【skeb】~If_Desire~「真なる操り人形の完成」
冬の寒さが身に沁み始める時期。既に日が落ちた頃、僕はヒーローの仕事を終え、事務所に戻ろうとしていた。
僕の名前は[[rb:立居>たちい]][[rb:臥弘>ふしひろ]]。全身白毛で線の細い鼬獣人の男。正直パッとしない顔立と言われれば否定しようがない、何処までも平々凡々で、ヒーローであることさえ誇れなかった鼬獣人……だった。
不意に、ガラス面に映る自分の顔を見て、足を止めてしまう。そこには、白毛の鼬獣人などいない。焦げ茶の毛に、目元に黒い模様のある、狸獣人の顔。ふっくらとした顔は、痩せこけていた鼬のものとは到底思えない。顔だけじゃない。羽織の上からでも分かるような、恰幅の良い体格で、腹は丸く尻も大きく、睾丸が腫れているのかというくらい大きい。
今は見えない体毛も、焦げ茶に黒の模様があり、白い毛はお腹だけだ。最早それも、自らの面影のはずなのに、真ん丸なお腹を強調しているばかりだ。
事務所の扉を開くと、畳と煙管の臭いが香ってくる。このヒーロー協会S市支部の支部長の趣味で和室に改装された部屋だ。
「おう、帰って来たか」
炬燵に入っている、橙色のちゃんちゃんこを着た狸獣人、このS市支部の支部長、[[rb:狸堂>りどう]][[rb:玄宗>げんそう]]さん。今の僕と同じくふくよかな方で、毛色も茶毛に黒模様と変わらない。喋り方からしてお爺さんに思われてもおかしくはないものの、意外とまだアラフォーらしい。
「狸堂さん、もう仕事は終わったんですから……」
「まぁ良いじゃろう? もう定時は過ぎておるんじゃ、儂の部屋へ行こうではないか」
ただでさえ陰鬱な気持ちが、更に沈み込む。だけど、誘いを断ることも出来ない。立場どうこう以前に、断る言葉を発することも出来ず、事務所から出て行く狸堂さんに着いて行かないことも出来ない。そこに僕の意志はあるようで、無いのだ。
事務所のある二階から、狸堂さんの自宅である部屋へと上がる。一瞬鉄筋のビルの中とは思えないような、土間の玄関から入り、最早見慣れた畳の和室へと入った。ここまで来ると場違いに思えるような、エアコンのスイッチを押した音がする。
「布団を敷いといてくれ」
さも当然のようにそう命じられ、僕は従う気がなくとも身体が勝手に動き、押し入れの中から敷布団を取り出して畳に敷く。大きい布団だから、横幅の広い二人が並んで寝れるだけの大きさがある。
「さてと、では、脱ぐかのう」
狸堂さんはちゃんちゃんこを既に脱いでこの部屋へと入っていて、残っていた着物の帯を解いて脱ぐ。僕も羽織を脱いで着物を脱いでいく。当然風呂に入る時間なんかなかったから、冬場とはいえヒーロースーツを着てヒーローとして戦った後だから、自分でさえ汗臭さを感じる。
上半身、下半身と脱ぎ、赤い褌だけを身に着けている状態になる。大きな睾丸を覆う褌。狸堂さんもまた同じ赤褌一丁の格好になり、僕に迫る。お腹が触れ合い、その僕の腹が揉まれた。
「あっ……」
お腹を揉まれると、変な気分になる。くすぐったさと、少しだけの気持ちよさがあって悪い気分ではない。なくなってしまっている。嫌だと思えれば、どれだけいいか。
僕もまた、狸堂さんのお腹を揉む。張りがあって、大きな手で揉むと心地いい感触がする。そんな趣味無かったのに、分身になって以来ふくよかな身体に興奮するようになってしまった。
分身……僕は、目の前の狸堂さん、ヒーロー、ミラージュ・ニンジャの分身に変えられている。最初はヒーローなのに情けないことに、怖くて戦えない僕の身体を、狸堂さんのディザイア能力で操って貰って、代わりに戦って貰っていたんだけど、ある日僕が被弾を恐れて狸堂さんの力を僕の力で拒絶してしまった。
そうなってはもう、戦えない僕に戻るしかない。その宣告は僕にとってあまりにも重く、その先の提案を受け入れる他なかった。より分身として精度を高めるべく、狸堂さんのような狸獣人の姿に変わるという事を。
それ以来、事あるごとに僕は狸堂さんの分身に姿を変えられ、こうして性行為を強要されている。分身にされた時点で、拒否することさえ出来ない。本当はやりたくないと思っていても、自分でやっていると認識してしまうから、どうしようもない。
「腹は上々じゃのう。ほれ、横になれ」
言われるままに僕は布団に横たわる。ううっ、この後の事を考えると、離れてしまいたいのに、逃げられない。
視界に、赤いものが迫ってくる。大きな陰嚢を包む、赤い褌。狸堂さんが褌を穿いたまま、僕の顔に腰を下ろして来たのだ。わざわざ鼻が玉の裏に来るようにして、しっかりとその臭いを僕の鼻に刷り込んで来る。
冬場とはいえ、一日穿いている褌越しから、湿り気と共に蒸れた臭いが鼻を突く。腹以外も太い狸堂さんに座られると重く圧力が掛かる。無理矢理嗅がされる臭いは確実に悪臭に分類される、汗臭さとチンコ臭いのを足した臭いを、嗅ぎたくなくとも勝手に嗅いでしまう。それを確かに臭いと思いながら、同時に興奮している自分が嫌になる。
重量感が幾分軽くなる。ここから見えはしないけど、狸堂さんが僕の褌の臭いを嗅いでいるからだろう。ヒーローとして交戦している間も下は褌のままだから、普通顔を近付けるのに忌避感を抱く臭いをしているはずだけど、鼻息が更に股間を湿らすのを感じて、狸堂さんがしっかり臭いを堪能しているのが分かる。
「んふぅ、やはり仕事の後は良いもんじゃのう。ここのところ季節柄良い蒸れ具合にならんかったからのう」
確かに、ここのところ出動することもほとんど無かったし、冬場じゃ流石に外を歩いたくらいじゃ汗まみれになったりしなかったから、狸堂さんには物足りなかったようだ。
「さて、臭いばかりも詰まらんじゃろうて。弄ってやろう」
依然僕に股間を嗅がせている状態で、狸堂さんは僕の褌を外して来た。既に皮被りのチンコは皮を被ったまま勃起し、快楽を求める姿勢に入ってしまっている。心の忌避感に対して、身体はむしろその忌避感のあるもので快楽を求めてしまっていた。
「んあっ!」
勃起しても被っているチンコを剥かれ、敏感なチンコが曝け出される。亀頭に狸堂さんの手が当たり、刺激で先走りが零れ出て、その手がより早く動く。気持ちいい。感じたくないけど、身体は素直だ。
「良い反応をするわい。どれどれ」
「んひぃ!」
今度は剥いた状態でチンコを咥えられて、亀頭に舌が当たる。まだ、そんなに弄ってないのに、もう……!
「ああっ!」
狸堂さんの口にビュッと精液を出してしまう。性器自体小さく大して出てはいないけど、気持ち良いのには変わらない。
「もう出したか。まぁええ、まだまだ行けよう」
僕の出した精液を全部飲み込み、それでも止める気はない宣言をされる。とはいえ、玉はまだ張ったままだから、本当にまだまだ出てしまう。
「んひんっ!」
今度は、尻穴を舐められる。目の前から褌は離れて、直接的な臭いと圧力と蒸れから解放されたものの、今度は尻から来る快楽に、もっと声が出てしまう。出したばかりなのにもうチンコは元気になってしまった。
「ふぅ、随分と熟しておるわい。では、儂も早速愉しませて貰おうかのう」
狸堂さんも褌を外し、すぐに僕の尻穴にチンコを当てる。拒否したくても、そんなことは叶わず、ゆっくりと尻穴にチンコが入り込んで来た。
「あひぃ!」
「ふぅむ、良い具合になってきたのう。儂の男根を受け入れるための肉壺として申し分ない!」
パンッ!
ゆっくり、そして一発の重い腰振りが始めた。肉がぶつかり合い、パンパンと音がする度、快楽の波が押し寄せて来る。僕と変わらずお世辞にも巨根とは言えない狸堂さんのチンコが僕の良い所に当たることはないのに、ただ尻穴を太いモノが通り過ぎて擦り刺激するだけで、僕は絶頂してしまう身体にされてしまっている。
「あひっ、ああっ!」
「ふんっ、ふんっ、良い声を上げるわい! 儂も、辛抱堪らん!」
しっかりとチンコを捻じ込まれ、そのまま中に出される。熱い……それに、僕のチンコからも、また精液が出てしまっている。気持ちいい……これが苦痛であれば、もっと拒絶出来るのに……気持ち良い……。
「ふぅ……やはり、お前さんとの性交は良いのう。今日はこれくらいにしておくか」
狸堂さんが手を叩くと、僕の身体を煙が包み、幾分身体が軽くなる。どうやら、分身の狸から鼬にされた……違う、戻されたみたいだ。
身体が軽いような、だけどその身体を支えられるものが貧弱なせいで重いように感じる。お腹にあるザーメンのせいで、重くなってるんだと思いたい。
「ほれ、風呂にして今日は帰るとええ」
僕は重い体をなんとか起こし、狸堂さんの部屋にあるシャワー室に入り、シャワーを浴びて、中出しされた精液を掻き出す。風呂場の鏡に映るのは、少しお腹が出て、顔も膨れている鼬獣人。いつの間にか、この鼬の身体まで肥満気味になって来ている。
溜め息を一つ吐いて、身体を拭いてから服を着替え、疲労と陰鬱な気持ちを抱えながら、僕は帰路に就いた。
---[newpage]
「はぁ……」
あれから数日。今日は休みを貰い、何をするでもなく街を歩いていた。ここのところはヴィラン事件も段々と減って来ていて、いくらかいたはずの悪の組織もすっかり鳴りを潜めてしまっている。ただ、そのどれも壊滅に至っていない。
ふと、ビルのガラスに映る鼬獣人の姿が目に映る。冬場で、なるべくお腹のシルエットの出ないコートを着込み、やつれていてもおかしくないのにむしろ顔も膨れ気味になっている鼬獣人。
そこに映っているのは僕だ。僕の、はずだ。僕のはずだというのに、それが強烈な違和感になってしまっている。鏡写しになっているのに、何処か他人に感じてしまう。だって、狸ではないから。
違う、僕は鼬獣人だ。立居の家は父も母も鼬の家だ。でも、本当に……? この記憶の方が間違っているのでは……? そんな有り得ない疑問が湧き出てしまう始末だ。
「君は……本当に、僕……?」
無意識に言葉が零れる。このまま僕は、狸になってしまうんだろうか……。いっそ、それでもいいのかも知れない。何も出来ない僕に戻ってしまうくらいなら、いっそ、そっちの方が幸せなのかも知れない。
狸の身体の方が、ふくよか……有り体に言えばデブなのに、むしろ身体が軽く感じるほどに力がある。ただ急速に太っただけの鼬は、筋力も無いし、弱い僕より更に酷く感じる存在だ。
何時までもこんな気持ちを引っ張っていては、リフレッシュにならない。ガラスに映る鼬から目を逸らして、何か気晴らししようとカフェに入る。
「……あっ」
そして気付いた時にはパンケーキとジャンボパフェを食べていた。ストレスの発散に暴飲暴食をしているせいで、中途半端に太ってしまったんだ。今までそんなことしたこと無かったのに……それでも少しはストレスがマシになるせいで止められない。
「……」
カフェを出て、不意に、通り過ぎた豚獣人に目を奪われる。冬服の上からでも分かるような立派なお腹……後ろ姿は大きなお尻を揺らし、道幅を取る横幅に魅力を感じる。
「……あぁ……」
まただ……いつの間に、僕はあんなにデブに惹かれるようになってるんだ。それと比べて僕はなんだ……中途半端で、醜い……。
その後何をする気にもなれずに、結局そのまま家に帰り、今日は早めに寝ることにした。
夢を見ていた。今日より足取りが幾分軽い。歩く度に身体の至る部分が僅かに揺れるような感覚。今となっては、そっちの方が普通だったんじゃないかと思うような、そんな感覚だ。
「……」
幼い頃のクラスメイト達が、幼い時のままの姿で何かを話している。昔っから臆病で友達のいなかった僕にとって、それは遠い事のはずだった。でも、何故か僕は今、その輪の中にいる。
今の体型の方が、むしろ幼い頃はイジメられそうなものなのに、皆から話し掛けて来てくれている。そんな事、あっただろうか。
時間が飛んだ。僕は、一人でヒーローとして戦って、首都でそれなりに活躍するヒーローだった。どっしり構えて拒絶の鋼を盾に鎧に攻撃を受けて、しっかり追い詰めて戦い抜く姿。今の戦闘スタイルそのもので、それで成功している。
最初から、僕が間違ってたんだろうか。ちゃんと力が使えていれば、こうはならなかったんだろう。臆病ではなく、自信を持っていれば……。
「……はぁ……」
寝覚めは良くない。また今日も、出勤しないと……。
鏡の中にいる、違和感しかない自分に向き合いながら、身支度を整えて事務所へと向かう。
「おはようございます……」
「おはようさん、フシ坊」
既に狸堂さんは事務所の和室で炬燵に入り、煙管を薫らせていた。最初はどうして喫煙室が無いのかと思ってたけど、もう煙たいとさえ思わなくなってきた。
「ふむ、あまり休暇が効いておらんようじゃのう」
「……すみません」
謝ってしまったけど、謝るようなことだろうか。相手はそもそもの元凶だというのに。
「ふむ……そろそろじゃのう」
「そろそろ……?」
「ああ、そうじゃ」
狸堂さんは大きく煙管を吸い、そして、僕に向けてその煙を吹き掛けて来る。ただのパワハラではない。
「あっ……」
体中がゾワゾワする。手が、腕が、胸が、腹が、足が、尻が、尻尾が、一斉に身体の全体が膨れ上がるような感覚に襲われた。もう、何度も経験して来た、狸への変容。最近太って来て服を変えたのもあって、変化の後に服がきつくなるような感覚がない。
「急にどうしたんです? 出動はないんじゃ……」
「フシ坊、お前さん、随分と暗い顔をしておるじゃろう。それはヒーローとしていかんじゃろう」
「……」
「そこで、じゃ。その辛気臭い顔を卒業させてやろうと思ってのう」
狸堂さんは立ち上がり、僕の前に立つ。僕の手は、いつの間にか自分の服を脱ぎ始めていた。って、こんなこと……!
「ちょっ、まだ勤務中ですよ?!」
「気にせんで良い。お前さんを狸として完成させてやる方が大切じゃ」
「狸として……!?」
悍ましい言葉を聞いても、服を脱ぐのを止められない。言葉通りなら、僕を完全に狸獣人にしてしまおうと言っている。狸堂さんの力でそこまで出来てしまうのかと思うけど、そういう冗談は言わない人だ。
「い、嫌……!」
「何が嫌なんじゃ? お前さんは狸であった方が幸せじゃぞ?」
狸堂さんが触れようとして来るのを、ディザイアの『近寄らないで』という願いだけで拒絶する。既に身体が狸になっていても、直接触れられなければ更に力を使われることはないはず。
「ふぅむ、拒絶するか。しかしてお前さん、しっかり褌までしておるのに、まだ拒絶するんか?」
「こ、これは別に……」
上も下も脱いで、僕は赤い褌一枚の姿になっていた。これは、確かに変えられたわけじゃない。最初は穿いて来いと強要されていた部分もあったけど、今はもう、当然となってしまった。
「ほほう、ではこれでどうじゃ?」
「え、あっ!」
僕が僕自身の手で、胸を揉み始める。狸になって大きくなった胸を揉んでいると、乳首が元気になったところを、今度は乳首を摘まんで弄り始めた。直接性器を触られているわけでもないのに、気持ち良くなっている。
「ほれ、全く足らんじゃろう?」
「あっ、あっ……!」
狸堂さんに触れられることを拒絶したいのに、股間に触れてくる手を拒絶出来ない。褌越しに触られてしまうだけなのに、まだ皮にも包まれているのに、なんでこんなに気持ち良く感じるんだ。
「お前さんはもう、十分その下地を築いて来た。内心では狸であることの方が正常と思って来ておろう」
「そ、そこまで、は……!」
褌を解かれ、チンコを弄られながらそう詰められる。皮を剥かれて、亀頭を触られ、気持ち良くなってすぐびちゃびちゃになってしまう。ダメだ、こんなもので、こんな卑しいもので、抵抗感が消えていく……。
「中途半端に肥えて、醜ささえ覚えるものが、本当の自分じゃと思うのか? 違おう。狸ならば、己の腹に誇りを持てる」
「うっ……あっ……」
あの、肥えた鼬は、確かに醜く思う。太った男性に目が行くようになってしまったのに、それでも自分の姿はそう思ってしまった。あれは、本当の自分じゃない……?
「お前さんは狸じゃ。狸として生きて行くんじゃ。儂の分身、いや、血縁じゃな。離れて暮らしておった甥っ子じゃ」
甥……? 僕が……狸堂さんの、甥? 狸堂さんは、僕の叔父さん……?
「知っておるぞ? お前さん、ふくよかな男が好みなのじゃろう? 何も悩むことは無かろうて」
「ううっ、僕、は……」
チンコを弄られて、頭が真っ白になっていく。何も考えられない。いつもなら、もっと、頭が回るのに、何も……。
「今も儂の男根を求めておろう? 数日交わらんかっただけで、この大玉もすっかり満杯じゃ」
「ひんっ!」
僕の、狸の大きなキンタマを下からポンポンと軽く叩かれ、思わず声が出てしまう。ううっ、出したい。出したくて、仕方ない。でも、出しちゃったら、今度こそ、取り返しが付かないことになるような、そんな気だけはしている。
狸堂さんも、服を脱ぎ褌を脱ぎ、全裸になる。お腹の出た、だらしない姿と言われそうな体格だけど、全身ムチムチでそんな垂れた肉のない、理想的な太り方。その姿に、チンコが反応している。
「ほれほれ、これが欲しいんじゃろう?」
「ううっ……僕、は……」
視界が下がり、狸堂さんのチンコと大きなキンタマが目の前に来る。僕が、しゃがみ込んで四つん這いになって、狸堂さんのチンコの前に顔を出したんだ。心の抵抗が、みるみるうちに削られていく。今までじゃ考えられなかった、のに、僕は……。
「おっ……」
僕は、狸堂さんの股下に、キンタマの裏に鼻を突っ込んでいた。お世辞にも良い臭いとは絶対に言えない、独特の臭さに満ちるその蒸れた場所で、鼻を鳴らしてしまって臭いを嗅いでいる。
「ほっほう、すっかり好き物じゃのう。ええぞええぞ、そうして己を儂の親類と、狸と認めるんじゃ」
そう、か……僕は、狸堂さんと、同じだから……親類なら……狸なら……これも、こんな変態的な嗜好も、間違ってない。おかしくない……。
「おっ……僕、は……狸……?」
「そうじゃとも。もう、醜い鼬に化ける必要などないんじゃよ」
鼬に化ける……ああ、僕は、鼬に化けてたんだ。そっか……変身が下手だから、あんな姿にしかなれなかったんだ。何も上手く行かなかったんだ。
「僕は、狸……」
「ほっほっ、ようやく認められるようになってきたようじゃのう」
狸堂さんは僕の上から退いて、僕の後ろに回る。すぐに、お尻にチンコが当てられる。ああ、今狸堂さんのチンコを受け入れたら、僕は、本当に……。
「ほれ、行くぞ!」
「おほっ!」
すんなり狸堂さんのチンコが入り込み、僕は尻から走る快楽に声が出る。ああ、もう、いいか。こんなに気持ち良くって、良い事ばかりで、拒絶する意味なんて、何処にあるだろうか。むしろ、鼬の姿の方が、今や拒絶したくなる。
「良いぞ良いぞ! さぁ、お前さん自らの言葉で、狸であることを認めるんじゃ!」
「ああ! 僕は、狸獣人、です! お腹が出てて、身体の何処もムチムチな、立派な狸獣人ですぅ!」
「よかろう! ならば精と共に過去を吐き出せい!」
パンッ!
一際強く打ち付けられて、僕の中に狸堂さんのザーメンを注ぎ込まれ、僕のチンポからもザーメンが飛び出る。ああ、気持ちいい……何にも、考えられない……僕は……僕は……?
「ふぅ……これでお前さんは完全な狸じゃ。そうじゃな……フシ坊呼びはそのままとして……フシ坊、お前さんの名は『[[rb:狸原>たぬきはら]][[rb:臥人>ふしひと]]』じゃ。覚えておるか?」
「狸原……臥人……」
あれ、声が、少し太い……。
「そうじゃ。儂の甥っ子じゃな」
「甥っ子……」
狸原……は、ともかく、臥人は、違和感ない。なら、狸原もそうなんだ。空っぽな頭にしっかり染み込んでいく。僕は狸堂さんの甥っ子……なら、狸堂さんは僕の叔父さんだ。叔父さん……。
「叔父さん……?」
「そうじゃぞ、フシ坊。折角じゃ、もっと愉しまんとのう」
「愉しむ……? うん、もっとシたい……!」
まだ、叔父さんのチンポが、僕の尻に留まっている。もっともっと、このパンパンのキンタマからザーメン出したい。
「そうかそうか。そうじゃのう、ならば、少しは大和男児としての言葉遣いを覚えんとのう」
「大和男児として……?」
大和男児……確かに、叔父さんは凄く和風な喋りだから、僕も真似した方がいいんだろうか。けど、それは何か違う気もする。儂はさすがに僕には早いような気がするから……。
「……オイラ?」
「ふぅむ、甥っ子ならば可愛げがあるのも良かろう。どれ、それで名乗ってみぃ」
「おう。オイラ、狸原臥人! 好きなのは叔父上のようなふくよかな男だな!」
叔父さんより叔父上の方がぽいだろ。少しは叔父上の思う大和男児になれそうか?
「ちと童に寄ったが良かろう。後はそうじゃな、ヒーロー名……アーマー・サムライとでもしておくか?」
「アーマー・サムライ! それがオイラのヒーロー名なんだな! これからは、アーマー・サムライとして叔父上のために戦うぞ!」
「ほっほっ、頼もしい限りじゃ! したらばもうちっと愉しむとするか」
「おうよ!」
すぐに叔父上は立ち上がり、俺は畳に寝そべる。正面から腹と腹を当ててチンポを挿れられると思うと、また興奮してきて、チンポが元気になってきた。
「ほれフシ坊、お前さんが欲しいのはなんじゃ?」
「叔父上の太いチンポを、オイラのデカいケツに突っ込んでくれ!」
「よう言った!」
パンッ!
「おおうっ!」
叔父上の太いチンポがまたオイラのケツを貫く。痛くない。ただ気持ちいい。肉厚同士の交わりが、こんなに良いものなんて! あれ? オイラはデブ専なのに、なんで今更? まぁ、いいか。今は叔父上と性交したい。
「お、叔父上、おおっ!」
「ほれ、これも好きじゃろう?」
「おおっ、大好きだ!」
そこらに脱ぎ捨てられていた、叔父上の赤褌が、オイラの鼻に当てられる。ああ、すっげぇ臭ぇ。叔父上が、わざわざ何日も洗わず穿いてくれたんだ。しっかり堪能させて貰うとするぞ。
叔父上が腰を振ってオイラに快楽をくれるおかげで、息荒くなって叔父上の褌の熟した臭いが自然と入ってくる。くせぇ、くせぇ……叔父上のくせぇ臭い、最高……。
「はぁ、はぁ、叔父上、オイラもう……!」
「ええぞ、出せ出せ! 儂も注いじゃろう!」
皮被りのチンポに一瞬ザーメンが溜まり、ドボッとザーメンが出て行く。あー、気持ちいい。気持ち良過ぎる。更に叔父上のザーメンも、オイラの腹にぶちまけられる。叔父上の中出し、気持ち良過ぎる……。
「ふぅ……どうじゃ?」
「オイラ、叔父上とのまぐわい、好きだぞ」
「そうかそうか。お前さんが喜んでくれて、儂は嬉しいぞ」
嬉しい……叔父上が嬉しいなんて、これ以上ない幸せだ。オイラは、叔父上の甥っ子である前に、叔父上の分身なのだ。叔父上の剣であり盾であり肉便器であり、叔父上の為になる事を成すのが、分身の役割なのだ。
「さて、もう少し愉しみたいところじゃが、仕事中じゃし、色々根回しをしたいんでの」
「おう、分かったぞ」
いっぱい、それこそずっと叔父上と交われるなら交わりたいけど、叔父上が望まないならオイラが望むべきではない。オイラは分身。叔父上に従うのは当然の事だ。
「なぁに、お前さんがお前さんとして生きて行くには必要じゃからの。ちと忙しくなるが、それもまた良しじゃ」
こうして、オイラは叔父上の甥っ子、狸原臥人として、第二の人生を歩むことになった。オイラの本当の種族、狸としての人生。今度こそ、オイラは自信を持って生きられるんだ。
---[newpage]
オイラが生まれ変わって、一年が経った。
「ふんっ!」
オイラは刀を振り降ろし、斥力でヴィランを叩き伏せる。
「オイラに勝とうなんぞ、百年早いわ!」
「ぐっ、うぐ……」
所詮目覚めたばかりのヴィランに、今の力を使い熟しているオイラに敵うはずがない。
オイラはヒーロー、アーマード・サムライとして、S市でヒーロー活動をしていた。黒いボディスーツの上から、ディザイア能力によって作り出した、黒い大袖付きの武者甲冑を身に纏い、鞘入りの刀を振るいヴィランを倒している。
今日も一人、目覚めたばかりで暴れていたヴィランを捻じ伏せ、見事事件を解決した。
「良くやった!」
「おう!」
ミラージュ・ニンジャの分身が現れ、オイラの事を褒めてくれた。本当はもっとはしゃぎたい気持ちになるけど、そこは侍として威厳を保つことを優先する。
「手続きはやっておこう。おっ、そうじゃ。夕飯の買い出しも頼むぞ」
「おう! 分かったぞ!」
叔父上がヴィランをさっさと連れて行き、オイラは言われた通りに変身を解いてから晩御飯の材料を買い込むことにする。
思えば一年、色々あった。狸原臥人としての戸籍を貰い、改めてヒーローとしての資格を取り直すべく、手続きをして、S市支部のアルバイトとして経験を積んでいる最中だ。
もう寒い季節だから、晩は鍋にしよう。何鍋にするかなぁ……。
と考えている内に、気付けば沢山買い込んでいた。うーん、これならいっそ、ちゃんこ鍋にしよう。そうしよう。
両手いっぱいの袋に食材を買い込んでから、事務所兼自宅へと戻る。
「おお、おかえり、フシ坊」
「ただいま帰りました、叔父上!」
既に定時を迎えていたから、自宅の方へと帰った。すると、煙草を薫らせる叔父上に迎えて貰える。定時ではあるものの、叔父上はまだ分身で仕事していた。少しボーっとしていたから、分身の方に意識を割いていた様子だ。
ひとまず叔父上の集中を乱さないよう、一人で晩ご飯の準備をする。具材を切って切って切って、鶏ガラ出汁を準備して、大鍋に放り煮込んでいく。それと並行して飯を炊いてと……。
「ふぅ、終わったわい」
「叔父上! こっちもそろそろ終わるぞ!」
「ふむ、ちゃんこか! この腹を保つのに、食いではいるからのう」
そう言い叔父上はオイラの腹ほ後ろからポンポンと軽く叩かれる。オイラも叔父上の腹をさすさす撫でた。あんまりぶくぶくになられて動けないのはダメにしても、やせ細られては良くない。健康的に肥えて貰わなくては。
「叔父上の腹も、保たないとだからな!」
「ほっほっ、そうじゃな! では飯にするかの」
「おう!」
オイラは大鍋を火から上げて、炬燵で鍋を囲む。
「「いただきます」」
二人で鍋を突いて、たっぷりある鍋を白飯片手に平らげていく。自分で作ったにしても、結構美味い。
「美味いもんじゃのう。フシ坊の飯が美味くて、毎日ありがたいわい」
「オイラも、叔父上に食って貰えて幸せだぞ!」
叔父上はオイラの作った飯を美味い美味いと食ってくれて、毎日幸せだ。オイラもいっぱい食べるけど、食いっぷりが気持ちいいしな。
「「ごちそうさまでした!」」
たくさん作ったちゃんこ鍋も、あっという間に完食してしまった。すっかり腹もパンパンだ。そのパンパンの腹を、互いにさすり合ったり、ポンポン叩き合ったりする。性交ほど気持ち良くはなくとも、これはこれでなかなかいい。
「さて、風呂……の前に」
「おふっ……」
叔父上は着物の下をはだけさせて、褌を見せ付けて来る。一日穿いて、汗もたっぷり掻いた後の褌。オイラは堪らずそこに顔を突っ込む。そして、息荒く臭いを吸い込んだ。あ~、叔父上のくっせぇ褌。仕事の後は、やっぱこれだよ。
「お前さんも好き物じゃのう。ほれ代わらんか」
「おおっ……おう、すまねぇ」
名残惜しいが、叔父上がオイラの股間を嗅いでくれるのなら、それだって気分がいい。すんすんと鼻を鳴らして、オイラの褌越しに股間を嗅ぐ叔父上が、愛おしくさえ感じる。こんな良いデブのおっさんがオイラで興奮してくれてるなんて、オイラは幸せ者だ。
「ふぅ、この先も愉しみたいところじゃが、その前に……」
叔父上がオイラから離れ、叔父上の分身が何かを持ってくる。
「ほれ、正式なライセンスが届いたぞ」
「本当か!?」
渡されたのは、ヒーロー協会からの封筒だった。すぐに中を確認すると、本当に『狸原臥人』の正式なヒーローライセンスだ!
「これでお前さんも、正式なヒーローじゃな」
「おう! これで叔父上の為に、たっぷり稼ぐぜ!」
「ほっほっ、頼むぞフシ坊!」
今まで叔父上の為に戦ってきたけど、これからは叔父上の大好きな金も稼げて、もっと叔父上の役に立てる。
オイラは叔父上の分身だ。叔父上の欲望を満たすのが、オイラの存在意義だ。
それが、オイラの幸せだ。