【ドラパルト♂】ミイラ取りはミイラになりたい PART2

  きっと俺は水に漂っているのが好きだと思う。水の中にうずくまって、流されるままに漂うのが。やってみたことはないが、絶対いつまでもそうしてられるという確信がなぜかある。俺にはまったく覚えはないが、博識なロトムの言うことには、むかしむかしのいまはむかし、俺は海で暮らしていたんだとさ、その成れの果てが今の俺、へぇ。まあ遺伝子なんて都合のいいもんがあるんだ、そこいらに忘れられた記憶がしぶとい汚れみたいにひっついてるのかもしれない。今度その辺の湖に飛び込んでやってみるか、どうせゴーストだし溺れる心配もない、こういう時ゴーストって得だよな。洗濯機の中とかもいけるな、もみくちゃにされてグチャグチャになる感覚とか結構イケるかもしれない。ロトムの奴にそれとなく頼み込んでみようか。

  なんで俺は水の話を云々してるんだって? 理由なんてないさ、ヤマもオチも意味もない。そもそも、そんなことが問題なんじゃない!

  問題は、どうして、俺がそんな馬鹿げた感慨に浸っているかってことだ。

  うん、そうだ、俺がうっかり胎児みたいな格好で屈んでいるうちに頭が勝手に変な連想を始めたからだ。で、なんで、俺はガラルでもない胎児ポーズを決めてるかというと!

  「ぢゅるじゅるじゅじゅじゅりゅじゅじゅるるるるっ!」

  はい、そうでした、悲報、漢ドラパルト、また一匹で致してしまったのです。ほんと、すんませんでした。三角形の頭を屈めて、三匹目の息子をパクリと美味しくいただいてました。美味しいです。気持ちいいです。もう癖になっています。

  「うぬぬぬぬぬぬぬっ……!」

  気持ちよさが達して、いつものように口の中にどばっと。これもたまらなく癖になっちまった。一度タガが外れると、俺は子どもの時のように、すっかりボンボンに夢中になってしまう。お気に入りの練乳をたっぷりと口に含んでゴクゴクと飲む。白状するが、この瞬間、俺はとんでもなく幸せな気分だ。散々お預けをくらってきた反動ががが。こんなドラパルトに誰がした。

  「はあ……はあっ!………………ふうっ…………くそっ」

  俺がそこから口を離すと、持て余していた息子のドラメシヤたちがフワーッとやってきて、萎えたチンコに残った濃い目のミルクをペロペロと舐め始める。嗚呼、これもいつものことになってしまったよ。反省はしてるんです。懺悔できるものならしたいんです。本当です。嘘ではありません。ウソという鳥だっているんです。本当です。ホントという鳥はいませんがって、誰の詩だっけコレ?……それでも、可愛いコイツらにフェラして抜いてもらうとかそういうのはギリギリの理性を保って、よしてるんです。親として越えてはならない一線はね、しっかりと守ってるんです。近親相姦とか軽々しく書いてたらpixivに投稿なんてできなくなるだろ! キャプションに地雷要素列挙するの怠いんだから、ふざけるな、いい加減にしろ! それだけはわかって! 頼むから許して!

  背後の木の幹に寄りかかって、息子たちの小さな舌の感触にピクピクと震えながら、俺は頭を上げて月を見る。うん、いつもお綺麗ですね。月が綺麗ですね is I LOVE YOU なんてふざけたことを言い出した奴は大人しく名乗り出なさい。その下らねえ言語センスをこの俺に見せつけて want you!! 呪ってやる。

  俺はすっかりヤドキングモードだった。後ろめたさをごまかすために、俺の頭がギュインギュイン回って、胎児ポーズだのなんだのと、あれやこれやと考えてしまうのだ。こんなことしてますけどお、俺は実際は思慮深くて賢明なんすよ?……みたいなことを言い張ろうとしてる。でも、誰に向かって? わかってる。実際は俺自身に言い聞かせてるだけさ。けっ! 穴があったら挿入れたいね! 漢字とかいろいろおかしいって? 知らん知らん!

  「…………あ゛っ」

  とか言ってたら、俺のファルスなファルスがまた勃起してしまった。ぼんやりしているうちに、精液を舐め切った息子たちの舌が、また俺を元気にしてしまったらしい。やべっ、何たる不覚!

  「こらっ、勝手に舐めちゃメ!……って、いつも言ってるでしょうっ……!」

  ぐずる二匹を何とかペニスから引き離して、俺は不可抗力的なため息を吐く。仕方がないから俺はまた頭を垂れてそいつを咥え、一匹ウロボロスになって……ん? この流れ昨日もしたな?……一昨日もそのまた昨日も一昨日も……俺、ループしてね?

  恥ずかしながら、これが毎晩の常だった。あの一夜以降、もう習慣になってしまいました。キャンプを張ってえ、遊んでえ、カレー食ってえ、夜になってえ、クソどもがみんな寝静まったのを見計らってコレですよ。ええ、ええ! 俺は自分で自分を軽蔑もしてます、はい。一応イクメンだし。

  二匹のドラメシヤが寝静まってからすればいいだろって? 出来るもんならそうしたいですよ? でも、ダメなんです。あの子たち、俺の頭の上じゃないと眠らんない性分なんです、マジで。そういえば昔の俺もそうでした。育ての親の頭の上じゃないと落ち着かないのが、ドラメシヤというものなのです。つまり、オナニーまで運命共同体にならざるを得ないんですよね、ドラパルトの一族というものは。けけけっ。半笑いになっちまう。

  こんなことになったのも全部あいつらのせいだ。あいつらが白昼堂々盛ってるから。それをこの俺に見せつけやがったから……これ以上は俺の口からは言わないぞ。あいつらの名前だに言うのが忌々しいんだ実際。リンク貼ってやるから、それでも読んでろ!([[jumpuri: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12647899 > https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12647899]])([[jumpuri: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12687568 > https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12687568]])……え、ハランデイイ? でもまあ、今のコレはアレの続きなので、まずはそちらを先に読んでいただけますと、こちらとしてはありがたいんでございますよ、うん。

  「んんんふうぅっ」

  一際情けない果て声に合わせて、本日二発目の吐精。ひどいオナニー中毒だ。俺の子種が飛び出す寸前の、熱にうなされたような妄想が極まった一地点の気持ちの高まりは言葉にすべくもないが、それだけ後に続く空虚感が増すのだった。萎えたペニスを子どもたちからセーブするようになおも咥えたまま、俺は頭を抱えること頻り。ああ、すげえ死にたい。死は何度死んだって足りないくらいだ。死は救済。一度死んだ奴だからこそ言える言葉さ。ゲームみたいで、すごいだろ?

  だが諧謔を弄んでいたって、哀しさから逃れられるわけじゃない。俺は、とても哀しいんだ。月明かりの下コソコソとオナニーして、てめえの大事な子どもまで堕落させて、それでもやめられないとまらないとくる。雄として、親として、なんてザマだぁ!

  「くうぅぅぅぅぅぅぅぅっ……!」

  情けなくも、男泣きなんてしちまう。しくしく、めそめそ。ドラメシヤたちが心配して、そっと俺の頬に寄り添って、充血した瞳から流れる涙を舐めとる。ああ、なんて健気な息子たちだろう。そして、俺はなんて馬鹿なのだろう。いつまでもこんなことに汲々として、恥ずかしくないのか?

  でも、恥ずかしくないんだろうな。だって、これが毎日のことなんだから。

  かくのごとく、俺は童貞をこじらせていたわけで。恥も外聞も投げ捨てて言っちまえば、俺もあけっぴろげにセックスしてココロもカラダも気持ちよくなりたいんだよ! なんであいつらにできて、俺にできないんだ! 600族だぞ! バトルに出たら強いんだぞお! 言い訳じゃないですけど、こんなオナニー狂いになってるのは、ランクマ出禁になってだいぶ暇してるストレスというのもあるんだよ! 一体、俺が何をしたっていうんだよ! 2ヶ月間俺は何をすればいいってなれば、もちのろん、性欲を持て余すしかないじゃないですか。俺は悪くない。これもみんなウサギとゴリラのせいだ。呪ってやる呪ってやる。

  でも狂おしいほどカラダが求めてるのは否定しようがなかった。俺が思っている以上に、「カラダは正直」なのだ。この言葉だけでムラムラしてしまう。エッチなことしてる最中に、このセリフを口にしたいし、されてみたい。俺、それだけで射精しちまうかも。イっちゃったら早漏とか馬鹿にされながら、種付けプレスとかくらってみたい。で、粗チンだの言われながら死ぬほど搾精されて、最後は、頭真っ白になってアヘ顔ダブルピースとかかましてみるんだ。

  逆に俺が攻める側だったら、クソどものケツを使い物になんないくらい犯してやりたい。キョダイマックスリザードン級のブツをてめえらの肛門、直腸にぶっ刺して、前立腺をコリコリこねくり回して、しまいにゃS字結腸まで突っついてメスイキさせてやる! ついでに勃起したままのチンポを扱きまくって、生き地獄の目に遭わせて、気が済むまで、おもちゃみたいに使い倒してやるからな!

  シチュエーションなんていくらでも思い浮かぶんだこっちは。性欲600族舐めんな。

  いけね。こんなこと考えたら、また抜く羽目になっちまう、やめだ、やめ。ドラメシヤたちはいつの間にか頭の上でスヤスヤと眠ってくれていた。幸せそうな寝息を聞いて、俺もほっとした気分になった。俺も寝なくちゃいけない、と思っておもむろに浮き上がる。

  テントに戻るついでに、げきりんの湖に立ち寄った。水面でなんとなく、俺の顔を見てみる。ク○パひゃくめんそうで遊んでいるみたいに横に引き延ばされたみたいな顔。やたら分厚い目蓋に、吊り目、三白眼。悪人面と言えば悪人面だな。こんな顔に創造したもうたのは誰だあ!……とかいっぺんは叫んでみたくもなる。カワイイとかはよく言われるんですけどね、でもそうじゃないんだ。あいつらの顔が脳裏にチラつく。ああいう、わかりやすくカッコいい見た目してればなあ、勝手にホモとか言い寄ってくんのかなあ。ていうか、俺みたいなポケモンってどういう層に受けんだろ? デブってわけでもないしな、俺。

  そんなことを考えているうちに、夜はどんどん更けていって、ようやくテントで横になる頃には日が昇りかけていましたとさ。おかげで、眠りに落ちる前には叩き起こされて、ひどい気分でガラルのあちこちをマスターと他の連中と一緒にうろきょろしないといけなかった。

  [newpage]

  今日も今日とてノンキにしれっとキャンプを抜け出しておんおんしに行くあいつらを目視にて確認すると、俺はアップを開始する。別に意味はないが、ちんまりとした両腕を振り子のように大きく振って、ふとましい尻尾をバネのように動かしながら屈伸の運動のつもりでいる。いっち、にぃ、さん、しぃ、ごぉ、ろく、しち、はち……

  「なあ」

  すーっと俺が滑りよったのは同じマスターの手持ちであるパッチラゴン。翼竜みたいな上半身に比べて、なんちゃらザウルス的下半身。下半身に比べて上半身が貧弱すぎる。なんというか、いつ見ても、ものすごく形容に困るような見た目をしている。褒めるにしても貶すにしても、ものすごく言葉に慎重にならざるを得ないような。でも、見慣れてくれば親しみやすいもんである。そういう奴同士、惹かれ合うものでもあるのか、うちのメンツの中じゃあ、コイツと一番仲がいい。カレーができるまで暇していた時には、たいがい二匹でたむろしている。

  それにしても。半分にカットされたなんちゃらザウルスのカラダから、そのこじんまりとした上体が飛び出ている姿を見ると、俺はつい壁尻を連想してしまう。うむ、壁尻っていいよな。俺もエンジンシティの路地裏辺りの壁に頭突っ込んで待ってれば、ワンチャンあるかも……? それはそれとしてドラパルトの壁尻と言えばですね……って、今はそんなことはどうでもいいんだっつうの、いちいち脱線するな、俺!

  「ん〜?」

  俺のはちゃめちゃな意識のクソみたいな流れには思いも及ばないであろうパッチラゴンが、のんびりと返事をする。まるで時空が歪むかのようだ。

  「ちょっと、用があってだな。この子たち、お願いしていいか」

  「いいよお、もっちろん!」

  パッチラゴンは爆発するような笑顔で承諾してくれる。ピカチュウみたいな赤くて丸いほっぺたはとてもチャーミングだ。邪念なんてちっとも感じさせないその表情に、俺はほんの少しありし日の自分を取り戻したような気がする。するだけだけど。

  ドラメシヤたちも、すっかりパッチラゴンに懐いている。小さな子どもにとって、こんなに面白い遊び相手はいないだろう。興味津々で、パッチラゴンの姿を不思議そうに眺めて、キャッキャキャッキャ言っていて、とてもカワイイ。これで、夜な夜な親のキャンディ舐めるのが大好きなんですよねとか、口が裂けても言えたもんじゃない。

  「ところでさあ、ドラパルト」

  パッチラゴンが尋ねてくる。

  「最近、結構一匹でどっか行ってること多いけど、どうしたのさあ?」

  俺は一瞬フリーズする。パルスワンでもないのに逆毛立つ皮膚の感覚と共に、全身が反射的に消えかかった。

  「う、うむ」

  もっともな問いかけだということは、俺にもわかっちゃいる。キャンプを離れるのはいいとして、どうして二匹のドラメシヤまで残していく必要があるのか?

  「………………」

  俺は答えに窮していた。こういう時、俺は当意即妙な返事ができない。嘘をつくのも下手だ。だからと言って、黙っていても逆効果なのだ。

  「……あとで、話してもいいか」

  結局、こういうことを訊かれると、俺はこういう返事にならざるを得ない。うん、まったく嘘はついていなかったよな?

  「いいよいいよ、ごめん。でも、ドラパルトと一緒にいるの、結構好きだからさ、ちょっと寂しいなーって思っただけ」

  大砲にでも詰め込まれたみたいな上半身をバタバタさせながら、パッチラゴンは謝った。

  「…………悪い」

  本当に心から悪いと思っているのだ、俺は。二匹のドラメシヤが楽しそうにあいつと遊んでいるのを確かめて、俺はそそくさとキャンプ地を離れた。いろんなものが高鳴っている。いつもの場所へ向かいながら、俺は全身をチカチカと点滅させて、そしてパッと姿を消した。

  [newpage]

  しばらくして、俺は土の中にいた。透明になっていたから、ほとんど水みたいに感じられた。

  「ふーっ!……ふーっ……ああ、気持ちっ」

  「ああっ、あっ、あっ!」

  けっ。いつ聞いても、気持ちよさそうでムカつくな。

  カラダ同士のぶつかり合う音と、息も絶え絶えの喘ぎ声を聞こえると、息継ぎをするつもりで、にゅるりと顔の鈍角を外気に曝す。すると、バックでケツを掘られている雄の、汗ぐっしょりで筋骨たくましい胸板と腹筋、そして硬く勃起したまま揺れている男根が、俺の目と鼻の先にあった。気分はまさにAVのカメラマンといったところだが、実際に間近に接してみると、生々しさは桁が違う。激しく、いやらしく揺れるカラダから飛び散る汗が顔面にかかってきそうだ。残念ながら、実体化していないから、汗は虚しく俺をすり抜け、地べたに撒き散らされるんだったが。

  何を隠そう、漢ドラパルト、こいつらの雄の盛りをまじまじと見物するために、わざわざ一匹でキャンプを抜け出してきているのだ。笑いたいんだったら笑え、俺は笑わないぞ。

  マスターの気まぐれで、キャンプ地がげきりんの湖に変わってからも、たびたび二匹でどこかへ行っていることに、俺はすぐ気づいた。激情に駆られた俺は、すぐさま周辺を捜索した。奴らのハッテン場を見つけるまでに、そう時間はかからなかった。そしたら、ケモノみたいに盛ってるの何の、まあ元々ケモノなんだけど、それにしても、だ。

  奴らがヤッているそれは、俺が初めて目撃してしまった時よりも激しく、煽情的になっていやがった。交尾とかエッチとかセックスとか、そういう言葉が小綺麗に思えてくるくらいだった。

  これはスポーツだ、戦争だ、ポケモンバトルだ。

  業腹なのは確かだったが、つい俺も興奮してしまったのだ。マジで、「カラダは正直」だった。見た途端に、敏感なセンサーのように俺のアレは勃起してしまっていた。最初のうちは、まるで屈強なゴロンダに遭遇したかよわきメッソンみたいに、その場を逃げ出してしまったもんだが、いつの間にやら、怖いもの見たさのような感覚で、何度もその光景を見に行っては、ホモセンサーをビンビンにいきり立たせながら、まんじりと観賞としけこんでいたわけである。

  経験を積んだ玄人の常として、俺は次第に大胆な行動を取るようになっていった。最初は遠目からだったのが、ヒヒダルマさんが転んだ式に、じわじわと距離を詰めていき、そのうち、こいつらがヤッてる最中は完全に自分たちだけの世界、言ってみれば「セックスしないと出られない部屋」に閉じ込められているかのように振る舞ってることを察すると、俺は安心して奴らの激闘ガラル24時に密着するようになったんである。妙に、エロに造詣がございますわね、だって?……まあ、一応童貞だし。照れるぜ。

  おまけに、これを見物するために、俺はこだわりメガネなんか装着しちゃったりして。これぞ「通」ってやつだな! しかもバトルタワー製でっせ。俺自身の実力で掴み取った、いわば強者の証なんだぞ。なんせ「タワーマスター」なんだこちとら。

  それにしてもまあ、こんなに気持ちよさそうに青姦しやがって。ああムカつくムカつく!

  マスターに言いつけて、二匹まとめてポケジョブの「コーナー・ブロスター」送りにしてやろうかと何度衝動的に思ったことか。そんな求人あるのかどうか知らんけど。でもまあ、ケモナーにとっては天国みたいな時代ですし、あるかもわかんないよな、うん。それか、「メタルコート」とかでもいいぞ。ポケモンイケメン枠同士のホモAVなんて需要ありまくりじゃねえ? ヤッてる側も、観る側も、そしてマスターにだってとてつもない金が入ってくるかもしれない。30分でぇ、5万ポケ!……ってか。

  そんな下世話な妄想は置いとくとして、俺はすっかり雄同士の盛りを見物することに熱中してしまっていた。いいぞ、もっとヤれ。俺はためつすがめつ、とみこうみ(とか難儀な言葉使っちゃったりして)、見るのだった。それこそ、目を皿のようにして。透明になった俺はなんだってできるのだ。それに、こいつらは本当に馬鹿だから、ガチでマジで俺の存在に気がつかないのだ、けっ!

  にゅるりと地面から飛び出すと、まずはこいつらの真横に陣取って、じっくりと後背位の営みを眺める。両腕を膝(?)にあたる部分にあてて、いわゆる「カブのポーズ」を取りながらじっくりとお盛んな姿を捉える。腰がくねる、尻が喜ぶ、甲高い声が飛ぶ。ひゅんと宙を切って場所を変え、今度は真っ正面に陣取ってみる。目をぎゅっと瞑って快楽を堪える姿態、しかしそれを我慢できず開けっぴろげになる口、そこからだらしなく垂れる舌、滴る汗とヨダレの混じり合った体液、うーん、241点。ほほう、といかにもな素振りで、俺はこだわりメガネをククイとあげてみたりして。

  だが、一番好きなのは、ガバガバなケツとビンビンなケモチンがパンパンと音を立てながらぶつかり合う結合部を真横という特等席から存分にガン見することだ。血管の浮き出た肉棒を奥まで突っ込まれるたびに、尻の肉が乳のようにタルップルと揺れて小刻みに震えるのは小気味よい。一見、筋肉質でガッチリとしていそうな尻が、まるでユキハミの口のように柔らかいだなんてそそられる。思わず、俺は片手を伸ばして揉むような手つきなんかして、セクハラ野郎かっての。

  タチが興奮余って何度も叩いたせいで、赤らんでいるのも情欲をそそってきやがる。こういうのは、ほんのりと、自然な色合いしてるのが見てて興奮する。皮膚が擦り剥けたり、黒ずんでたりするとドン引きだが。だけど、叩くときはしっかりと叩いてもらわないと困るんだよなあ。それとやみくもに叩くんじゃなくて、ここぞという時にバシッと打ってもらうと、お互い気持ちよくなれると思うんだ。これはギャロップに鞭するのと一緒なのだ。競馬だ競馬、最後の直線、しょうぶどころ。

  そういう意味では、まっ、こいつらは及第点ってとこかな!

  タチの野郎に視線を移そう。この馬鹿野郎である。表情は既に惚けて、伏し目がちになった瞳は、抽送される自分の竿の辺りを見つめているようだ。逞しい筋肉のつき具合は、まあ認めてやろう。角ばった首から肩への流れるような輪郭、くっきりと浮き出て立体感のある胸筋、シックスパックをはっきりと確認できる腹筋、それと外腹斜筋と前鋸筋がしっかりと見えるのも評価したい。まあ、馬鹿とかヤンキーにありがちな体つきだというのは否定しないが、こういう強そうなモブは、盛らせるのには悪くない。世界滅亡の日に、頭がおかしくなって乱行しまくってるのがお似合いだ。

  異国のダンスみたいにくねるように前後する腰つきもまあまあだ。まあ、これ以前に数えきれないほどヤッてんだから、そりゃ腰も慣れっこだろう。両翼の爪で相手の尻を鷲掴みにして、一撃一撃、的確なピストンを決める。

  受けが満足していることは、ねだるように振られる尻の具合でよくわかる。そこに、さっきも語った通り、いい感じのタイミングでこの馬鹿タチ野郎が、思いっきりつばさでしりをうつわけだ。まあ受けのケツのいやらしく波打つこと。雄を捨てた雄って感じで、健気だぞ。ああ、顔突っ込みてえなあ、三角形の顔だとあちこち引っかかるし、なにより奴の尻尾がなかなか邪魔なわけだけどさ。

  仕上げに、ゴーストの特権をかまして、俺は野獣のようにチンポ突き立ててる奴のカラダと重なり合い、目線をちょうど結合部の高さに合わせる。すると、受けの尻穴がようく観察できる。超ハメ撮り視点、あっ、これエロ絵でよく見るヤツじゃん!

  尻尾の付け根にできた窪みにのぞく穴は、挿れられる異物に合わせて自在に伸縮して、しっかりと咥え込んでいるのが、ここからだとようくわかる、わかるぞ。初めてやってみた時は、それこそ古代語がスラスラ読めた時みたいな画期的な喜びを感じたものだ。欲丸出しのアナルが、チュッパチュパと雄棒を受け入れているさまは、ケツがフェラしているという言葉通りの絶景かな。これも、数えきれないほど繰り返された開発のたまものなんだろう。俺はこいつらの尻を本気で心配しているぞ。ついでに言うと、アナルに隣接するスリットから生えでたペニスの裏筋もエロい、291点。

  攻めの腰がいっそう過激に前後する。ああ、もうそんな時間か。周囲のことなんざちっとも気にかけない雄叫びを双方が漏らす。こんなわりかしキャンプから近い場所で、よく俺含めた仲間どもにバレないと思えたな? ああん? こういう無節操なところ、最高にイラつくけど、でもほんの少し羨ましいと思ってしまうのが悔しい。けど、まだ振りが足んねえよなあ、もっと声出せ声、イワンコみたいにワンワン鳴いてみろやあ、エッチしてんだろお、恥ずかしがってんじゃねえよお。と、心の中でクソみたいな野次を飛ばす。メガネだってカチャカチャ言わせている。ケモホモ評論家か俺は。

  で、盛大に快感フィニッシュして、精液を中出しし、ケツに収まりきんなかった分が漏れ出して草地を汚す。おぞましい、自然豊かなガラル地方への深刻な環境汚染だ、現行犯だ現行犯! 俺のとっておきのドラゴンアローで呪ってやる呪ってやる呪ってやる。くっ! 俺はギリギリのところでこらえた。

  その後、こいつらは、大変ホモホモしいことに、ねっとりと長い時間をかけて愛撫をしてから、気怠げにカラダを起こして、二回戦をおっぱじめるか、攻守交代をするのでした。勿論、俺は全てを見ていた、透明な姿で……本当に、なんでこいつら俺の気配に気づきもしないんだろうな?……それはともかく、こいつらが何度ヤろうが、リバしようが、語るべきことは全て語ったから、もう繰り返さないからな。

  そもそも、俺はこんな延々と野郎同士の盛りを実況中継するつもりなんてハナからないっての! 結局はどう言葉をこねくり回したって、出てくるのはおんなじ光景なんだよ! fall guysさ! 醜い争いさ! なあんで俺がいちいち喋んなきゃいけないんだよ!……これでも参照してろ!([[jumpuri: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=13527400 > https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=13527400]])……え、ハランデイイ? またまたあ。これって先の話じゃねえのかとか、そういうのいいんで。呪ってやるぞ。

  でもなんとまあ。こんな理性のカケラもない雄のカラダの無駄遣いを、俺は自分でもひくほど冷静に眺めているんだった。もちろん、とてつもなく興奮はしていた。いいもの見せてもらったとは正直拝みたくなるくらい感謝はしてる。193910点。なんてったって俺もホモだし、童貞だし、グズだし。ただ、興奮があまりにも行きすぎて、オーバーフローを起こしたみたいになって、かえって気持ちは落ち着いてしまったりする。

  生々しいホモセックスを見るだけ見た直後、俺はカラダの中が高鳴って煮えくりかえって、今にもはち切れそうになって、過呼吸寸前になっている。俺はこっそりとその場を離れ、息も絶え絶え、草むらを越えて、げきりんの湖をゆっくりと飛びすぎていくと、なんとか気持ちは次第に落ち着いてくる。

  矛盾していると自分でも思うが、この時俺は、二度と見にいくもんかと思っているのだ。ぶっちゃけ、どんなに興奮させてくれようがセックスなんざ数回見りゃ十分なのだ。あらゆる体位、姿態は目に焼き付けてあるし、喘ぎ声だって脳内再生余裕でした。毎回見に行ってるが、ヤッてることは基本的に変わりゃしねえ。要は、ケツとチンポ、それだけ。心の内で焦がれていたセックスなんてのも、所詮は安っぽいもんだな、とかイキったように考えちまう。所詮は、ポルノですよ、ポルノ! 一時的に感情は高ぶるけど、それで終わりなんじゃボケぇ! イヌヌワンがコロコロしてる動画だとか、どこぞのジムリーダーのポケスタの砂嵐写真と何の違いが、あるって言うんだよおう! 童貞特有の悔し紛れかもわからんけど……俺の顔、もしかしてチーズまみれカレー注文するヤツみたいになってたりしない?

  そりゃあ、よそ様のセックスを笑うのはよくないこととは思いますよ。おまけに、散々に好き勝手批評して、けちょんけちょんにディスっておきながら、懲りずにまた見にきてはおんなじこと繰り返してるドラパルトさんサイドにも大いに問題があると思う。反省しろ反省!……ぐぬぬぬうっ!

  そうさ、そうさ、俺が性懲りもなくあいつらに執着している理由なんて、ただ一つしかありえないのさ。

  [newpage]

  「あああああああああああああああああ! 俺もセックスしてえよおおおおおおおおお!」

  「ど、どうしたんだよドラパルト……」

  その夜、俺はげきりんの湖のほとりにいた。パッチラゴンにも、話があると耳打ちしてここまで来てもらった。昼間、俺は「あとで話す」と言った。これは咄嗟のごまかしみたようなもんで、本気で話すつもりでは言わなかったのだが、俺はもうダメだ。ドガース級カレー食わされた後のような顔で、キャンプへの帰路に就く途中、俺は全てを打ち明ける決心をしたのである。相手は、パーティで一番気の知れたパッチラゴンだ。

  第一声をあげるまでに、随分と時間を要した。湖面に浮かぶ月は大変綺麗だなぁ、と俺は思いながら思って、口をパクパクさせていた。パッチラゴンが不思議そうに首を傾げて見る視線にビクビクしていた。あんまり黙っていたら、告白と勘違いされそうだった。そ、そんなに間違ってはいないけど。頭ん中がぐるぐるしていた。脳内の俺は花畑を駆けずり回りながら、両手にドラメシヤを持って戦闘機ごっこをしていた。敵襲だあ、出逢え出逢えー……いけっ、僕らのドラメシヤ1号・2号!……ほうら急旋回、からの華麗なテクニック、正確な銃撃……敵機次々撃墜、戦功多大なり……勲章をあげよう……あははは、あはははははは……

  そして、先ほどの叫びに戻る。俺は、脳天を撃ち抜かれたように、草地に仰向けに倒れて駄々こねるようにいきなり大声をあげたのである。搭載したドラメシヤたちも思わず飛び出してくる。

  「パッチラゴオン、俺、もうダメだあ……ダメなんだよお……」

  「と、とりあえず落ち着こうよ」

  「無理だあ、俺ぁ、これ以上我慢できないんじゃああああ……」

  「わかったから、わかったから!」

  「ヤリてえよう……ヤリてえよう……!」

  「うん! うん!」

  「助けてくれよお、パッチラごオン……」

  「大丈夫、大丈夫だから!」

  「ああ……このままどこかに消え去っちまいたいんだ、俺ぁ」

  「ダメだよそんなことしちゃ! みんなを悲しませちゃうだろ……」

  「お前は優しいなあ、パッチラゴン」

  「うん、ありがとう……」

  「可愛いなあ、お前は。ナデナデしてやろう」

  「う、うん……」

  「………………………………」

  「ねえ、ドラパルト」

  「………………………………」

  「とりあえず、何があったか、教えて?」

  「………………………………んー」

  「わかったから、わかったから!」

  「ああwwww」

  「……………………っ!」

  「可愛いのうwwww可愛いのうwwww」

  「ドラパルト! ドラパルト!」

  「んんwwww撫で回す以外ありえないwwww」

  「ねえ! ねえって!」

  「愚かなガラルの民よ……ジェイムス・ターナーを讃えよ……6番道路の神を讃えよ……」

  「ちょっと、ちょっと!」

  「う……あ……ああ」

  「ねえ! ドラパルト! ねえったら!」

  「百億の鏡のかけらぁ……小さなともしびぃ……とらわれたぁ、天使の歌声ぇ……」

  「ダメだよ! 戻ってきて、戻ってきてよう!」

  パッチラゴンの決死のめざましビンタで俺はなんとか正気に返ることができた。長い眠りから覚めたように、今さっきまで俺は何を呟いていたのか覚えていなかった。気がつくと、俺の儚いカラダをしかと抱きしめて揺さぶるパッチラゴンのつぶらな瞳。

  「お、俺は今まで何を……」

  「何も言わなくていいよ。オレは、お前のことわかってるつもりだからさ……」

  「あっ」

  俺は天使が目の前をくるくると回っている幻影を見た。これが、大いなる福音ですか。程なくして、それが自分を心配してうろきょろしているドラメシヤということに気がついた。

  「……すまん、取り乱した」

  「うん、よかった。それはそれとして」

  「うむ」

  「話、っていうのは……」

  「そうそうそう、その話なんだがな」

  俺は洗いざらい、パッチラゴンに打ち明けた。事前にのたうちまわっていたせいか、気分はやたら清々していて、頭の中はクリアだった。俺の舌はペラペラと言葉を捲し立てる。俺の生来の性癖、あいつらの関係、恥ずべき俺の行動。ヤケクソ気味だった。自分で喋りながら、その言葉には一切責任は持たないぞとでも言うかのように、俺は他人事感覚で喋る、喋る、喋る。

  「………………」

  「………………」

  「……………………………………」

  「………………………………………………」

  俺たちは黙り合った。不釣り合いな着ぐるみを着せられているみたいなパッチラゴンが、腕を組んで俺の話を理解し、整理しようとしている。

  「うん、やっぱ俺ってクズだよね! わかってました。こんなんでごめんなさいちょっくら死んできますいままでありがとう探さないでください」

  「ちょちょちょちょちょ、ちょっと、ちょっとぉ!」

  パッチラゴンの小さな腕が、俺の丸い背中を必死に掴む。

  「話はだいたいわかったから! 別にそんなこと言われたって、俺は全然気にしないから!」

  俺はジト目をいっそう細めて、パッチラゴンの顔を見つめる。

  「ホントウカ?」

  「本当だよ。だって、親友だろ?」

  「頼む、もう一回言ってくれ」

  「本当! まあ、いきなり言われたらびっくりするけど、ちゃんと教えてくれて、嬉しいよ、オレは」

  気がつくと俺は、パッチラゴンのことをきつく抱きしめていた。ああ〜やっぱ持つべきものは友なんじゃあ〜〜。ドラメシヤたちは、パッチラゴンの下半身のデカい尻尾を滑り台にして遊んでいる。素敵じゃないか! Wouldn’t it be nice? 俺は相棒の背中をポンポンと叩いていた。

  「くうぅぅぅぅぅぅぅぅっ……!」

  麗しい友情に男泣きだ。こんな清々しい涙なんて久しぶりだった。ああ、俺ってまだ泣けたんだな、こんな美しい理由で。ウッウウッウ。

  「あー、よしよし、いい子いい子」

  少しばかり呆れながら、パッチラゴンはその小さな手を俺の背中に回してしきりにさする。仲のいい女の子同士がやるようなこと、俺たちだって可愛いから許されるよな?

  「俺はなあ……俺はなあ……こんなつもりじゃなかったんだ……こんなつもりじゃ……」

  「うんうん」

  「でも、やっぱり逆らえないんだ……カラダがウズウズしちゃって、つい、やっちゃうんだよ……」

  「そうかそうか」

  「だからさ! 俺もセックスしてえんだよおおおおおおおおお!……」

  「ドラパルト! ちょっと、ドラパルト! 危ないから、危ないから!」

  「はぁ……はぁ……」

  俺は一息吐く。でも事実である。刺激の強いもんを見物して、キャンプに戻った夜はそれをオカズにして何度も致してきたわけだが、恐ろしいことに、それだけでは物足りなくなってきたんである。

  「くっ!……ぐぐぐぐっ!……うぐおおおおおおおっ……!」

  衝動は、夜とか関係なく突然来るんである。カレー待ちの間、口開けてぼけっとしている時とか、食後皿洗いをやってる時とかに、俺は全身が仰反るような苦しみを覚えては、悶絶するのだ。ゴーストの柄にもなく、全身から脂汗のようなものがにじんで、鳥肌が立ったようにゾッとする。俺は細い手で上向きのブーメランみたいな胸の模様のついた辺りを掻き毟るように撫でる。太い尻尾がはめ込まれているような股ぐらもしれっと触ってみたりする。

  ああ、これは間違いない、カラダが愛欲を求めてウズウズしているんですね。処方箋はありません、ヤルまでは。クソっ!

  そういう願望は、ぼんやりながらないことはなかったが、最近はあんまり露骨に生理に現れるようになってきていたから、俺も処置に困っていた。それでも、抜くのは深夜というルールは墨守してかろうじて操は保ってきたんだから、凄いだろ、情けねえだけだろとか言わないで。

  「あ、あのさ」

  パッチラゴンが、手を組みながら、気まずそうな顔をして話しかけてくる。

  「正直なところ、オレはお前の気持ちに寄り添うくらいしかできないんだけど……」

  いつもは細く閉じられた目が開かれる。滅多に見せないつぶらな瞳がキラキラと眩しく感じられる。

  「いいよ。オレ、童貞卒業くらいは手伝ってあげるよ!」

  「シェーっ?!」

  俺はガラルにもないポーズを取って、驚いていた。二匹のドラメシヤたちも面白がって手つきだけ真似をしている。

  「シェーっシェシェシェーっ、シェーっシェーっシェシェーっシェ、シェシェ、シェシェーっシェシェーっシェーっ、シェシェ?」

  「ドラパルト、落ち着いて、普通に喋ろ?」

  へ? へ?

  「俺はあまりのことに、それこそ目の前が真っ白になっていた!……同情してくれるだけならまあわかる。だけど、パッチラゴンは俺のそんな馬鹿の馬鹿げた告白を真剣に聞いてくれた上、性処理までしてくれると申し出てきたのだ。正直、俺は素直に喜ぶこともできない。仲がいいとはいえ、こんないい奴をあんな奴らみたいなクソホモの道楽に付き合わせるなんて、さすがに気が引ける……ぐぬぬぬっ。しかし「カラダは正直」だった。俺の第三の息子が、それを聞きつけて地べたに潜むマッギョのようにもう、飛び出して来やがった。こらっ、メっ! メっ!」

  「ドラパルト、逆だよ、逆っ!」

  「……はっ!」

  「そ、それとっ、あの、なんていうか……」

  パッチラゴンの視線は、当然、俺の下半身に引き付けられる。寄って舐めようとしてくる子どもたちを払いのけつつ、俺はいま、まさしく顔面クリムガンであった。自分の雄の性器を他ポケに見せたのは、これがほとんど初めてだった。ヒトがやるみたいに咄嗟に隠そうとしたが、手が小さすぎるし、ペニスも立派過ぎる。

  「す、すごいなあ……やっぱり」

  首を垂れて、まじまじと俺のモノを眺める目つきは、性欲というのとは無縁で、ほとんど無邪気に近かったから、俺は余計に恥ずかしくなってしまうし、それでいっそう勃起もしてしまう。パッチラゴンの奴、見ての通り、上半身と下半身を謎の技術でがっちゃんこして生まれたわけで、そもそも雄なのか雌なのかわかったもんじゃない。「古代では逞しい下半身で無敵だったが、餌の植物を食べ尽くしてしまい、絶滅した」とか図鑑には書かれてあるらしいが、絶対嘘に決まってるだろ! ウカッツ出てこい、6番道路の邪神め、ぶっ呪ってやる!

  パッチラゴンは若干不自由そうに腰を下ろして、俺のいきり勃つ性器に相対する。俺は明後日の方を見ている。自分の不甲斐なさに笑いも出ない。あんなにのたうち回ってセックスしたいと叫んだくせに、いざそういう話になってくると、途端に臆病になっちまう。心の準備がまだ済んでないと言い訳するのも見苦しい。全身がむず痒い。

  「で、オレはナニすればいい?」

  「ふぇっ」

  「いや、なんとなーくは分かるんだけどさ。ドラパルト的にはどうされたいかな、って」

  「う、うむむ」

  ドラメシヤたちは相変わらず、親の男性器にありつこうと俺の手と格闘していた。俺は言い聞かせる。ここで己の気持ちを口にできるかどうかが、童貞と非童貞の境目なのだ、と。あいつらを見てみろ、自分のしたいことして、してもらいたいことしてもらって、幸せそうだったじゃないか。俺だって、俺だって、同じように気持ちよくなりたいし、そうする権利はあるはずだだだ。

  「へっ……へっ……へっ……」

  だけど、それはちゃんと然るべき相手を見つけて、愛情(?)を育んだ上でするべきじゃないのか? これじゃ、マスターに頼んで「コーナー・ブロスター」連れてってもらった方が、誰にとってもいいんじゃないだろうか。初めてをパッチラゴンにしてもらうというのは、お互いにとってダメージになる気がする。2回目だったら別にいいかもしれないけど、初めてはもう一生記憶に残るのだ。それに、今はいいと言ってるこいつだって、後から思い出したら、俺みたいに死にたくなるかもしれない。結局、俺が無茶苦茶に喚いたから、気を利かせてくれているに過ぎないんだ。うん、やっぱり、こんな関係間違ってるよな。

  「や、やっぱり、よすよ、俺……」

  「ドラパルトっ!」

  パッチラゴンの一喝が、俺を微睡んだ思考から呼び覚ます。

  「オレ、お前がこれ以上一匹でくよくよしてるのなんて見てらんないんだよ!」

  両腕が俺のペニスをがっちりと根本から掴んだ。思わず、変な声が出た。

  「それに、オレも、ほんのちょっとだけど、興味あるんだな、こういうの」

  ニコニコとした中に不敵さを感じる笑み。

  「うっ、ぬぬぬぬぬぬぬ!」

  「こういうカラダだから、勝手も何もわかんないけど……ドラパルトだったら、いいかなって思う」

  「ふんーっ、ふんーっ……!!」

  「だからさ、なんでも言ってくれよ、精一杯頑張るから」

  「パッチラゴン、それ以上は言うな、恥ずかしくて、消えちまう」

  ああ、なんていい奴なんだろうなあパッチラゴン。カセキメラだなんてとんでもない、ザシアンとザマゼンタも顔負けの聖獣じゃないか。俺のペニスは最大限に勃っていた。ドラメシヤたちが俺の後ろに回って、労うように肩の辺りを楽しげに叩く。背中を押してくれているみたいだった。よしよし、俺は悪い親なのにな、いい子たちだ。

  「おっ……お願い、します」

  「もっとはっきり言って、ドラパルト」

  「俺のチンコ舐めてください、オナシャス!」

  言った、言ったぞ、俺は言った、言ってしまった、もう知らん!

  「じゃあ、始めよっか」

  パッチラゴンは頷くと、両手を俺の腹にあて、その尖った口で俺のダイマックスをいきなり、全部咥えてしまう。

  「ふぁあああああっ……!!」

  凄いっ、というのがフェラされて最初の感想だった。今までは自分の口でやってきたけど、それとは全然違う。なんだこの温かい感じは。パッチラゴンの舌がねっとりと俺の肉棒に絡む、そのやり方は初めてとはとても思えないくらいに艶かしい。俺は息を飲んだ。

  「あああっ……ああっはああっ……」

  耐えがたい気持ちのよさに、俺は仰け反って夜空を見上げた。空、月、星。子どもたちがぐるぐると円を描きながら宙を浮遊して、俺たちの行為を面白そうに見つめている。目を瞑るとそれだけに、意識がそこに集中してしまって、いよいよたまらなくなってくる。

  「パッチ……ラゴン……っ」

  さっきからぼんやりと感じられていた温かみがなんなのか、わかり始めた。これは、愛されているという実感だ。乱暴でもなく、いい加減でもない舌遣いは、熱っぽくて、一吸いごとに幸せを感じる。今までのそれが孤独すぎたことの反動のせいなのかもしれない。だが、パッチラゴンがしゃぶってくれている間、俺は何も考えなくてよかった。脳裏からはあれだけ俺を狂わせたケモノどもの姿は消えていた。それに、ずっと俺を縛り付けてきた幼い頃の記憶までも、色褪せていく気がした。

  ほんの少しだが、救われたような一瞬だ。

  「んっ……んっ……」

  「んあああっ!……ぎもぢいっ……」

  俺はパッチラゴンの頭を撫でていた。指に絡んでくるトサカの毛をクシャクシャに乱した。一心にフェラを続ける親友に対して、言いようのない感情が噴き出してくる。猛烈に、全霊を込めて、こいつを愛してやりたい。誰かに対してそんなことを考えたのは初めてだ。

  「ああああっ!……うっ……なあっ、パッチラゴン……」

  返事をする代わりに、フェラする口を止めないで両手で軽くお腹をつねる。

  「だ、だだだ、出して、いいか。俺、イキそうだっ」

  いいよ、と言うように、手で軽くお腹を叩いた。

  「ん゛っ」

  意識が飛びそうになるほどの気持ちよさを感じながら、俺は一気にパッチラゴンの口の中に射精した。こいつはぎゅっと口を閉じて、一滴もこぼすまいとする。今度の精液は、いつにも増して量も粘度もあるみたいだった。俺はぐったりしながら、頻りに鳴る喉の音を聞いていた。ヤバイ、という言葉しか出てこなかった。愛し愛されるって、こんなにヤバイことだったのか。俺はそれを何度もガン見してきたつもりだったのに、所詮はニワカだったんだな、と反省していた。

  パッチラゴンがようやく口を離す。強烈だった締め付けから俺の性器が解放される。

  「はあ……ごちそうさまっ」

  まるでダイスープを飲み干したかのように言ってのけるパッチラゴンに、俺はある種の漢気を感じて、なんだか敬服してしまう。……雄だか雌だか知らんけど。

  「だ、大丈夫だったか、その」

  「平気平気、フェラってこんなんなんだ、面白いね」

  「あ、ああ」

  俺は気恥ずかしげに目を逸らす。何もかも初めてのはずなのに、なんだろう、この俺より場数踏んでる感は。こいつが、純粋で、好奇心旺盛なのは重々承知していることなのだが、ここまであっけらかんとされると、もうナイーブの域だ。凄い。俺にはとてもできん。それでいて、すっご〜い、おもしろ〜い、だぞ。もうこいつ生来の才としか言いようがなくなってくる。たかだかフェラ一回でこんなにやかましく心で喋ってる俺が馬鹿らしく思えてくる。くやし〜いっ。

  俺は俺で、射精したばっかだっつうに、またぞろ勃起していた。おきあがりこぼしかお前は。節操無さすぎでは? 早速、子どもたちが群がってくるのを、指でつまみ出す。

  「ごめんな。後でたっぷり遊んでやるからな……」

  俺は、パッチラゴンの手を握って、ぎゅっとこちらへ引き寄せた。不意のことで、あいつは俺の胸元に倒れ込む姿勢になった。

  「あっ……ドラパルト……」

  「すまん、こんなことに付き合わせて」

  「いいんだよ、別に……それで、やっぱり、まだやりたい事、あるんでしょ?」

  「うむ」

  俺はギンギンに滾らせた逸物を指で弾きながら、パッチラゴンの耳元で呟いた。

  「い、挿れてみたい」

  「わかった」

  ごく自然に、俺たちはキスをしてしまっていた。しかも、舌と舌を絡め合う本格的なやつを、呆れるほど長く。このひととき、俺は最高に幸福を感じていたわけだが、一方で、これはあくまでも俺の童貞卒業のための自分勝手でしかないのに、あまりにも、あまりにも都合が良すぎるんじゃないかと、俺は怖くなってきた。

  幸せすぎて、幸せじゃない。幸せってのは、もっと、こう、静かで、落ち着いたものであるべきなんじゃ……?

  そんなことを考えているうちに、パッチラゴンがおもむろに体を横たえた。重厚感のある太腿の間から、ちらりとのぞく下腹に、俺はやられそうになった。童貞ってこんなに殺されやすいものなのか。

  「これでいいのかな」

  「お、お、おう」

  俺は生返事をして、自分のペニスを握りしめた。大丈夫だ、しっかりと勃起している。それから、パッチラゴンの尻尾の付け根に恐る恐る手を伸ばし、穴の位置を確認する。ナマコブシの口のようなヒダを見つけると、俺のカラダははち切れそうになる。この形自体は、何度も見ている。チャンピオンの顔より見た光景。墓場のような安心感。いつもココガラ。でも、直接指を挿れるなんて、当然初めてであるからして、ビクビクものなのであります。そういえば、こいつって電気タイプだったよなー、指入れた途端に感電するとかないよな?

  「…………ふんぬっ」

  かけ声と共に、俺は指を一本挿し込む。肉感あるパッチラゴンの下半身がぴくりと動く。そのまま、くすぐるように指を動かす。ヤバイ。いつまでもやってられそう。しかも面白いことに、弄れば弄るほど、肉壁は広がっていって、ガバガバになった。俺は二本目を挿れた。しばらくして三本目。とうとう指が全部入ってしまった。ガタイが大きいとはいえ、なんつー包容力だ。

  俺はもうそれだけで感激してしまって、頭がぽうっとしてしまってた。あれだけ愛しい子どもたちの姿が目に入らない。パッチラゴンの声も聞こえない。俺という存在が指4本に収斂してしまったみたいだった。ガメノデスを構成しているカメテテのうちの一本みたいな、そんな感じだ。

  どれだけ穴をほじくっていたものやらわからないが、俺はようやく指を抜いた。べったりとまとわりつく愛液(というものなんだろうか?)をそのままかたくなったペニスに塗りたくる。これは、例のAV生鑑賞で培ったテクニックですな、実際やってみると、心なしか感度も増しましになった気がする。さっきから「気」ばっかりしてるけど。

  「ようし……」

  俺はパッチラゴンの耳元に、息を吐きかけるように囁く。

  「挿れるぞっ……!」

  片脚を上げさせて、いっそうアナルが開くようにしたところで、俺はずっと言ってみたかったフレーズの通り、「聖剣を突き刺した」。

  [newpage]

  「……………………」

  「ドラパルト、ドラパルトっ」

  「……………………」

  「ねえ! ねえって!」

  「……………………」

  「力になってあげられなたかったのは、本当にごめんよ」

  「……………………」

  「オレがもっと早く言わなかったのが悪かったんだ」

  「……………………」

  「ドラパルト……!」

  「パッチラゴン、何も言わないでいい。お前は頑張ったよ……頑張ったんだ……」

  俺は目の前が真っ白になっていた。まさしく、文字通りに。

  事実としてはこうだ。俺はパッチラゴンの尻にペニスを挿入したが、イクことができなかった。始めに言っておくが、悪いのはパッチラゴンじゃない。全面的に俺だ。

  腰を振り始めた時に、俺はある違和感に気づいてしまった。あまりにも静か過ぎたのだ。ペニスの立てる水音だけがほとりに響いていた。確かに、パッチラゴンのカラダは俺の腰付きに合わせて、敏感に反応を示していた。セックスをしているという手応えはあったのだ。でも、何かが足りない。

  「ド、ドラパルト」

  パッチラゴンが非常に申し訳なさそうに話しかけてきたのはそんな時だ。

  「今更、すっごく言いにくいんだけどさ」

  それは、あまりにも、わかりきった結論だった。パッチラゴンの上半身は、俺の性技に対して何も感じることができなかったのだ。下半身でいくら感じていたとしても、上半身で悶え、喘ぐことはとうていできやしなかった。その見てくれで、なんとなく想像はつくことだった。そもそも、俺が指を遊ばせた時点で、察するべきだった。でも、童貞を卒業できるという極度の興奮に駆られて、何も気がつかなかったのだ。

  俺たちはなんとかかんとか頑張った。俺は必死に腰を振ったし、パッチラゴンだって精一杯下半身で、悦びを表そうとした。喘ぐことはできなくても、少しでも気持ちよさを伝えようと声をかけた。でも悲しいことに、俺たちのセックスはどんどん不自然なものになっていった。しまいには、俺はこいつの中だというのに、萎えてしまった。気まずかった、同時に、情けなくてならなかった。パッチラゴンのカラダから、この忌々しい粗チンを抜きながら、心の底から死にたい、と思っていた。

  そして、俺は心もカラダも漂白された状態で、げきりんの湖のほとりに佇んでいるのだった。頭上で心配そうに飛び回るドラメシヤたちが、本当に天使に見える。この子たちの手を掴んだら、そのままふわーっ、と空の彼方へ逝けないだろうか?

  「気にしなくていい。パッチラゴン」

  俺は言った。正気も、生気も、性器も、精気も、何もかもが萎えちまってた。萎えちまってる俺自身に対して、一番萎えていた。鬱だ。

  「俺がクズなのがいけないんだからさ。本当はお前に心から感謝しないといけないのに。お前のケツでイケなかったのは、全部俺が悪い。俺は所詮ホモ童貞からは逃れられない、ダストダス以下の、ゴミの中のゴミパルトなのさ……」

  「そっ、そんなことないって!」

  パッチラゴンは頻りに俺の肩を叩いて、励ましてくれる。ドラメシヤたちも笑いながら真似をして、互いの肩を叩き合っている。俺を取り巻く世界は、こんなにも優しい。それなのに俺という奴は! ドラパルトはダメな子! マジダメな子!

  原因は一つしかない。AVの見過ぎ、これに尽きる! あんなのがスタンダードだと思い込んだのがいけない! 童貞のくせに、こだわりばっかりやたらに持ってしまったのは、そのせいに決まってる! こだわりメガネなんか、つける必要、なかったんじゃボケえええェ!

  結局、悪いのはやっぱりあいつらじゃねえか! くそっ、くそっ。やっぱり、教育的指導が必要だな、あのクソホモどもには。俺の頭でじっくり煮込んだとっておきの妄想でたいあたりしてやる。イキ地獄を味わせてやるから、ケツの穴かっぽじって次回作(予定)で神妙に待ってろ! みんなまとめて「コーナー・ブロスター」イキだ!

  だが、いきりたった空想を脳内でまくし立てているうちに、俺は急速に虚しくなっていった。なにもかも、なにもかも。なぜ、俺は死なず、世界は滅んでしまわないのか? ブラックナイトだってあったんだし、この世界、なんでも起こりうるはずじゃあないか。

  「あー、鬱だ、死のう死のうそうしよう俺はもうダメだあ……」

  ふらふらと、俺はげきりんの湖に半身を浸す。絶対に俺は水に漂っているのが好きだと思う。水の中にうずくまって、流されるままに漂うのが。

  「だっ、ダメだよドラパルト」

  パッチラゴンが慌てて俺を引き止める。

  「だって、もう死んでるじゃないか!」

  そういうツッコミはもう、いいから!