一行はバスに揺られながら、近くの大学へと案内される。
修学旅行と称してオープンキャンパスの見学に回る、いかにも進学生向けのコースだ。
「ふあぁ……」
リョウは欠伸を噛み殺す。正直なところ、どこも興味が無かった。
進学を諦めている訳ではないが、特進コースが選択するような高偏差値の大学にはおよそ縁が無いだろう。
自分が場違いな場所にいることを痛感するが、それもあってか誰かから気をかけられたりはついぞしなかった。
クシュ……
いつもより気を張っているせいか、おむつが湿っている様子もない。
「……」
ほらみろ、ユウタめ。
俺だってやれば出来るんだっての。
リョウは心のうちでほくそ笑む。
「すみませんね。リョウくん、退屈でしょう?」
人混みから離れて、ユウタがわざわざ声をかけてきた。本音のところ、関わらないでいてくれたほうが助かる。
「ふん。おめーは、見てーんだろ?」
「まあ、いつくか進学候補には考えてますが……」
「じゃあ、気にしねーで見て回ってこいよ」
言いながら、ふんとそっぽを向いた。軽くあしらうつもりが、慮る言い分をしてしまったみたいで、少し居心地が悪い。
その反応を見て、ユウタが表情を崩す。
クシャクシャッ……
何も言わず、手短に頭を撫でられた。
「ふふっ」
それから嬉しそうな顔で、パタパタと見学の列に戻っていった。
「ふんっ」
一人離れた場所で、リョウはまた踏ん反り返る。
他の生徒とも付かず離れずの距離で、修学旅行はつつがなく進行していった。
西日が空を茜色に染める頃、一同は県境を跨ぎ、市街部のホテルへとたどり着いた。
班別行動を取っていた他の同級生たちも集まり始める。
銘々に談笑しながら教員に付いてチェックインを済ませ、リョウたちはあてがわれた部屋へと足を踏み入れる。
「へー、結構広いねー」
ノッポが先陣切って、のしのしと中へ入り込む。
部屋も大きく、備え付けのベッドが4つに、隙間を縫うように簡易ベッドがいくつか設えられている。小さいながらもテーブルと椅子が置かれたリビングスペースもある。
「こっちの旅館は、えーっと、その。ブリティッシュですね」
「洋風だねー。昨日のは旅館って感じで、今日のはホテルって感じー」
「ホテルは旅館じゃないんですか?」
「和風っぽいのがー、旅館」
「ふーむ……」
ユウタは納得がいかない様子でポリポリと頭をかいた。
「まあ、リビングテーブルは助かりますね」
ユウタがニヤニヤ顔でリョウに向き直った。
「な、なんだよ……いつまでも、ガキ扱いすんなよ」
リョウは口を尖らせて睨み返す。
「そうは言っても、朝から一度もおむつチェックしてないですしねー」
「てめっ……」
言い返そうとして、慌てて口を抑えた。部屋の外には他の生徒たちが往来している。
幸い、この部屋の中は今朝と同じ班の連中しかいない。それに、今日は朝から一度も漏らしていないはずだ。
「ふんっ」
鼻を鳴らして、ズボンを手をかける。
シュル……
「ほら、問題ねーだろ」
ユウタの眼前に自らズボンを脱いでおむつを見せつける。どうだと言わんばかりに胸を反らせた。
真っ白な表面に、湿った様子は無い。
「へー。凄いですねー」
ユウタがニヤニヤ顔で手を伸ばしてくる。
口をへの字に曲げながらも、リョウはぐいと腰を突き出しシャツの裾を掴んでへそまで持ち上げる。
下着を見せつけるなんて、まるで子供がふざけているみたいだ。そんな自分の姿を見て、ふと顔が赤くなる。
コンコン!
不意にドアがノックされ、リョウは慌ててシャツを下へ引っ張る。
「おーい! 荷物置いたらすぐに集合だってよー!」
見知らぬ生徒は早口に述べると、すぐに立ち去った。
はーはー……
一瞬のことで思わず飛び退いてしまった。慌ててシャツを引っ張って隠したが、そんな程度でどれだけ下着が隠せていたかは分からない。
ちょっとちびったかも……
リョウは慌てた手つきでズボン持ち上げた。
「忙しないですねー」
ホテルに荷物だけ置いて、足早に部屋を後にした。
一行は白亜の城館を思わせる美しい劇場の前に揃った。
リョウたちの班以外のメンバーも集まり始め、がやがやと学生の一団が集った。リョウが場違いな顔を、ぽかんと空けて見上げる。
「こりゃ、すげーな」
大ホールに入った途端、美しい内装に思わず感嘆の声が漏れた。
修学旅行でわざわざ劇を見るなんてつまらないと思っていたが、非日常溢れる空間を目の当たりにして思わず胸が高鳴った。
「classy……えっと、クラスな? ですねー」
ユウタも隣で声を漏らす。
「なんだそれ?」
「何て言うんでしょう? ハイクラスに相応しいと言うか? 格? ランク?」
「格式があるとか、格調高い、とか?」
「そう、それです。格式がありますね」
「まあ、俺も名前くらいは知ってるし、結構有名な所なんじゃねーか?」
石造りの外観は欧風、イタリアの城を模しているが、内装は日本の洋風、古いイギリス様式で統一されている。
深い赤と白を貴重とした落ち着いた色調で、天井には豪華なシャンデリア。
劇場へと進む列に並びながら、ユウタがふと列を離れ、廊下のカーテンがかかる暗がりへと手を引いた。
「お、おい、どうした?」
「部屋では結局、チェック出来てないですし」
言いながらニヤニヤ顔を浮かべたユウタに、ポンポンと股間を叩かれた。
「てめっ……」
思わず言い返そうと思ったが、慌てて声を落とした。
今は他の班の生徒も合流し、人混みが増えている。自分の下着のことを、これ以上、他人に知られたくはない。
「ほら、チェックして上げますよー」
スルッ
リョウの返答も待たず、ユウタがチャックを開き、ズボンが下ろされる。
「チッ、早くしろよ」
クシュッ……
リョウは言われるでもなく、シャツの裾を持ち上げた。
へそ近くまで覆われた、ふっくらとしたおむつが、露わになる。
ぐいっ
ユウタにおむつのゴムを引っ張られ、内側を覗かれる。
リョウの小さなおちんちんが、ぷるんと柔らかなおむつに包まれている。
「ふむふむ……」
ユウタがおむつを持ち上げ、中をクシュクシュと広げる。
白い吸水部にのっかった股間が、ふるふると左右に揺れる。
クシュ……クシュ……
おむつのゴムは引っ張られたまま、太ももの隙間にも指を入れられ、念入りに中を探られた。
玉の付け根あたりまでゆっくりと指が這わされ、少しこそばゆい。
「……んっ」
リョウは顔を赤くしながら、ピンと直立した。
「すごい。今日は、お漏らししなかったんですね」
クシュクシュとおむつを煽りながら、ユウタが声を上げる。
視線の下にはユウタにゴムを引っ張られてるおむつと、そこにちょこんと乗っかるおちんちんが見える。
吸水部は真っ白のまま、ふっくらと局部を覆っている。
「ま、まーな。俺だってちょっと気をつければ、これくらい……」
シャツを胸まで持ち上げながら、ふんと胸を反らせて鼻息を鳴らす。
そこには若干の誇らしげな雰囲気があった。
「すごい、さすがです」
クシャクシャ……
ユウタに頭を撫でられると、トロンとまぶたが緩む。
いやいや、今日は漏らさない。
リョウは慌てて唇をきゅっと結んだ。
「ほら、チェック済んだだろ?」
「はいはい」
ぱちん……
ユウタが手を放すとゴムが閉まり、股間すっぽりとおむつに包まれた。
「もう、俺のことガキ扱いすんなよ」
リョウは、ギロリと睨みつけながら言った。もともと学校でも、こいつと関わるつもりは無かったんだ。
「そうですね。お漏らししないなら、ちゃんと扱いますよ」
言いながらユウタがズボンを持ち上げる。
いつものように服を着せてもらっているが、いつになく丁寧に制服を整えられた。
「ふんっ……」
二人は適当に時間をずらして、劇場への入場列に加わった。