変身物ー07_コマとタヌキ

  藪の向こうから、楽しそうに人々の話し声がする。

  夕暮れ時、公園のベンチに座って他愛ない雑談に花を咲かせる高校生が二人。

  買い物帰りの母と子供。居酒屋に向かうサラリーマン達。犬の散歩をする老夫婦。

  皐月の夕暮れは、無事に一日を過ごした喜びからか、行き交う人々はどこか嬉しそうに公園を歩いていく。

  「はぁ・・・はぁ・・・」

  その裏側、木々に隠れてコマはオナニーをしていた。

  学生服をはだけて、ズボンのチャックから固く立ち上がったチンポを懸命にこすっている。

  (人に見られたらおしまいだ・・・)

  心臓がドキドキと強く脈打つ。身体から汗が吹き出し、生え始めの体毛を濡らす。

  コマは興奮していた。

  たぬきからの指示通りに、人の目につかないギリギリの場所でオナニーをする。

  覚えたてのオナニーの快感とあいまって、悪う事をしている罪悪感とバレないという開放感は、コマの真面目な性格とパズルのピースのように噛み合って、その快感を増した。

  コマの変態性は芽生えはじめている。

  「おうおう、すっかり出来上がったようやなぁ」

  雄臭い臭いを漂わせ、草むらから作業着姿の男が現れる。前日朝までコマを犯したタヌキ親父だ。

  「おじさん!早く早くヤろうよ!僕もう我慢できないよ!」

  犬がじゃれつくようにタヌキ親父に飛びつくと、太鼓腹にチンポを押し付けて懇願する。コマの瞳は潤んで、ご褒美を待つ犬のようだ。

  「ええこやなぁ、おっちゃんの命令通りにコックリングつけて、ここでオナニーしとったんやな」

  タヌキ親父の太い手がコマのチンポをワサワサと触り、根本のリングを確認する。

  化け狸御用達のコックリングは、主人の呪力なしでは外すことはできない。つけられた者は、常にチンポを勃起させ、その玉袋に精子を溜め込むことしかできなくなる。

  「玉袋もパンパンやな」

  「あぅぅ」

  玉袋を触られると立っていられない。張り詰めた玉袋は新しい性感帯のように敏感になった。

  「すまんすまん、そいじゃもうちょい静かな所でやろか」

  タヌキ親父が腹を掌で叩くと、太鼓のような音が響く。その音は周囲の空間を歪ませて、コマとタヌキ親父をどこかへ移動させた。

  「さてコマちゃん。ここでオッちゃんとしっぽりしよか」

  そこはビルの工事現場だった。

  四方を高い壁に囲まれて、外の様子をまともに見れないが、雑踏や空気から住宅地のど真ん中のようだ。

  現場で働いていた人々は既に帰ったか飲みに行ったのかわからないが、誰もいない。鉄骨や金属パイプの置かれた現場には、タヌキ親父とコマの二人だけであった。

  「ささ、こっちこい」

  砂利の上にゴザが引かれていた。タヌキ親父はそこに座ると作業着のチャックを開けはじめる。

  ジリジリとチャックが開いていくと、その中から目も眩むような雄の臭いがたちのぼる。

  「ぁぁぁ・・・」

  臭いに誘われてフラフラとコマは、タヌキ親父の元へ近づいていく。着崩れた学ランからチンポを出して歩く姿は、恥も外聞もない。ただタヌキ親父の臭いとその元のチンポを求めて歩く死人のようだ。

  「ほぉーれ。チンポやでぇ。たっぷり味わってや」

  ボロンと出されたチンポは、真っ黒に淫水焼けした極太の包茎。包皮は小籠包のように厚く結ばれている。

  その根本に揺れる玉袋は拳大の稲荷寿司のように鎮座している。

  双方ともに汗と尿とで蒸れていて、酷く臭い。常人なら鼻をつまむような臭いだが、今のコマには魅惑的な臭いだった。

  鼻を近づけ口でそれを咥えると、それだけでコマのチンポが震えた。コックリングが無ければ簡単に射精していだだろう。

  「たっぷりしゃぶってな。おっちゃんのチンポを元気にしてや」

  手で頭を押さえ腰を動かす。口の中で柔らかなチンポが、固く太くなっていく。

  それは太巻きサイズまで大きくなり、コマの口に収まらないサイズにまだ育ったがそれでもまだチンポをしゃぶり続けた。

  閉じた包皮を唾液を良くなじませた舌で開いていく。先日綺麗にした亀頭には既に恥垢が溜まっており、チーズか臭豆腐のように発酵し糸を引く。

  それを昨日教わった通りに舐めとっていく。

  最初は嫌だった。臭くて苦くて吐き気がする。でもいまはそんなに嫌ではなかった。むしろ舐めるたびコマの中で何かがうずく。

  「うまいか?」

  コマは黒ずんだ包皮を丹念にしゃぶった。塩っ辛く小便とザーメンの混じった味と臭いが、脳まで届く。

  神経が痺れ、感覚が鈍くなる。夢でも見ているように曖昧に溶けていく。

  「へへっ、トロンとした顔してしゃぶってよ。かわいいじゃねえか」

  タヌキ親父の肉棒に血が通っていく。

  ぐにゃりとした柔らかいチンポが、その太さを増し、皮が剥け、亀頭が覗く。昨夜舐めとったチンカスかもう溜まっていた。

  その苦味の塊を、コマはキャビアのように舌先で舐めとりゆっくりと飲み込む。

  「おいしい・・・」

  臭い立つ肉棒から口を離し、ただ一言だけ呟くと、既に濡れてほぐされた尻穴をタヌキ親父によく見えるように開いた。

  両脚を左右に大きく開き、その中央で勃起するチンポの下で脈動する尻穴。

  そこはたった一晩で、口を開けチンポを待ち受ける立派な雄マンコに変わり果てていた。

  「おうおう、術の効き目が強すぎたか。わしと同じくれぇに熟した雄マンコだ」

  太い指先を入れるとそこは柔らかく呑み込んだ。熱い肉ひだがキュウキュウと指を締め付け離さない。

  「時間かかる思たけど、これなら移し換えしてもええやろ。よかったな」

  タヌキ親父は誰かに話しかけると、その変身を解いた。

  作業着からはみ出る脂肪たっぷりの腹。ズボンの上からでもわかる巨大な玉袋。下品な笑みを浮かべるタヌキ顔。そして全身を覆うふっくらとした獣毛。

  先ほどの外見から一回り大きくなったその身体はさなが力士のように巨大であった。

  「ふー、やっぱ服がキツいな。全部脱ぐか」

  丸い手が器用に作業着を脱ぐと工事現場に異臭が広がった。

  獣臭、雄臭、ザーメン、尿、汗。

  それらが混ざり発酵し、常人ならば目が痛くなるほどの臭気。

  「アッアッアッ」

  だがコマは、目から涙を流してその暴力的な臭気を楽しんでいた。

  「狼族が嗅いだら気絶するんやけど、コマちゃんは大丈夫みたいやなぁ」

  巨体がコマに覆い被さる。

  まだ、雄マンコにチンポは入れない。

  唇をマズルで塞ぎ、長い舌で口内を蹂躙する。

  桃色の乳首に指をかけ、その先端をコリコリとつまむ。

  筋肉の浮き上がった身体を毛だらけの手で愛撫する。

  タヌキ親父は熟練の手技でコマの身体にある性欲を高めていく。

  「も、もうダメ!はやく!はやく!ちょうだい!」

  「なんや、何がほしいんや」

  「チンポ!タヌキさんのチンポほしい!」

  「わしのチンポ欲しいんか?でもタダではやらへんで?コマちゃんの使てる身体。ワイにも使わせてくれるんやったら、チンポくれたる」

  「え、えっ、でもこの身体は誠の・・・」

  「なんや、チンポいらんのか?」

  「ほしい!チンポほしいよぉ!」

  「なぁに、誠くんにはバレへんようにするさかい。心配せんでええ」

  「ほ、本当?」

  「ああ、ホンマや。ワイの妖術で何とでもなる」

  「じゃ、じゃあいいよ」

  「契約成立や!」

  ズボッと音を立て、タヌキ親父の太短い魔羅がコマの雄マンコを貫いた。

  「あぁ!チンポ!チンポきてる!」

  「おっちゃんのタヌキチンポは一回だけじゃ終わらんからなぁ覚悟しいや」

  パンパンパンとタヌキの腹がコマの身体とぶつかり合う。最初から本気で腰を動かし、ゴリゴリと前立腺と腸の奥を押しつぶす。

  コマの下半身は溶けてしまったように、快感とチンポの熱しか感じる事ができない。

  己のチンポからザーメンでも尿でもない、カウパーが壊れた蛇口のように漏れつづけているのにも気が付かない。

  夢の中のように、快楽だけを感じている。

  「ボーッとしとらんで、コマちゃんも動いてや」

  夢見心地のコマの顔にタヌキ親父の脇が乗せられた。股間とは異なる強烈な臭気。それは気付け薬のようにコマの意識を覚醒させた。

  「んっんっんっ」

  舌で脇を舐め始めた。

  その臭気の主人に奉仕しなければならない。コマの頭はそれだけであった。

  圧倒的な雄のフェロモンは、半端野生動物のようなコマにとって、優劣を決める要素の一つだった。

  もちろん普段の理性が働いていれば、そんなことでは優劣が決まることはない。しかし、タヌキ親父の術にハマり、極度の興奮状態のコマにとっては、無理な話てあった。

  「ほれ、おっちゃんの乳首も吸ってや」

  雄マンコを突き上げられながら、主人の乳を吸うコマに、もはや理性の欠片すら見えはしない。乳飲み児のように命じられたまま、黒ずんだ乳首を吸い上げる。

  「はぁ、気持ちええ。一発だすで」

  軽い掛け声と共にコールタールのように粘性の強い精液がコマの腸内にひりだされた。巨大な狸の金玉から生み出されたザーメンは、ぶりゅぶりゅと太い亀頭からコマの胎内へと移っていく。

  「あ、はぁ、んんっ!」

  大量のザーメンが腹筋の浮き上がる腹を膨らませていく。それらは不思議なことに尻の隙間や口から溢れることなく。コマの身体に吸収され、ボクシングで磨かれたキレのある筋肉にまとわりつき、肥大化させていく。

  腹の中のザーメンが全て吸収されると、コマの身体は全体的に大きく育っていた。

  「もっと、もっとほしぃよぉ」

  栄養を求める本能がコマ昂らせた。目の前のタヌキ親父のザーメンを求めて、乳首をしゃぶり、雄マンコを締め付ける。

  「おお、そんなに締め付けたら二発目もすぐやで」

  呆気なく二発目がコマの中に放たれる。先ほどの量から減ることなく、むしろ増量したザーメンがどぷどぷと中に注ぎ込まれた。

  「んっふぅ」

  こってりとしたザーメンを感じコマは恍惚としていた。腸壁からそれが吸収され、血管から全身を巡り、細胞を変化させていくのを感じる。

  それがたまらなく嬉しいのだ。

  「二発入れただけで、大分変わってしもうたなぁ」

  チンポをハメたまま、コマの身体を地面に置き、その変わり果てた肉体をしげしげと見渡す。

  学ランの上着は、肥育された筋肉と脂肪でボタンがしめられない。肩周りは内側からの肉厚で破れてしまっている。

  学ランの隙間からたわわに揺れる肉と脂肪は、ボクサーではなく柔道家のようだった。

  「ザーメンもっと欲しいよぉ、身体変わるの気持ちいいよぉ」

  身悶えし雄マンコを締め付けて、タヌキ親父にザーメンをねだる。あさましく脂肪を揺らす彼の姿に、かつてのコマの面影はない。

  「ええでええで、たんと食べてな。そんでおっちゃんと1つになろな」

  再び腰が激しく突き動かされる。

  突き抜ける快楽に嬌声をあげ、自らも腰を動かし中をかき混ぜる。

  「チンポ!チンポ!」

  「ええで!ええでぇ!」

  三発目。

  タヌキ親父がコマの中にザーメンを放つたび、骨格が大きく太く、音を立てて変わっていく。

  四発目。

  全身の筋肉が育ち、脂肪が膨れる。背丈は2m近くになり、筋骨隆々の逞しい男に変わる。

  五発目。

  筋肉の上に大量の脂肪がまとわりつく。それは風船のようにぶくぶくと太り、胸は垂れ、腹の肉は丸い月のように膨らみ、出ベソになった。

  六発目。

  顔にも脂肪がつき、骨格も変わった。もはや誰が見ても誠の顔には見えない。

  七発目。

  チンポが縮み太くなる。包皮が伸びて亀頭を完全に包み込む。ご丁寧に太さに合わせてコックリングの大きさも変わった。

  八発目。

  全身の体毛が高校生とは思えないほど生え、節々まで渦のように広がった。

  九発目。

  臭いが変わった。汗と尿とザーメンを混ぜて熟成した濃厚な雄のフェロモン。

  十発目。

  「いよっしゃあ!魂移しの術発動やぁ!」

  ぶくぶくに太って力士のようになったコマの身体に十発目のザーメンが注ぎ込まれる。それはいままでの量の比ではない。

  タヌキ親父の体積そのものがザーメンになって注がれていく。

  「おほぉ!」

  コマに注がれたザーメンは、全て玉袋へと集まっていく。うずらの卵程度だった精巣に、それらが侵入し大きさを作り替えてゆく。

  「んあ!ぐぅぅ!」

  二つの金玉が大きくなっていく。それは鶏卵サイズを超え、握り拳よりも大きく育ち、メロンのようにたわわに実った。

  その重みによって皮は垂るみ、信楽焼きのタヌキのようであった。

  巨大化した精巣は大量のザーメンを生成し、射精を促すがそれは化け狸御用達のコックリングによって阻まれ続ける。

  (イキタイ!イキタイヨ!ザーメン!チンポ!ザーメン!チンポ!)

  内から溢れて焼ききれそうになるコマの精神の隙間に、何かねっとりとした意思が入り込む。

  「いぐぅぅぅ!!」

  タヌキ親父の身体が光に包まれ、その光がコマの中へと移動していく。脂肪と雄臭にまみれた身体に、光は隅々まで行き渡り馴染んでいく。

  (アアァナニカガボクノナカニ)

  (ぐへへ、おっちゃんとひとつになろうなぁ)

  それはコマの精神の隙間にねっとりと絡み侵入し癒着する。

  やがて光が消えると、タヌキ親父の姿は消え、太った若い男がコマの雄マンコにチンポを突っ込んでいた。

  「やっと解放された・・・」

  男はずぼりっと音を立てて、湯気立つチンポを雄マンコから引き抜くと、何処からか学生服を取り出して、着替え始めた。

  「ううぅ、臭いがとれないよ」

  「なははっ、慣れ親しんだワイの臭いなんや。そない邪険にせんといてや」

  コマがムクリと起き上がると、怪しい関西弁で男に話始めた。見た目は若いが、雰囲気は太った体型と相まって先ほどのタヌキ親父と全く同じだ。

  「これで式神契約も終わりだよ。吉兵衛」

  「えぇー、もう芦屋と会えへんの?せっかくワシにも身体があるんやさかい、盛りあってもええんちゃう?」

  誘うように、コマの身体がたっぷりと脂肪のついた両脚を開げ、ザーメンまみれの雄マンコを見せつける。

  芦屋と呼ばれた男は、惚けたようにその肉壺を見つめたが、ハッと我に帰る。

  「も、もうっ!その手には乗らないからね! ――元気でね・・・。」

  ふとましい身体を学ランに詰め込んで、芦屋は工事現場から出て行く。

  コマ、もとい吉兵衛と呼ばれた力士のように太りタヌキのような玉袋を持つ青年は、その後ろ姿に手を振りながら、これからの生活に夢を馳せるのだった。

  「さーて、コマちゃん。これからもっと気持ち良くなろうなぁ」

  語りかける男に答えるように、男の太短いチンポから我慢汁が一筋流れ落ちた。