誰が見せるか。コイツは俺のなんだからな!
「ハンデット、なに飲んでるの?」
そんなことを考えている俺に。興味深々、と言った顔で、シイスが俺のグラスを覗き込もうと背伸びしてくる。何処かにジュースのグラスは置いたのか、空になっている柔らかな手が、自然と俺の腕を掴んでくることに、…なんとなく顔がにやけた。おかしいな、こんなのコイツはいつもしてくるってのに。
こんな些細なことに、何故だか顔が緩んで仕方ない。どうにも収まらなくて、さりげなくにやける口元を手で覆った。やっぱり、俺は酔ってるんだろうか。いつもは酔っても、こんな気分が高まる酔い方しねえから、判断がつかない。
もっとシイスに、俺に寄って欲しくて。持ってたグラスを、コイツが背伸びしても覗き込めない高さまで上げた。それにつられるように、シイスが更に背伸びをしようと、俺の腕にしがみつくように腕を回した。思っていた、…望んでいた通りの反応に満足して、顔を覆っていた手でコイツの頭を乱雑に撫ぜた。くしゃくしゃと、俺の指に柔かく絡まる髪の毛の感触が、手に馴染む。…それだけ数えきれない回数、コイツの頭を撫ぜてきた証だ。それを想うと、尚更気分が高揚する。
「子どもが飲むモンじゃねえよ」
「もー!そうやっていつも、俺のこと子ども扱いする!二つしか違わないじゃん!」
俺の言葉に、シイスが拗ねたように、ただでさえ丸くて柔らかい頬を、更に丸く膨らませた。団栗のように円い目も、精一杯三角にして眉を寄せているが、…正直、全く怖くない。そんな顔したって、可愛いだけなんだけどな。そんなことを想いながら、頑張って怒った顔をしようとしているらしいシイスの様子に、思わず笑った。
「そういうところが子どもなんだろ」
「もー!」
揶揄うようにそう続けると、腰に両手を当てて、シイスが尚も頬を膨らませる。そんな俺の恋人、…基い婚約者、に。自然と口元を緩ませながら、その膨れた頬を撫ぜた。指先や、手のひらの肉球から伝わる、あったかくて柔らかい感触。それに眼を細めると、シイスが驚いたように、頑張って三角にしていた目をまん丸くして、俺を見上げる。その頬に沈んだ指先から感じる熱が、一気に熱くなるのが分かった。
「え、あ、えっと」
「どうしたよ」
見れば、さっきまで拗ねていた顔が、今度は林檎くらいに赤く染まっている。動揺したように、俺から離れようとするふっくらと丸い頬を、離さないように指で追った。
…いつもなら、俺が頬を撫ぜると、弾けるように嬉しそうに笑って、俺の手に頬を擦り寄せて来るのに。なんで今は、俺から逃げようとするんだ?なんとなく面白くなくて、柔らかい頬に沈めた指に、力を込めた。俺が怪訝そうな顔をしているのが分かったんだろうか。シイスが、真っ赤な顔のままで、困ったように、…それでも、俺の手に、いつものように頬を寄せてきた。俺の手の肉球を頬で撫ぜるように、擦り寄ってくる柔くてあったかい感触は、やっぱり心地好く俺に馴染む。
「あ、あのさ、…み、みんな見てるよ?いいの?」
まるで内緒話でもするように、声を潜めて。真っ赤になったままのシイスが、俺に向かってそう問いかけてきた。…ああ、様子がおかしかったのは、その所為か。そんなことを妙に納得して、…その理由に安堵しながら、俺も辺りを見回した。いつもなら、やっちまったとばかりに慌てる思考が、…今は、何故だか落ち着いている。これも、酒の酔いの力だろうか。
俺の眼に、見覚えのある軍獣人の姿が映った。いつも、俺を怯えたように見ていた犬獣人や猫獣人の奴らだ。そいつらが、眼を丸くして俺たちを見ている。
けれど、その眼にいつもの怯えや恐怖は見当たらなく。代わりにその眼に見えるのは、興味や好奇心や、…それから羨望。驚いたようで、祝うような、楽し気な眼差し。『なんだよハンデット、羨ましいな!』なんて、そんな弾むような声すら、俺に掛けられて。
…何故だか、泣きそうになりながら笑った。声を出さずに、片腕だけ上げてそれに応える。そんな俺を、…シイスが満面の笑顔で見上げていた。初めて逢った時のように、夏の日差しを想わせる、眩しくて底抜けに明るい笑顔。
「よかったね、ハンデット」
さっきみたいな、内緒話のように小さな声。未だに赤く染めた顔で、それでも自分のことのように嬉しそうに、シイスが俺に言う。きっと、…コイツは俺の心情を、分かってるんだろう。誰よりも、分かってくれてるんだろう。ずっと、俺の、俺みたいな奴の傍にいてくれたくらいに、…優しい奴だから。
「おう」
それだけ言って、頷いて。上げてた腕で、また、シイスの髪を撫ぜる。照れたように、けれど嬉しそうに、シイスが顔をくしゃくしゃにして笑って。…そんなシイスに、自然と、俺の顔が寄っていく。シイスが、嬉しそうに笑った顔のままで、不思議そうに俺を見た。
「…全部。全部、お前のおかげだよ」
「え?」
息だけのようになった言葉は、シイスには届かなかったらしい不思議そうな顔で、シイスが聞き返すように、声を上げる。届かなくても、それでも良かった。俺が、コイツに言いたいだけだったから。
それでも、…続ける言葉は、やっぱりコイツに届いて欲しくて。更に顔を寄せて、シイスを見つめる。団栗のように丸い目が、零れるほどに見開いて、俺を見ていた。その目に映る俺に、自然と話しかける。なあ、俺?…俺はさ。
「俺は、お前に逢えて本当に良かった」
「えっ!?う、うん!俺も!俺もだよ!」
続けた言葉に、シイスが驚いたように俺を見遣って。それから、俺の腕を掴んだままで、飛び跳ねるように丸い身体を揺らした。その顔は、…輝くほどに、嬉しそうだ。たったこれだけの言葉で、こんなに。
いつでも勢いがあって、いつも楽しそうで、感情豊かにその表情をころころ変えて。それで、…こんな俺のことを、好きだと笑う。好きだって分かれ、と怒る。それでいて、俺には同じことを求めない。『ハンデットは照れ屋だからなあ』、なんて。そう笑って、何も伝えられない俺を、いつも、許す。…目の前で、シイスの零れそうに丸い目に、情けない顔をした俺が映った。
ああ、なあ俺。ほんと情けねえよな。今だって、きっと酔ってるから、こんなことが出来るんだ。酒の力でも借りなきゃ、こんなことも言えねえのかって。こんなに好きな奴に、…世界一大事な奴だってのに。好きだの一言も言ってやれねえのか、って。でも。
髪を撫ぜてた手で、シイスの首筋まで撫ぜて、息を吸った。シイスが、嬉しそうに笑ったままで、俺を見上げている。酔ってる奴らばかりの周りまで、息を潜めるような沈黙。でも周りがどうかなんて、何も気にならなかった。俺の眼に映るのは、ただ一人。
「愛してる、シイス。俺には、お前しかいねえし。お前しか要らねえよ」
俺の声は。パーティーには不似合いなまでの沈黙の中、存外に大きく響いた。ただでさえ零れそうだった目が、更に大きく。丸くなって。爆ぜるようにその丸い頬が赤くなる。何か言いたげに、その口が数度、はくはくと動いて。そんな、俺の、…この世で一番、大切な婚約者に。
顔を寄せて。唇を、重ねた瞬間。割れんばかりの歓声と雄たけびが、俺の耳を打って、会場を揺らした。
***************************
パーティー会場を、両手に料理を手に持ったフラフィーと一緒に歩いて、皆がいるだろう円卓へと向かう。
「フラフィー、片方持とう」
「えっ、あ、ありがとう!」
俺の申し出に、フラフィー嬉しそうに笑って、礼を言いながら俺に皿を差し出す。それを受け取って、促すように俺も眼を細めて見せた。
一度食べて、特に美味しかったものをみんなで、と。俺の可愛い妻が、笑って言うものだから。その言葉に異論など無い俺は、その料理を一緒に取りに行っていた。フラフィーが美味しそうに食事をする姿を、誰よりも俺が見ていたい、と言うのが、一番の理由だが。何しろ、フラフィーが幸せそうにものを頬張って笑う様は、見ているこちらまで嬉しく、幸せになるのだから。俺が最初に目を奪われ、今でも焦がれて止まないあの幸せの詰まったような笑顔が思い浮かんで、俺の口元を緩ませた。
早くテーブルについて、あの幸せそうな笑顔で笑いながら食事をするこの子を見たい。そんな思いで、この子の隣をゆっくりと歩く、俺に。
「…わあ!」
「どうした?」
驚いたような声を上げて、テーブルに向かっていたフラフィーの足が、途中で止まった。隣のこの子ばかりを見つめていて、周りなど見ていなかった俺は、フラフィーの驚く意味が掴めない。不思議に思いながら、フラフィーの目線を追うように、視線を投げれば。
…俺たちが向かっていた円卓のテーブルで。ハンデットと、彼の婚約者であるシイスが、キスをしていた。
流石に驚いて、俺の足も止まる。周りで、酔っているんだろう誰かが囃し立てる声や、高らかな拍手や、口笛を吹く音まで聴こえた。会場の一層の盛り上がりを流すように聞きながら、…これは、先を越されたと言うべきか、などと、そんなことが脳裏に浮かぶ。逆に言えば、浮かんだことは、それだけだ。
…ハンデットに対して、それ以外に起こる感情が無かったことに、自分でも密かに驚いた。このパーティーに来るまでは、ハンデットに恋人ができたと聞いて安心していても。…いざあの男にすると、どうしても胸がさざめいて、警戒せずにはいられなかったと言うのに。
あの男が、その気持ちが、その全てが今は、誰に向いているのか。あの男の傍にいる少年が、どれだけあの男を愛しているのか。それを、自分の眼で確かめられたからだろうか。
あの男の恋慕の情が、俺の誰より大事な可愛い妻へ、もう向いていないことも。これでもう、…誰よりも愛しい俺のこの子を、俺から奪おうとするものがいなくなったことにも。それを目の前で確認出来て、…今度こそ、俺は心底から安堵したんだろうか。安心、出来たんだろうか。
自問自答するように、そんなことを思いながら。けれど穏やかな心持ちで、フラフィーを見遣れば。まるで自分のことのように、俺の可愛い妻が真っ赤になって、彼らを見ていた。俺の視線に気づいたのか、その顔が弾かれたように俺を見上げて。空いている手が、ぐいぐいと俺の腕を引く。
「じ、邪魔したら駄目だよね!あっち行こう、リジットさん!」
何故だかフラフィーまで照れたように、わたわたと慌てた様子で。フラフィーが俺の腕を引いたまま、隅のほうまで歩いていく。ハンデットたちに注目している獣軍人の間を通り、そちらには気づかないように盛り上がる獣軍人たちの脇を抜け。料理からも酒からも一番遠い円卓で、漸く俺の妻の足が止まった。持っていた料理を置いて、そのまま真っ赤になった頬に、両手を当てる。
「す、凄かったねえ…!俺、誰かが口にき、キスしてるところなんて初めて見たよ!なんだか、見てるこっちまで照れちゃうね」
ハンデットとシイスは王城の前でもしてたけど、あの時は頬にだったし!そう言って、当てた手で頬をぎゅう、と押さえて。言葉通りに、俺を見上げて照れたように、はにかんで笑う。その顔はとても可愛らしかったが、…俺以外の誰かのことで、花のように愛らしく笑うことは、少し気に食わなかった。この子が、こうやって花のほころぶように愛らしく笑う時は、…その理由はいつでも、俺であって欲しい。そんな、子供じみた独占欲が胸に滲んで、我ながら狭量だと、内心で自嘲した。
「…そういうものか?」
そんな内心を隠しつつ声を返しながら、俺も両手の料理を円卓へ置いて。頬を押さえる小さな手を、ゆっくりと取った。そのまま、代わりに俺の手を、フラフィーのふくふくと愛らしい頬へ伸ばして、柔らかなぬくもりに指を沈める。ゆっくりと、目の下の膚の薄いところを指でなぞれば。少しだけ擽ったそうに、フラフィーがその丸い目を惜しげもなく細めて、笑った。フラフィーの柔らかな指が、俺の手に重なる。
「リジットさんは、照れてないの?」
「そうだな、…照れはしないな」
ふんわりと笑いながら、フラフィーが、俺の手の獣毛を、優しい指先でなぞる。その感触を、噛み締めるように享受しながら、フラフィーの問いかけに口角を上げて答えた。それと同時に、柔らかな頬へ沈めていた俺の指を、その唇へと滑らせるように動かす。そのまま、愛らしい薄桃の唇の弾力を、味わうように指でなぞった。薄く開いた唇から、赤い舌が覗くのがなんとも扇情的だ。…ああ、このままこの子を連れ去りたい。そんな願望が、頭を過ぎる。叶えようと想えば、直ぐにでも叶えられる願いだから、余計に性質が悪い。上がったままの口角が、さらに薄く笑むのが分かる。
「あの者に先を越されたとは思ったが」
「え?」
未だ、仄りと赤い頬のまま。フラフィーが俺を見上げて、愛らしく首を傾げた。きょとん、と言う擬音でもつきそうに、無防備に俺を見遣る屈託のない表情。そんな、誰よりも可愛い俺の妻に、俺も笑って。周りを確認することもなく、そのいつまでも愛らしく幼げなこの子へ、間近の距離まで顔を寄せる。…この、大勢の者がいる場で、俺がここまで近づいても。俺のこの子は、一歩引いたりすることもなく。近すぎる距離に、その顔をまた仄かに赤く染めながら、『どうしたの?』とはにかんで笑う。
そんな、この子が俺へと向けてくれる、限りのない愛情を。俺だけが受けられる幸福に、その身を浸して。更に顔を寄せて、囁いた。
「本当は、俺もお前にこうしたかった」
はにかんで細められていた目が、俺の言葉に丸くなる。え、と、息だけの声がその薄桃の唇から漏れる、その前に。
その息ごと飲み込むように、その唇に俺の口を重ねて、眼を閉じた。
寄せた身体に、俺のこの子の、ふくよかに柔らかなぬくもりが伝わって。ああ、早くこの子を連れ去りたい、と。先程も過ぎった願望がまた、俺の思考を支配した。
因みに。後日、軍の施設で。この日の一件で俺とハンデットが、揃ってスティケートの説教を食らったことも、一応記しておく。
…あいつの説教を食らうのは何年ぶりだろうかと、思わず笑ってしまった俺は。『聞いているのか、リジット!』と、これも懐かしい、軍人の頃の口調で、スティケートに叱られた。
けれどどうやら、お互いのあの一件で。俺のハンデットに対する警戒が無くなったように、…この男の俺に対するわだかまりも、多少は薄れたようで。
並んで説教を受けている間。ハンデットの気まずそうな眼と視線が合って。その情けなさそうな顔に、ますます可笑しくなってしまった俺は。笑いを堪えることが出来ず、スティケートの説教を更に受けることになった。
「真面目に聞け!幾ら無礼講とは言え、軍のパーティーでのあの行い、反省しているのかお前等は!」
「…すまない、スティケート」
「も、申し訳ありませんでしたーっ!」
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