「だからって、なんで僕のウチにくるのさ」
「ええやんかー、ワイと芦屋の仲やないか」
薄明かりの雲の下。山向こうから鐘の音が聞こえる。昨夜、天狗と戦ったコマと狸の吉兵衛は、巨体をゴム鞠のように弾ませながら、夜を駆けて西へと向かった。
誠の魂は天狗に奪われてしまったが、その肉体はいまだ吉兵衛が支配し、いまも肥大化した肉体をコマと吉兵衛の依代としている。
そんな彼らが向かったのは、盆地にある古来からの歴史が深いとある街であった。碁盤上に区切られたその街を見下ろす山々の一つ。森の中に隠れるようにしてその邸宅はある。
昭和初期に建てられた木造建築の邸宅は広大で。その半分が寺院になっているほどだ。しかし、そこにはたった1人しか住んでいない。若き陰陽師、芦屋善治である。
「いやぁ、身体があるっちゅうのも考えもんやな。雨風しのげるとこやないと壊れてしまうやろ?」
「じゃあ依代の家にでも帰ればいいじゃないか」
「あない天狗のおる所になんか帰れるかい。なぁしばらくええやろ?」
どこで手に入れたのか、吉兵衛は古風な学生服に身を包み、バンカラのような装いだった。だがその身は大きく肥えていて、大きく前を開いた学ランの上着から垂れた胸と突き出した腹、そして獣のような体毛を晒している。
「なんでそんな服装なんだよ」
「好きかなぁおもて」
対して芦屋は大正時代の書生のような和服姿であった。ぽっちゃりした身体に藍色の着物を身につけ、それに合わせるように群青の袴を履いている。
二人は広い座敷で向かい合っていた。
「ほらほら、ウチらの仲やないかぁ。せっかくこんな若い肉があるんやから、ちょいとくらい芦屋も触ってみい」
太った身体を芦屋に擦り付け、丸々とした手を袴の上に滑らせていく。巨体を押し付けられ、芦屋はそのまま畳に押し倒されそうになった。
「その手は効かないぞ。僕はもうお前とは契約してないんだ。言うことを聞く必要もない」
「殺生なー、こんな小さい子供を追い出すなんて」
そう言って、古狸は手のひらを広げた。淡い光の玉がふわりと浮かぶ。
よく見るとそれは小さな狸の形をしている。コマの魂だ。吉兵衛は眷属に変えた人間に無理矢理コマの柔らかな魂を憑依させ、その形を狼から狸へと変えてしまっていた。
そんな幼い毛玉のような魂は昨夜の出来事に疲れ果てたのか、静かに眠り続けていた。
「お前、まだ幼いとはいえ古の憑神も虜にしてるのか。どれだけ欲深いんだよ」
「だってコマちゃん可愛いらしゅーてなー。まるで小さい頃の芦屋みたいでなぁ」
にやにやと笑みを浮かべ、その手のひらを魂ごと芦屋の身体に擦り付ける。コマの魂が芦屋の身体に入り込む。
「んうっ」
芦屋の身体が総毛立つ。豊満な脂肪が波打ち、無毛の身体に産毛が生え始める。
長い間、吉兵衛と契約していた芦屋の身体は狸化に慣れきっており、狸となったコマの魂を憑依されたことで発生した狸化の進行は早かった。
「ぬふっ、この身体でぎょーさん可愛がってやるさかいな」
誠から奪い取りデブ化させたその身体を揺らし、古狸は笑みを浮かべた。既に巨大な玉袋はこれから始まる卑猥な行為にむけて脈動し、ムラムラがはち切れそうになっている。
吉兵衛の興奮とともに、芦屋の顔が前に伸び、鼻が黒光りし獣へと変わっていく。茶色の毛が草原のように全身に生え、その大きな尻から狸の尻尾が生え始める。
「あっ、あぁ・・・いやだぁ」
芦屋が変わりゆく口から絞り出した声は地を這う虫のように広がる。もはや人語をうまく話すことができない。
「あぁぉ、おおぅ、おおぉん」
ケダモノのように吠えながら、その顔からマズルが伸びて狸のような丸顔に・・・なるはずであった。
マズルはさらに伸びて行き、口端から鋭い牙がのぞく。
耳は三角に尖り、頭頂へと移動した。
「グルルルっ」
およそタヌキとは思えぬ低い唸り声が聞こえてきた。それは怒りに震え、今にも飛び掛からんと吉兵衛を睨みつける。
「こらあかん、コマちゃんの魂にはまだ狼がおったようや」
茶色の体毛が銀色に変わっていく。贅肉に揺れていた身体が鎧のような筋肉に覆われていく。
尻から生えた丸い尻尾は、流星のように美しい尾に変わった。
「オォォォォン!」
吉兵衛を遠吠えが射抜く。魔を祓い、場を清める破邪の獣声である。
「ひええっ!」
さしもの吉兵衛も堪らず逃げ出してしまった。齢数千年を生きた大狸も、大神の鳴き声には逃げるしかない。
「うぅん」
渾身の力を込めた咆哮を放つと、狼は倒れた。その姿は元の芦屋の身体に戻っている。
「あれ、なんかへん?」
その身体にはコマの魂を残し、吉兵衛は逃げ去っていた。芦屋とコマ、二人の奇妙な同居が始まる。
有象無象魑魅魍魎。百花繚乱三千世界。
人の欲の果てぬことはなし
月のない夜であった。
作業着を着た大男が寂れた住宅地をトロトロと歩いている。
男はだいぶ酔っていた。入れ込んでいるホステスの女の喜ぶ顔が見たくて、ついつい高い酒を何度も頼んでは飲み干してしまったのだ。おかげで財布には電車代すらなくなって、普段は使わない人気のない道を歩く羽目になった。
フラフラと良い気分で歩いていると、何やら女の泣く声が聞こえてきた。既に終電もなく人気も途絶えた深夜である。そんな時分に聞こえてくる女の泣き声はなんとも不気味であった。
しかもその声は、男が道を進むほど大きくなっていく。
彼が歩いている道は民家に挟まれ真っ直ぐ続いている。しばらくは別れ道などなさそうだ。
一瞬、後戻りすることも考えたが、この先の民家の窓が空いていて、そこから声が漏れているだけかもしれない。そう考えると、後戻りするのも面倒に感じ、男は恐る恐る道を歩いていく。
「ううっ、ううぅ」
女がいた。
道に座り込み長い髪がアスファルトに垂れている。
顔は見えない。黒い髪がすだれのように顔を隠している。
絶対に近づきたくはない。
しかし、その女の着ている服が先程まで一緒にいたホステスの女のものと全く同じだったのだ。
記憶違いか、似ている服か、と思ったが男が贈ったブレスレットまで身につけている。
「お、おい、どうした?」
男はつい話しかけてしまった。
女の泣き声がピタリと止む。うつむいていた頭がゆっくりと男の方へと向く。
「ひっ」
その顔はのっぺりとしていた。目も鼻も口もなく。ただ肉の肌だけがある。作り物ではない。青白い血管や肌のシワは生きているように脈動し、目のない顔は明らかに男を捕らえていた。
「あ゛あ゛っ」
女が口もないのに声を出し、男に手を伸ばす。さしもの大男もこれには耐えられず、来た道を脱兎のごとく引き返した。
男は必死に走り住宅地を抜けようとしたが、なかなか道が終わらない。真っ直ぐな道と明かりの消えた家々が続く。
しかし、そんなことを不信に思うほど男には余裕がない。とにかくあの化け物から逃げなければと走り続ける。
いくらか走ると、前に自転車に乗る警察官がいた。中肉中背の丸い背中をこちらに向けて、自転車を漕いでいる。
一本道を引き返して、同じ方向へ向かう警察官がいることは不自然なのだが男はそんなことに気づくはずもない。
「お、おまわりさん! 助けてくれ! 向こうに変な化け物が!」
男は大声で警察官を呼び止めた。自転車が止まり、男は警察官に追いつく。
警察官は自転車を降りながら背中越しに話しかけた。
「化け物ですか。あなた随分と酔ってるようですが本当に見たんですか?」
「本当だとも! 顔がない化け物がいたんだ!」
「ほう、それはこんな顔でしたかな?」
警察官が振り向いた。立派な警帽の下はのっぺりとしていた。目もなく、鼻もなく、口もない。老齢な丸顔には弛んだ肉しかついていない。
「ぎゃあ!」
男は叫び声をあげて意識を手放す。
「おっとっと、蕎麦屋じゃないんでね。私のお楽しみはここからなんだから、気絶してもらっちゃあ困るよ」
警察官は倒れそうになる男を抱き止めると、気を失った男の額に手を入れた。それは泥のように男に入り込み、中から黒い飴玉のようなものを取り出して、自ら飲み込んでしまった。
「ほら、起きろ。あんたガタイは良いのに随分とビビりだねえ」
頬を叩かれて男は目を覚ました。
目の前には先程ののっぺり顔の警察官。男はまた叫び声を上げそうになるが不思議と恐怖を感じない。
「あんたから『恐怖心』をいただいたからね」
中年の警察官はそう言うと、男の頭にまた手を入れる。『恐怖心』の無くなった男は、自分の頭に手が入っていることを怖くはなかったが、見知らぬ化け物に頭の中をいじられるのに抵抗感があった。なので、その手を振り払おうとしたが、スッとその気持ちが消えてしまう。
それと同じくして、警察官は男の頭から手を抜いた。その指には茶色の飴玉が掴まれている。
「これは『抵抗心』。あんたはいま、誰が何をしようとも抵抗しようなんて思わない」
警察官が男の強張った胸を揉みしだく。作業着越しでも筋肉の隆起が見える胸筋を、女の胸でも揉むように、いやらしく捏ね回される。
男は気持ち悪いと思った。しかし、その手を払い除けようと思えない。嫌だ。嫌だが、抵抗できない。
「ふっ、私好みの良い肉だ。今夜は楽しめそうだ」
そう言って、警察官は丸い肉だけの顔を男の顔にこすりつけた。
それは口さえあれば、接吻のようにみえただろう。しかしそうはならず、肉の塊が男の顔を埋め尽くしてしまう。
「ん、んんんんんっ」
男は苦しくそうに悶えるがやはり抵抗はしない。肉の塊が己の顔をまさぐるまま、その息苦しさに耐えるだけであった。
「ふう、いただいたぞ」
警察官の顔がようやく離れた。呆然とした男が彼を見つめると、その顔には毎朝鏡に映る己の顔があった。
身体は中年の警察官。その顔は作業着をきた大男の顔。
「あんたも良い顔になってるぞ」
男は自らの顔に触れた。そこには何もなかった。
ぼさぼさの眉毛も、目つきの悪い瞳も、つぶれたような団子鼻も、そり残しの髭後も、大飯ぐらいの口も無くなっていたのだ。
ぬっぺりとした肉の塊。それが今の男の顔だった。
「な、なんだこりゃあ」
「あんたの『顔』をいただいたのさ。だけど、目も見えるし口も聞けるだろ。機能までは奪ってねぇからな。あくまでも顔だけをいただいたのさ」
警察官は、男の顔でにやりと笑う。今度は男を押し倒し、その作業着の上半身を脱がした。そうして手を入れやすくすると、雄の臭いが立ち上るその股間へと手を差し込み、ぶら下がる肉筒を掴みとる。
「思った通り、こいつは大物だ。しかしちょっと皮が分厚いがまあいいだろう」
にゅるり。まるで漏らしたような感覚が男を襲う。それは警察官の手が男の男根の中に泥のように入り込んだ感触であった。
「あっ、ああっ」
暖かく脈動する何かが敏感な部分に入り込み、男の中をまさぐる。
また何かを奪われるのか。男はそう思った。
「ついでに良いものもやるよ」
「んうっ」
感じたことのない快楽が、男の股間からじんわりと広がっていく。熱い疼き。それは勃起した時のムラつきを何倍にもしたような衝動。
警察官の手が引き抜かれると、黒ずんだ握り飯のような物がその手に握られていた。それを大きな口を開けて飲み込むと、警察官のズボンのふくらみが目で分かるほど大きくなる。
「おうおう、付けてみると尚更でかいのがわかるな」
ベルトを外し、その膨らみを外気にさらす。黄ばんだブリーフの前窓を開くと、窮屈そうに大蛇のような男根を取り出した。
それは黒ずんだ分厚い皮で覆われた、紛れもなく男の男根であった。
「うぅ・・・」
男はそれを見ると、股間の疼きがよりいっそう激しくなるのを感じた。それが欲しかった。己の身体の一部だったからというわけではない。その形、その大きさ、それが怒張し張り詰めたチンポが欲しいのだ。
「なんでだよ・・・」
「へへ、わからねぇよな。ほれ、ちゃんと見せてやるよ」
はだけた作業着を掴みとり、その下の縞柄のトランクスも脱がせて、大男は全裸にさせられた。
日々の労働で逞しく張った筋肉と脂肪の肉壁に、いやらしい穴が開いていた。
「・・・なっ、マンコじゃねぇか」
男の股間には、奪われた男根の代わりに黒ずみ使い込まれたマンコが付けられていたのだ。
すでに愛液を垂れ流し熟した肉穴は、チンポを求めて引くついているのが見ただけで分かる。
「あんたのお気に入りの女のマンコだ。ほら、自分のチンポを突っ込みたかったんだろ?」
警官のチンポはビール瓶ほどのサイズに勃起していた。亀頭は包皮に半分ほど隠れ、そこから湯気のように臭いが立ち上っている。
男はその臭いにたまらなく惹かれてしまった。鼻の無くなった肉塊の顔を近づけ、思わずそれを咥えてしまう。しかし、口の無い顔では当然咥えることはできず、ただズリズリとふとましいチンポに顔をこすりつけることしかできない。
「へっ、マンコつけられただけでずいぶんと淫乱になっちまったな」
肉の顔にチンポをペシペシとぶつけ、男の顔で警官は笑った。乱暴に男の脚をつかみ、大きく開かせ太く固い大蛇のような男根でマンコの入り口に触れる。
先端だけで火傷しそうな熱を感じ、本当に元々自分のチンポだったのかと男は考えてしまう。本当は俺はマンコ男でチンポが好きなあまりチンポが付いていたんじゃないかと、一瞬そんなおかしなことが頭をよぎる。
馬鹿馬鹿しいと思う。しかし、心を奪われ、顔を奪われ、おまけにチンポを奪われてしまった男は、自分というものがどんどんとあやふやになっていく。
「ひっひっひ、感じるぞ。あんたがのっぺらになっていくのを。さぁ、『自分』なんてものを捨てて、のっぺらぼうになろうぜ」
「んんっーーー!!!」
自我を打ち抜くように、太い男根がマンコを貫いた。突き上げる快感とともに男の精神は崩れていく。クリトリスが擦られるたび、ホステスの女への愛情が生きる希望や夢がぼんやりとしていく。
「あっ! ああぁっ!」
膣の奥にチンポが届くたび、男の魂の形がのっぺりと丸い飴玉に変わっていく。
「いくぞ! 中にぶちまけてやる!」
警察官が吠えるとその擬態が解けていく。警官服はドロドロとした肉塊に変わり、顔とチンポだけを残して泥人形のような不定形の形へと変化していく。
その様子は巨大な人面ナメクジが男に覆いかぶさり、前後に動いているようであった。
「おおっイクッ! イクゾ!」
鈴口から精液ではない溶けた肉がドボドボと男のマンコに放たれた。男もまた口の無い顔から小さく喘ぎ声を出して、メスイキを楽しんでいる。
次第にその声も小さくなると、男の大きな身体が溶け始め、握りこぶしほどの黒い飴玉に変わる。
「イタダキマース」
巨大な人面ナメクジがそれをドロドロの身体で飲み込むと、その姿がゴムのように前後に伸び縮みをはじめ、やがて作業着姿の大男に変わった。
「さて、しばらくはこいつで楽しむか」
妖怪のっぺらぼう。夜道を歩く人間を襲い、その自我を取り込み己を保つ妖怪である。
「待てっ!」
のっぺらぼうが立ち去ろうとした時であった。
結界の張られた無限路地に若き陰陽師の声が響く。
ぽっちゃりした身体に藍色の狩衣を身にまとい、霊力を込めた呪符を構えて仁王立ちしている。
「芦屋くん、本当に憑依しなくて大丈夫なの?」
その後ろには青白く光るタヌキの魂、陰陽師の憑神として強制憑依されたコマが不安な様子で浮かんでいる。
「大丈夫。僕は芦屋家の子供なんだ。合体なんてしなくても・・・、これくらい祓ってみせるっ!」
気合とともに霊力が迸り、青白い放電が周囲に爆ぜる。雷は渦を巻き、意思があるかのように芦屋の持つ符に集まっていく。
「五雷正法陣ノ壱、雷切」
符が閃光となってのっぺらぼうを貫いた。空気が焦げたような匂いがあたりに充満し、無限路地の異空間に穴が開く。
「くそ、せっかく集めたのによぉ」
作業着の大男になったのっぺらぼうの胸に拳ほどの穴が開いていた。そこから黒い飴玉がぼろぼろと零れ落ちていく。
集めた自我を失うのにあわせ、のっぺらぼうの身体が塩をかけられたなめくじのように溶けていく。
結界が解け、住宅街にポツンと残された廃屋へと戻ってくるころには、水たまりのように汚れた畳に広がっていた。
「ふぅ」
額の汗をぬぐい。若き陰陽師は乱れた狩衣を整えた。
霊力を使った直後だからか、そのふとましい身体から大量の汗をかき、狩衣には大きな汗染みができている。
「すごい! 芦屋君あんな凄い術が使えるんだね!」
「・・・そんなに凄くないよ。曾祖父ちゃんはもっとすごい術が使えたんだって」
「そうなの? でも結界ごと妖怪も退治しちゃうなんて、あんなのボクと誠でもできないよ」
「そう・・・かな・・・」
久しく褒められたことのなかった少年は、その照れた顔を隠すように水たまりとなったのっぺらぼうの中に浮かぶ、黒い飴玉を拾い始めた。
「それどうするの?」
「陰陽連がのっぺらぼうの被害者たちの肉体を元に戻すのに使うんだよ」
「元に戻せるの?」
「うーん、後遺症とかも出るかもしれないけど、さっきの男の人とかも戻せると思うよ」
そういって、先ほどのっぺらぼうが飲み込んだ。拳ほどもある黒い大きな飴玉を拾い上げる。
「あったあった。飴玉は霊力の量でその大きさが変わるらしいけど、この人は随分と霊力を持っていたんだね」
「そうなんだ、じゃああの妖怪さんは強い霊力を手に入れたから、いつもよりもっと強くなってたのかもね」
「・・・たしかに、そうかも」
芦屋は考えた。のっぺらぼうは相手を構成する物を奪いとり、己のものとする妖怪である。その知能は他の妖怪変化に比べて非常に高い。なぜなら奪った人間の知性を使い人語を話し、罠まで張るのである。
稀に子供のように、奪った物と他人の物を付け替えるなど幼稚な面もあるが、普通に戦えば手強い妖怪だ。
「気づくのが遅いなぁ」
芦屋の耳元でのっぺらぼうが囁いた。
「なっ!」
振り向いたがそこには何もいない。慌てる芦屋にのっぺらぼうの声は楽しそうに笑い続ける。
「あんた、汗が多いから気が付かなかったのかもしれないな。ほら、着てる服のシミ。汗だけでそんなにビショビショになるのかよ」
芦屋の着ている藍色の狩衣。汗に濡れていたその布地は、まるで大雨でも降ったように濡れていた。
よく見ると、振袖の端から足元の茶色の水たまりと同じ色の水滴が滴っている。
「な、まさか」
「そうさ、お前の足先から着物を辿って、もうお前の首回りまで俺はきてるぜ」
芦屋は呪符を取り出そうと懐に手をやろうとした。しかし、その手は途中で止まり、だらりとぶら下がってしまう。まるで突然、抵抗しようとする心を失ってしまったかのように。
「あぁ、なんて綺麗な霊力だ」
のっぺらぼうの液体の身体は、すでに耳から芦屋の中に入り込み。その『抵抗心』を飴玉にして抜き取っていた。ビー玉ほどの大きさだが雷のように光り輝いている。
「大きさはそこまででもないが、質は特上物だなぁ。身体を戻すために俺の餌になってくれよ」
液体が芦屋のふっくらした顔を覆っていく。目も口も鼻も覆われて、しばらくすると顔のパーツはすべて無くなり、のっぺりとした顔が現れる。
「はぁ、さっきも中々楽しめたが、あんたの方がもっと楽しめそうだ」
顔を覆っていた液体が離れると、まるで仮面のように芦屋の顔が浮かびあがる。それは普段の芦屋からは想像もできないほど邪悪にほほ笑むと液体束にして芦屋の頭の中に侵入させた。
「もうやめてぇ!」
コマが叫び声をあげて、のっぺらぼうに突進した。しかし、霊力に満たされ始めたのっぺらぼうはその幼い魂を弾き飛ばす。
「子狸が、こいつの憑神か知らないがお前ごときの霊力では何もできん。黙ってみていろ」
芦屋の身体がビクビクと痙攣すると、パラパラと頭から飴玉がこぼれ落ちて行く。
「あんたは随分強い陰陽師のようだから、念入りにな」
自尊心。
自我を形成するものが青色の飴玉になって落ち、芦屋という若い陰陽師は己のことが曖昧に、のっぺりとしたものに変わっていくのを感じる。
経験。
これが飴玉に変わると、芦屋の手から呪布が消えた。
陰陽師。
これが飴玉に変わると、芦屋の狩衣が消え去り、むっちりした柔肌と小ぶりな陰茎が晒し出される。
「や、やだぁ」
己から奪われたものが思い出せない。しかし、奪われたことと喪失感だけはのっぺりとした芦屋の頭でもわかった。
「さて、頭の中を覗かせてもらったが、あんたはどうやら相当の変態らしいなぁ。まあ小さな頃からスケベダヌキと契約してればそうなるか」
自制心。
それはゴトリと重い音を立てて床に落ちた。他の心とは違う。彼の中の欲望を抑え込んでいた心の鎖だ。
「あっ、あぁっ」
途端に彼は悶え始めた。体をくねらせ、手を動かして乳首やチンポをいじり始める。
途端にその小さな陰茎は勃起し、タヌキのような大ぶりの陰嚢がせり上がる。
「自制心が無くなったら即座にオナニーですか」
苦笑いを浮かべると、液体を動かし手淫にふける股間全体を包み込む。
「あ゛っ」
芦屋の身体が大きく跳ねる。液体が股間から離れると、そこには小さな陰茎も大きな陰嚢も何も無い。のっぺりとした股があるだけであった。
代わりに、液体から芦屋のチンポが生えていた。ビクビクと震え、もう少しで射精するところであったことがわかる。
「気持ちよくなる前に奪ってしまって、申し訳ない」
「か、返して」
「いやですよ。せっかく奪ったんですから、楽しませてもらいますよ」
チンポが滑るように芦屋の剥き出しの尻穴へと移動する。そこはエロダヌキのせいで一人遊びを覚えた淫乱な尻穴であった。狸との契約が切れてから、芦屋はそこを弄るのを耐えてきた。しかし、自制心もなくなり、淫乱な穴に小さいとはいえチンポを擦りつけられてしまえば、もはや耐えることができない。
「チンポだぁ」
芦屋は自ら手を動かし、それを尻穴に押し込んだ。喜びの声を上げて、奪われた己のチンポで己の尻穴を犯している。
「小ぶりだが良い感度だ。玉もデカくて・・・くっ一発出すぞ」
びゅーびゅーと白いザーメンが小さな陰茎から射精される。狸のように大きな袋はその見た目に恥じぬ精力で、まだまだ枯れそうにない。
ガチガチに硬い陰茎は、射精しながらケツの中を刺激できた。なので芦屋は手を止めず、ひたすら尻穴を刺激し続ける。
「うぬぅたまらん。これは良い拾い物をした」
イっても萎えず繰り返し精液を放つ玉袋。のっぺらぼうもこれには顔が綻ぶ。
「しかし、やはり竿が物足りん。どれ、霊力も戻り始めた事だ。これを試してみるか」
そう言って、転がっていた大きな黒い飴玉をその液体の身体に取り込んだ。
途端に小ぶりの陰茎がムクムクと太く長く変わっていく。狸のような大きな陰嚢はそのままに、その砲身に太い血管が走り大蛇のように巨大になる。
のっぺらぼうが取り込んだのは、先程手に入れた作業着の大男のチンポであった。
「ぁぁぁぁ!」
さらに喜び腰を振る芦屋。のっぺりとした顔から感情を読み取ることはできないが、口や目があればきっと涎を垂らし、快感に瞳を輝かせていたことだろう。
「ぐぅぅ、イくぞっイくぞっ、何発でも出してやる!」
ポンプのように陰嚢が脈動し、ホースのようなチンポが芦屋の中にドロドロの精液を流し込む。液体に浮かぶのっぺらぼうの顔も次第に余裕がなくなり、獣のように興奮しはじめる。
何度も何度も真っ白でドロドロのザーメンを流しこむ。それでもタヌキのような陰嚢は一向に萎えることを知らない。それどころか増々ザーメンも作ろうと次第にその大きさを増していく。
のっぺらぼうはそれに気づいてはいない。興奮に我を忘れている。いや、妖怪本人すらも気づいてはいなかったが、芦屋の頭から甘い蜜のように溶けだした彼の『性欲』が流れこみ、その身に取り着けてしまった狸仕込みの陰嚢によって増幅されていることに。
「おおっ、なんヤこれはっ、止まらん止まらんヘン。なんだ、何か余計なモンが流れ込んでキヨル」
のっぺらぼうの口調が変わり始めた。
吉兵衛がひっそりと芦屋にかけていた呪術が、のっぺらぼうを侵食し始めたのだ。
それは吉兵衛お得意のタヌキ化の術。幼い芦屋を我が物にせんと、掛け続けていた呪術である。しかしそれは芦屋の霊力によって完璧には効力を発揮せず、陰嚢の肥大化とそれにともなう精力増強に留められた。
「アカン、なんだ。くっ、このキンタマのせいか。ハヨ、分離セナ」
のっぺらぼうは、相手を特定の形に縛る呪術に極端に弱かった。
己を構成する概念を飴玉に変えて奪い取る強力な妖怪だが、それはのっぺらぼう自身が自己の定義が無く。唯一定義があるとすればそれは「己が無い」ことである。
己が無いという事は、簡単に周囲からの影響を受けてしまう。タヌキ化の呪いにかかってしまえば、いともたやすくその身と意思を狸に変えようとする。
「アカン、アカンデ。このままヤト、ワイは狸にナッテマウ。セヤ、コウナッタラ」
のっぺらぼうは芦屋の全身をその身に包んだ。
それでも芦屋は尻穴で暴れ続ける大蛇のようなチンポに夢中である。
「このニクいただくデ、強制憑依ヤ!」
狸に変わりゆく自己を守るには、強固な自我が必要だった。そしてのっぺらぼうが選んだのは、芦屋への強制憑依による自我の固定化である。
もちろんリスクはあった。奪うではなく、憑依するという事は、魂を繋ぎ互いに影響を与え合うということである。
魂のバランスによっては片方は飲み込まれてしまう可能性が大いにある。
「ワイならこない小僧。簡単に飲み込めるはずや」
完全に言葉遣いの変わってしまったのっぺらぼうは、芦屋の身体と一体化していく。
奪った顔がのっぺりとした顔と重なり、大蛇のようなチンポと狸の陰嚢が股間から生える。
「おおおおおおおおお」
あたりに霊力が渦巻き青白く放電を始める。まばゆいばかりの光が廃屋を白く染める。
やがて眩しい光が収まると、その豊満な肉体を晒し若き陰陽師が無数の飴玉の中で立ち尽くしていた。
「芦屋くん?」
吹き飛ばされたコマが恐る恐る声をかける。
見た目は完全に芦屋であった。先ほど股間から生えていた大蛇のようなチンポも、元の小ぶりの陰茎に戻っている。
「大丈夫?」
コマの問いかけに、芦屋の身体がピクリと動いた。
「・・・」
「え、なに?」
「・・・ち」
「ち?」
「チン・・・、チンポほしい・・・」
「え、芦屋くん?」
芦屋は蕩けるように笑うと足元に転がる沢山の飴玉をつかみ取るとそれを自らの身体に取り込んだ。
彼の肉体は、のっぺらぼうとの合体で液体のような粘性になっていた。その肌は霊力によってダイヤよりも固く、粘土よりも柔らかくできる。
「あはぁ、チンポぉ」
その粘性の身体から無数のチンポが生え始めた。
小ぶりなチンポの根元から、大小さまざまなチンポが。ゆるく垂れた胸の乳首から子供チンポが。
「おっ、おっ、おおぉ、きもちいいっ! きもちいいいいぃぃ!」
無数のチンポを擦り自慰を始めた。
芦屋とのっぺらぼうとの強制憑依による魂の飲み込みあいに勝者はいなかった。ただタヌキの旺盛な精力に支配されてしまっただけであった。
もはや彼らは、のっぺらぼうの能力と芦屋のタヌキ仕込みの精力で自慰を続けるだけの生き物になってしまった。
「イクッ! イクッ! イクゥゥゥ!」
全身に生えたチンポから、ザーメンが噴き出す。
身体から生えた無数のチンポから生み出される射精の快楽に顔をゆがめる姿は、もはや新たな妖怪であった。
「どうしよう。僕がなんとかしないと」
しかし、コマにできることは誰かに憑依して力を与えること位しかできない。肉の身体があれば、まだ何かできるかもしれないが、魂だけの存在であるコマに今できることはない。
「ええいっ」
幼い魂が芦屋の身体に突っ込む。しかし、凄まじい電撃音とともにその魂をはじかれてしまう。
「いたた、やっぱり誰かと憑依してる人に割り込むことなんてできないよ」
憑依をしている身体に割り込んで憑依することは至難の業であった。魂がつながり、強大となった魂に並みの魂が憑依しようとしても弾かれてしまう。
「うへへへへ、もっともっとチンポほしい」
芦屋はさらに足元に無数に転がる飴玉を拾いあげると、己の粘性の肉体に取り込む。
今度は大きな陰嚢の下にぱっくりと開いたマンコが生まれ、胸の乳首が増えて複乳になり、チンポをいじる腕が増える。
この飴玉たちはのっぺらぼうが隠し持っていた今まで襲った者たちの概念であった。芦屋と合体した際にそのコレクションは全て体外に排出され、床に転がってしまった。
芦屋はそれらを再吸収し、さらに妖怪じみた姿に。己の性欲を満足させるためのケダモノに変わっていく。
「うう、どうしよう。何か、何かないかな」
当たりを見回すコマ。ふと床に転がる拳ほどの大きな黒い飴玉を見つける。
「・・・おじちゃん。少し借りるね」
コマはその大きな黒い飴玉を己の魂に飲み込んだ。
肉体を形成する概念の塊。そして強い霊力。それらがコマに憑依されることで形になっていく。
「やぁぁぁ!」
コマの叫びが蒼い風を呼ぶ。風はコマと飴玉を包み込み、形を与えていく。
岩を砕くような太い腕が生える。
強靭な脚が大地を踏みしめる。
金剛像を思わせる逞しい胸と突き出た腹。
最後に顔が生えてくるがそこには目も口も鼻もなくのっぺりであった。
その姿は、先ほどのっぺらぼうに襲われた作業着の大男だった。
「はぁぁぁぁ!」
その見た目からは似合わない少年の声で気合をいれると、その姿が変わっていく。
のっぺりとした顔に、少年の大きな瞳と犬の鼻が浮かび上がる。
全身から茶色の獣毛が生え、その肉にさらにでっぷりとした脂肪が付く。
尻から丸いタヌキの尻尾が生えると、犬顔が丸く変わってタヌキ顔になった。
コマは気づいていなかったが、その魂はいまだ狼の形を忘れてはいないようだが、コマにかけられた吉兵衛の呪がタヌキへと上書きしてしまうようだった。
「やった! うまくできた!」
しかし、そんな呪には気づかず、巨大なタヌキ獣人は子供のようにはしゃぐ。自分の合体が上手くできたかどうか、コマタヌキは全身をまさぐるように確認した。
「あ、ここは僕のままなんだ・・・」
腹肉を持ち上げて股間を確認した時、コマの手に触れた感触は獣のおチンチンがぶら下がっていたのだ。
それもそのはずである。男の身体が飴玉になる前、その大蛇のようなチンポはのっぺらぼうによって奪われてしまっていたのだ。まだその際につけられたマンコがないだけましであった。
「でもこれなら、芦屋くんを止められるかも」
コマは力強く芦屋に歩み寄ると、その体を押し倒した。
突然のことに驚く化け物だが、その強い雄の臭いにすぐに抱きついてきた。
「はぁぁ、チンポ。チンポちょうだい」
「ごめんね芦屋くん。僕、こんな方法しか思いつかなくて」
むちっりした太ももを開かせ、ザーメンをこぼす大小さまざまなチンポの下、濡れた熟女のマンコの更に下、蒸れた双丘の谷間でひくつく尻穴。若き陰陽師が性の疼きに耐えられず、夜な夜な一人を楽しんでいた狸穴。
「初めてだから・・・痛かったらごめんね」
「んっ」
「あれうまくはいんない。えーっとえーっと、あっ!」
「んああっ!」
犬のおチンチンが芦屋の尻穴にすっぽりと入り込んだ。
コマの魂から成るそのおチンチンは、コマの未成熟な精神を表すように小さい。しかし、獣の性かそのおチンチンは小さいながらも立派に固くなっており、その若さゆえに熱い。そしてその形は、身体はタヌキに変わっていたが、しっかりと狼の証である槍のように剥けたおチンチンであった。
「あううう、すごい。こんな気持ちいい・・・」
「あっ、熱い。凄い、気持ちいいぃ!」
敏感な部分を燃えるように熱く、そして槍のように固いチンポがえぐる。
それは大きさは小ぶりで物足りなくても、確実に芦屋の前立腺をえぐり、びゅくびゅくと無数のチンポから汁を垂れ流す。
「芦屋くん、そんなに締め付けないでっ。ぼくっもうっ!」
未体験の締め付けに、コマは芦屋の中に水のように薄い精液を放った。それにはコマの霊力がまざっており、中から芦屋とのっぺらぼうの合体を分けていく。
しかし、コマの未成熟な陰嚢から放たれた精液では足りなかった。いまだに芦屋はのっぺらぼうと合体したままだ。
「ううぅ、中に出すのってこんなに大変なの・・・? こんなのボクのほうがおかしくなっちゃうよ」
幼いコマにこの情事は辛いものだった。
確かに頭が真っ白になるほど気持ちがいいが、まだまだ子供なのだ。その幼い精神には『性欲』が足りなかった。
霊力とは心の強さである。術者はその為に、己の中の欲を利用する。それは山籠もりや蟲毒、房中術などの修行方法に昇華され、『欲』を霊力に変えていく。
いまコマがやろうとしている事は、房中術に近い。その為には『性欲』が必要なのだが、幼い神獣にはその欲望が足りなかった。
「あ、あぁ・・・」
芦屋が己の頭に多数生えた腕の一本を突っ込むと、青色の飴玉を取り出した。静かに放電するその飴玉を、コマの口の中に無理やりねじ込んだ。
「うわああああっ!」
途端にコマの中で火が燃えたような熱を感じた。
身体が乳首が尻穴が疼く。いやそれよりも股間のおチンチンがより固くより強く、ビキビキと反り返っていく。
薄いとはいえ、コマの精液は芦屋の意識を少しだけ取り戻すことができていた。
その少しの間、芦屋はコマの欲望が足りないのを見抜き、のっぺらぼうの能力を使い己の大きすぎる『性欲』をコマに移したのだ。
「あああっ、なにこれ、なにこれっ。腰が止まんないよぉ!」
パンパンと肉と肉がぶつかり合い始める。
コマが芦屋の尻に己の性欲をぶつけ始めたのだ。
巨大なタヌキ獣人は犬チンポをバキバキに勃起させ、狂ったように腰を振る。
「あんっ、ああんっ、すごいっ、いいっいいっ!」
組み敷かれた芦屋は性欲がなくなっているにも関わらず、その強すぎる刺激を快感に感じていた。
身体中から生えるチンポは固くなり、そろって白濁の汁をまき散らす。
たとえ『性欲』がなくなっても、彼の股間にあるタヌキ仕込みの大きな陰嚢はその刺激に反応して精液を作り続ける。
「あぁイクっイッちゃう!イッちゃう!」
二度目の精液が芦屋の中に放たれた。コマは頭の中が真っ白になりながら、それでも腰を振り続ける。
「いやっいやだぁ、とまんないよぉ!」
その身に宿った『性欲』が尽きないのだ。これっぽっちの射精では満足できないのだ。
次の快楽を次の快感を、その疼きを満たすために、幼いおチンチンで芦屋を犯し続ける。
「あぁっ! だめっ! いいっ! きもちぃぃ! こんなこんなのっああぁ!」
より深くより強く。回数を増すごとにコマは己の快楽のために、芦屋の身体を動かし折り曲げ伸し掛かる。
肉体のもとになっている作業着の大男の体躯と筋肉を生かして、持ち上げて下から突き上げることもした。
「ぐぅっ! がふっ! ぐあぁ!」
次第にコマの叫びは獣じみていった。タヌキの口からよだれをまき散らし、犬のように唸り始めた。
どうやら芦屋に精液を注ぐほどコマの理性がなくなっているようだった。
それは絶え間なく霊力を放出する事で、理性のタガが外れトランス状態になってしまったのかもしれない。
十を超えると、芦屋の口内を舌で犯しながら、その尻穴を犯しはじめた。
二十を超えると、その乳首から生えた他人のチンポを手でいじりながら、芦屋の股間にあるマンコを犯した。
三十を超えた頃には、芦屋を己のものだと思い始めた。
「おぉぉぉぉーん!」
狼のように吠えると、芦屋の肩に嚙みついた。そのまま中に今までで一番濃い精液を注ぎ込む。
「おあぁぁぁぁ!」
芦屋もまた叫んだ。それは赤子の産声のようにも聞こえ、狼の吠え声と絡み合った。
すると不思議なことが起こった。
コマの姿がタヌキ獣人から狼人へと変わり始めたのだ。
それに同調するように芦屋の姿も変わり始める。まるでコマの代わりとでも言うように、その身がタヌキ獣人へと変化していく。
のっぺらぼうの能力によって、化け物のように生えていた多椀も複数のチンポもそしてマンコも、黒い飴玉となって床に転がった。
「うまくいったの・・・?」
狼人に戻ったコマの頭から青色の飴玉がぽろりと落ちた。
狂おしいほどの『性欲』が消え、理性の戻ったコマは霊力の使い過ぎで意識が遠のいていく。
芦屋の丸々とした柔らかい柔毛の腹に顔を埋め、大神の神霊はしばしの眠りについた。