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「あ、ついたのかな…?」
アルマの乗ったエレベーターの扉が開く、アルマは槍を持ってエレベーターを降りると、長い廊下が続く。
「皆と合流する為には進まないと行けないよね…大丈夫かなぁ」
長い廊下には横道も無く、アルマは少し警戒を緩めながらも大きな尾を揺らして進む、すると一際大きな扉が眼の前に立ちはだかるも、その扉には鍵も掛かっていない。
「随分とあっさりしてるけど…うわぁ…」
扉を開いた先にはとてつもなく広いホール、其処にはたくさんのテーブルが並んでおり、その上にはサラダやパスタ、肉料理に魚料理などがずらりと取り揃えられている。
「食堂なのかな?それにしては誰もいないし…あれ、コレって…え、えぇ…」
アルマがあたりを見渡しながら調べるが、料理はどれも作りたてのようで、しかし誰かが居る形跡もない、ふと、アルマが看板に気が付くと、其処には
『全ての料理を食べきれば道は開かれます』と書かれている、奥には扉もあるが、露骨なロックがかけられており、食べる以外に方法は無さそうだ。
「うぅ、余り食べ過ぎたくないんだけどな…」
アルマは女性である、龍ではあるが、女性なのだ、勿論体型には気を使っているのだ、元々龍は食べればそれだけ体型が大きく反映するのだが、アルマはその点でも極めて細い、
理由は勿論、彼女が食生活をしっかりと節制出来ているからなのだ、しかし眼の前に広がる食べ物はそれこそ色々、カロリーの問題もかなりだろう、
だが食べきらないと出られない、それどころかアルマが部屋に入って看板を読んでいた時、彼女の後ろで入ってきた扉まで閉まり、完全に閉じ込められてしまっていた。
「しょ、しょうがない…後でしっかりダイエットすれば何とかなるはず…!」
意を決したアルマは、すぐに脂っこい物を片付ける為に肉料理のテーブルへ向かう、其処にはローストビーフや豚の角煮、チキンソテーにトンカツやロースカツなどが所狭し兎並び、どれも出来たての芳醇な香りで彼女の鼻をくすぐる。
「それじゃあ、いただきます……あっ、美味しい!」
ローストビーフはソースでしっとりと柔らかく、山葵のピリリと来る刺激が口をさっぱりさせ、豚の角煮もトロトロにじっくり煮込まれ、
トンカツやロースカツ、ヒレカツはサクサクした衣と噛めばじゅわっと溢れる肉汁、それを付け合せに取ったキャベツで口直し、
回鍋肉はキャベツやタケノコ、ピーマンなどにも甘辛いタレが絡んで濃厚な味わい、
どれも一級品と言ってもおかしくないような味わいがアルマの口いっぱいに広がり、気が付くとアルマが取った取り皿は綺麗に空になっており、それでもまだ食べられそうな余裕も感じる。
「……はぁ、もうおなかいっぱい…さ、流石にきついよ……何か運動に使えそうなものは無いかな……おや?」
暫く食べ続けていたアルマはふっくらと張って膨れたお腹を手で摩る、引き締まった身体の中で腹部だけがぽっこりと目立ってしまう、アルマはガシャ、ガチャ、と普段の鎧なら出さないような金属音を出しながら少し運動が出来る場所が無いかと探していた時、ある物を見つける
『食べきれないと思ったらお食べください』と書かれたテーブル、其処にはどっさりと盛られたハーブと思われる草。
「うーん、何のハーブなんだろう…見た事ないや、食べればいいのかな?」
アルマは罠かと思ったが、そもそも罠ならこんな物は用意しなくていいはずだ、それに合流する為には食べるしか無さそうだと思い、草を口に入れ、暫く噛んでみる、
口の中に青臭い味と、スーッとするような爽やかさが広がっていき、飲み込むとそのまま身体中に爽やかさが広がるような感覚を感じた、
するとどうだろう、アルマのぽってりと突き出ていたお腹が少しづつ萎み始め、食べる前のようになっているではないか。
「へぇ!このハーブって凄いハーブなのかな、もしかして栽培もしてるのかなぁ、ダイエットにも使えそう…」
クルル…とアルマのお腹から空腹を訴えるような音が響き、アルマはコレを好機と見てそのテーブルの近くに陣取るように取り皿を持ってあちらこちらへ食べ物を取り始めた。
ミルクとクリームが濃厚なクリームシチューや牛肉が口の中で解けるビーフシチュー、ネギや芽ニンニクも鮮やかで絹と木綿の豆腐がひき肉と程好い辛さを際立たせる麻婆豆腐、
何匹も並べられた鯛の煮付けは頭からガブリと、骨が刺さろうが龍の身体には蚊程も痛くない、ほうれん草とキノコのバター炒めにムール貝のバター焼き、
ミートソースにカルボナーラ、トマトクリームやジェノベーゼなどのパスタもフォークでたっぷり巻いてバクリ、
お腹が張ってきたらハーブを口に入れて次の料理を取りにいくのを忘れずに、
皿にたっぷりの御飯とロースカツ、唐揚げにフライドポテト、クリームコロッケなどを乗せてとろりと滑らかなカレーをたっぷりかけ、チーズを上からかけて福神漬けなどを添えてガツガツと食べてゆく、
次第に空になる皿も出てきたが、アルマは大事な事を見落としていた、それはハーブの本来の効能だ。
テーブルに盛られていたハーブ、彼女は痩せ薬のようなものと錯覚していたが、本当の効能は消化吸収と食欲増進、つまり消化を良くし、食べる意欲を高めるのだ、
しかし彼女は、運動をするわけでもなく只管に食べ続けている、消化された栄養を消費できないまま食べ続ければどうなるか。
それは勿論、溜め込むのだ、その身体に、
グググ…ブクッ、と彼女の腹部が萎むと、その足からムチムチと肉が薄く付き始める、
ギチッ、ミシッ…ギュチッ…と着ている鎧の彼方此方から鈍い音が、それは鎧の留め金が彼女の身体に引っ張られる音、
その音に気付いていれば、彼女は落ち着いて自分の身体を確認し、少しでもダイエットをしようと思案できた筈だ、
だが彼女は気付かない、とにかく眼の前の食べ物を食べきろうと考えて、そして龍本来の食欲も手伝ったせいで収まりが効かないのだ。
ドスッ、ドスッと彼女の足取りは鈍重で重厚、面倒になってきたのだろう、大きなトレイからそのまま食べ始めた、
ブチンッ、バツンッと鈍い音が響き、彼女の腰のスカートのような鎧が地面に落ちる、遂に留め金が限界を迎えた音だ、
しかし彼女はそんな事も後回し、今はとにかく脱出の為と食べ物を食べてゆく、
また千切れる音が響く、太い腕から手甲が、遂には胸元の鎧、そして彼女の身体を包む蒼いアンダーウェアが彼女の巨体をパツパツになりながら包んでいるだけになった。
「あぐっ、むぐむぐ……んぅ、きつい……っ!」
もごもごと口に肉じゃがを入れながら、彼女は鎧を太い手で掴むと、グッと引っ張る、ブツンッ、ブチッと鎧が外れ、ブヨンッと大きくなった胸が撓む、
鎧と言う拘束が無くなった彼女の巨体は、アンダーウェアで包まれてはいるが、全身余す所無く丸々と肥え太っていた、そして肉じゃがを飲み干した時、扉が開いた。
「んぐふぅ…げふっ…や、やっと開いた…早く脱出して、何とか痩せないとなぁ…」
大皿を置いたアルマは、ここに入った時とはまるで人が変わったような体系になっていた、
しなやかで細い体型は、でっぷりと肥え太り、足や腕もむちむちと肉付き、太い尾が繋がる尻もむっちりと大きく、
背中まで肉付いた胴体は脇や腹が呼吸に合わせてゆさゆさと揺れ、それに負けじと胸も大きく膨れ、首の肉は辛うじて顎を飲み込む寸前で留まっており、頬は饅頭のようにふっくらと柔らかに張っている。
蒼いアンダーウェアは彼女の汗で少し湿り、パツパツに張って彼女の身体を何とか丸く保っているが、所々に小さな裂け目が見える。
龍としては立派な体型かもしれないが、彼女自身からすれば恥ずかしさの塊だろう。
「うっぷ…やっぱり重いなぁ…はふぅ」
だぷん、どぷん、と大きな身体を弛ませ、大きな尻や腹をたぷん、ぶよんと揺らしながら歩くしかない彼女は何とか槍を持ってエレベーターに乗り込む。
彼女のでっぷりと肥えた巨体も軽々入る大きなエレベーターの奥にある椅子にどっぷりと座ると、エレベーターが上昇を始める、
アルマはふぅふぅと息を切らせながらも、満腹感から少し寝息を立て始めてしまうのだった…
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