七月③_二回目のおもらしは玄関の外で

  その日は一日中ボーッとした頭で過ごした。

  終業式のため大した授業は無く、目立って何事もないまま、リョウは学校から帰宅した。

  今朝ユウタに穿かされたおむつは、しっとりと濡れている。

  「た、ただいま……」

  重い気持ちで玄関の扉を開けた。

  「あ、ちょっとまって、ストーップ」

  ユウタがパタパタとスリッパを鳴らして玄関へ出迎える。

  「な、なんだよ?」

  「外、外でやりますから!」

  ユウタはサンダルに履き替えると玄関の扉を全開し、リョウを外へと追いやった。

  「何? どうしたんだよ」

  「だから、玄関の外でやります」

  「は? 何を?」

  「何って、チェックですよ、おむつのチェック」

  ユウタは、リョウの下腹部に手を伸ばす。

  「は! お、おい!」

  屋外にもかかわらず、おもむろにおむつの話題を切り出され、リョウは一瞬で顔が青ざめた。

  少し奥まった作りの玄関とはいえ、覗こうと思えば外から丸見えの場所だ。

  おむつって言葉も、誰かに聞かれてないだろうか……

  「駄目ですよ。僕が見ないと意味無いんですから」

  「こっここ、外だぞ!」

  ユウタの手を振り払うと、ユウタはまた意味深長なニヤケ顔を浮かべた。

  「ふーん。また、言うこと聞かないんだー?」

  「ひっ……」

  「お仕置きしないとだねー」

  「お、お仕置きって……何だよ」

  「んふふー。なんだろうねー?」

  ユウタはニコニコと玄関前に立ちふさがっている。

  どうやら退てくれそうにない。

  「くっそ、何で今日は外なんだよ」

  「それは、これ以上お家の中を汚されたくないですから」

  言いながら、ユウタは意味ありげにスマホをいじりだす。

  「は? どういう意味だよ……?」

  「そろそろ限界みたいなんですよねー。周期的には」

  ユウタはニヤリと笑って、そのままリョウのお腹をさすり始めた。

  「限界って……なんだよ……」

  「しーしー、したいんでしょ?」

  「あ?」

  言われたとたん、リョウの中で一気に尿意が高まる。

  学校で一度おもらししているにもかかわらず、もう我慢できないくらいにおしっこが押し寄せてくる。

  「まだ出るかなー?しーし、しーし」

  「あっ、だっ、だめっ」

  「ほら、早く脱がないと、汚れちゃいますよ?」

  「うっ……くぅ……」

  リョウの膝がガクガクと震え始める。

  学校で一度漏らしたうえ、更にお漏らしすることになるなんて

  「すでに一回、おもらししてるはずですよね?」

  「いっいやっ、し、してな……」

  「えー、ほんとに?」

  ユウタは、ズボン越しにおむつをさする。

  グシュッ……グシュッ……

  しっとりと濡れそぼった音が返ってくる

  「ちょっ、まっ、待って」

  「あーあ、やっぱり。学校でやっちゃったのかなー?」

  「うう……」

  「んー? おもらししちゃったなら、ちゃんと素直に教えてくれないといけないなー?」

  「そ……それは……」

  「学校で、おもらししちゃったんだね?」

  「……はい」

  「よしよし。リョウくんは赤ちゃんなんだから、おむつにしーしーしてもいいんだよ」

  ユウタがにっこりと頭を撫でる。

  「ふぁっ……」

  リョウは急に膝に力が入らなくなって、思わずユウタにもたれかる。

  「でもねー、パンツのおむつじゃ、おしっこは一回しか吸収できないんだー」

  「一回って……もう」

  「しーしーしたいんでしょ?」

  リョウは頑張って立とうとするが、うまく体に力が入らない。

  足を内股に閉じて、必死になって股間を抑えてうずくまる

  「ああ……あ……」

  「ほら、やっぱり我慢してたんじゃないですか」

  「ちがっ、違うって……」

  まるで子供の立ち歩きを見守るように、ユウタは優しい手付きで頭を撫でた。

  「しょうがないから、お外でしーしーしてほしいんだよねー。ほら、しーしー、しーしー」

  「やっやだ、あっ……だ、めぇ……」

  ユウタは耳元で囁きながら、お腹をさすってくる。

  「でも今からじゃおトイレ間に合わないでしょ? 玄関なら、すぐに掃除できるからさ」

  「だっだっ、こっここでっ……」

  顎がガクガクと震え、思うように言葉が出ない。

  夏の風がガサガサと庭の植木を揺らす音が響く。

  「ほーら、自分でたっち出来るよね」

  ユウタは優しく手を離す。

  「ひっひゃいっ」

  震えた脚になんとか力を込めた。

  べチッ

  十秒も持たず崩れ落ち、情けない姿で尻もちをついた。

  固いタイルに尻をぶつけ、ジンジンと痛む。

  ショロロ……

  痛みを皮切りに、水音とともにおしっこがズボンから溢れ出てきた。

  「あーあー、やっぱり漏れちゃいましたね」

  「へ? え?」

  一瞬、痛みに気を取られリョウは自分が漏らしたことに気づいていなかった。

  「おむつが吸水できない量ってことですよ」

  恐る恐る、水音のほうへと視線を落とす。

  女の子座りで尻餅をついた股間から、ショロシヨロと絶え間なくおしっこが流れている。

  「そ、そんなあ……」

  「うーん。そのおむつも、そろそろ限界かなー?」

  慌てて立ち上がろうとする。しかし、うまく力が入らず抜、すぐにバランスを崩してしまう。

  「あぅ……」

  またペタンと尻もちをつく。

  グシュ……

  ぐっしょりと濡れたおむつの感触が、またお尻にまとわりつく。

  ユウタはしゃがみ込んで、リョウに目線を合わせる。

  「ね、玄関で良かったでしょ?」

  ショロロ……

  リョウは下腹部を隠すこともせず、呆然として固まってしまった。

  両手はぎゅっと制服の裾を握りしめ、口をパクパクいわせて目尻に涙が浮かぶ。

  その様子を、ユウタは満足げに見守っている。

  「あっあっ……ふぅ……」

  「うんうん。全部出し切っまちゃいましょうねー」

  太陽はギラギラと輝き、地面に木漏れ日の点描を描く。

  日が高く上る白昼の真ん中で、リョウはあられもなくおもらしを垂れ流しにしている。

  誰かに見られて無いだろうかと気が気でないが、視線は涙でにじみ様子が分からない。

  「あ……!」

  チョロッ……

  おしっこはやっと勢いを失い、次第に止まった。

  「はい、よく出来ました」

  ユウタは立ち上がり、ポンと頭に手を置く。

  「うぅ……」

  「でも、素直に言うこと聞かなかったぶんは、後でちゃんとお仕置きだからねー」

  「ふぐぅ……」

  ユウタは満足げに伸びをしてから、リョウに手を差し出した。

  「さ、そのままじゃ家に入れないでしょ。脱がしてあげるからたっちして」

  「あ、やっだっ、ま、まだ外……」

  「あれー? また言うことを聞かないんだー?」

  ユウタがまたあのニヤニヤ顔を見せる。

  有無を言わせない雰囲気が漂ってくる。

  「ひっ、ひゃっ」

  「リョウは良い子なんだよねー」

  「ひゃい……」

  リョウはおずおずと手を取ると、強引に立たされた。

  グシュ……グシュ……

  お尻と一緒に、おしっこでびしょ濡れになったおむつとズボンを持ち上げる。

  「お手手はー?」

  リョウは、真っ赤な顔で目をそらしながら、シャツの裾を胸の前まで持ち上げた。

  びっしょりと濡れた下半身が丸見えになる。

  「じゃ、じっとしててねー」

  ユウタがズボンに手をかけると一気に剥ぎ取られた。

  濡れた太ももに風があたり、ひんやりと少し寒気がした。

  「ぐぅ……」

  道路からは時折雑踏の声が届く。

  誰も見ないでくれと祈りながらも、リョウはピンと立っていた。

  「さ、あんよ上げてねー」

  「ん……」

  リョウは促されるまま交互に足を開ける。

  おしっこで濡れた靴と靴下がグジグジと音をたてる。

  ユウタは濡れたズボンを抜き取ると、それで荒く下半身を脱ぐってきた。

  「やっぱり軽く拭いちゃうから、じっとしてて」

  そういうと、ユウタはパタパタと家の中へ入っていった。

  「お、おい……」

  リョウはぐっしょり濡れたおむつ丸出しで立たされたままだ。

  夏の盛りを間近に控えた太陽がギラギラと光り、びっしょりと濡れた下半身がこのまま乾いてしまいそうだ。

  「この格好、絶対ヤバいって」

  そう言いながらも律儀に裾を持ち上げたまま、拳をギュッと握った。

  家の中からユウタの足音が聞こえる。

  タオルかなにかを探しているのだろうが、待たされている時間は何倍も長く感じる。

  遠くでセミの声が聞こえる。

  「ごめんねー。このまま乾くと被れちゃうから、すぐに拭いちゃうね」

  ユウタは、小さなハンドタオルを片手に戻ってきた。

  「あぁ……あ」

  どこかで聞かれていないだろうか。

  リョウは小さく声をあげる。

  「たっちしててねー」

  「うん……」

  素直に従う。

  少し乱暴な手付きだが、手早く下半身の濡れた感触が取り払われていく。

  「よし、おいで」

  ユウタに手を引かれ玄関に入る。

  濡れた靴と靴下を脱ぎ捨てると、素足でフローリングを踏みつけた。

  「先に玄関掃除しちゃうね」

  そう言うと、ユウタはまたパタパタと飛び出した。

  「お、おい!」

  濡れたおむつが丸出しのまま、また待たされることになってしまう。

  「ごめん、もうちょっと待っててー。それとも、リョウくんの恥ずかしい水たまり、みんなに見てもらいたいー?」

  「う……」

  リョウは顔を赤くして、黙ってうつむいた。

  玄関の扉は開けたままだ。ユウタがホース片手に、テキパキと片付けている様子が見える。

  待っている間、リョウはじっと自分の下半身を眺めていた。

  おむつ一丁で、しかも余すところなくぐつしょりと濡れそぼっている。

  「ぅ……」

  声にならない吐息が漏れてしまう。

  リョウが切なげな表情を浮かべているのを知ってか知らずか、ユウタは玄関に水を流したり、掃いたりしている。

  せめてドアを閉めてほしい。

  そんなことを考えながらもユウタに言われた通り、おむつ丸出しのまま律儀に立ち尽くしていた。

  「リョウくーん、終わったよー」

  玄関から響く水音が次第に小さくなって止まった。

  「あぁ……あ」

  「じゃあ、リビングでやろっか」

  そう言うと玄関の扉を閉め、そそくさと家の中へ入っていった。

  「へ? え、う、うん……」

  リョウもおずおずと後へ続く。

  リビングのソファに座ったユウタはニヤケ顔のまま、膝をポンポンと叩いた。

  「さ、おいで」

  「な、なに……?」

  「何ってお仕置きだよ?」

  ユウタは思い出したように、膝の上にバスタオルを敷いた。

  そしてまたその上から、膝をポンポン叩く。

  「お仕置きって……ほ、本気……?」

  リョウは何が起こるかわからないまま、恐る恐るユウタの前に立つ。

  「当たり前でしょ。こっち、膝をついて」

  リョウは言われるままに、ユウタの隣で膝をついた。

  「なにすんだよ……」

  「ふふっ、決まってるでしょ」

  ユウタに促されるまま、ゆっくりとユウタの膝の上へと倒れこむ。

  「お、おい、これ……」

  「よしよし、良い子だね」

  ユウタは満足げに笑うと、優しくリョウを抱きかかえた。

  そしてそのままぎゅっと、膝の上に乗せた。

  「ちょ、ちょっと、なにすんだ!」

  リョウは顔を真っ赤にして抵抗するが、思うように力が入らない。

  「子供のお仕置きは、お尻ペンペンですよー」

  ユウタはにっこりと笑って、濡れたリョウのおむつに手をかけた。