十一月⑬_朝はおむつバレから始まった 上

  談笑の声に、リョウは瞼を開けた。

  ぼやけた視界に、朝日に照らされた木造の天井が見える。

  家の天井じゃない。

  修学旅行で京都の旅館に泊まったことを、うつらうつらと思い出す。

  「んっ……」

  大きく息を吸い込み、ぼやけた頭が徐々に動き出してきた。

  「あー、リョウくんも起きたねー」

  耳慣れない声がする。

  確か、同じ班で勝手にノッポと呼んでいるあいつの声だ。

  クシュッ……

  いつものふんわりとしたおむつの感触を覚える。

  程なくして、心臓が跳ね上がった。

  「えっ……」

  ひやりと、自分の体に空気を感じる。

  はだけた浴衣はほとんど羽織るくらいの様相で、帯はほどけて床に転がっている。

  身にまとう物はほとんど無く、胸から足先まで全て見えてしまっている。

  当然、おむつも丸出しだ。

  「あ、え……あれ?」

  状況が飲み込めず、リョウは目をぐるぐるさせる。

  ユダヤが布団の上で胡座をかきながら、ニヤニヤ顔でこちらを向いた。

  「リョウくん。おはようございます」

  横目でスマホを見ながら、いつものアプリをすいすいと動かしている。

  「おしっこチェックしたら、着替えて朝食に行きましょう」

  「お、おぃ……」

  唇が震えて、舌がうまく回らない。

  「おねしょしてなーいー」

  ノッポにポンポンと頭を叩かれる。

  クシュッ

  下半身から乾いたおむつの音がする。

  「あ、いや……」

  リョウは慌てて、はだけた浴衣を体に巻き付けた。

  「あっ、こらっ」

  「み、見るなよっ! 見るんじゃねえっ!」

  慌てて大きなおむつを隠そうと試みる。

  バタバタと必死になって、前屈みに足を閉じようとするが、膨らんだおむつのせいで、思うように足が閉じない。

  クシュッ……クシュッ……

  暴れるたびに、お尻からは変わらず情けない音が鳴る

  「リョウくん。赤ちゃんが、いやいやしてはいけませんよー」

  ユウタが慣れた様子で、たしなめてくる。

  「あ、あかっ、いやっ……」

  おむつを穿いた下半身を必死になって押さえつけながら、周囲に目を走らせる。

  同室の生徒たちは誰も気に止める様子も無い。

  微笑ましそうに見ている者や、我関せずと本に目を落としている者。

  「いや……おれ、赤ちゃんじゃ……」

  慌ただしく騒いでいたのはリョウだけだった。

  部屋の中の誰もが、ずっと前から当たり前だったと言わんばかりの顔で、リョウのおむつ姿を見ている。

  「リョウくんは、お漏らしの治らない赤ちゃんじゃないですかー」

  ユウタは布団から動かず、顔だけをこちらに向ける。

  いつもの光景。見飽きた様子。

  そんな雰囲気さえ伝わる仕草だった。

  「い、言うなよぉ……」

  クシュッ……

  おむつが音を鳴らす。

  「言わなくても、夜の間丸見えでしたよ」

  「あ、うあ……」

  リョウの顔がさらに赤くなる。

  「夜のお漏らしは、大丈夫ですか?」

  「いや、だ、大丈夫っだからっ!」

  「夜中にお水を飲んでましたけど、おしっこしたくないですか?」

  「いやっ……そ、そんなこと……」

  「寝ぼけて忘れてました? それなりに量を飲んでましたけど」

  「そんなこと……」

  リョウには身に覚えがなかったが、言われたらそんな気もしてくる。

  下半身にじわりと尿意が増してきた。

  「おしっこしたかったら、おむつにしていいですからねー」

  ユウタが、いつもの口調で子供扱いしてくる。

  周りに同級生がいるのに、お構い無しだ。

  「あ、いやっ……」

  しどろもどろに言葉を濁す。

  まさか、あれほど危惧していたおむつバレが……

  何で? いつ?

  色々と思い巡らせるが、頭は既に真っ白だった。

  「うーん。リョウくんってば、まどろっこしいですねー」

  ユウタが子供扱いするようにたしなめてくる。

  「あぅ、うぅ……」

  思わず声が漏れる。

  目を伏せながら周囲を見回す。

  おむつを見られるだけでも恥ずかしいのに、ましてやクラスは違っても同級生の目の前だ。

  顔が真っ赤に熱くなっているのが、自分でもわかる。

  クシュッ……

  リョウは肩を縮ませて、丸まった。

  「もー、リョウくん?」

  「い、いや……」

  「いやいや言わないの」

  ユウタの顔に、いつもの高圧的な表情がじわりと浮かぶ。

  「ふぐっ……」

  思わず身をすくめてしまう。

  「よーいしょっ」

  不意に背中から腕を回され、持ち上げられてしまう。

  「あっ、うわっ」

  「えへへー、捕まえたー」

  ノッポの腕が両脇の下から伸び、リョウは真上に持ち上げられている。

  身長差があるせいで、両足が地面に着かず、プランと伸びる。

  おむつに阻まれ、足はがに股のままだ。

  「あう、ああっ」

  恥ずかしさで、言葉が出なかった。

  捕まれたノッポの腕の中で、散々にもがく。

  けれども、がっちり捕まれた腕は、ピクリとも動かない。

  足掻こうにもユウタの時と同じように、力がうまく入らない。

  「さ、おむつチェックしよーねー」

  「うう、離せよっ……」

  暴れる力も次第に抜けていき、リョウは持ち上げられたままだらんと垂れ下がった。

  浴衣ははだけて脱げ、おむつを穿いた裸姿がよく見える。

  「うぅ……見んなよぉ」

  リョウは、両足をブラブラと揺らす。

  それなりの体格をしているが、ノッポに持ち上げられると、ギリギリで足が地面に着かない。

  体躯まで赤ちゃん扱いされているみたいで恥ずかしい。

  「お手伝い、ありがとうございます。こっちでおむつチェックしましょ」

  「はーい」

  ユウタの提案に、ノッポが間延びした返事で返す。

  寝床に座るユウタの元へ、持ち上げられたまま運ばれる。

  のしのし……

  のっそりとした歩みにあわせて、リョウの体もブラブラ揺れる。

  まるで抱き上げられた赤ちゃんのような扱いだ。

  「うぅ……」

  浴衣は服の形をほとんど失い、ほぼおむつ一丁の格好で抱き抱えられている。

  そんな恥ずかしい姿でぶら下げられたまま、ノッポはのんびりと部屋の中を歩く。

  クスクスと、微笑ましそう笑い声が聞こえた気がする。

  「見んなぁ……」

  じたじたと暴れるが、ぶら下がった両足が空を切るだけだった。

  リョウのおむつ姿は高く持ち上げられ、同室の同級生たちに全部丸見えだ。

  意識した途端、耳まで熱くなる。

  クシュッ

  布団から立ち上がったところのユウタに、おむつを捕まれる。

  「しーしーは、どう?」

  「うぅ……だ、大丈夫だって……」

  リョウはノッポに持ち上げられたまま、身動きが出来ない。

  胸から足先までさらけ出したポーズで、ゆらゆらと揺れている。

  「ふーん。本当みたいですね」

  クシュクシュ……

  おむつの前部を揉まれ、太腿から指を入れられる。

  「あうぅ……」

  ぶら下げられた直立のまま、ユウタに身を委ねる。

  「中も見ておきますね」

  ぐいっ……

  ユウタにおむつのゴムを引っ張られる。

  「あっ」

  腰周りのゴムが伸び、おむつの中が見える。

  リョウのかわいらしい小さなおちんちんが、ふっくらとしたおむつに包まれている。

  クシュクシュ……

  白い圧迫感に包まれたそれは、どこか気持ちよさそうだ。

  「うぅ……見んなってぇ……」

  ユウタだけでなくノッポからも丸見えにされる。

  それどころか、部屋の誰でも覗き込めるような状態だ。

  リョウはなんとかもがこうとするが、持ち上げられた体はほとんど抵抗できない。

  「相変わらず可愛いですよー」

  ユウタが楽しそうに覗き込んでくる。

  時折、股間に息がかかり、少しこそばゆい。

  「ちっさーい……」

  頭の上から、ノッポの朗らかな声がする。

  「うぁ、見るなって!」

  顔が熱くなる。

  足を閉じようにも、おむつに慣れたせいで、がに股のまま開こうとしてしまう。

  両腕は、がっちりとノッポに掴まれて動かせない。

  両足は、爪先さえ地面につかない。

  完全に赤ちゃんのような恥ずかしい格好のまま、リョウは揺られていた。

  「リョウくんは、赤ちゃんちんちんですからねー」

  「へー、そうなんだー」

  「おねしょも全然治りませんし」

  「今日はー?」

  「本当に大丈夫みたいですねー」

  「よかったねーリョウくん」

  二人で談笑している隣にで、リョウは顔を真っ赤にして唇を噛んだ。

  誰も気に止めていないのに、周りの視線をやたらと感じてしまう。

  「小さいんだってー」「赤ちゃんだしなー」「朝飯って何時までー?」

  部屋の面々が口々に物を言う。

  その誰もが、リョウのことを別段気に止めようとしなかった。

  パチンッ

  ユウタが手を離し、腰ゴムがお腹にぶつかる。

  「でも、多分我慢してますから、このまましーしーしてしまいましょう」

  再度おむつに包まれた下半身を、ユウタに鷲掴みされる。

  「あえっ……えっ」

  うろたえるリョウを尻目に、おむつ越しに股間を指で揉みしだかれる。

  慌てて腰を引くが、宙づりのままびくともしない。

  「しーしー、しーしー」

  クシュクシュ……

  下半身をブラブラさせながら、丸出しのおむつを捕まれる。

  それも同級生の目の前だ。

  恥ずかしさと情けなさで、頬がかあっと熱くなる。

  「うぅ……うぅ……」

  ユウタに促され、尿意もだんだんと増してきた。

  抵抗しようにも力がうまく入らず、体をプルプル震わせ、口をパクパク動かすだけで精一杯だった。

  「しーしー、出来ますよねー」

  クシュクシュ……

  言葉だけでなく、股間も刺激されてしまう。

  ふんわりとした心地よい圧迫感が下半身を包む。

  「いやっ、やだっ……見ん……なぁ……」

  持ち上げられたまま、おむつを触られる。

  唇を真一文字にぎゅっと閉じ、震えるように身悶えることしかできない。

  ユウタにはされるがまま、同級生の前でおむつ丸出しにさられ、お漏らしまでさせられるのだ。

  頭は真っ白になって、視界がじわりとにじみ始める。

  顔を覆いたいが、両腕とも持ち上げられたままだった。

  「しーしー、しーしー」

  クシュッ……クシュッ……

  ユウタの呼び掛けに、じわじわと力が抜けていく。

  子供のようにブラブラさせた足元に、じわりと暖かい感触が募る。

  「あっ……あぅ……」

  慌てて力を入れ直し足を閉じようとするが、おむつに阻まれ、がに股に開いたままにされる。

  クシュッ……クシュッ……

  ユウタの指の感触が、さらに尿意を催す。

  ショロロ……

  くぐもった水音が、朝の静かな部屋に響く。

  まるで捕まれたユウタの手のひらに、直接漏らしているみたいだ。

  「よしよし、良い子ですねー」

  グシ……グシ……

  漏らしている最中のおむつを、また揉まれる。

  「ふぁっ……ううっ……」

  リョウは耳まで真っ赤にしてうつむいた。

  体はだらりと脱力し、持ち上げられたままピクピクと身悶えする。

  ショロ……ショロロロロ……

  吊り上げられたままお漏らしする姿を、部屋中の同級生に見守られている。

  隠すことも出来ず、おむつが膨らんでいく姿も丸出しのままだ。

  「しーしー上手。しーしー上手」

  赤ん坊でもあやすかのように声をかけられる。

  リョウは耳まて真っ赤にして、涙ぐんだ。

  視界に歪む部屋の窓から、朝の眩しい光が差し込み、キラキラと揺れる。

  「うぅ……俺……あぅ……」

  チョロチョロ……

  水音は勢いを弱め、次第に止まった。

  「はぁ……はぁ……」

  湯気が出そうな顔で、荒く肩で息をする。

  おむつ丸出しで同級生に持ち上げられたまま、腕の中で小さく震える。

  「ちゃんと出来ましたねー」

  「うあ……」

  口がパクパクと空を切り、返事が出せないリョウ代わりに、股の間でおむつが情けない音を返した。

  グシュッ……グシュッ……