鮮やかな木々と古刹の織り成す街並みが続く。
秋の涼やかな風が木々を揺らし、乾いた落ち葉を舞い上げる。
そんな光景を楽しみながら、一行は観光を続けた。
「ここは神道ですか?」
「いやー、何なんだろうねー。お城?」
興味津々なユウタにノッポがのたのたと返事する。
グシュ……グシュ……
その数歩後ろに、リョウが俯いたまま続く。
不自然に膨らんだお尻を左右に大きく振りながら、一行の一番後ろについて歩いた。
「お寺と神道は、違う宗教なんですよね? 」
「うーん? でも、結構てきとーだよー?」
「そういうものなのですか……」
二人の何気ない会話を聞き流しながら、リョウは唇をきゅっと結ぶ。
グシュ……
下半身からは薄っすらと湿った感触が伝わる。おむつの吸収量が多いおかげか、それほど不快感は無かった。
それでも、あれから何回漏らしたかさえ定かでない自分に、屈辱感を抱かずにいられなかった。
「ここがねー、元鶯張りらしいよー?」
ぼんやりと板張りの床を指して、ノッポが説明を始めた。
「元、ですか?」
「昔は床が鳴る仕掛けがあったんだってー」
「ニンジャ避けですか」
「かもねー」
ニンジャに異様な食いつきを見せるユウタに、ノッポがのらくらと返事する。
「けど、修理したら鳴らなくなったらしいー」
「どうしてですか?」
「んー。 よく分かんないらしいよー」
「ふん。 きっとニンジャの隠蔽工作ですね」
「かもねー」
ギッ……ギッ……
元鶯張りの廊下は、普通の板張りとさして変わらない様子で軋んだ。
「静かにしてたら聞こえませんかね?」
「うーん。かもねー」
「リョウ君ー」
ユウタが振り返って、後ろを歩くリョウ見た。
いつものニヤニヤ顔が浮かんでいる。
「そこの廊下、ゆっくりと歩いてみてください」
「あん?」
ずっと押し黙っていたリョウの口から、半ばケンカ腰な声が返った。
「こっちで静かにしてますから」
ユウタ達は少し離れた所で歩みを止め、一斉にリョウに注目した。
「あ、いやー……」
思わず目を伏せて、両足を内股に擦り付ける。
グシュ……
ふっくらとして少し湿ったおむつの触感が迫った。ユウタにはあれから一度もおむつを替えて貰ってない。
吸収量が多いから大丈夫だとか言われ、リョウは濡れたおむつのまま修学旅行に付き合わされた。
「ほーら、歩くだけですよー」
「いや、でもさ……」
周囲の視線が痛いほど刺さる。すぐ目の前には同じ班の仲間が並ぶ。
気圧されて身動ぎすると大きなお尻がまた衣擦れ音を返す。濡れて更に膨らんだおむつのせいで、リョウは両足を開いたまま不格好な姿で立ち尽くす。
「リョウ君?」
ユウタが催促するように声をかけてくる。
「う、うっせ、先行ってろよ」
「いやー、リョウくんが歩いている所が見たいんですよ」
ユウタがいつものニヤニヤ顔を見せる。
「あんまりわがまま言う子は、お仕置きされちゃいますよ」
ユウタは見えるように両手を軽く叩いて見せる。
「うっ」
反射的に腰が引ける。お仕置きとされる自分が頭をよぎると同時に、膝がガクガクと震えた。
「リョウ君……」
「うぅ……」
リョウは真っ赤顔で唇を噛む。
それから、おずおずと足を踏み出した。
グシュウ……
大きなおむつのせいで足は閉じられず、不格好ながに股歩き。
それに注目する同級生の視線がさらに絡み付く。
「何か聞こえますかね? 皆さんしーっ、してください」
ユウタが人差し指をまっすぐ持ち上げて言う。
「あ、あう……」
体がぶるりと震え、急に下腹部へと意識が募る。
あっという間に尿意が込み上げ、体がふるふると震えてくる。
「リョウ君、どうしましたー?」
ニヤニヤ顔のユウタが、廊下の向こうで声をかけてくる。
「な、なんでも……ねーよ」
言い返しながらも足はガクガクと震え、口から乾いた吐息が漏れる。
リョウが気づいた頃には、ほぼ限界に近かった。
股間を手で押し付けて押さえ込もううとするが、既に時間の問題だった。
グシュ……
湿ったおむつの衣擦れ音が鳴る。
「う……い、いや……」
ガクガクと震える足で、その場に立ち尽くしてしまう。おしっこしたいと頭で思いながらも、それを口にすることもできずに、ただ立つことしかできない。
グシグシ……
内股で抑え込んだ下半身が、膨らんだおむつで圧迫される。
我慢の限界も、もうすぐそこまで来ていた。
「あれ、どうしましたー?」
リョウの様子に気付いたユウタがニヤニヤ顔で呼びかけてきた。
「あ……いや……」
体が震え、返事もままならない。
チョロッ……
ほんの少しだけ漏れたような感触がして、慌てて足を閉じようとする。
グシュ……
大きなおむつに阻まれ、相変わらずのがに股立ちしかできない。
「あー、もしかしてしーしー、したいんですかー?」
ユウタが抑え込んだ股間を見咎めて、ニヤニヤした笑みを浮かべる。
「あ……えっと……」
「しーしーしたいなら、我慢しなくて良いんですよー」
ギッ……ギッ……
ユウタがニヤニヤ顔を浮かべながら戻ってくる。
元鶯張りの廊下は、相変わらず普通の床音しか鳴らない。
「いや、く、来んなっ、見るなっ……」
ユウタにつられて、ノッポや他の同級生たちがリョウの周りに集まる。
「我慢は良くないですねー。リョウ君のおトイレはそのおむつですよー?」
「い、言うなっ……あ……」
「ほら、しーしーしましょうねー」
「あうっ……」
ペタンッ
力が入らず、床にへたり込んでしまう。
女の子座りのように床にお尻をぶつけ、グシュっとおむつが鳴った。
「しーしー、しーしー」
いつもの掛け声に、リョウの体が弛緩していく。
口がパクパクと空を切り、よだれがつっと垂れる。
モゾモゾと太腿を擦り合わせるが、力が入らずほとんど身動きが取れない。
気にした様子のない同級生たちの視線だが、リョウは恥ずかしさで思わず目を伏せる。
「しーしー、しーしー」
真っ赤な顔で目を閉じて、体だ再度ブルリと震える。
「……ん」
シュィイイ……
股間から、静かにくぐもった水音が流れる。
「しーしー」
リョウの頬が真っ赤に染まる。肩を震わせ、口から乾いた吐息が漏れた。
おむつの中で湿った温もりが広がる。
「あ、あうう……」
同級生たちは興味のない様子で、銘々にそれぞれ気になるものへと注意を向けている。それでも、周囲の視線はリョウにとって刺さるように痛い。
涙でじわりと視界が歪んでいく。
「しーしー、しちゃいましたねー」
「あうう……」
ショロロロ……
耳をすませてもほとんど聞こえないような小さな水音が、リョウの股間から続く
誰も気に留めないくらいの小音であっても、リョウの耳にはありありと響き渡る。
おしっこでおむつがぷっくりと膨らみ、下腹部を押し付けて来るのが分かる。
「おしっこしちゃったら、ちゃんと周りの大人に言うんですよー」
「んう……ぐっ」
リョウは真っ赤な顔で、唇を尖らせる。
「リョウ君。おむつ替えないと、パンパンになっちゃうまで、お漏らししちゃいますよー?」
ユウタが凄むように顔を近づけてくる。思わず体が震える。
「……お、俺は……んっ……」
「んー? どうしましたー?」
「んあ……俺はっ」
リョウは真っ赤な顔で唇を噛み締め、肩を縮こませる。
「それとも、言うこと聞けない子は……?」
覗き込んでくるユウタの顔が、にやりと口角を上げる。
「ちがっ、うぅ……ヤダっ……」
「じゃあ、素直に言えますよねー?」
「う……うっ……」
ちらと目線を動かす。
人混みはまばらで、それでも人通りは耐えない。
一人だけ床座り込んで、見下ろすような視線に晒され、リョウは思わず顔を背けた。
グシュッ……グシュッ……
俯くとぷっくり膨らんだお尻が見える。
おむつが圧迫され、股間に伝わる温もりがじわじわと広がっていく。
「うぁ……」
ショロ……
視線を感じながら、また少し漏らしてしまった。
下半身がじわりと暖かくなる。
「おしっこ、しちゃったんですよねー」
ユウタのニヤニヤ顔が近づく。
「う、うん……」
リョウは真っ赤な顔で目を瞑り、口をモゴモゴと動かした。
「お、おむつに……おしっこ、しちまったから……」
肩を震わせて、うなだれるように顔を伏せる。
「はい。リョウ君はおむつのとれない赤ちゃんですからね」
リョウは悔しそうに眉をひそめる。
視界がじわりと滲み、取り囲む同級生たちの顔が涙でぼやけてくる。
恥ずかしさと情けなさで頭の中がグチャグチャになってきた。
心臓の高鳴る音っと、自分の吐息だけが耳に響く……
グシュ……
湿ったおむつのぬくもりが股間に広がり、徐々に熱が消えつつあった。
濡れた不快感が体を包む。
「お……おむつ、替えて……ください」
真っ赤な顔で歯を鳴らしながら言葉を吐き出した。
「はいはい。良く言えましたー」
クシュクシュ……
ユウタに頭を撫でられる。
「あうっ」
チョロ……
思わず力が抜ける。
またちょびっとだけ、おむつに漏らしてしまった。
リョウはおむつで膨らんだ大きなお尻を晒したまま、その場でペタンとへたり込んでしまう。
「次はちゃんと、おむつ替え休憩挟みますね」
「……ん」
吸収量が多いこともあってか、おむつは大きく膨らんでいるものの、溢れる様子はない。
「じゃあそれまで、もう少しあんよできますか?」
「あ……あう……」
リョウの口が、パクパクと空を切る。
おむつはぷっくりと膨らみ、大きなお尻はズボンでは隠せそうにない。
「さ、あんよですよー」
ユウタに手を取られ、立ち上がる。
グシュ……
パンパンに膨らんだおむつのせいで、足が左右に広げられる。
あまりに不格好ながに股で、アヒルのように大きなお尻を持ち上げる。
「あらら、だいぶ膨らんでますねー」
「う、うぅ……」
リョウはまた顔を赤くする。
視線を落とすと、かぼちゃパンツのように膨らんだ下半身が見える。
「さ、行きますよ」
「あっ……うぅ……」
グシュ……グシュ……
濡れたおむつを左右に大きく揺らして、ユウタの後ろに続く。
情けないがに股歩きで、傍から見ても滑稽だ。
同級生達は特別気にする様子もないが、それでもリョウはまた更に顔を赤くした。
ギッ……ギッ……ギッ……ギッ……
鶯の面影もない廊下を、渋々と歩く。
グシュ……グシュ……
足を踏み出すたびに、濡れそぼったおむつが衣擦れ音を返す。
足は大きく広げられ、リョウの足取りは、よちよちと覚束ない様子さえ感じる。
「すみません。おまたせしました」
ユウタとリョウは一行の輪に戻り、また修学旅行を続ける。
ギッ……ギッ……
由緒ある品々や内装に目を奪われながら、古式ゆかしい建屋を歩く。
グシュ……グシュ……
その一行の最後尾に、リョウは真っ赤な顔でついて歩いた。
大きなお尻を左右に振って、不自然にがに股のまま。
「ここ、なんか有名なとこ?」「知らねー、ググってもよく分からん」「旅館、何時までだっけ?」
班の仲間は談笑混じりに古刹を堪能する。
「うぅ……」
リョウは真っ白な頭で必死にその後ろに続いた。
秋風に触れた板の廊下がほんのりと冷たい。道行く観光客たちが、こっちを見ている気さえさる。
グシュ……グシュ……
一歩踏み出すごとに、股下からは濡れたおむつの音が聞こえる。
「リョウ君、行きますよ」
「う……うん……」
顔を赤らめ俯いたまま、お尻を揺らして後に続く。
グシュ……
膨らんだおむつが、ずしりと重たい。
足が閉じないせいで、大股に体を揺らして歩く。
グシュ……
ふっくらと膨らんだお尻が、ズボンの外からでも分かる。
誰も気に留めないながらも、リョウだけは真っ赤な顔でそれを必死に覆い隠した。
「ぅ……」
唇を尖らせて小さく唸る。
いつもならユウタにおむつを換えてもらうのだが、リョウにそれを口に出せない。
ユウタが大丈夫だと言う以上、言われるがままに濡れたおむつのままついて歩く。
膨らんだ股ぐらに足を取られながらも、同級生たちの後に続いた。
グシュ……グシュ……グシュ……
歩くとともに、濡れおむつが恥ずかしい水音を告げる。
耳を澄ましても聞こえないような小さな衣擦れだが、リョウの耳には鶯張りの廊下よりもずっと大きな音で、幾度となくも脳裏に響いていた。