十一月⑦_旅館そして風呂

  ひとしきりの観光を終え、修学旅行の一行は旅館に着いた。

  夕食も済ませて、部屋でゴロゴロと時間をつぶす。

  スケジュールに沿えば、そろそろ消灯の時間が近くなっていた。

  「じゃあ、別館に行ってる間に、もう寝てるかもねー」

  ノッポはニコニコ顔でユウタに話しかけた。

  「僕らで鍵を持っていきますんで、先に休んでてください」

  「はいはーい。ごゆっくりー」

  「すみません。楽しませて貰ってきます」

  部屋の全員が浴衣に身を包んでいる中、リョウとユウタだけが学生服姿でいる。

  他の生徒たちは風呂に入ったついでに浴衣に着替えたらしい。

  「押し掛けたら入れて貰えるかなー?」

  「貸し切りの人数に制限は無かったと思いますけど」

  ユウタの返答に、隣でリョウはムッと眉をしかめた。

  「えへへー。言ってみただけー。二人で行ってきなよー」

  「はい。大浴場は明日に楽しませて貰います」

  「おっきくて綺麗だったよー」

  旅館の別館に運良く貸し切り風呂が空いており、リョウとユウタの二人は班の皆とは別の風呂に入ることになった。他の皆は大浴場に行ったらしい。

  別館の風呂は二人向けらしく、リョウにとっては渡りに船だ。

  一も二もなく予約を滑り込ませてみたら、運よくユウタの二人で入れることになった。

  少なくとも班の他の連中と、同じ風呂に入る事態だけは避けられた。

  「楽しみですねー、リョウくん」

  「ま、まあ。でもたかが風呂だろ?」

  「ふーん。でも、明日は皆と一緒のお風呂ですからねー」

  「あー、うん」

  リョウは眉をしかめて頭をポリポリとかいた。

  明日の心配は、また明日考えることにする。

  「貸し切りの時間が決まっているんで、そろそろ行きましょうか」

  「あ、おう」

  ユウタにつれられて本館を後にする。

  不自然ながに股歩きになっていが、部屋の生徒達から特に気に止められることも無かった。

  部屋のドアを閉める背中にノッポが「おやすみー」と声をかけてくれた。

  人気の少なくなった中庭と渡り廊下を通り、二人は別館へと歩いた。

  カララ……

  古式ゆかしい引戸を開くと、飴色の木目と竹で包まれた綺麗な脱衣所に足を踏み入れる。

  「小さいけれど、綺麗なところですねー」

  ユウタの目がキラキラしている。

  「結構、良い感じだな……」

  本来はカップル向けの貸し切り風呂なのだろう。小綺麗に整えられ、上品なムード漂う空間が広がっている。

  「さ、ばんざーい」

  脱衣所のドアが閉まると同時に、ユウタがいつもの調子で振り替える。

  「……ん。うっぷ……」

  言い返すこともなくリョウは両手を持ち上げると、羽織っていたワイシャツを取り払われる。

  続いてタンクトップも。

  「ズボンも脱ぎ脱ぎしますよー」

  「……ん」

  「ほら、あんよあげてねー」

  「お、おう」

  促されるままに足を動かし、あっという間におむつ一丁にさせられた。

  「ふふっ、まだ綺麗なままですねー」

  「お、おう……」

  これでもできる限り我慢できるように努めたつもりだった。

  そうでなければユウタのことだから、同級生の部屋だろうと平気でおむつを晒されかねない。

  「まあ、お昼にたくさんしーしーしてましたからねー」

  「だっ、う、うるせっ」

  昼間の醜態を思い出し、リョウの耳が垂れる。

  「お漏らししなくなったら、ちゃんと大人扱いしてあげますよ」

  「ほ、本当だろうな……?」

  リョウは口をへの字に曲げて睨み返す。

  虚勢を張ったところで、おむつ一丁ではまるで様にならなかった。

  「じゃあちょっと、そのまま待っててくださいねー」

  ユウタはそそくさと背を向けて、自分の服を脱ぎ始めた。

  家でやるいつもの通り、リョウはおむつ一丁で立たされたままだ。

  お漏らししても大丈夫なように、おむつを脱がされるのは決まって最後だった。

  「うう……」

  二人きりになっても恥ずかしいものは恥ずかしい。

  クシュッ……クシュ……

  ふっくらと乾いたおむつが股間を押し上げる。

  「お風呂から上がったら浴衣に着替えちゃいますから、服は預かっておきますねー」

  ユウタはリョウの学生服をまとめてリュックに押し込んだ。

  「あ、ああ……」

  足をもじもじと弄びながら、リョウは生返事を返す。

  「ふんふーん」

  鼻歌交じりに、ユウタはすいすいと学生服を脱いでいく。

  おむつ姿で待たされる時間は、いつも長く感じる。ユウタがわざとのんびり着替えているのではないかと疑ってしまうくらいに。

  ブルル……

  ユウタの鼻歌を聞いていると、背中にうっすらと悪寒が走った。

  「んっ……」

  リョウはもじもじと股間をまさぐる。

  尿意は感じないが、できるだけお腹に力を込めて我慢しようと試みてみる。

  「どうしました?」

  ユウタは半裸の状態で振り返った。

  「いや、なんでもねーよ」

  リョウはふいと顔を反らして、ぶっきらぼうに答えた。

  「おしっこでしたら、おむつがありますよー」

  ポンポン……グシュ……

  ユウタにおむつを撫でられ、軽くつかみあげられる。

  「うっせ」

  口では悪態をつきながらも、下半身に尿意を感じ始めていた。

  「ふーん。じゃあそろそろお風呂に入りましょうか」

  ユウタがするりとパンツを脱ぐ。

  ブラン……

  ふっくらとした男性器が股間からぶら下がる。年相応よりも一回り大きく見える。

  リョウの赤ちゃんちんちんと比べたら、まさに大人と子供だった。

  「くっ……」

  顔をしかめて視線を逸らす。

  しゅっと手ぬぐいを手に取ると、ユウタは腰元に巻き付けて股間を隠した。

  「さ、おむつも脱ぎ脱ぎしましょうねー」

  ベリッベリッ……

  手際よくサイドステッチが破かれ、リョウもすっぽんぽんにさせられた。

  ブルル……

  おむつから解放されたおちんちんが夜風に当たり、リョウは小さく身震いする。

  「あ……う……」

  とたんに内股になって肩を丸めた。

  「あれ? リョウくん、しーしーですか?」

  ユウタがニヤニヤ顔で覗き込んでくる。

  「うあ……う……うん」

  足ががくがくと震え、はーはーと息を荒げる。

  おむつは先ほど取られたばかりで、今はすっぽんぽんだ。

  「しーしー、トイレまで我慢できます?」

  「う……うう……」

  リョウはもじもじと内股をこすりつける。

  ユウタの言いつけで股間を触ることができず、まるで駄々をこねる子供のように体を小さく揺らす。

  小さなおちんちんがぷるんと軽く揺れる。

  「うーん。じゃあ、こうしましょう」

  ビリッビリッ……

  ユウタは手に持ったおむつを脱衣所のスツールの上に広げた。

  テープを破り、吸水部が外側に向かって広がっている。

  「さ、ここにしーしーしてください」

  「あうっ……う……」

  ユウタに手を引かれ広げられたおむつの前に直立する。

  「おててを上げて、おむつにしーしーしましょうねー」

  「うあっ」

  両手を取り上げられ、小さなおちんちんがぷるんと露わになった。

  「手は横、足は開いてー」

  促されるまま両手を左右に大きく開く。内股に閉じた足は、いつものがに股みたいに開かれた。

  きゅっ……

  股間をつまみ上げられ、先端が机のおむつに向けられる。

  「このまま上に跨っちゃいましょうか」

  「うあっ……」

  ユウタに促され、大股を開いたままスツールをまたぐように座る

  クシュ……

  お尻に柔らかな感触が伝わる。

  「おててはお膝に置きましょうか」

  両手を持ち上げられ、膝の上にのせる。

  両足は大きく広げられ、子供のようにスツールを両足で跨いで座る。

  その真ん中に広げられたおむつの吸水部に向かって、おずおずと股間を突き出す。

  リョウは耳まで真っ赤にして俯いた。

  「さ。しーしー、しーしー」

  「……ん」

  チョロロ……

  ユウタの言葉に促されるようにおちんちんの先端から、ゆっくりと水滴が流れ始める。

  「よしよし、全部しーしーしましょうねー」

  ポンポンと片方の手で頭を撫でられる。

  「う、うん……」

  体がじわりと温かくなって、力が抜けてしまう。

  リョウはスツールに跨ったまま、おしっことを出し続けた。本来なら用を足す場所ではないところに放尿している罪悪感が、ちくちくと胸に刺さる。

  ショロロロ……

  開いたおむつの吸水部に落ちて染み込んでいく。

  古風で閑静な部屋に、恥ずかしい水音が静かに鳴り響いた。

  テープで包まれた普段とは違い、おむつに水が当たる音が直接耳に入る。

  「うう……」

  リョウは膝に置いた拳をぎゅっと握りしながら、顔を紅潮させる。

  チョロッ……

  おしっこは次第に勢いを落とし、ポタポタと垂れ始めた。

  ポンポン……

  目の前のユウタに頭を撫でられる。

  「トイレには間に合いませんでしたが、ちゃんとおしっこ言えて偉いですねー」

  「うう……」

  いつもなら鼻を鳴らして言い返してやるところだが、すっぽんぽんでおむつに跨った姿では、黙って俯く他なかった。

  「これから、ちゃんとおしっこ我慢できたら、大人扱いに戻してあげますからねー」

  「ぐっ……」

  歯をギリギリ言わせながら、リョウはまた頭を撫でられる。

  「しーしー出し切ったら、お風呂入りますよー」

  チョロロ……

  頭を撫でられながら、またおしっこが垂れる。ちゃんと我慢できたにも関わらず、大人扱いにはまだ遠いと言われているかのようだ。

  「うう……」

  リョウは気恥ずかしそうに顔をそむけた。

  「さ、たっちして」

  リョウがおずおずと立ち上がると、スツールに敷いたおむつを手早く抜き取った。

  そしてくるくると手早くまとめると、濡れおむつはビニール袋に放り込んでリュックの中に片づけた。

  「さ、まずは体を洗わないとですねー」

  「……ん」

  すっぽんぽんのリョウは、おちんちんにまだおしっこの雫が残ったままだ。

  「さ、行きますか」

  二人は浴室へと足を向けた。