六月①_夜寝る時はズボン禁止

  あれから、数週間が経った。

  夜風が徐々に初夏の熱気を帯びてきている。

  コンコン

  リョウがそろそろ寝ようかと思った頃、タイミングを見計らったかのようにノックが鳴る。

  「入りますよー」

  ガチャ

  部屋主の返答も待たず、ユウタが部屋に入ってきた。

  「そろそろ寝る頃かと思って、おむつを持ってきましたよー」

  「ふんっ」

  リョウはわざとらしく鼻息を鳴らした。

  ユウタに負けた……と認めたくないが、あのユウタにビビらされた日から、おねしょが治る気配は完全になくなった。

  「ほーら。おむつですよー。ちゃんと大人しくしててくださいねー」

  「チッ!」

  ビニールの袋を破り、ガサゴソと中身を取り出す。パステルカラーの愛らしいデザインが施された子供向けのおむつが現れる。

  「さ、たっちして」

  「ふん! こ、子供扱いすんなっての」

  「はいはい。ピンと立って、裾は持っててくださいね」

  「くっそ……」

  リョウはしぶしぶ従う。

  ベッドから立ち上がり、パジャマの裾をへその上あたりまで持ち上げる。

  「はい、足を開いてー」

  「ん……」

  ユウタは手際よくスルリとリョウのズボンを下げた。

  「ん? 少し濡れてる?」

  いつものトランクスに少し湿った跡が見える。

  じつは最近になって、リョウは日中もちびることがあるようになった。

  この前は学校の帰り道にズボンが前面濡れる位の量やってしまったが、すぐに洗濯機に入れたからユウタにはまだバレていないと思っている。

  「うっせえな……」

  「日中、おもらししてるでしょ」

  ドキッ

  「ち、ちげーっての」

  「嘘ついても、分かってますからね……」

  ユウタはニコリと笑った。

  そこには、あの有無を言わせない表情があった。

  「チッ」

  リョウは悪態をついて顔をそらした。

  ユウタがまるですべてを見透かすかのような顔で覗き込んでくる。

  「でも、まあ。そういうことなら仕方ないかー」

  「ああ?」

  「おもらしが続くようなら、昼間もおむつする約束でしたからねー」

  「そ、そんな約束……し、して……」

  「んー?」

  ユウタがぐいと顔を近づける。

  「し、したけどよ」

  「うん。そうでしょ」

  「そ、それは、日中のおもらしの話だろ」

  「あれ? この前のびしょ濡れスボンは、誰のだったのでしょうねー?」

  「うぅ……」

  「それに、パンツにはほとんど毎日、おしっこの染みができてましたよ」

  「ぐぬっ……!」

  「さっきだって、お風呂上がって着替えたばっかりなのに、もうおちびりしてるじゃないですか」

  「うるせぇ……、黙れよ……」

  「はいはい。でも、約束は約束ですからねー」

  「チッ……」

  「もちろん、リョウくんがおねしょしなくなったら、ちゃんと戻してあげますから」

  「くそ……わーったよ……。」

  「うん。じゃあ、おむつ穿かせてあげますね」

  「くっそ……なんで、俺がこんな……」

  「はいはい。文句言わない」

  スルン

  トランクスを腰から地面に落とすと、いつもの可愛らしいおちんちんが、ユウタの眼の前に顔を出した。

  「くっそ……」

  リョウが顔を真っ赤にして唇を噛む。

  「やっぱり濡れてますね、一応拭いておきましょうか」

  「あ?」

  おちんちんの先端から、小さな雫が垂れていた。

  ユウタは部屋にあったティッシュを片手に、リョウに向き直る。

  「おい、何すんだよっ!?」

  「だから、拭くんですよ。濡れたままだと気持ち悪いでしょ」

  「自分でできるっつーのっ!!」

  「ほら、暴れないの、ピンと立って下さい」

  「ちょ、やめろって」

  「はい、大人しくしてー」

  「んっ……」

  ユウタは丁寧にリョウのおちんちんをティッシュで包み込み、つまみ上げるように先端をキュッと拭いた。

  ビクンッ

  その感触に、リョウは体を跳ねさせた。

  「あぁ……、うっ……」

  「どうしました?」

  「な、なんでもねぇ……」

  ユウタはニヤリと笑う。

  「ふーん。じゃあ綺麗にしますからねー」

  ユウタ指2、3本程度で、つまみ上げるようにおちんちんを握る。

  まるでそれの小ささを指し示してるようで、リョウは情けない気分にさせられた。

  「くそっ……、て、てめぇ……ふざけん……あっ」

  「ちょっとの間ですよ、小さいからすぐ終わります」

  「んっ、て、てめえ……はぁ……」

  「これで、おしまい」

  最後におちんちんの皮をギュッーっと引っ張られた。

  「あぅっ……!」

  「はい、皮に残ってた分まで、まできれいになりました」

  「くそっ……、痛えから離せよっ!」

  ユウタがパッと手を離す。

  プルルンッ

  引っ張られた皮が元に戻り、おちんちんが弾けるように揺れた。

  「以外に余って無いんですね。ズルムケは無理でしょうけど、ちょっと剥くくらいならできそうですね」

  「うるせぇ! なにチェックしてやがんだ」

  ユウタはニヤケ顔で満足そうにしている。

  「じゃあ、新しいおむつ穿かせてあげますね」

  「チッ」

  「そのまま、足広げてたっちしててねー」

  「うるせぇ」

  「早くしないと、漏らしちゃいますよー?」

  「くそっ……」

  リョウが顔を真っ赤にしてうつむく。

  「良い子、良い子。あんよを上げて、まずはズボンとパンツをぬぎぬぎしようねー」

  「うぜぇ……」

  「はい、じゃあ足上げてー」

  「クソッ」

  渋々と片足ずつ交互に上げる。

  刺激されて少しだけ芯の入った股間が、足の動きにあわせてふるふると揺れる。

  「ふふ、可愛いですよ」

  「てめぇ……、ふざけんなっ!!」

  リョウは顔を真っ赤にして睨みつけた。

  ユウタは気にした様子もなく、リョウの足におむつを通す。

  「もう一回、あんよ上げてくださいねー?」

  「ぐぅ……」

  ふるふるプルン

  ユウタの目の前で、ピョコンと少し上向いた小さなおちんちんが跳ねるように揺れる。

  リョウは耳まで真っ赤になって、パジャマの裾をキュッと強く握る。

  「リョウくん、恥ずかしい?」

  「うっせぇ! 見んじゃねぇ!」

  「そんな事言って、赤ちゃんは気にしなくて良いんだよー」

  「うるせえっ、お、俺は赤ちゃんじゃ……」

  「ふふ、ちゃんと綺麗でかわいい、おもらし赤ちゃんのおちんちんだよ」

  「うるせえっ……、黙れよぉ……」

  リョウは涙目で訴える。

  「はいはい。赤ちゃんおちんちんは、ないないしようねー」

  「うぅ……」

  リョウの足を通したおむつを、スルスルと引き上げた。

  ウエストゴムをおヘソの前で止めて、太ももからおしりにかけて指を入れてギャザーを立てる。

  「これでよしっと」

  「……お、おう」

  「おちびりしたパンツとスボンは洗濯しておきますね」

  「ん……」

  ユウタはさっきまでリョウが穿いていたものを、さっとまとめて持ち、戸口に向かう。

  「じゃあ、おやすみなさい」

  「お、おう……」

  「ふわぁ……」

  リョウはあくび混じりにリョウの部屋の電気を消した。

  「あっ、やっ、ちょっと待て!」

  「ど、どうしました?」

  ユウタは電気をつけて向き直った。

  「ズボンは? 俺の」

  「ああ、暖かくなってきましたし。無くても風引いたりしないでしょう」

  「はあっ!? ちょっと待て、じゃあ、俺……」

  「これから寝るときはいつも、その格好で寝てもらいます」

  「そんな、これ、おむつ」

  「はい。おむつ丸出しの格好で寝てもらいます」

  「お、お前っ!!」

  リョウは絶句したまま、口をパクパクさせた。

  パジャマの裾をさらに強く握る。

  「毎朝の手間を少しでも省きたいので協力してもらいます。漏れてもおねしょシーツくらいなら大して問題ないですから」

  「こんなの、恥ずかしくて眠れねぇよっ!!」

  「リョウくんが毎朝、赤ちゃんみたいにおもらしするからですよ」

  「ちっ、違うっ! 俺はぁ……」

  「それとも、明日からは絶対におもらししないって言えるんですか?」

  「だっ、そ、それは……」

  しないと断言できない自分が情けない。

  「ふふふっ、じゃあ、これから寝るときはずっとその恰好ですよ」

  「うぅ……」

  リョウは眉をひそめながら、下腹部を見下ろす。

  パジャマの裾の下から、パステルカラーの子供向けおむつが丸出しになっている。

  クシュッ

  身じろぎすると、おむつがこすれる音がすぐに伝わる。

  「大丈夫。サイズもぴったりですし、可愛くて似合ってますよー」

  「くっそ……うるせぇ……」

  リョウは顔を真っ赤にしてうつむいた。

  滲んだ視界に、おむつから伸びる自分の足が見える。

  「仕方ないですね。寝付くまで一緒にいてあげますよ」

  ユウタがずかずかと部屋に踏み入る

  「あ?」

  トンッ

  言い返す暇もなく、リョウはベッドに押し倒された。

  クシュッ

  尻の下でおむつの情けない音が鳴る。

  「ほら、ねんねの時間だよー。良い子だからねんねしようねー」

  ユウタは一定の間隔でリョウの頭を優しく揺さぶるように撫でる。

  リョウのまぶたが、とろんと落ち始めた。

  「うっ、あふぅ……」

  「さあ、おやすみなさい」

  「うっ、ん……」

  リョウは小さく首肯すると、そのまま眠りについた。