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お酒もやっぱりほどほどに

  知らない天井だ。

  ここはどこだろう、まったく心当たりがない。まさか倒れでもして病院に運ばれたのかとよぎったけど、点滴のひとつもぶら下がっていないしそういう感じじゃないな。なにより俺の体から立ち上る男くささと酒のにおい……コレただの二日酔いだろ! 誰んちだよ、ここは!

  そういえば昨日大学の友人と飲みに行った気がする。ということは昨日の夜しこたま飲んで、結果記憶が飛んでしまったのだろう。つまりここは俺を介抱して連れ帰って泊めてくれた誰かの部屋ということになる。いやあ悪いことしたな。図体のでかいくまなんかを介抱させてしまって。重かったろうに。

  ところで俺の右側から寝息とほのかな体温が伝わってくる。きっと俺を介抱してくれた人だろう。早く礼くらい言っておくべきだろう。重い体を起こそうとすると、ある違和感に気づく。

  俺、今パンツ一丁だ。つまり裸だ。

  なんでだよ! 介抱するにしても全部脱がすことないだろ! 誰に脱がされたかによってはかなり恥ずかしいことになる。悪友に脱がされたくらいならまあ仕方ねえなあで済むけどさ。なんにせよ、俺の横で寝ていてかつ俺をパンツ丸出しにしたヤツが誰なのかを確かめねば。

  隣で寝ているヤツの方を見ると、頭から布団を被っているから誰か分からない。仕方ないので布団の中で手を這わせてそいつの体に少し触れる。もふもふした毛皮同士が触れあう。……そっちも裸かよ!

  まあいいか、大学生の飲み会なんて潰れるまで飲まされて、朝起きたらフルチンで折り重なって寝てたなんてことはザラだ。パンツを脱がされなかっただけまだ武士の情けがあるというものだ。

  寝息の主が目を覚ますまで俺も二度寝しようかと思ったけど、不可解な状況に目が冴えてしまってもう一度寝られそうにもない。せめてここが誰の部屋かくらい分からないだろうか。鉛のように重い体をなんとか起こして部屋の中を見回した。ワンルームのいかにも学生の一人暮らしって感じの部屋だ。ふーん、結構綺麗に片付いてるじゃん。などと偉そうに言ってる俺の部屋は万年アバランチなんだけど。

  室内に誰の部屋か特定できるものがないか探していると、布団の中から「うーん」といううなり声が聞こえた。俺はこの声に聞き覚えがある。

  めちゃくちゃ可愛い、俺の大好きなしろくま純平じゃん——

  ままま待ってまって、俺純平と一緒に寝てたの? しかも裸で? ってことは俺純平に脱がされたワケ? こう……純平が俺のベルトを外してズボンを下ろしてパンツ見られて……あああああ! もっとやってじゃなかった超恥ずかしい。しかも今確認したら俺のパンツ、かわいいしろくま柄のビキニだ。くそっ、純平を意識して買ったしろくまパンツをよりによって純平本人に見られてしまうなんて。しかもちょっとエッチな布面積の少ないパンツだ。

  すごくいたたまれない気持であると同時に本能は正直だ。隣に裸の好きな人がいたら股間が反応するのも致し方ないことだ。寝起きだということも相まって、俺のどら息子はパンツからひとり立ちしそうになっている。さすがにはみ出た生チンを純平の前に晒すのははばかられる。不良息子をぐいっと横向きにねじこんでなんとか収めた。

  「ん……」

  純平のほうからなまめかしい声がする。ふわぁとあくびの音が聞こえると、体を起こして純平が目を開けた。

  「…………え?」

  俺と目のあった純平は飛び起きると、とっさに毛布を引っ張って胸を隠した。女子か。

  「わ、輪月くん!?」

  「お、おう」

  「ええ……と、介抱してくれたの?」

  「え? そっちが介抱してくれたんじゃないのか?」

  「……何にも覚えてない」

  「俺も……」

  覚えてないということは、俺らはふたりとも記憶がなくなるほどべろべろに酔っ払って、この部屋の主に介抱されたのだろう。

  辺りを見回した純平の視線は一瞬俺の股間で止まったかと思うと、音速で顔を背けられた。何気なく自分の股間を見る。生地を突き破りそうなテントの先端には透明な液がしみて、しろくま模様が灰くま模様になっている。あああああ! 好きな人に勃起——くらいなら「まあ朝だからね」で済んだものの、思い切り濡れてるところを見られたし! そりゃしょうがないだろ、好きな人が裸で隣に寝てたらそうもなるわ!

  若干凹みながら俺も何気なく純平の純平を見てみると——毛布で隠れていて分からないけど、確かに盛り上がったものが突き上げている。なかなかのデカさだ。

  「ま、まあ朝だからな」

  「う、うん、朝だからね」

  恥ずかしい染みのことは一旦忘れるとして、ひとつ絶対に確認しておかなければいけないことがある。昨日の夜やっちまったかどうかだ。俺は純平に背を向けてベッドのへりに座ると、パンツの中を確認した。……特に違和感はない。ヌルヌルしていたりガビガビしていたりということもない。尿道をスクイーズしてみたけど、さっき出た透明な汁ばかりで特に濁った液が出てくるわけでもない。シリにも違和感はないし、俺が純平に何かしてしまったということはないと思うけど……。

  背後からもゴソゴソ音がする。きっと純平も同じようなことを考えて確認しているのだろう。しばらく俺は純平に背を向けていたけど、パンツのゴムがパツンと鳴る音や股間をゴソゴソとまさぐる音に耳をそばだてていた。案の定、一度は落ちついた息子が怒張する。

  「ね、ねえ、その……何もなかったよね?」

  「え? ああ、そうだな」

  ひとまず安心だ。……いや、本当にそうか? 既成事実が出来ていればいやなんでもないとにかく俺たちの間には股間が気持ちよくなるようなことは何もなかった。

  それよりこの気まずい状況からどうしたらいいんだろう。何事もなかったように服を着て部屋の主の帰りを待つという方法もあるけど、せっかくだからもっと純平と一緒に寝ていたいという思いもある。それができるのなら、引き換えにしっぽの毛を全部剃ってもいい。

  「ええと、どうする? 体調悪かったらもっと寝てていいぜ」

  「そうだね、お言葉に甘えようかな……」

  純平は仰向けになって布団に入った。純平のほうを向いて添い寝したいところだけど、さすがにそれをする勇気はない。今はとりあえず裸の純平が隣で寝ているだけで満足しておこう。

  純平の隣なんてドキドキして眠れないと思っていたけど、しばらくすると今まで感じたことのない安心感につつまれて、俺はいつの間にか眠りに落ちていた。

  どれくらい寝ていたのだろうか。何か腕を軽く触られているような気がする。重いまぶたをうっすら開けると——三十センチもないであろう至近距離に純平の顔がある。そして優しい顔をしながら俺の腕の毛をちょんちょんとつまんでいた。驚いて思わず目を見開く。

  「……!?」

  「あっ! ご、ごめん!」

  俺が驚いた顔をすると、純平は驚いて手を引っ込めた。

  「お、おう、こんなんでよかったらいくらでも……」

  それを聞いた純平は安堵すると、再び俺の毛をつまみ始めた。よくわからんがこの状況、いい感じじゃね? どうでもいい人の毛皮なんて触ろうと思わないだろ? なんにせよ、このチャンスを放っておくほど俺はバカではない。俺も純平の白い毛をつまみ始めた。

  向かい合ってお互いの毛をつまんだり引っ張ったりしてちちくり合う。触り合っていてへんな気持ちにならないわけがない。俺たちはふたりとも明らかに上気した様子で毛をいじり合っていた。

  腕だけでは止まらない。腕の毛をつまんでいた指は顔に移り、胸に移り、腹に移った。純平が嫌がる様子はない。そればかりか潤んだ瞳を向けてくる。これは——イッていいよな? 俺は指を純平のふとももに移した。嫌がるそぶりはない。少しずつ手の位置をずらして内股の毛をさする。相変わらずかわいい目で見つめてくる。ついに「たまたまタマタマに当たりましたよ」的な感じで手の甲が時々タマに当たる位置までずらし、さらにいよいよ手の甲をタマにすりつける。純平はかわいく高い声を漏らす。

  タマを指先で愛撫すると、純平も俺のタマを転がし始めた。その指は裏筋をたどり、俺の亀頭を責めはじめた。俺は野太い声でうめきながら、太くなった純平の棒をさすった。

  「あっ、ん……っ」

  「おぉ……」

  なにこれ、夢なの? そろそろ俺死ぬとかそういう感じ? 好きな人とパンイチで同じ布団に入って、股間をいじっても嫌がらないどころか積極的に触ってくるなんて。

  「……いいか?」

  「うん……」

  いよいよ唇を近づけ——たところで無遠慮にガチャリとドアが開く音がした。俺たちは咄嗟に体を離して顔をドアのほうに向けた。同級生の狐の紺助だ。

  「ななな何でお前ここに居んの!?」

  「何でって、ここは俺の部屋だぞ。酔っ払ってたとこ連れ帰ってやったのに酷い言い草だな」

  「純平の部屋じゃなかったのか……?」

  「ううん、ぼくも輪月くんの部屋だと思ってた……」

  つまり真相はこうだ。飲み会の後、俺と純平は酔っ払ってべろべろだったようだ。放っとくわけにもいかないし、会場に近かった紺助が俺たちを連れ帰ってくれたのだ。ふたりともまだ歩けたのが不幸中の幸いだったということだ。

  「つーか、いい感じっぽかったじゃん。もう少し遅く帰って来りゃよかったな」

  「別にそういうアレじゃねえし!」

  「あれ? 輪月お前、純平とは遊びだったの?」

  「ちっ、違うし!」

  「じゃあ本気だったんだな?」

  「……………………ハイ」

  あーあ、言っちまった。思わぬ形でカミングアウトさせられてしまった。恐る恐る純平のほうを見ると、はにかみながら上目遣いで見つめてくる。

  「そうだなあ、あと一時間ほど買い物に行ってくるかな、うひひ」

  紺助は散々俺たちをからかって部屋を出て行った。残された俺たちはもはや気持ちが筒抜けなワケで、紺助はさっきの続き——というか、もう遠慮無く俺の股間をさすっていた。

  俺はやさしく純平を布団に寝かせると、上に重なった。今度は股間同士をすりつける。怒張する二本の棒をからめながら唇を頬張ると、ぴちゃぴちゃと淫猥な音を立てる。そのまま指を乳首の上に滑らせると、純平は女の子のような嬌声を上げた。

  すりつけ合うパンツの生地のザラザラした抵抗がなくなってきた。ちらりと見ると俺と純平の間にある透明な粘液がバネバと糸を引いている。純平は恥ずかしそうにしているけど、どんどん染みが広がっているから興奮しているようだ。好きな人が俺を求めて興奮してくれていることに高まった俺は純平の両手をがっしりとシーツに押しつけて拘束しながら、身動きできない純平の唇を一方的に奪い、乳首を吸い、股間の上で腰を振って全力で愛撫した。押さえつけられた純平は涙をこぼしながらも恍惚とした表情で胸や股間を突き出し、さらなる快感を求めた。

  やがて純平の喘ぎ声が泣きそうにか細くなる。小さく「もうダメ」と呟くと、純平はシーツを必死でつかみながらイキそうなのをこらえていた。このまま強引に犯してしまいたい。そして大好きな人が射精するところが見たい。

  「あん、やああ、だめ、いっちゃう、いっちゃう! い、いく、イグ、うッ、んあぁあ!」

  純平の顔は快感に歪み、体は痙攣する。股間が波打ち、パンツの中で射精した液が生地の表面に漏れ出してパンツを白く汚した。好きな人の痴態を目の当たりにした俺は最高潮に高まる。純平の出した液を先端に塗りつけ、イッたばかりの純平の棒とこすり合わせた。

  「やああああ、は、はやく! こ、こわれる! 出して、だして!」

  「よし、イクぞ、口あけろよ」

  純平の口が開くと、俺の棒をつっこんだ。純平の舌はぬめぇと絡みつき、俺の精液を求める。

  「じゅんぺえ、出すぞ! 飲め、よ! ぐッ、いぐぅうッ!!」

  「んっ! んぐ……!」

  純平の口角からは飲み込み切れなかった精液がだらだらと垂れた。

  「ただいまー。うわ、イカくさ」

  「お、おう、すまん」

  「ま、くっつけてよかったよ。みんなお前らがニブくてやきもきしてたぜ」

  「え……みんな知ってたのか!?」

  「知らないのはお前らだけだよ。ったく二人揃って俺に『輪月が好きだ』『純平が好きだ』なんて相談してくるんだもんな」

  顔が熱くなる。きっと純平もそうだろう。

  

  「とにかくごちそーさん。次からはエッチな相談もお受けするぜ、いひひ」

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