十月②_二人三脚とそして……

  リョウは体操服姿でグラウンドのトラックに立った。お尻が不自然にふっくら膨らんでいるが、周囲からはそれほど目立った様子はない。

  「ちっ」

  体育委員の指示に従って、ペアとして呼ばれた相手に思わず悪態をつく。

  「おやおや、偶然ですね」

  ユウタがニヤニヤ顔で隣に立った。

  「なんでだよ!」

  「ほら、僕って転校生ですから、体育委員が気を利かせてくれたんじゃないですかね?」

  「いやいや、学校でオレと仲良くしてたことないだろ?」

  「ああ、そうでしたっけ? とはいえ、何故かリョウくんとのペアが通ったんですよねー」

  「何か変な根回ししてねーだろうな?」

  「さあ?」

  「くそっ」

  学校生活まで、ユウタにペースを握られてしまっている。

  「さ、競技が始まりますよ。よろしくたのみますね」

  ユウタが、かがみこんでお互いの足を縛り付ける。リョウはムスッと腕を組んだまま立っている。

  リョウが右で、 ユウタが左。互いの肩へ腕を回す。

  「よいしょっと……」

  力を入れると、リョウはユウタとぴたりとくっついた。おしりからクシュっとした音が小さく鳴った。

  パァンッ

  ピストルの音に合わせて走り出す。

  「うわっ」

  「ひゃあっ」

  数歩も歩かないうちに、2人はもつれるように倒れ込んだ。

  同じようにいくつかのペアも倒れており、レースは混戦である。

  会場からは笑いが漏れた。

  「あははは、やっぱり難しいですね」

  「くそっ……」

  倒れこんだせいで、おしりにふかっとした感触が伝わる。大きめの体操服で隠しているが、服の下には大きなおむつがある。

  「あらあら、ボクがペアで良かったですね?」

  にやにやした顔で、ユウタが腰に回した手をポンポンと叩く。クシュッとおむつが潰れる音がした。

  「うるせっ」

  「このかわいい下着。他の皆さんならまだしも、ペアの人に隠し続けるのは無理だったと思いますけどねー」

  「ちっ……」

  リョウは他の生徒が待つ観客席とは反対側に立っており、観客席側のユウタはそれとなくリョウのお尻を隠してくれているらしい。

  しかし何より、ユウタはこの状況を楽しんでいる様子だ。

  「ほらほら、立ってください」

  「んぐっ……わかったよ」

  再び同じ場所から走り始める。

  今度は転ばないように慎重に走った。

  「いっちに、いっちに」

  掛け声とともに足を動かす。

  クシュ……

  おむつのせいで歩きにくい。どうしてもユウタに引っ張られてしまう。

  「おい、もっとゆっくり走れよ」

  「えぇ? なんですかぁ?」

  わざとらしく聞き返すユウタ。

  おむつのせいだとは言い返せず、黙って股のあたりをぎこちなく動かしてみせる。

  「あれ?もしかして、しーしーですか?」

  「は? え?」

  「しーしー我慢してると、走れないですよねー」

  「い、いや……そんな……」

  「仕方ないですねぇ……」

  そう言うと、ユウタは足を遅めた。

  二人三脚はほとんど歩くくらいの速度になった。事情を知らない他所から見れば、不良がやる気なくサボっているようにも見えるだろう。

  実際、2人より遅くやる気のないペアも何組かいる。

  「あ、いや……」

  「はい、しーしーしましょうね〜」

  ユウタが腰に回した手を腰に回し、ギュッと引き寄せられる。

  「あ、おい……」

  「良いんですよ。リョウくんのおトイレはそこですから」

  「い、いや……そんな……」

  言われると、急に尿意が増してくる。

  がくがくと足から力が抜け、半分もたれかかるようにユウタに体を預ける。

  「ほら、どうせ我慢出来ないんですから、しーしーしちゃいましょう」

  「うぁ……」

  チョロッ……

  ユウタの声に合わせて、膀胱が緩まる感触がする。

  周囲からは歓声が届き、ほとんど全生徒がこのグラウンドに集まっている。

  「ほら、しーしー。しーしー」

  「うあぅ……」

  秋空が爽やかな風を吹かせ、リョウの汗を拭い飛ばす。

  晴れ渡るそらが、じわりと涙で滲む。

  「おっと、足止めると目立っちゃいますね」

  そう言うと、ユウタが二人三脚の歩調を早めてきた。

  「待って、ちょっとぉ……」

  膝をガクガクさせながら、抱きつくように歩調を合わせる。

  「お、おいぃ……」

  「ちゃんとついてきて、偉いですよ」

  「んっふっ……」

  「ほら、いっちに、いっちに」

  「うっ……うぁっ……」

  言いながら、ユウタは足を速めてきた。

  歩調を合わせて歩くたび、思わず小さな声で喘ぎ声が口から溢れる。

  「あ、だめ……」

  「しーしーですか? リョウのおトイレはそこですよ」

  腰に回されたユウタの手に、ポンポンとお尻を叩かれる。

  「うぅ……」

  唇を噛みながら周囲を見回す。青空に向かって若い声援が響く。

  そんな白昼のグラウンドで、リョウは膝をがくがくさせてユウタにしがみつくことしか出来ない。

  「しーしー、しーしー」

  排尿を促す言葉が耳元で囁かれる。

  「あぅ……」

  体が弛緩して、ゆっくりと膀胱が緩み始める。

  リョウは腰を引いて下腹部をギュッ握り込む。

  「足を止めたら、みんなに気づかれるかもしれませんねえ」

  グイッ

  ユウタに引かれて、体を無理やり引き起こされる。

  そして、さらに足を早めてきた。

  「あ、ああっ……」

  なんとかしがみつき、必死に歩みを合わせる。

  はーはーと肩で息をして、ユウタにしがみつく。

  「ふふっ、必死になって。かわいいですね」

  「うるっ……せっ……」

  チョロッ……

  すでに我慢の限界は超えている。

  「そら、しーしー、しーしー」

  「あぐっ……ふぅ……」

  再度ユウタに引き寄せられる。歩くより引きずられるくらいに。

  「しーしーだよ、しーしー」

  「あぅ……ふぐぅ……」

  乾いた青空にきらめく光の粒が、徐々に輪郭を広げていく。

  視界が涙で滲む。

  ショロロ……

  体操服の下から、小さくくぐもった音が響く。

  「んー? しーしー、しちゃった?」

  おむつの中が暖かくなっていく。

  「あ、あ……やだっ……」

  おむつに、おもらしした。

  しかも、ユウタにつられて歩かされたままだ。

  靴底からざりざりと、グラウンドの硬い感触が伝わる。

  心臓がバクバクと揺れ、生徒の声援がずっと遠くに聞こえる。

  「しーしー、しーしー」

  二人三脚の掛け声みたいに耳元で囁かれる。

  「ぐっ……」

  ふざけるなと悪態をついてやるところだが、

  ショロロ……

  今はお漏らしをしたまま、グラウンドを歩かされているのだ。

  振り返ったたけでも、恥ずかしくておかしくなりそうだ。

  「しーしー、しーしー」

  「うぅ……うるせっ」

  ショロロ……

  ユウタにしがみついたまま、必死に歩調を合わせるような格好では、言い返したところで格好つかない。

  ショロ……ショロロ……

  膝をがくがく言わせながら、おむつの中にすべてを出し切ってしまった。

  その間、体はユウタにしがみついたままだ。

  「しーしー、終わりましたか?」

  「うっ……うん……」

  顎をふるふるとゆれる。頭が真っ白になる。

  「良くできました。ちゃんと言えて偉いですね」

  「……うん」

  ユウタの手が伸び、頭を撫でられる。

  それから体操服の上から濡れそぼったおむつをグイと持ち上げられた。

  グシュ……

  暖かく濡れた感触が、股間に伝わる。

  「じゃあ、ゴールまで走ろうね?」

  「うあ……」

  ズボンを半ば持ち上げられ、半分無理やりに走らされる。

  グシュ……グシュ……

  走り方はどうやってもがに股で不格好な姿になってしまう。

  しかも濡れたおむつのせいで走りづらい。

  「ほら、ゴールまでもうちょっと。がんばれ〜」

  「ぐぅ……」

  ユウタに引っ張られるように、走り続ける。

  走るたびに、たぷんたぷんとおむつが揺れてるのを感じる。

  「いっちに、いっちに」

  ユウタがわざとらしく、膨らんだおむつをさらに持ち上げてきた。

  グシュ……グシュ……

  股ぐらに温かい液体が押し付けられる感触が広がる。

  「あぅっ……!」

  柔らかい感触でグイグイと刺激され、たまらず小さな声で喘いでしまった。

  グシュ……グシュ……

  ユウタに寄りかかりながら、再び走り出す。

  お尻をぐいと引き上げられ、ぷっくりと不自然に膨らんだ様子が外からも丸見えだ。

  「さ、足を止めないでください」

  「うぅ……」

  ザッシュ……ザッシュ……

  固いグラウンドの砂を踏みしめながら、ほとんど歩くくらいの速さで前に進む。

  二人三脚のうえ、強制的にがに股にされて、ズボンを上から持ち上げられて、たぷたぷになったおむつのお尻を突き出したまま歩く。

  ユウタによって半分隠されているとはいえ、何とも情けない走り方だった。

  「頑張って、ゴールまでもう少しですよ」

  「ふぐぅ……」

  グシュ……

  リョウは涙目になりながら、なんとか足を前に進める。

  ほとんどユウタに寄りかかりながらゆっくりと歩みを進め、途中に何人かのペアに追い抜かされたりもした。そのたび、遠くに生徒たちの歓声が聞こえる。

  「はい、到着ー」

  ゴール直後、ユウタがパッと手を離した。ほとんど寄りかかるようにして支えられていた体は、重力に従い前のめりに倒れる。

  ドシッ

  慌てて手をつくと、ちょうどお尻を突き出すような格好になった。

  「うあ……」

  ふっくらと膨らんだお尻を大きく空に向かって突き出すポーズだ。

  「はい、よく頑張りました。しーしーも我慢しないで、偉かったですよ」

  グシュ……グシュ……

  突き出したおむつをユウタが楽しそうに揉む。

  「うぅ……」

  ショロロロ……

  ゴールにたどり着きやっと一息ついた矢先、おむつの中にまた暖かい感触が広がっていく。

  リョウはお尻を大きく突き出したポーズのまま、下半身がじっとりと濡れていく感触に身を任せた。

  顔は砂と涙でくしゃくしゃだ。

  「さあ、おむつ替えしないとですねー」

  楽しげな様子のユウタにお尻をポンポンと叩かれる。

  ショロ……ショロ……

  お尻を突き出したまま何も言い返せず、リョウは全てのおもらしを出し切ってしまった。