「な、なんだこれは!?!?」
それは突然の出来事であった。
いつものように、モデルの撮影終わりに帰路に着いていた彼、[[rb:七瀬真人 > ななせ まさと]](26)は、いきなり足元に現れた魔法陣に足を踏み入れてしまったのだ。
「くそっ、動けっ!うぅ……なんでっ、なんで動かないんだよ!?」
真人がどんなにもがいても、足がうんともすんとも動かずに、その魔法陣から抜け出すことはできなかった。
そして、魔法陣が鈍く光り始めたかと思うと、真人の身体の芯から何かじんわりと湧き上がってくる感覚があった。
「あっ……なんだっ、急に身体が熱くなってぇ……」
身を悶えるような火照りに耐え切れずに、真人は身に着けていた衣服を脱ぎ捨てた。
180超えの高身長でスラリとした細身の筋肉質の身体が露わになり、自分自身の意思で行動したとはいえ真人は思わず赤面する。
「うぅ……恥ずかしい……っ!」
パンツまで脱ぐには少し躊躇われたが、それでも早くこの疼きを収めたい一心で全てを脱ぎ去り、遂に全裸になった真人。
そして、その瞬間にまたしても魔法陣が鈍色に発光しだして、今度は真人の身体に変化が起きた。
「!!?こ、これは!?」
真人の腕に、もじゃもじゃと徐々に腕毛が生長していくではないか。
そうしているうちに、ツルツルに手入れしていた皮膚に茶色がかった毛が胸や足などに生えていき、まるで野獣のような風貌になってしまった。
「あぁぁ!!お、俺の身体がぁ!!」
真人は絶望の声を上げた。
しかし、変化はまだ終わらない。
胸板がむくむくと膨らんでいき、乳首が大きくなるにつれて乳房が垂れて、乳頭がぷっくりと肥大し黒ずんでいく。
腹部に贅肉が蓄えられて、腰回りはくびれを失い、大きい立派なビール腹へと変貌を遂げて、尻はムチっと大きくなる。
それは紛れもなく肥満体型の中年男性の肉体であり、背丈も170弱縮んでいて、全身から脂汗が出始め腕と足は胴体が大きくなったのか少し短いずんぐりむっくりな体躯になった。
「い、嫌だっ!やめ、止めてくれえぇーっ!!!」
真人は必死に抵抗するが、無情にも変化は進んでいく。
ブクブクと身体中に脂肪がたっぷりと付き始め、顔つきもどんどん崩れていく。
「あっ、ぶ、ぶごぉ……ぼぉほおおぉ……っ!」
声帯すらも変わり果ててしまい、ガラガラの野太い声になって日頃トリートメントした美しい髪からは大量の髪の毛が落ちてきて薄くなり、鼻息が荒くなり、口元にはよだれが大量に溢れ出す。
「ひぃ、ひっ!ぶうぅぅ……ど、どうじで俺がこんなっ……ぶ、豚なんかにぃ……!」
涙目でそう嘆きながらも、整った顔付きが崩れて、頭部全体に毛が生え始めた。更に、耳の位置がズレたかと思うと、頭上に移動して耳が大きくピンッと変形してしまう。
口元から二本の牙が伸びてくると、ぶごぶごと鼻を鳴らしながら、鼻が大きく突き出し豚特有の鼻の形になっていった。
大きくパッチリとした優しい印象の目は厳つい三白眼に変わり、眉間にシワが出来てしまう。
そして、頬や顎にはぶくぶくに膨れ上がり、鼻の下と顎下には髭がぼうぼうに伸びてきた。
「あっ、ああっ!俺が、俺が……!」
涙を流しながら、自分の変わり果てた姿を見て真人は絶望した。
今まで培ってきた美貌が台無しになり、醜い中年の猪獣人になってしまったのだ。
だが、まだ終わりではない。
魔法陣は鈍く光り続け、今度は真人の股間部分に熱が集中していく。
すると、真人の陰茎が勃起していき、巨大化していくと同時に、その根元にぶら下がる陰嚢がずしりと重くなっていく。
そして、真人の陰茎は皮が完全に剥けて、亀頭が黒ずみ、短くあるものの太く立派に成長していった。
それと同時に、玉袋に精液が溜まっていくことによって、真人の性欲が増大していく。
「や、止めてくれ!こんな場所じゃぁ……!が、我慢できねぇ……っ!」
既に真人には理性などなく、本能のままに行動したいという欲求が脳を支配していた。
そして、真人の中で何かが弾けると、真人は勃起した陰茎を扱き出した。
その瞬間に真人の中から膨大な量の快楽物質が放出され、真人の脳内は快感でいっぱいになった。
「ああっ、すげぇ!気持ちいいぜっ!!」
そう言うと、真人は射精してしまった。
勢いよく出た精子が辺りに飛び散って、真人の身体に付着する。
「ああ……イッちまった……。けど、まだ出したい!全部、出してスッキリしてやるんだぁ……!」
真人の欲望はさらにエスカレートして、今度は乳首と股間を弄くり始めた。
敏感な部位であるそこを刺激すると、真人の身体に電流のようなものが駆け巡り、全身が震える。
「んぁっ、乳首とチンポがビンビンだぁ……」
真人は自らの身体の変化に興奮しながら、ひたすらに乳首を刺激する。
「ああっ、またイキそうだぁ……!出るっ!出るうううぅぅーーっ!!」
真人は全身を大きく仰け反らせると、再び大量の白濁液を放出した。
「ぐ、ぐひひ……っ!まだまだ、足りないぜぇ……!」
涎をダラダラと垂らしながら、汚い笑みを浮かべて呟いた後、自慰行為を続ける。
しかし、いくらやっても満足できず、身体の奥底から湧き上がるような欲求は一向に収まらない。それどころか、より強くなってきている。
「ぶへへ!気持ちいい!!ワシはもっと!もっとぉ!!」
真人は、夢中で自慰行為をし続ける。
幾多の射精と共に、真人の中から今までの記憶が消えていき、代わりに別の中年男性の記憶が上書きされる。
「おほっ!気持ちいい、イ、イクぞっ!!んふぅ~っ!!」
びゅるるるうぅっ!!!
そして〆と言わんばかりの、勢いよく発射された一番濃厚な精子は地面に付着して、白い水溜まりを作った。
着ていた衣服や靴は精子に濡れて、グニクニとひとりでに形、素材を変えて大工用の作業着と足袋になり、パンツは大きなトランクスに変わる。
「ぶひぃ……!ぶごぉ……!」
ようやく満足できたのか、真人は鼻息を荒くして、その場に倒れ込んだ。
すると、魔法陣の光が徐々に弱まり、完全に消えた。
そこには、全裸で横たわる肥満体型の猪獣人が一匹だけが残っていた。
「んっ……んん、ワシは……。」
真人だった猪獣人は目を覚まし、辺りを見回す。
自分が裸であることに気付き、地面を見渡すと大量の精子が飛び散っていた。
「なんじゃあ?ワシは露出オナニーしとったのか?ガッハッハ!!」
何事もなかったかのように、大声で笑いながら起き上り、慣れた手つきで地面に落ちたパンツ、作業着と足袋を履いていく。
そして、猪獣人はぱぁんと腹を叩く。
「さぁて、帰ったら酒をたらふく飲むかのう!」
そう言って、猪獣人は鼻歌交じりにその場を後にした。
――――――
その日から、真人は行方不明として処理され、捜索願いが出されたものの、見つかることはなかった。
それから数日が経ち、真人の事はニュースでも取り上げられなくなり、人々からは忘れ去られていった。
「うし!今日も1日、仕事頑張って気張るぞぅ!!」
だが、真人は未だにこの街で建設現場にいる。
宮大工の猪獣人、[[rb:井ノ本猛 > いのもと たける]](49)としてだが。